誤って悪天皇と書いてしまった職員                            岡森利幸   2007.9.21

                                                                     

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞夕刊2007/9/19社会面

天皇陛下見送り案内状で誤記

秋田県庁人事課の職員が、国体で来県される天皇、皇后両陛下の帰郷を見送る関係者181人にあてた案内状を作成した際、その案内状の一部に「悪天候などの理由によって」と表記すべきところを「悪天皇……」と誤って記してしまい、8月31日に発送した。9月1日に県に誤りを指摘する匿名の電話があり、秋田市議にあてた21通に誤記があったことが判明した。同課はうち19通を回収し、2通は市議に破棄を依頼した。

上司の決済を経ずに不適切な表記のまま関係者に送付したとして、県人事課の男性職員(55)を戒告処分、上司の人事課長を管理責任で厳重注意にした。

天皇陛下見送り案内状で「悪天候」を「悪天皇」と書いてしまったとは、笑える話だ。匿名の電話でその間違いに気付かされ、県の職員たちがあわてふためいてその文書を回収したり廃棄依頼をしたりした姿が目に見えるようで、さらにおもしろい。

おそらく職員はローマ字入力でパソコンに打ち込んで間違えたが、それに気づかないまま、関係者に発送してしまったのだろう。手書きの文書なら、ありえないところだ。この職員は55歳のベテランだから、上司もこの職員を信頼し、任せっきりにして、作成した文書にも「口出し」しなかったのだろう。しかし、誤字脱字に関しては、どんなベテランでも自分では気付かないことがあるから、上司でなくても同僚に一度見てもらうような仕事のやり方にしないと、だめだろう。体たらくな上司であっても、文書の誤字脱字ぐらいは指摘できるものだ。上司にしてもすべての案内状に目を通すわけにもいかないが、文面の異なる種類の案内状なら、それぞれチェックすべきだったろう。

秋田市議の一人が指摘するのになぜ匿名を使ったのかは、よく理由が分からないが、「天皇」に関して微妙な感情(畏れ多いというような……)をもっている人がまだいるということだろう。彼は、「アハハ、これは明らかな誤字だろう」と笑って済ますことができなかったようだ。

これが戦前のことならば、天皇が良いか悪いかという議論の余地はまったくなかったような暗い時代だったから、戒告処分ぐらいではすまなかったはずだ。平和な時代だから、ジョークとしておもしろがることができるのだ。

 

 

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