11月26日  原点回帰



日本の政治家の皆様が・・・
みんなブータン王国の、ワンチュク国王みたいな人だったら良いのに・・・


ってことで、本日11月26日(土)は、蓋井島に行ってきました。
前日は大時化だったものの、当日の海は波高終日1.5mベタ凪ぎ無風予報。

こりゃー2週間前に続き、ええ釣りが出来るんじゃないですか?ってことで、毎度のことながら、取らぬ狸の皮算用で
やってまいりました。本日の釣行は、寂しい寂しい一人ぼっちの釣りですが、私、現実を逃避して、せちがらい世の中の
喧騒から逃れ、誰と会話をするでもなく、ただ一人黙々と魚を釣ることだけに没頭できる単独釣行も、結構好きだったり
するんです。   

本当のところは友達が少なくて、一緒に行ってくれる人がいないってことはここだけの秘密です。


しかしほんと、私、時化た海って結構好きなんです。躍動感に溢れているっつーか、生命感を感じるっつーか。
時化た冬の荒磯の、波にさらわれるかさらわれないかぎりぎりの所の、一歩手前の場所から時々砕けて降り注いでくる波飛沫を
頭から被りながらの自然とのガチンコ勝負。 落ちたら死ぬな・・・ ってゆーウネリを目の前に見ながら、ぎりぎりの所での釣り。 
大自然の中の、荒々しい息吹を目の前にしてると、なんつーかですね、そのー、生きてるなぁって実感できるんです。  
そのスリルがですねぇ、たまらんのですわ。 傍から見ると、頭おかしいん人なんじゃないかと思われそうですが・・・。   
その辺り、敢えて危険な冬山に登ろうとする、登山家さんなんかと似たようなものがあるんじゃないかと思ったり思わなかったり。

ただですね、海に落ちないようにとか、波にさらわれないようにとかの細心の注意は払いますよ。岩の濡れ方とかで、今日はどの辺まで
波が来てるのかとか、自分の足場の確保とか。  
海の変化にも十分に気を付けています。波が急に引いて行ったらデカイの来るから高い所へ・・・。         みたいな。

更に万が一海に落ちた場合でもすぐに助けを呼べるように、携帯は防水ですし、ホイッスルもすぐに吹ける所に常備してます。
たまにですね、ハリスが釣り場に残ってたりするのを見たことがありません? 私、そういうのはいつも回収して持って帰ってます。
偽善ではなく、本当に危ないと思うから。 そのハリスに足を引っ掛けて転倒して荒波に落水ってこと、無きにしもあらずだと思うんです。
そーゆーこと、小さなことだと思うんですけど大切なことだと思います。


さて、本題の本日の釣りですが、船で蓋井島へ向かう途中は凪いでいた海も、島へ到着すると結構なウネリ。前日まで波高3m
だったため、本日は終日1.5m予報でも全然ウネリは取れてないです。荷物運びのお手伝いをしてても、色んな場所で波が這い上がってます。

そんな中、ふと、とあるお客さんから、「前に真鯛を釣っちょっちゃったですね〜! HPの更新はまだですか?」とお声をかけて頂きました。
辺りが暗いのと、あまりに唐突だったために、
「ほんとはあれ、私が釣った鯛じゃないんです・・・」 って言うのを忘れてました。まぁ、言わなきゃばれないんで、
とりあえずあの鯛は、私が釣ったってことにしておきましょう。  多分「神棚」に上がられたお客さんだったと思うのですが、釣れましたか〜?


