中味の量を減らしてコスト削減                             岡森利幸   2007/12/11

                                                                   R1-2007/12/14

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞朝刊2007/9/6経済面

江崎グリコが「ポッキー」の内容量を1割減らし、価格維持。実質的な値上げ。

毎日新聞朝刊2007/12/5社会面

肉まんなど32万個、重量不足で回収

モランボンが東京都内の食品メーカーに製造を委託していた肉まんなど3商品で重量が不足しているものが見つかったとして自主回収する。

近ごろインフレ圧力が高まっているのは、石油関連の燃料だけでなく、特に食料品についても如実に感じられる。製造業者としても、原材料が値上がりしているのに、価格は据え置かざるをえないのは、たまらないことだろう。価格を上げにくい商品については、価格は据え置いて、やむなく中味の量を少なくするようなことを、一部の業者がやり始めている。インフレ圧力により、食品メーカーなどでは、重量を減らしたいという思いが高まってきているのだ。コスト低減のためには、一番安易な方法のようだ。(建造物で鉄筋コンクリートから鉄骨の本数を減らすのも同じ発想だろう。)これは実質的な値上げだが、価格が同じものだから、消費者物価指数には少しも反映されないのだろう

しかし、せこいやり方だ。「ポッキー」などは、内容量の表示の変更とともに内容が1割少なくなったが、外箱や袋のサイズなどは変わらないのだろう。消費者は、以前買ったときの内容と比べて目減りしているのだから、だまされたようなものだ。価格が同じなのに、内容が少ないのには、不満がいっぱいだろう。私的には、「ポッキー」のサラダ味が好みだったのだが、買う意欲が薄れてしまった。

しばらくしてから、「増量しましたから、価格を上げます」ということになるのだろうか。

 

モランボンの場合、下請けいじめのようなものだろう。商品の買い取り価格はそのままで、材料の値上がり分は、委託業者に「企業努力」を強いて吸収させようとしたように見える。委託された食品メーカーには、指定された重量で作るのでは、利益が出ないという事情があったのだろう。

モランボンは市場からそれらを回収し始めたが、他に対応策がなかったのか。32万個もの大量の食品を回収したのでは、食料や物品を粗末にすることになるので、賛成できない。おそらく家畜の飼料などに処分されてしまうのだろう。

一つに、モランボンには、安売りはせずに、あくまでも定価で高く売りたいという高値安定指向があったからだろうが、出来上がった商品の重量が不足していると分かったのなら、その減った分だけ消費者に安く売るような発想の転換をしてほしいと思う。「このロットに限って、表示した量よりも内容が少ないから、安くする」とすれば、多くの消費者は納得して受け入れたはずだ。ひょっとすると、その「不当表示」を逆利用できて、販売促進効果があったかもしれなかった。

それとも、モランボンは、委託食品メーカーから商品が納入された時点で重量不足が分かっていたはずなのに、そのまま流通させ、消費者から苦情が出て、ばれてしまったので、あわてて回収したのだろうか?

結局、それらの損失分などすべての責任は、重量をごまかした委託食品メーカーが負わされるのだろう。

 

 

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