自動通信で勝手に課金する携帯端末                         岡森利幸   2011/6/10

                                                                  

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞朝刊2011/5/11 社会面

iPhoneで知らぬ間にデータ通信が自動的に行われ、通信費が発生したことで、ソフトバンクがおわびした。ソフトバンク「どのような通信が自動的に行われているのかわからない」という。

アンドロイドOSを搭載するスマートフォンについては、昨年11月以降に発表したものから自動的にデータ通信が発生するとの注意書きを加えているという。

読売新聞朝刊2011/5/13 社会面

アイフォン(iPhone)で、勝手に通信が行われ通信料が発生するトラブルがあった。全く使用しなければ最低料金の1029円で済むはずだったが、上限の4410円が請求された。

ソフトバンクモバイル社は「何を通信しているのか、製造元の米アップル社に問い合わせている」というのだが、iPhoneでは内臓の全地球測位システムによって得た端末の位置情報を定期的にアップル社側に送信している可能性があるという。

アップルジャパン社は「コメントできない」としている。

その可能性が本当だとすれば、アップル社にとって口が裂けてもコメントできないことに、私は納得できる。政治家がその秘書の不始末にコメントするように、アップル社は「アンドロイドOSが勝手にやっていたことだ」と言い訳するつもりだろうか。

ソフトバンクにしても、「どのような通信が自動的に行われているのかわからない」のでは、なさけない限りだ。通信事業者として技術レベルがあまりに低すぎる。ユーザーに指摘される前に、そんなトラブルがないように社内でテストしておくところだろう。

勝手に自動でデータ通信して課金するとは、ひどいやり方だ。使用者に無断で通信しておきながら、その料金を使用者に支払わせるのだから、あつかましさを通り越して、犯罪的ですらある。しかも、使用者がまったく通信していなくても、上限いっぱいの通信料を請求するほど、そのデータ通信がひんぱんに行われていたのだ。「不当請求する悪徳サイト」と同列のことをやっていたことになる。昨年11月以降の機種には「自動的にデータ通信が発生するとの注意書きを加えている」というが、そんな注意書きで納得する人がいたとしても、まさか、そのデータ通信で課金されているとは思ってもいなかっただろう。

それが課金に値するデータ通信ならともかく、「端末の位置情報」を定期的にアップル社側に送信しているだけのようだ。それぞれの「端末の位置情報」を集めていることになる。つまりアップル社が、要注意人物の足取りを追跡調査するCIA(アメリカの中央情報局)もどきのことをしていたわけだ。

それは考えすぎとして、おそらく、新しい電子機器によくあるように、ユーザーが使いこなせもしないような機能の一つとして付加されているものだろう。その端末を紛失しても、すぐ探し出せる機能として、あるいは、その持ち主がどう移動したのか、ホストのコンピューターに問い合わせれば、すぐ知ることができるサービスとして、位置情報を自動発信させていると考えられる。ただし、それはオプション機能であって、それを有効にするには、少なくともユーザーに理解させる必要があるだろう。

 

 

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