←戻る

詳細(パースの鳥):

コクチョウBlack Swan

パースの鳥と言えば、まず、WA州の鳥 となっているBlack Swanコクチョウでしょう。まずは黒鳥のお話から。といっても、Carolyn Thomson-Dans and Stuart Halse "Waterbirds of South-west wetlands" Conservation からのいい加減な訳で、(  )は私のチャチャです。

1697年1月、オランダ人のWillem De Vlamingh に率いられた一隊が、ヨーロッパ人として初めて黒鳥を発見し、航行中の川をSwan川と名づけた。彼らは3匹の黒鳥を捕まえ、インドネシアのBataviaに連れて行ったが、そこで死んでしまった。(黒い白鳥がこの世にいるなどとは信じられなかったようです)
Captain James Stirling率いる探検隊は、1827年3月Swan川にボートを乗り入れたとき、多くの黒鳥が水面から飛び立つ壮観な光景を見て驚いた。彼らは毎晩夕飯に焼いた黒鳥を食べた。(壮観な光景を見て食欲がわき、dinner に roast swanを食べたのか??)

今日では哀しいことに彼らが名前を与えたこの川で黒鳥を見ることは少なくなってしまった。(まさか食べつくしたんじゃないでしょうね)
草木のある孤立したSwan川の中洲である Heirrison Island を黒鳥の生息地にするような計画をパース市は持っている。(いつになるか分からない計画で、現在はカンガルーの生息地です)

黒鳥は白い外側の翼( white outer flight feathers)(お尻の方に少し見えます)を除けば、完全に黒色で、オレンジから暗い赤色のくちばしを持っている。白い目は繁殖期には赤くなる。
雄の平均は約1.3mで、一方雌は幾分小さく1.2mである。雌はまた雄より幾分首が短い。ヒナは明るいグレーの毛でおおわれている。これは一年目を過ぎるまでにゆっくり黒色に変化する。(ヒナの毛はフワフワして柔らかそうです)

黒鳥はオーストラリア南部全体に生息し、大きな湖のある亜熱帯の北部へ進出している。きれいな川、河口、湖や塩分を含んだ沼に住む。渡り鳥ではなく生まれた場所で一生を過ごす。
黒鳥はヒナをかえした後、9月から2月(春から夏)にかけて羽毛が生え変わる。生え変わる期間は飛ぶことができないで、広く開けた湖に多くの数が集まる。
彼らは主に植物をえさとして水上で成長し、彼らの長い首を使って食べられる底から生えている水生植物や、表面の植物を食べる。5月から9月が主な繁殖期で・・・(つがいとなる様子は具体的過ぎるのでカット)。 ペアーは周りが少し高くなっている巣を木の枝や草木でつくる。普通浅い水際につくり、湖底に止めるが、ときとして落木をいかりとして使う。

年数を経た鳥は一般に永久にパートナーを変えないが、若い鳥は短期間だけのペアーとなり、養育者はその巣を放棄し子どもの世話をするためパートナーと別れる。別れた後しばしばまた一緒になりメスは一年に4回何匹かのヒナを産むことができる。3から9個の卵が普通生まれる。オス、メス両方で39日から45日間卵をあたため、彼らの巣の領域を守る。(最大数産んで、全部育ったらあっという間にすごい数になります)。

長かったお話はここでおしまい。後は写真を並べます。


41 42 80 43

最初の2枚の写真はLake Monger モンガー湖です。湖の北側の指定の場所で売っている餌以外をあげてはいけないのですが、観光客はパンなどをあげるので人を見るとすばやく寄って来て、だめだと分かると、スーと湖の真ん中へ去って行きます。1番目の写真は実際にパンをあげているいけない観光客の手です。2枚目の手は奥様で手の中には何もありません(これって良いことなの?)。
もう1枚はLake Joodalup で餌を上げていた家族に群がる鳥達です。膝の上にまで乗ってきて、ヒッチコックの鳥という気味悪い映画を思い出しました。
最後の写真はSouth Perthですが、Swan川にもまだ若干黒鳥はいます。

44 45 46 47

白鳥の子どもは黒く、黒鳥の子どもは白いと言うが、実際は灰色です。ふわふわした毛で、水に入ろうとするところの写真でわかるようにまだ羽根は短いままです。親1羽の周りに子どもが5羽いました。最後の写真のように子どもも大きくなるとくちばしは赤くなり、羽も黒色がまじってきます。

48 481 49

最初はオーストラリアのどこにでもいるマミジロカルガモ Pacific Black Duck の親子です。くちばしから目にかけての黒い縞が特徴です。
2枚目はカモの一種Australian Wood Duckの親子。子どもは羽毛がフワフワしています。
3枚目は、Lake Joondalupで群がるカモの中で見た一匹の変な鳥です。喉に袋があり、尻尾が魚のようで、突然変異の新種か、半魚鳥かと興奮して写真を取りまくりました。帰ってから、オーストラリアの鳥図鑑を見ると、Musk Duckの雄とあり、カモの仲間でした。Muskとは麝香(じゃこう)のことで、匂いが強いとの事です。WAの水鳥の冊子には、こんな話が載っていました。
「1791年、一匹の非常に珍しい黒ずんだグレーの羽毛を持ち、喉にトカゲのように袋を持つ鳥が打たれ船に持込まれたが、船中に麝香の耐えられない匂いを放出したと、Captain George Vancouverは文句を言った」

