わざと負けたと疑われたテニスの試合                         岡森利幸   2008/6/5

                                                                    R1-2008/6/12

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞夕刊2008/6/2スポーツ面

テニスの全仏オープンに出場した森上亜希子が意図的に試合に負けた可能性があるとして大会責任者から調査を受けた。

(その試合は)森上が中村藍子と組んで台湾ペアに0−6、1−6で敗れた、5月30日の女子ダブルス1回戦。森上が、ある日本ナショナルチームのコーチから試合前に「あまり勝ってほしくないんだね」と言われて怒った、と一部で報道された(ことを受けて調査された模様)。

そんなぶざまなプレーを人に見せるものではないだろう。負け方がひどすぎる。主催者でなくとも、「やる気がないのなら、大会に出るな」と私も言いたい。

テニスは、サーブ権を持つ側が試合を優位に展開できるもので、交互にそれは与えられるものだから、実力の差が多少あっても、相互に勝ち点を得てシーソーゲームになるものだ。そのサーブ権のアドバンテージもほとんど活かせずに、ストレートに負け込んだということは、実力に相当の開きがあったとみなせる。しかも、1回戦敗退だから、なさけない負け方だ。台湾ペアはそんなに強かったのだろうか。といっては、台湾ペアに失礼になるが……。

コーチ(だれかは明らかにされていない)が冗談にも「勝ってほしくない」といったのは、その試合に勝ち進むと、日程的にペアのもう1人の中村藍子がオリンピックの出場権をかけた試合に出られなくなるという状況があったのだ。スケジュールに無理があったのは明白だ。

スケジュールを考えるのは、選手よりも上位の立場のマネージャーやコーチだろう。ペアの組み合わせを決めたりするのもコーチ連中だろう。その女子ダブルスで負けるのを見越してスケジュールを立てたとしたら、大会の主催者がいい面の皮だ。日本チームは大会の主催者にとんでもなく失礼なことをしたことになる。コーチが試合前に「へんな冗談」を言おうと、選手としては、与えられた場で全力を尽くすよりないだろう。わざと負けたというより、ペアに実力がなかったから、そんな負け方をしたと理解しよう。私は、選手が「わざと負けた」のではなく、コーチが「わざと負けるようなペアを組んだ」という疑いをもつ。

そもそも、そんな弱いペアの1人がオリンピックを目指すことがおこがましい。たとえ、そんな実力もない選手がオリンピックに出場できたとしても、「参加する」だけのことになってしまうだろう。オリンピックのレベルを下げるだけで、またまた無礼を働くことになる。日本チームは、弱い選手を国際試合に出場させて経験を積ませるという遠謀なのだろうか。世界のレベルの高さに挫折感と屈辱感をたっぷりと味合わせる経験を……。

オリンピック会場に、のこのこと付いて行くコーチなど役員を含めた費用は、すべて公的な資金から出るものだろう。国民に無駄な出費をさせることにもなるのだ。

 

 

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