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ブラックホールの手前では時間が止まる


 ブラックホールにロケットが吸い込まれるとどうなるでしょう。一般相対性理論によるとちょっと変な現象が起こります。

 吸い込まれているロケットを外から見ている人からはロケットがブラックホールに吸い込まれていくにしたがって徐々にスピードが落ちてゆき、シュバルツシルト半径(事象の地平線)といわれるブラックホールの手前までくるとロケットは永遠といえるほど長い間、止まって見えるのです。

 しかし、実際にロケットに乗っている人にとっては様子が違います。急速にブラックホールに吸い込まれていっているのです。

 なぜ、このようなことが起こるのか?

 一般相対性理論では、「強い重力が働くと時間が遅れる」とされています。ブラックホールは非常に強い重力を持っていますので外から見ている人からはロケットのスピードが遅れるどころか止まっているように見えるわけです。

 では、ブラックホールの手前で止まっているように見えるロケット。乗っている人は、吸い込まれずにギリギリセーフなのか?実は、違います。

 事象の地平線を越えたロケットはまるでスパゲッティのように引き延ばされていきます。これは、ロケットの先端と後方では重力に大きな違いができてしまうからです。そして、最後にはバラバラに引きちぎってしまうといわれています。

 これを利用すると宇宙の最後の姿すら見える可能性があるかもしれません。

 ロケットを外から見ている人にすれば、ロケットはずっとブラックホールの手前で止まっているように見えるわけです。それこそ、この宇宙が終わるまでの長い期間、ロケットはブラックホールの手前で止まっているのです。

 しかし、ロケットに乗っている人は時間のスピードが外の世界と違います。どんどんブラックホールに吸い込まれていきます。その間、窓の外の時間はものすごいスピードで流れていきます。1000年、2000年が「あっ」という間に流れていくのです。

 つまり、ものすごい高性能のカメラでロケットの内部から外を撮影しておけば、ロケットがバラバラになる前に宇宙の最後を撮影できる可能性もあります。

 なんていうのは、空想の世界ですけどね・・・。

 実際は、ブラックホールは光すら抜け出せない世界。撮影は不可能でしょう。ただ、真っ暗な画面がずっと撮影されるだけです。仮に撮影可能なカメラが発明されても回収は不可能です。

 ロケットが地球の重力から抜け出すのにですら秒速11.2キロの速度が必要です。それが秒速30万キロの光すら抜け出すことのできぬ重力を持つブラックホールとなれば、光の速度を超えるロケットが必要ですが、これも残念ながら一般相対性理論のよれば、光の速度を超えるロケットは作れません・・・。