カモにはいろいろな種類がいて、私には区別がつきませんが、Hyde Park の看板には下の3 種類の説明があった。

「Waterbirds of South-West Wetlands」や、「The Slater Field Guide to Australian Biers」をパラパラ見ると、Austaalian Shelduck, Australlian Wood Duck, Pink-Eared Duck. Grey Teal, Mallard, Hardhead, Blue-billed Duck などもっといろいろな種類がいるらしいし、名前も看板とは異なっていました。

50 51 52 53

左端はPurple Swamhen(大型のバン)で、頭の上まで伸びた赤いくちばし、赤い目と、尻尾の下だけ白く他は紫っぽい黒い羽根を持っていて、大またですばやく歩きます。45cmくらいのけっこう大きな鳥です。
2番目は先端が黄色い赤いくちばしを持つDusky Moorhenネッタイバンで、1-3匹のオスと各々のメスの群れで行動します。35cmくらいの大きさです。
3番目はEurasian Coot オオバンでオーストラリアのどこの沼にでもいる常連です。くちばしが白いのでDusky Moorhenネッタイバンと簡単の区別がつきます。大きさは30-40cmです。ヨーロッパ、アジアにもいて、日本にもあちこちの沼に居ます。
最後の写真で、親はくちばしが白いが、子どもは赤くなっています。同種のバンDusky Moorhenの親のくちばしは赤です。子どもは見たことありませんが白いのかもしれません。もしそうなら、黒鳥の子は白く、白鳥の子は黒いのと同じことになります。

54 55 56

折れそうなほど長いくちばしを持つAustralian White Ibis シロトキは70cmぐらいとけっこう大きな鳥ですが、小さな沼などでも良く見かけます。2枚目は写真を撮ろうと追いかけたら飛んで逃げたところです。

最後はHyde Parkの池で見かけたくちばしがスプーンと言うよりヘラのようになっている鳥で、Yellow Billed Spoonbill キバシヘラサギでしょう。なにしろ、光学ズーム3倍、手振れ防止機能なし、三脚なしですからピンボケ写真です。

とさかが特徴のGreat Crested Grebeカンムリカイツブリは日本で見られます。
次の2枚は鵜(ウ)の一種 little Black Cormorant で、魚の群れの回りで群れを成しています。日の当たるところで良く羽根を広げて乾かしているのを見かけます。

パースの近郊都市Guildford で見た90cm位の結構大きな鳥で、名前はAustralian Darter(Snake bird)ヘビウです。最初は左右それぞれの写真にいる右側の鳥のようにそんなに首が長いとは思いませんでしたが、左の鳥がスルスルと首を伸ばし、遠くから見ると蛇のようでギョットしました。ヘビウという名前がぴったりです。

 

 

Penguin Island ペンギン島のDiscovery Centreでは10:30am、12:30pm、2:30pmにペンギンに餌付けをしながら、解説してくれます(9月中から6月初めまで)。このペンギンは35cmほどの小さなペンギンで文字通りLittle Penguin という。オーストラリアの南の海岸沿いにいる種類です。
10月のペンギン島では、そこいらじゅうでカモメのヒナが育っていました。見晴台まで歩くと親がギャーギャーとうるさいく、鳥恐怖症になった私は周囲に人影のない鳥の世界に踏み込んだ感じでビクビクしながら登りました。良く見るとカモメの目は怖いですね。


陸の鳥

黒と白のまだらの鳥はAustralian Magpie(マグパイと読む)カササギフエガラスです。オーストラリア内の地域によって背中が黒い Black Backed や、背中が白い White Backed など幾種かいます。街中を我が物顔でかっぽしていて日本のカラス並みです。ただし、鳴き声は意外にきれいでした。

ジョギングの途中、高い木の上にワトルWattlebirdを見つけ、上を向いてデジカメを構えていたら、突然マグパイAustralian Magpie が一直線に急降下して来て、頭を突つかれた。たまたま帽子をかぶっていたから良かったが、カメラをのぞいていて、突然の衝撃に最初は何が起こったかわからなかった。さらにもう一回攻撃して来たのでよけようとして車道に踏み外し、車に大きくクラクションを鳴らされてしまった。木の上に巣でもあって、カメラを向けたので、攻撃されると思ったのだろう。

マグパイMagpieはカササギの総称で、カササギに似たカササギフエガラスも指すと辞書にある。「The Slater Field Guide to Australian Birds」では「Australian Magpie(Bell-Magpie)は通常Magpieと呼ばれ、オーストラリア全土にいる。黒白の模様によっていくつかの種類に分かれる。さらに、縄張り内では非常におとなしいが、巣作り中は人間に対し攻撃的になり厳しい損傷を与えることがある」と書いてあります。
春は、マグパイの繁殖期で、攻撃的なので気をつけてください。

