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詳細(ハエ): 

ハエを追い払う仕草がAustralian Salute(=オーストラリア式敬礼、挨拶)といわれるほど、ハエはオーストラリアでの暮らしの中で避けることができないものになっています。日本語では「五月蝿い(うるさい)」と書きますが、パースでは夏、10月から1月までがハエの季節です。最も多いのがブッシュ・フライ bush fly とハウス・フライ house fly です。

ブッシュ・フライ(これが一番うるさいハエです)
ブッシュ・フライは、オーストラリア国内にいる2000万頭もの牛の糞を繁殖場にし大量発生します。
ブッシュ・フライは、冬の間暖かいWA州北東部の大規模な畜産農場で死に絶えることなく冬を越します。
9月、10月に気温が上昇し始めると活発になり、急速に繁殖、急増します。
毎年10月上旬にハエが風に乗って南西のほうに運ばれて来て、パース周辺でも突然ハエの数が増えます。
12月にはピークに達し、その後、夏の暑さで牛の糞が乾燥してくるため繁殖率が低下し、1月の終りまでには大幅に減少します。 
戸外でバーベキューの肉などに群がるのは卵を産むのにタンパク質を必要としている小さいメスのハエです。人の汗や唾液を目当てに、しつこくまとわりつき、とくに口をねらってくるので閉口です。

ハウス・フライ
名前の通り、家の周りで繁殖し、屋内に入りたがります。多くの家のドアには別に片開きの網戸があります。
主に、ごみ箱の腐敗した食物や苅られた芝などに卵を産んで繁殖します。食べ残したものをきちんと始末し、ゴミ袋の口を結ぶなど卵を生みつける場所をなくすことが大切です。

以上は、パース在住日本人向け新聞のWEB版 J.A.News、www.janews.net、の記事を基にさせていただきました。

John Forrest National Park での帽子にたかるハエの写真をごらんください。多少大きめのショウジョウバエのようなハエなので汚いというより、顔の前をチョロチョロしたり、口の周りにぶつかったり、わずらわしいことこの上ないのです。野外では家の中などに入らない限り、いつまでも追いかけて来るし、またどこにでも新たな敵が出現します。追い払う腕がくたびれて、頭に小型の扇風機を乗せたいくらいです。頭からかぶる虫避けようの網を売っているようですが、パース近辺でかぶっている人は見かけませんでした。私は日本の通販でネットを内蔵している帽子を購入して9月にパースに持参し、勇んでJohn Forrest National Park に行きましたが、残念ながら(?)ほとんどハエは居ませんでした。滞在した10月24日までこの帽子の出番はありませんでした。

現地の人は、顔の前のハエは追い払いますが、それほどは気にしていないように思えます。
TVでインタビューに答えていた野党党首の顔にハエが2匹止まっていましたが、平然と話していました。
アフリカへ行った日本人が食べ物にたかる蝿を必死で追い払っていると、現地の人が「蝿はそんなに食べないから心配ないよ」と言ったという小話を思い出します。

2006年2月3日オーストラリア・ゴールドコーストのロイヤル・パインズ・リゾートで行われた女子ゴルフのANZレディース・マスターズ第2ラウンドで宮里藍さんがパットを打つ瞬間に、まといつくハエを追い払いました。このときボールが動いたので役員を呼んで確認し、風によるとしてそのまま打ちました。終了後ビデオでパターのヒールがボールに当たっていたことを確認し、誤所からのプレーで 2ペナとなってしまいました。憎っくきはハエ!

「6,500億匹のハエ」 毎日デイリー・ニューズ 2004年12月15日より
 真夏を迎えたオーストラリア南東部のビクトリア州で、6,500億匹を上回るといわれるハエの異常発生が問題となっています。2年連続の猛暑などが原因で、効果的な対策もないという。大発生しているのは日本でも見られるクロバエ(体長7〜15ミリ)で、豪州国立科学・工業研究機構は、「発生数はビクトリア州で今年1年で6,500億匹に達すると推計している。
ハエのふ化と成長が非常に早くなっており、ハエを食べるクモなどの捕食者の数が追いついていない」という。今後は「捕食者が増加し、夏の乾燥した天候が続けば自然とハエも減っていくだろう」と予測している。
ハーブを窓辺に置いたり、ハエが嫌がるとされる黄色い服装や、ネット付きの帽子もあるが、最後は「がまんが一番」ということだ。