霜降りもどきの肉 岡森利幸
2007.5.22
R1-2007.6.1
以下は、新聞記事の引用・要約。
毎日新聞朝刊2007/5/19社会面 油などを注入して加工したステーキ肉を天然の霜降り肉と誤認させるような宣伝は不当表示にあたるとして、公正取引委員会は通信販売会社「テレマート」に景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求める排除命令を出した。 テレマートは、「きめ細かなサシの入った、極上の部分だけを厳選」などと宣伝していた。 |
油などを注入して加工してつくったステーキ肉は、見た目では、霜降り肉と区別つかないものらしい。よく見れば、区別つくのかもしれないが、通信販売の場合は、見栄えのいい「それらしい写真」で表示するから、消費者の中には、霜降り肉だと思い込んで購入した人も多いことだろう。
すぐに見破られるようなものなら、おそらく、売りには出さないだろう。テレマートは、「一般の消費者には見破れまい」という自信をもっていたのだろう。焼いてしまえば、その味はほとんど同じになってしまうし、たとえ、その味をかみ分ける人がいたとしても、そんな人は通販で霜降り肉を買わないだろうと、テレマートは高をくくっていたのかもしれない。なぜ、油などを注入して加工したものであることがばれたのか、私は知りたいと思う。(案外、この業界では周知の事実だったりして……。外食産業ではステーキなどを「整形」していることがよく知られている。)
油などを注入するためには肉を一旦解凍しなければならないなど、手間隙がかかりそうだが、業者にとってそれだけの効果があるのだろう。それは肉の重量をかさ上げするメリットもある……。
「霜降り肉」だと言って宣伝すれば、明らかに詐欺になるところだろう。そもそも、油などを注入して加工すること自体が、詐欺的な行為だろう。消費者をだますテクニックと言っていい。そんなテクニックを使うのは、偽ブランドの商品を造って販売するのと同じ発想によるものだ。
公正取引委員会は、その宣伝に関して不当表示だとしているが、ステーキ肉そのものが「にせもの」であるから、それを厳しく取り締まるべきだろう。
ともあれ今後、テレマートは以下のような表現で宣伝すべきだろう。
「きめ細かな油脂を入れた、加工した部分だけを厳選」
観客を体調不良にさせる演出