バスケット部員にハトを殺させたコーチ                    岡森利幸   2009/4/22

                                                                    

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞夕刊2009/3/14 社会面

高知市立中学校のバスケット部の男性臨時コーチが昨年12月、ハトがうるさいとして部員に殺すよう指示し、2年生の男子部員2人が首を切るなどして2羽を殺していたことが分かった。

12月21日、高校生との合同練習のため訪れた県立高校で「ハトを殺せ」と部員に指示していたという。同日、高校の教員が敷地内の池に沈められているハトを発見。コーチに確認したところ指示を認めたという。中学校は昨年末に保護者会を開いて謝罪し、コーチを指導から外すことを伝えた。部員2人はショックを受けているという。

おそらく、その「犯行」の一部始終を見ていた目撃者がいて、高校の教員に通報したのだろう。その教師が、残虐な殺され方をしたハト2羽を確認し、中学生たちを指導していたコーチを問い詰め、事情を聞き出したのだろう。

ハトを惨殺し、その死骸を池に放り込んで捨てた生徒2人は、その高校の教師たちや、中学校の担任教師を始め、学年主任、教頭、校長らに詰問され、さらに父母や高知市の教育委員会からもあれこれ聞かれたから、自分たちがやったことに対する反響の大きさにショックを受けたのだろう。さらに3月になって新聞記者などが学校や自宅に取材に来た。おそらく警察関係者も……。

 

ハトを殺す合理的理由があったのだろうか。クークーというハトの鳴き声がうるさかったのか、バサバサという飛び交う羽音がうるさかったのか、どちらかだろうが、それがバスケットの合同練習の妨げになるものだったろうか。ハトがうるさいことで生徒の練習ができないとすれば、集中力を高めることの方が先だろう。ハトがうるさいぐらいでコーチとしての指導ができないとすれば、あなたはコーチを辞めた方がいい。

部員たちのためを考え、ハトにわずらわされないように練習環境を整えるつもりでハトを駆除したいのなら、自分の手を汚すべきだろう。ハトが練習の邪魔をするようなら、部員を使うのではなく、自分で練習環境を整えてやるのがコーチの務めだろう。ハトを殺すことが、バスケットの練習メニューにあれば別だが……。

自分たちの中学校ではなく、練習にやって来た高等学校で、ハトを駆除したいのなら、高等学校側に一言、断りを入れるべきだろう。野生動物保護の観点からも、非常識だ。そのコーチのバスケットの技術的な指導力はともかく、中学生の部活を指導する力が不足しているようだ。いわゆる、指導力不足の先生なのだろう。

あなたは、戦争中の軍隊で部下に捕虜を殺させておいて、戦後「部下がやったことです」と主張し、戦犯から逃れようとした人たちと大して変りはない。

 

 

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