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ダークマターの正体とは?


 私たちの身の回りのものから、星や銀河にいたるまですべてのものは原子でできています。しかし、実は、それら私たちが認識している原子でできた物質は宇宙規模でみればたったの5%しでしかないんです。

 では、残りの95%は何なのか?それが、ダークエネルギーやダークマターといわれる謎のエネルギーや物質なのです。



 謎の物質といっても気になりますよね。まぁ、謎なのではっきりしたことはわかっていませんが、有力候補として挙げられているものはいくつかあります。

 それがニュートリノやミニブラックホール、そしてニュートラーリノというものです。

 では、まずダークマターの正体として最低限クリアしなければならない条件も見てみましょう。

 @見ることも観測することもできないもの。

 Aあらゆるものを貫通してしまうもの。

 見ることも観測することもできないので見つけることが非常に難しいわけですね。実際、ダークマターは私たちの周りにも存在しているといわれています。ですが、見えない、触れない、当然匂いもないので気づきようもないんですね。

 
ダークマターの候補 ニュートリノ

 では、候補のひとつ目のニュートリノ。ニュートリノは観測するのに特殊な装置が必要なので、まぁ見ることも観測することも難しいです。さらに他の物とも相互作用が非常に少ないので貫通します。しかし、コンピューターによるシミレーションでは、ニュートリノに満ちた宇宙では銀河が誕生しえないとされています。また、ダークマターの候補としては、ニュートリノはちょっと質量が少なすぎるともいわれています。最近では、ダークマラーの候補としては分が悪いですね。

 
ダークマターの候補 ブラックホール

 次にミニブラックホール。そもそもダークマターってなんでそんなものがあるとされているのか?話が前後しますが、改めてお話ししますね。

 渦巻き状の銀河ですが、これは数億年かけて回転しています。しかし、この回転の速度をしらべると中心付近でも外側付近でも回転の速度がほんとど変わらないことがわかったのです。普通なら中心の方が回転の速度は速くなりますよね。太陽系だってそうです。中心にいくほど重力が強くなるから回転の速度は上がります。しかし、銀河では、中心でも端っこでも回転の速度が変わらないんです。

 さらに銀河団でも不思議なことが起きていることが分かりました。銀河は各々、さまざまな方向に運動しています。普通なら散り散りになってしまってもおかしくないはずです。しかし、銀河たちは、集団をなして銀河団を形成しています。観測できる重力では、この銀河団がまとまりを保つことはできないはずなんです。

 銀河や銀河団には、なんらかの普通では観測できない未知重力が働いているはずである。これをダークマターと呼ぶようになったのです。

 つまり、ダークマターは未知の重力源ってことです。ということは、ミニブラックホールも候補となります。まぁ、光も飲み込んでしまうので観測はできません。しかも、原子レベルの超小さなブラックホールなどもないとはいえません。

 このような小さなブラックホールが銀河の隙間などに存在していればダークマターの候補となります

 
ダークマターの候補 ニュートラーリノ

 そして、ニュートラーリノという未発見の素粒子も候補に挙げられています。これは、超対称性理論という物理学の理論によって存在が予言されている素粒子です。この素粒子もほとんど相互作用しないので貫通します。さらに大変重い粒子であると予想されています。

 ですが、現在のところ、未発見ですので今後に期待といったところです。