ほんで、本日は「カケアガリ」の高い方で名前が呼ばれます。
個人的に相性が良く、昨年末の釣りでも良い思いをさせてもらった結構好きな場所。ただですね、相変わらず切り立った崖で
おまけに狭くて、危険な場所。 2人で上がれないこともないんですけど、じっくり色々試したいなら1人で上がりたい磯だと思います。なんたて狭いし。
 
タモ入れの場所も、前回みたいに凪いでて下に降りれりゃー良いんですけど、時化てたら海を見て左端の1か所しかタモ入れは難しいように
感じるし・・・。 釣り座を右端に構えてそこで掛けて、左端まで崖を移動してタモ入れ!みたいな感じのとこっす。

だもんで、一人モンのおいら的には願ったり叶ったりの場所なんですが、船の上からの見た目も、上礁後もデンジャラスな場所。
ますは船着から荷物を高い場所へ上げるのに一苦労。 ほんで、新月の大潮の本日、暗いうちは極力ウロウロは避けて、仕掛けを作った後は
辺りが明るくなるまでしっかりとした場所に腰を降ろして、撒き餌を撒きながらのぼちぼちの釣り。

しっかしですねぇ、いやぁ、本日のウネリの凄いこと凄いこと。 私の釣り座の下では、右から左から 「ザッブーン ザッブーン」と大きな波が
行ったり来たり。 新月のため、辺りは真っ暗。 ゴーゴーという、不気味な波の音だけが聞こえます。
その真っ暗闇の中での不気味さが、私的には結構好きだったりもするんですけどね。   変態なんです。おいら。
本日は、その右から左から襲い掛かってくる容赦ないウネリを交わしながらの釣りになりそうです。
例えるならば、右ひじ左ひじ交互に見て!って感じですかね・・・。  (←わからなかったらYOUTUBEで検索してみてください。)

ほんで船長も、暗いうちは安否確認のために、時折見回りに来てくださいます。そんな船長にヘッドランプで「生きてますよ!」の合図。

「私を下した後 角を曲がってくる 見回りに
いつもヘッドランプ わざと点灯
イ・キ・テ・イ・ルのサイン」                みたいなもんです。

釣り人の命を預かる船長は、釣り人の安全を守る責任がありますし、釣り人は、それに応える義務があると思います。
こういったデンジャラスな磯に1人で上がってるお客は、特に船長も気にしておられると思いますので、そんな感じで自身の無事を
知らせるのも大切なことなんじゃないかなーって思います。

で、ですね、夜釣りにはヘッドランプは絶対予備を持っておいた方が良いです。  万が一海に落としたり故障してしまったら、
そっからは超危険ですから。 おいらは万が一明かりを失ってしまった時のために、クールバッグに予備を1個と、それを探しにいくまでの
キャップに付けるタイプのやつを一個、常にポケットに入れてます。 これほんと。 絶対予備は持っていた方が良いです。
インディアン、嘘付かない。  

ほんで、これからライトご購入をお考えの方は、ZEXUSの 「ZX−S210」ってのが、超明るくておすすめ。 マジで明るいっす。
インディアン、嘘付かない。  


さて、前フリはさておき、本題の釣りです。
本日、カケアガリの高い方に釣り座を構えたおいら、3Bの電気浮子にガン玉を段打ちして、仕掛けがウネリに取られないよう際を狙います。

暗いうちはとにかく無駄な動きの少ないように少ないように釣りをします。荷物もまとめて、それこそ水汲みバケツの紐でも足に絡んで
海に落ちたら大変なので、コンパクトにまとめておいて、絶対に海に落ちないように心がけます。ほんと、夜釣りはこれ、とっても大事な事だと
思います。    インディアン、嘘つかない。

ほんで、暗いうちはアタリなし。 しっかしほんと今日は、右から左から凄いウネリ。
ぼちぼち辺りもうっすらと明るくなり海の状況も見えてきたんですけど、サラシで辺り一面真っ白です。
際を狙ってもこりゃー仕掛けは落ち着かんなってことで、サラシの向こう側を釣ることに。磯にぶつかる波で潮が沖に出てるようにも見えますが、
潮自体はあんまり動いていないご様子。 クロを釣るなら潮を釣れってゆー格言もあるくらい潮の流れは大事なんですけど、肝心な潮が
動いてません。 朝マヅメの30分こそサラシの向こうで木っ端が入れ食いますが、その後はフグの襲来。
更にその後は餌すら全く取られなくなりました。
潮の流れは相変わらずフラフラで、それこそ数分から数十分おきに、右に行ったり左に行ったり、沖に行ったり手前に当てたり止まったり。