どこにでもいて、尾っぽを、つまりお尻をいつも横に振っていて、チョロチョロしているのが Willy Wagtail ヨコフリオオギヒタキです。落ち着かないでチョロチョロするので、写真を撮るのに苦労します。名前に、尾を上下に振る Wagtail セキレイと付いていますが、実際は尾を横に扇のように振るFantail オウギヒタキの仲間で、誤って名づけられたようです。

一つ前に出たマグパイMagpieは35-45cmと大きな鳥で、攻撃力も強いのでしょう。しかし、この20cmしかない小さなWilly Wagtail が2匹でマグパイを追い払っているのを見ました。巣でも襲おうとして逆襲されたのでしょうか、2匹に徹底的に追い立てられていました。いずれにしても、巣を守る方が必死なので強いということなのでしょう。

私はなんと、このWilly Wagtail にも襲われてしまいました。木の上から頭を狙ってしつっこく攻撃してきました。マグパイのときは帽子をしていましたが、今回は無防備。しかも当方頭髪が不自由ときている。20cmもないくらいの小さな鳥でも迫力があります。頭を抱えて逃げ出しました。白いものを狙うのか?光物?失礼な!
通りの向かい側の犬も急降下を繰り返し威嚇されていました。もっとも犬はジロリとにらんだだけで、ものともしませんでした。
いつもチョロチョロとし、尾を横に振るので、落ち着かない小さな鳥だなと馬鹿にしていましたが、本を読むと、活動的、攻撃的で、恐れを知らないとありました。恐れ入りました。



この結果から、一番強いのは犬で、次がWilly Wagtail 、3番目はマグパイで、一番弱いのが私ということになってしまいました。



余談だが、カラスが3まで数えられるのをご存知ですか?なるほどと思ってしまう方法で研究者が調べているのでご紹介したい。

登っていく人が見え、てっぺんに人が隠れられる場所がある塔を建てる。そして、てっぺんの見えるところにカラスの好きな餌を置く。
まず、1人登り、すぐ降りると、カラスはすぐ餌を取りに来る。2人でも同じ。3人登って、3人降りると餌を取りにくるが、3人登ったのに2人しか降りてこないと、カラスは餌を取りに来ない。3までの引き算もできるらしい。しかし、4人登って、3人しか降りていないのに餌を取りに来たり、4人とも降りたのに餌を取りに来なかったりと、4人になると混乱する。
このことから、カラスは3つまでしか数を数えられない、というか3つまでは数を数えられることがわかったという。


パースは鳥が人家の近くに多くいます。City以外ではどこでも鳥の声が聞こえる気がします。Apartmentの窓から見える赤い花が咲くBottlebrushの木にもよく鳥が来て椅子に座りながら観察できました。10月に入り、花がしおれてくると、めったにこなくなりましたが。パース市内も便利ですが、鳥の声が聞こえる郊外も良いものです。

最初は喉のところが赤いので、ミミダレミツスイWattlebirdの仲間のSpiny-cheeked Honeyeaterだと思います。
次は、ちょうど飛び上がって逃げるところなので伸び上がっていますが、Yellow Wattlebird でしょう。
3枚目は Araluen Botanic Parkで見た Red-Browed Finch で、まさに赤い眉毛をしています。

1枚目は道路際にいたモモイロインコGalah です。
2枚目はパース市内の総督邸で見たLaughing Kookaburra ワライカワセミです。アパートメントでも大声で誰かが笑っていてうるさいと思って外をのぞくと、隣の家の屋根に2匹並んで止まっていました。逆光で写真がとれなかったのが残念です。いずれも市街地でのことです。

 

 

アパ−トの庭には、オオムの仲間のRainbow Lorikeetがもっとも多くきました。人をあまり恐れず、鋭く、けたたましい声で鳴き、一度に10匹も来るとさすがにうるさいです。
次に多く来たのが、2、3枚目の、ミミダレミツスイWattlebird か、ミツスイHoneyeater の仲間だと思います。近づくとすぐ飛んでいってしまうので望遠のないカメラでは良い写真が撮れませんでした。

  



散歩がてら良く鳥を見に行った場所は、Hyde Park、Lake Mongerと、Queens Gardens です。

Hyde Park は、パース駅から北へWilliam Streetを1kmと少し行ったところにある。回りを木々に囲まれた周囲500mほどの二つの池があり、その中心に人が入れない島があります。特に何があるわけでもないが、水鳥が多く、大きな樹木も多く静かでのんびりするには良い公園です。

Lake Monger はパース市内観光で定番の場所で、パンフレットなどのコクチョウの写真はたいていここのものです。

East PerthのQueen's Gardensは小さな公園ですが、池があり、花があり、鳥がいますが、人は少ないという理想的な公園です。ときどき、カメラを持って鳥を撮っている人を見かけます。

これらの鳥の名前の多くは、野鳥観察(バードウォッチング)の記録 www8.ocn.ne.jp/~yamazaki/ の山崎さんから教えていただきました。やはり詳しい人に聞いてみるのが一番です。

←戻る