皇后さまの会見 岡森利幸
2007.5.25
R1-2007.6.11
以下は、新聞記事の引用。
毎日新聞朝刊2007/5/15社会面 皇后さま「透明人間になれたら、立ち読みしてみたい」 天皇、皇后両陛下は14日、21日からの欧州5カ国の訪問を前に皇居・宮殿で記者会見した。 (中略、在日外国報道協会の質問に対し)皇后さまは「身分を隠すのではないですが」と前置きしたうえで、「隠れ蓑で透明人間のようになれたら、(東京の)神田や神保町の古本屋へ行き、時間をかけて本の立ち読みをしてみたい」と笑顔で語った。 皇后さまは身分を隠すことについて、「意外と想像がわきません」と話し、交通規制で迷惑がかかるのを気にして美術館の鑑賞をあきらめた経験から、隠れ蓑の話題に触れ、「(警護を担当する)皇宮警察や警視庁の人が少し心配するかもしれませんが」とほほ笑んだ。 【桐野耕一】 |
外出のときには常にお付の人や警備の人につきまとわれ、多くのカメラや視線が向けられている人の言葉らしい回答だ。
ともあれ、私がこの記事を読んで、少しだけ奇異に感じたのは、皇族である両陛下の言動の記述に敬語がほとんど使われていないことだ。「陛下」と「さま」という敬称語だけだ。
一般的に、目上の人に対して言うのだから、『前置きした』を「前置きなされた」といいかえたり、『笑顔で語った』を「お笑顔で語られた」あるいは「お笑顔でおっしゃった」といいかえたりしても、おかしくはないところだ。
記事に登場する人物に関して変にかしこまったり、妙にへりくだったり、もちあげたりするような丁寧語や尊敬語を使わないのは、新聞という公平中立の報道機関として正しいことだろう。見たこと聞いたことを第三者的な立場でそのまま書く、という記者の姿勢に好感がもてる。(国粋主義的な人たちからは反感を買うかもしれないが……)
霜降りもどきの肉