『戦艦バウンティ号の叛乱』MUTINY ON THE BOUNTY(1935年・米)
監督:フランク・ロイド。
1787年イギリスの戦艦バウンティ号はパンの木1000本をタヒチ島まで取りに行き、それを積んで帰ってくるという使命を帯び出帆した。その頃のイギリス戦艦には正式なイギリス海軍人だけではなく強制的に徴用された水平や、罪を犯した刑罰替わりに乗員させられた者を含んでいた。そして艦長ブライは彼らのような乗員に過酷な重労働を強い、私利私欲のために彼らの食料を削ることまでしていた。副官であるクリスティアンはブライ艦長の行動を苦々しい思いでみつめながらも、怒りに暴発しようとする乗組員たちを抑えていたが、ますますひどくなるブライの暴虐に耐え切れず、タヒチからの帰路とうとうブライ達を船から降ろしバウンティ号を乗っ取る。 |
『死ぬまでにしたい10のこと』my life without me(2002年・カナダ/スペイン) 監督:イザベル・コヘット
23才のアンは、失業中の夫と二人の娘と母親の家の裏庭のトレーラーを住まいとし、大学の清掃の仕事をしていた。裕福ではないが、それなりの毎日を過ごす彼女はある日急な腹痛で倒れ、病院に運ばれる。そしてそこで、ガンで余命2、3ヶ月と告げられる。夫にも母親にもそのことを告げずに一人深夜のカフェで「死ぬまでにしたい10のこと」を書き綴り、その日から死ぬための準備をはじめる。 2003年11月22日(パラダイススクエア) |
『すべては愛のために』BEYOND BORDERS(2003年・米) 監督:マーティン・キャンベル。
ロンドン社交界の著名な富豪の息子ヘンリーと結婚したサラは、幸せの絶頂でヘンリーの父親主催の慈善パーティーに出席していた。するとそこに一人の青年医師ニックがヘンリーの父親が救援物資の提供をストップしたことに抗議するために乱入してくる。エチオピアの難民の窮状を始めて知るサラ。ニックの姿と言葉に突き動かされたサラは私財を投げ打ちエチオピアに向かう。そこで目にした難民の窮状、そして危険に身をさらしながらも献身的に救援に従事するニックの姿。それはサラの心を変えるには十分であった。そしてニックもまた純真なサラに惹かれるが・・・。 2003年12月22日(ヴァージンシネマズ泉北) |
『シービスケット』SEABISCUIT(2003年・米) 監督:ゲイリー・ロス
1930年代アメリカ大恐慌時代。自動車販売で成功し富を成したが息子を事故で亡くし、妻にも去られたハワード。馬から自動車への移行で時代遅れとなってしまったカウボーイのスミス。ジョッキーとしての才能を持ちながら大恐慌のため一家離散となり、ジョッキーとしては大柄のため不遇な日々を送るレッド。そして彼らと同じく競走馬として計り知れない可能性を持ちながら小柄であるということから数々の調教師から見放され、性格も荒れ人を寄せ付けない馬となってしまったシービスケット。彼らの出会いが、大恐慌時代という誰もが夢と希望を失くし失意の日々を送っていた時代に、夢と希望と、そして諦めない勇気を人々に与えることになる。 2004年1月26日(敷島シネポップ) |
『殺人の追憶』MEMORIES OF MURDER(2003年・韓国) 監督:ポン・ジュノ。
1986年、ソウル近郊の農村で若い女性の変死体が発見される。手足を拘束され頭部にはガードルを被せられていた。地元の刑事パクが相棒のチョと共に捜査にあたる中、また同様の手口による変死体が発見される。決定的な証拠もなく、有力な容疑者すら浮かばなかった。そんなある日ソウルからソ・テユン刑事が派遣されてくる。強引な尋問と拷問により犯人逮捕に結びつけようとするパク刑事とは対照的に資料を読み込み独自の推理で犯人像をくみ上げていくソ刑事。ことごとく対立する2人。しかし彼らの衝突を尻目に犯人は次々と犯行を重ねていく。 2004年4月12日(動物園前シネフェスタ) |
『真珠の耳飾りの少女』Girl with a Pearl Earring(2003年・英) 監督:ピーター・ウェーバー
