アインシュタインの相対性理論において、有名なのが「高速で動くと時間が遅れる」という現象ですね。これがどういうことなのか?ざっくり簡単に学んでいってみましょう。
光の速度は常に一定である
時間の遅れと光の速度。ちょと関係ないようですが、この事がまず大前提で重要です。
光の速度は秒速30万キロメートル。光はこの速度がぜ〜ったいに変わらないのです。
例えば、時速100キロで車を運転しているとしますね。すれちがう車が時速60キロで走っていたとすると、すれ違うその車が時速160キロで走っているように見えます。逆に後ろから時速100キロで追いかけてくる車がいたとしてもバックミラーで見るその車は止まっているように見えますね。これは「速度合成の法則」といって自分の速度と相手の速度の足し算、引き算で計算することができます。
しかし、光はそんなの無視するんですねぇ。どんな状況下に置いても速度は秒速約30万キロメートルで絶対に変わらない性質を持っているんです。
高速で動く人の時間は遅れる
光の速度が一定だとすると時間の性質についても驚くべき事実が発覚します!高速で動く人の時間は遅れるのです!
ここからちょっと難しくなってきますよ。頭をやわらかくして読んでね。
超でかい電車を想像してみてください。縦の高さは30万キロメートルもある大きな電車です。その電車には特別の時計が仕込まれており、床から天井まで光が届くと1秒とカウントされる時計が置かれています。同じ電車を2つ用意してそれぞれにAさん、Bさんに乗ってもらいましょう。
Aさんの乗っている電車にはおもいっきり速く走ってもらい、Bさんの電車は止まったままにしておきます。
Bさんの乗った止まっている電車の時計が1秒を指した時にAさんの乗った電車の時計をBさんに確認してもらいます。するとどうでしょう。Bさんから見てAさんの乗った電車の光の進行は斜めになって距離が伸びたためにまだ天井にまで光が到達していません。つまり、時計もまだ1秒を指していないのです。
Bさんからすれば、自分の乗っている電車の時計は1秒を指しているのにAさんの電車では1秒を指していない。つまり、Bさんから見て高速で動く電車に乗ったAさんの時間は遅れているといえます。
光の速度が常に一定ということは、こういうことなんですね。う〜ん。なんか騙されているような気もするけど、まぁ、何となく理解できたよ。といういう人も次の問題で頭を掻きむしろことになりますよ〜。初めて相対性理論の時間の遅れを学んだ人で次の説明をすぐさま理解できる人は殆どいないはずです。
では、いきますよ。
BさんにとってAさんの時間が遅れるというのは、上で説明した通りです。しかし、よ〜く考えてください。動いている電車に乗るAさんから見れば、Bさんの光の進行方向が斜めに進んでいるように見えるんです。
つまり、動いている電車のAさんから見てもBさんの時計は遅れて見えるってことですね。
時間ってものは、一方が遅れれば一方は進む、これが常識です。しかし、相対性理論では「時間はお互いに遅れる」ということになります。ここが、もう小学生から習ってきた常識的な理解を超えてしまうところなので普通は理解できないはずです。両方の時間が遅れるんですからね。
じゃ、結局どっちの時間が遅れてるんじゃい!って考えますね。しかし、Bさんから見ればAさんの時間が遅れていてAさんから見ればBさんの時間が遅れているんです。これが「相対=どちらも正しい」ってことです。時間には絶対的なものではないんですね。動いている人、止まっている人、それぞれにそれぞれの時間があるってことです。
これがアインシュタインが1905年に発表した特殊相対性理論の考え方です。
でもね。じゃ、上の電車の例の場合、2人が腕時計をしていたとします。超高性能な腕時計です。その腕時計は結局Aさん、Bさん、どっちの時計が進み、どっちの時計が遅れるのでしょう?どちらの時間も遅れるというのであれば、結局ふたりの時計は同じ時間を指しているのか?
答えは、Aさんの時計が遅れることになります。
「おいおい、さっきはどちらの時間も遅れるっていってたじゃねぇか?」
そうなんです。さっきまでの説明は特殊相対性理論についてわかりやすく説明したお話。次は、1916年に同じくアインシュタインが発表した一般相対性理論についてお話していきます。
一般相対性理論
特殊相対性理論は「観測者が等速直線運動をしている場合」の理論です。しかし、実際の電車の動きを見てみると加速運動をしていることが普通ですね。一般相対性理論では、「加速運動を行うものは、止まっているものや等速側線運動をしているものよりも時間の進み方が遅くなる」また「重力の影響を受けるものは重力の影響のないものよりも時間の進み方が遅くなる」としています。
>なぜ加速度運動している方の時間が遅れるのか?
>重力の影響を受けるものは時間が遅れる
つまり、上で説明した特殊相対性理論は運動の速度も方向もかえない「特殊」な観測者からみた世界でなりたつ理論です。現実の世界では、ほぼありえないんですね。そこでアインシュタインが一般化して重力も含んだ相対性理論、一般相対性理論を発表したんです。
電車は、かならず加速運動を行います。徐々にスピードが上がっていくってことです。つまり、Aさんは加速運動をしており、Bさんは止まっているのでAさんの時間だけが遅れるということになります。
特殊相対性理論での「時間の遅れ」と一般相対性理論での「時間の遅れ」は意味が違ってきます。
どうでしょう?相対性理論について少しわかってきましたか?では、光の速度を超えることができるのか?をご説明します。一般相対性理論でいえば、光に近い速度を出せばかなり未来に行けることになりますからねぇ。
>光の速度を超えることは可能なのか?
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