軍事行動の支援も国際協力の一つ                            岡森利幸   2009/2/13

                                                                    R1-2009/3/9

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞朝刊2009/1/9 総合・クローズアップ

アフガンを対テロ戦争の主戦場と位置づけるオバマ氏。

日本政府が「次のアフガン支援」を求められるのは確実。

毎日新聞夕刊2009/2/18 総合

オバマ政権がアフガニスタンへの増派を決定し、「対テロ」を始動した。米軍3万2000人から5万人規模にする。

私には、日本政府が「自衛」から逸脱し、アメリカの軍事行動(アメリカが引き起こした戦争)に付き合わされ、ずるずると加担し続けている姿を見るのは、忍びないことだ。

「次のアフガン支援」とは、復興のための経済援助ではなく、戦闘支援のことだ。そのための戦費の一部を負担することも含まれるし、人や物での後方支援も含まれているのだ。政府が直接的な戦闘要員を派遣するのは、善良な国民の手前、無理だとしても、戦闘を支援する物資・人員や「協力」がさらにアメリカに求められそうなのだ。

アフガニスタンでの戦闘など、とっくの昔に終っていたと思ったら、タリバンの勢力が回復してきて、アメリカ軍を中心とする多国籍軍の増派が必要なほど、「治安」が不安定になっていた。タリバンの勢力が回復しているのは、それがアフガニスタン国民に支持されている証しだろう。これだけ戦闘が長引けば、アフガニスタン国民の反アメリカの感情が増してきているに違いない。つまり、国の外からやってきた「強大な武装組織」に勇敢にも抵抗しているのが、タリバンなのだろう。国際的テロ組織のアルカイダはともかくとして、アフガニスタン国民にとって、宗派も言語も民族も同じくし、自分たちの中から立ち上がったタリバンが、まったくの敵であるわけはないのだ。

 

日本政府が、イラク戦争で陸空の自衛隊を派遣した(主に軍事物資を空輸した航空自衛隊の任務は、5年続き、ようやく今月[2009/02]に撤収作業完了)のも、インド洋に最新鋭の護衛艦つきで給油艦を、いまだにずるずると派遣しているのも、アメリカの強い要請があったからだと考えるべきだ。

政府は、こういった支援を常に「国際協力のため」と、歯切れ悪く説明しているが、それは口実(建て前)であって、本音は「アメリカが日本に強く要請しているから」なのだろう。あの独裁体制国に、〈日本はアメリカの属国だ〉と揶揄されている所以だ。

日本は常に戦争の片棒を担つぐ行為をしているのだから、専門家と称する人物がメディアの中でときどき口にする「日本は1945年以降、平和憲法の下で戦争をしたことがない」などという自慢げなセリフは(まと)外れだろう。日本は朝鮮戦争以来、ベトナム戦争でも間接的に戦争を支援して来たからだ。

日本政府が軍事行動の支援に加わるなら、すくなくとも「国連の要請だから」、という言い訳をしてほしい。

 

 

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