1665年、オランダのデルフト。タイル職人の父親が失明したため、家計を助けるためにグリートは画家フェルメールの家へ奉公に行くことになる。気位の高い妻カタリーナ、彼女の母親で家計を取り仕切っているマーリア、そして6人の子供たち。大家族の中に住み込みで働くことになったグリートは毎日を過酷な労働に費やしていた。ある日フェルメールのアトリエの掃除を命じられたグリートはそこで彼の完成間近の絵に魅せられる。グリートをこの家で唯一自分の絵の理解者であると感じたフェルメールはやがて彼女の優れた色彩感覚に気付き絵の具の調合を手伝わせるようになる。お互いの心に秘めた想い。その想いが画家とモデルとして2人を向き合わせるが・・・ 2004年4月26日(動物園前シネフェスタ) |
『サヨナラ』Sayonara(1957年・米) 監督:ジョシュア・ローガン。 朝鮮戦争で活躍した空軍パイロットのロイド・グルーバー少佐は、日本での内地勤務の辞令を受ける。彼と同じく日本勤務となったケリーは以前からつきあっていた日本人女性カツミとの結婚を望んでいたが、軍では日本人女性との結婚は事実上禁止とされていた。ケリーの元上司でもあるグルーバーも強く反対するが、彼の意思は曲げることが出来ず、結婚の立会い人となる。ロイドは将軍の娘でもある婚約者アイリーンと日本でのデートを楽しむが、突然軍人を捨ててもいいぐらい私のことが好きなのかと問われ、軍人の妻として最良であるとしか考えていなかった彼は戸惑い、そのことが原因でアイリーンとは疎遠になってしまう。そんなとき、日本で知り合った海兵隊のマイクから松林歌劇団の公演に誘われそこで歌劇団の花形スター、ハナオギに心惹かれてしまう。男性との交際をきつく禁止している松林歌劇団の団員であるハナオギ、日本人女性との交際を禁じられているアメリカ軍人のロイド、人目を忍び交際する二人だが・・・。 |
『シルミド』SILMIDO(2003年・韓国) 監督:カン・ウソク。
1968年、北朝鮮特殊工作部隊による大統領襲撃未遂事件をうけ、韓国政府は極秘に「金日成暗殺」のための特殊部隊を結成する。1986年4月に結成されたことから「684部隊」と呼ばれる彼らは、元は死刑囚や重罪を犯した者たちで、シルミ島に集められ過酷な特殊訓練を受けることになる。彼らがシルミ島に来てから3年。一流の特殊工作員となった彼らに、いよいよ実行命令が下る。ところが決行直前中止命令が出される。政府の外交路線の変更されたのだ。そのため、この計画もこの計画のための彼らも政府にとってあってはならないものになってしまう。何としても彼らを助けたい訓練隊長のジェヒョンは何度も上層部と交渉するが、政府が下した命令は「684部隊」抹殺だった。 2004年6月27日(アポロシネマ) |
『スパイダーマン2』SPIDER-MAN 2(2004年・米) 監督:サム・ライミ。 グリーン・ゴブリンの事件から2年。新聞社でカメラマンのアルバイトをしながら大学生として過ごすピーターは、街で事件があるとスパイダーマンとして事件解決のために活躍していた。しかし、スパイダーマンとして活躍するために、大学もアルバイトも疎かになり、密かに思いを寄せる今は舞台女優として活躍する同級生M.J.にも思いを伝えることが出来ず、父を殺したスパイダーマンに復讐を誓う親友のハリーにも真実を告げることが出来ず、苦悩する日々を送っていた。そんなある日ハリーの出資する科学者ドクター・オットーが人口知能を持った金属性のアームを装着した実験中、事故が起こり、そのアームに人格を乗っ取られドクター・オクトパスと化し、スパイダーマンの前に立ちはだかる。 2004年7月12日(TOHOシネマズ泉北) |
『酔画仙』CHIHAWSEON(2002年・韓国) 監督:イム・グォンテク。
