プロ集団・シーシェパード                                           岡森利幸   2010/4/4

                                                                    R1-2010/4/5

以下は、新聞記事の引用・要約。

読売新聞朝刊2010/3/13 社会面

シーシェパードが過激活動で寄付を集めている。欧米中心に寄付に応じる個人や企業も多い。

グリーンピースの一派、シーシェパードは過激な捕鯨反対運動を繰り広げている。海賊まがいのことをし、実力で捕鯨業務を妨害してきた。シーシェパードは、日本の捕鯨船をしつこく追尾し、捕鯨船からの放水にもひるまず、捕鯨船に酪酸入りのビンを投げつける、レーザー光線を照射する、ロープを海に投げ入れて船のスクリューにからませようとする、自らの船をぶつけようとする……などのすさまじさ。その効果は絶大で、日本の捕鯨船団は相当悩まされ、捕鯨の数量もわずかな数に限られたというから、シーシェパードとして今期は大成功だった。

グリーンピースがクジラを保護しようとすることは、彼らの重要な活動の一つで、クジラの肉を食べる習慣のない欧米の人たちからの支持を受けやすいし、その活動に賛同した人たちから寄付金を集めやすい。その活動を派手にやれば、メディアにも取り上げられるから、集金効果がますます高まるのだろう。世界中からの寄付によって相当な資金力を得ている様子がうかがえる。寄付金を集めて活動することを言い換えれば、活動するから寄付金が集まるのだ。ただし、地球環境を守るというグリーンピースの「崇高な精神」に従って活動しているかは疑わしい。彼らは寄付金のためにやっているといった方がいいかもしれない。つまり、活動することが〈金になる〉のは、それがビジネスとして成り立つのだ。

具体的な活動を世に示すことで、寄付を集めやすくしている。反対運動するためには、金がかかる。行動を具体化するためには何事にも資金が必要だ。代表して活動する人ための生活費も補償しなくては、やっていけない。(ただ働きをさせるボランティア活動の方が、むしろ、いかがわしい。金のない政府や自治体がボランティア活動を奨励するものだ。) 寄付金を集めるという手段は、実に有効だ。一人ひとりはわずかな寄付でも、結集させれば大きな力になる。寄付金を集めても何もしない詐欺のような組織もあるから、その分で言えば、彼らはまともな方で、言行一致している。心の中ではマネーがちらついていたりして。

ただし、金で雇われている人たちを軽蔑してはいけない。彼らは自分の生活のためにも、抗議船に乗り込むことを「職業」として選んだものだろう。あなたも仕事を選んだのは、そんなところだろう。(私の場合は、趣味で仕事をしていた!) 彼らは、捕鯨を反対する人たちのために一役買って代行しているのだから、いわば、サービス業者の一種だろう。

 

捕鯨に関しては、日本は不利な状況にある。過激であっても、シーシェパードの活動には賛同者が多い。彼らの後ろに、捕鯨に反対する多くの人たちがいることを知るべきで、日本が彼らをいくら取り締まっても、状況は変わらない。捕鯨を強引に進めようとするのも、分が悪い。

「おれたちは昔からクジラを食べてきたんだ。絶滅の心配などないから、すこしは食わせろ」とグルメの日本人が叫んでも、

「何を言うか! この鯨食人種たちめ!」と、欧米人の多くは聞く耳を持たないのだ。日本人が叫べば叫ぶほど、欧米人の中で、鯨食人種に対する差別的感情が高まりそうだ。クジラが泳ぐ姿を愛する文化と、クジラ肉を愛する文化は、相容れない。日本人がいくら理詰めに説明しても、感情的に眉をひそめる欧米人が心変わりすることは絶対に期待できない。細々と続けられているイルカ漁に対しても、彼らが白い目で見ていることは既知の通りだ。

 

 

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