交差点で右折する                                                        岡森利幸   2008/5/4

                                                                    R1-2008/5/5

以下は、新聞記事の引用・要約。

読売新聞夕刊2008/4/24一面・社会面

424日午前840分ごろ、東京都大田区東六郷の国道15号の交差点(片側2車線、雑色駅近く)で、直進してきた乗用車が、対向車線から右折しようとしたクラックに衝突、乗用車は弾みで歩道に乗り上げ、歩道の通行人(主に信号待ちしていた人々)6人を次々とはね、道路脇の三井住友銀行六郷支店の建物に突っ込んだ。

この交通事故は、新聞の一面や社会面に大々的に報じられた。歩行者6人も巻き添えになったこと(重傷を負った人もいた)がニュース性として大きかったのだろうが、事故の要因としては、よくあるケースだ。

私は車を運転して、通常の信号方式の交差点で直進するとき、交差点の中で右折しようと待っている車があると、少々緊張してしまう。私の車と前車との車間距離が開いていると、その右折車は、目の前を横切るように走り出すし、走り出さずに待っているにしても、だいたい右折車は車をやや斜めに構えているから、直進する私の車とすれ違う間隔が十分でないことが多いのだ。逆に、私が右折するときは、対抗する直進車が何台も途切れなく続けてくると、走り出すタイミングがむずかしい。次の対向車の速度と車間距離を見計らって進入しなければならない。車間距離があまりないなら、車が通り過ぎたらすぐに発進する必要がある。特に、片側2車線や3車線の道路では、それぞれが同時に車間の空隙が十分にあるときを見計らわなくてはならない。そんな交差点で私が安全を考えて、少々車間の距離があっても見送っていると、後ろについている車がクラクションを鳴らしたりするのだ。ときには、後ろの車が私の車を差し置いて先に右折したことがあった。

また、私がその昔マニュアル・トランスミッション車を運転していたころ、右折のために対向車の間隙をついて、あわてて車を発進させようとしたところ、左足によるクラッチペダル操作より右足によるアクセル操作が一瞬遅れ、右折の途中でエンジンストップさせてしまい、つまり、対向車の直進を妨げるような形で停まってしまって、ぞっとした経験がある。

でも、右折する車列の先頭にいるなら、そのうち確実に右折できるタイミングがある。それは信号が赤になったときだ。対向車が交差点の手前の停止線で止まるから、右折すればいいのだ。ただし、信号が黄色になっても車が止まらないのはよくあることだが、赤になっても止まらない車がたまにある。「信号が赤になったから、対向車は止まるだろう」という思い込みは危険なのだ。対向車が止まったのを見てから、右折するのが正しいと思っている。しかし今度は、右と左の信号が青になってそれぞれの方向からの車が発進するから、もたもたしてはいられない。

今回の事故では、直進した乗用車は相当スピードを出していたという目撃者の証言がある。乗用車の運転手は信号が変わったから、交差点を早く通り抜けようとしたところがある。トラックの運転手は信号が赤になったから、対向車を見ずに(見えなかった?)、右折をしたのだろう。スポーツタイプの車で直進した運転手は、〈信号が黄色に切り替わった直後だったから進入した〉といい、右折した2トントラックの運転手は、〈信号が赤になったから、右折した〉といっているようだが、黄色はすぐに赤に変わるから、微妙なタイミングだったようだ。いずれにしても、どちらも相手の車が止まるだろう、止まっているだろうという思い込みがあったのだ。両者が自動車運転過失傷害と道路交通法違反の疑いで逮捕されたから、両者とも悪いと警察は判断したわけだ。

右折しようとする車があれば、直進車は、信号が黄色や赤に変わるのを見たとき、早めに止まり、右折車に道を譲るぐらいの思いやりをもってほしい。直進車が交差点を早く通り抜ければ、右折車も早く曲がれるという理屈もあるが……。

 

 

一覧表に戻る  次の項目へいく

        熱演したテノール歌手