朝鮮時代末期、開明派の学者キムは町で殴られている貧しい少年スンオプを助け、その時に彼が握っていた絵に才能の一端を感じたキムは彼を自宅に連れ帰るが、自分を養うほどの余裕がないと感じたスンオプは自らキムの家を去る。それから数年後キムは画材屋で働くスンオプと再会する。彼の絵を見たキムは幼い彼の描く絵に感じた才能は間違いのないものだったと確信したキムは彼に絵の修行をさせるため通訳官の家に彼を預ける。やがてスンオプは絵の才能を開花させ画家として名を馳せるようになるが、貧しい生まれの出身だということが常に彼についてまわり、酒に溺れる日々を過ごす。 2005年4月4日(OS劇場C・A・P) |
『Shall We Dance?』Shall We Dance?(2004年・米) 監督:ピーター・チェルソム。
シカゴの弁護士、ジョンは仕事も順調、誕生日には必ず家族揃って祝ってくれる優しい妻と息子に娘という家庭にも恵まれ、何一つ満たされないもののないはずの彼が、ふと心に持ってしまった空しさ・・・その答えが通勤電車の窓から見たダンス教室の窓辺に立つ女性にあるかのように思ったジョンは、思わず電車を降りダンス教室へと向かう。最初は窓辺に立っていた女性ポリーナに魅かれて流れのままにダンスを始めたジョンだったが、やがてダンスの楽しさに目覚め、ダンスに夢中になっていく。 2005年5月5日(アポロシネマ) |
『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』 EPISODE3 REVENGE OF SITH(2005年・米) 監督:ジョージ・ルーカス。
クローン大戦が勃発し、アナキンとパドメが秘密の結婚式をあげてから3年。パドメはアナキンの子を身篭る。無邪気にそれを喜ぶアナキンだったがパドメはそのことで二人の秘密がバレることを恐れていた。そんな中分離主義者の勢力はますます拡大し、戦争の終焉は訪れそうになく、共和国最高議長パルパティーンは任期が過ぎてもその座を退こうとはしなかった。パルパティーンの動向に疑問を抱くジェダイ評議会はパルパティーンに近いアナキンにスパイ役をあたえるが、パドメが出産の際に命を落とすという夢を見たアナキンは「死から守ることの出来る力」の話をパルパティーンから聞かされ、シスの力に魅かれていく。 2005年7月11日(TOHOシネマズ泉北) |
『シン・シティ』SIN CITY(2005年・米)
監督:フランク・ミラー。ロバート・ロドリゲス。
犯罪がはびこる「罪の街(シン・シティ)」。ここで繰り広げられる三つの物語。醜い傷跡の残る顔のせいで女から相手をされないマーヴは生まれて初めて自分に愛をくれた高級娼婦ゴールディが殺され、その敵討ちに命をかける。 2005年10月3日(アポロシネマ) |
『親切なクムジャさん』(2005年・韓国) 監督:パク・チャヌク。
13年前、20歳で少年の誘拐し、殺害した犯人として捕らえられ、その美貌のため世間を騒然とさせたクムジャ。刑務所の中では模範囚で所内の者みんなに優しく「親切なクムジャさん」と呼ばれていた。ところが刑期を終えて出所した彼女には、刑務所内で見せていた優しい微笑みはなく、彼女を出迎えた伝道師の優しさを疎ましげに拒絶する。そして赤いアイシャドーに冷たい瞳の彼女は13年前から心に決めていた復讐のために、刑務所内で練ってきた作戦を開始する。 2005年12月5日(動物園前シネフェスタ) |
『幸せのちから』THE PURSUIT OF HAPPYNESS(2006年・米)
監督:ガブリエレ・ムッチーノ。
ニュービジネスだと全財産をつぎ込んで骨密度を測る新型医療機器を買い込み、大儲けが出来るはずが思うように行かず苦しい生活を強いられているクリスは、昼も夜も働く妻の収入に頼っていた。それでも家賃も税金も払えない日々。やがて妻にも去られた彼は、一人息子を抱えながら証券会社の正社員を目指し、養成コースを受講する。息子のために、自分のためにホームレスとなりながらも夢の実現を目指す。 2007年1月29日(TOHOシネマズ泉北) |
『守護神』THE GUARDIAN(2006年・米) 監督:アンドリュー・デイヴィス。
これまでに200人以上の人命を救ってきた伝説の海難レスキュー隊員ベン・ランドールは、救助作業中の事故で長年の相棒を失ってしまう。心に大きな傷を負ったランドールは現場復帰の前にレスキュー隊員養成の"Aスクール"で教官をするように勧められる。軍隊をも凌ぐ過酷な訓練の中、抜群の能力を発揮するジェイク・フィッシャーにランドールは目を留める。元高校の水泳チャンピオンで、将来を嘱望されていたはずの彼がなぜレスキューに?トップに拘り、勝手な行動をする彼の過去を調べたランドールはフィッシャーもまた、自分と同じように心に深い傷を持つことを知る。 2007年2月15日(MOVIX八尾) |
『世界最速のインディアン』The World's Fastest Indian(2006年・米)
監督:ロジャー・ドナルドソン。 ニュージーランド、インバカーギルに住むバートは60歳を過ぎてもなお、40年以上前の骨董品と呼んでもおかしくないくらいのバイク"1920年型インディアン・スカウト"をとにかくお金をかけない方法で自分なりに改造し、世界一速く走ることを夢にみていた。その夢を叶えられる場所はアメリカ、ユタ州のボンヌヴィル。ボンヌヴィルに行くことを夢みながら、バイクに改良を重ねる毎日。そんなある日バートは心臓発作で倒れる。ボンヌヴィルに行けるのは今しかない。そう決心したバートは何とか旅費を工面し、愛車インディアンと共にアメリカへの長い旅に出る。 2007年2月18日(MOVIX八尾) |
『シッコ SiCKO』SiCKO(2007年・米) 監督:マイケル・ムーア。
西側諸国で唯一、健康保険制度がなく国民すべてが民間保険に頼るアメリカで、4700万人いるとされる無保険者を追うのではなく、もしものためにと保険に加入していながらも、保険会社の営利主義のために、様々な被害を受けたアメリカ国民を追い、アメリカの信じられない医療制度の現実を取り上げたドキュメンタリー。 2007年9月3日(MOVIX堺) |
『その名にちなんで』The Namesake(2006年/米)
監督:ミーラー・ナーイル。 アメリカで暮らすアショケは故郷インドで美しいアシマと見合い結婚をして、夫婦二人ニューヨークで暮らすようになる。やがて誕生した息子にアショケは昔列車事故に遭い九死に一生を得た時手にしていた一冊の本の作家ゴーゴリの名を付ける。しかし成長したゴーゴリはその名が変人と言われた作家であると学校で教えられ級友たちにもからかわれ、次第にその名前を疎ましく思うようになる。そしてアメリカで生まれアメリカで育った彼はインド人としての生活さえも疎ましく思うようになる。離れていく息子を悲しく思うアショケとアシマ。 何とも淡々とした物語です。ちょっぴり眠くなったことは認めよう(笑)。 それにしても父親が死んで悲しんでいるのに旅行は予定通り行きましょうとか、私のこと考えてよみたいなこと言うアメリカ人の彼女ってどうよ?(笑)。しかも初対面の両親にアショケにアシムってフランクに呼ぶのって・・・ねぇ。アメリカ人ってこうなの?日本人の私には考えられないし、これって思いっきり引いちゃったよ。ま、ゴーゴリのインド人としての意識を考えさせるための描写でわかりやすくしてるだけで、アメリカ人に対する反感はないんだろうけどね。あ、でもちょっとはあるかな?(笑)。 この作品で私は自分の日本人としての血をすごく意識させられた。生活習慣は紛れもなく西洋化されて、絶対にそっちの方が便利で今さら昔の日本のような暮らしをしろって言われたら無理だって言いきれるんだけど、精神的なものは、やはりどうあがいても日本人なんだなと思う。「その名にちなんで」これは名前の意味ではなく、その名を与えてくれた人の思いと共に自らはある。っていう意味なんじゃないかな。民族に固執すると話がおかしくなるんだけど、その民族であるという誇りはそれぞれに持ってしかるべきなんじゃないかなって思う。インド人の映画を観て日本人としての自我が芽生えた私(笑)。 2008年1月4日(テアトル梅田) |