今日はダメだな… とか思いつつも、思いつくことをとりあえず全力で色々やってみます。
タナを段々深くし、仕掛けを竿2本以上まで入れたところで、ようやくリールを巻く左手で持つラインに、コツンという非常に小さなアタリ。
仕掛けをゆっくり回収し、針に残ったオキアミの状況を見てみると、頭だけが鋭利な刃物でスパッと切られたような取られ方。 
ありゃ、クロおるわ。   しかしながら、合わせを入れても乗りません。

それから数十分後、再び指先にコツンの小さなアタリ。 こちらも餌だけを取られてます。 今日はラインをバチバチと引っ手繰っていくどころか、
竿先にもアタリが来ません。 わずか〜に指先にコツン。

更に8時位からは予報に反して結構な風が釣り座右から吹き始め、非常に釣りづらいです。食い込み時の穂先の抵抗を少なくするために
竿の号数を1.2号のクォーターマスターに変えて、道糸も、強い風の中でも少しでも操作しやすいようにと1.7号に変えてみます。
更には、グレ針の5号を使っていた私ですが、思い切って針も3号に落とし、小針小餌の、全体的に細仕掛けでやってみます。
竿が5.1mと、1.5号のダイブマスターより20cmほど短かくて、足元のオーバーハングに入られたらちょっと不利ですが、まずは掛けないと話に
なりませんので・・・。

ってことでなんだかんだやってると、ようやく掛かってくれました。 足の裏ですが、ようやくクロらしいクロが釣れました。

それからも相変わらず潮はフラフラ。 アタリも30〜40分程度に1回と散発的。

細仕掛けに変えて、やっと掛かるようにはなりました。 掛かるようにはなったんですが・・・・  今度は3号の針がスッポ抜けます。
しかもこの時間帯のクロは30cm以上で結構面白い引き。  しかし、途中までは面白いんですが・・・    

スッポ抜けます。

たま〜にアタッてくるクロを、掛けてはバラし、掛けてはバラしを繰り返します。 最後に海面まで浮かせた、40cm近いクロを針外れで
バラしてからは絶望感も加わり、完全に手詰まり。  針が大きいと掛からないし、小さいとスッポ抜ける。 行き詰りました。

こんな時には・・・    試しにテレフォンを使ってみることにしました。

釣りの上手い中村氏に電話して現状を伝えると、 「簡単ですやん。針を大きくすればええですやん!」とあっさり返答。 
その言葉に、ハッと我に帰る私。

確かに、クロの活性はその時々、時間帯によって違うんですよねぇ…。   
先ほどまでは5号針では針掛かりまでには至りませんでしたが、あれから潮も変わってるでしょうし、陽も出てクロの活性も変わっているかも
しれません。 さっきまで5号針で針掛かりしなかったのと、3号に落としてからすぐに足の裏が釣れた事で、その当たり前の、海の状況によって
魚の活性も変わるって事が、完全に頭から飛んでました。   

いつも分かってるつもりなんですけど、こうして自分で実体験しないと気付かないことも多いんですよねぇ・・・。   
灯台元暗し。  原点回帰。  完全に足元を掬われました。     いやぁおいら、まだまだヒヨッ子な釣り師ですのぉ〜・・・


その後針を5号に戻し、稀にしか訪れない散発的な小さなアタリをフッキングさせることが出来るようになりました。

11時から12時の間に少し潮が動いてタナも浅くなり、パタパタっと釣れますが、その後納竿までは再度沈黙。
結果的には目測35cm位を頭にお持ち帰りは10枚程。

魚の活性はケースバイケースで変わり、それに合わせて仕掛けも変えてやらなければならないってゆー当たり前のことを身をもって体験して
引き出しが増え、釣果もまぁ、潮もフラフラで安定せずに魚の活性も低い中、自分の中ではぼちぼち満足です。

私、本日は買ってきたサンドウィッチにも手を付けず、ほとんど水分も補給しないまま魚釣りしてました。
次の1投を投げたら水を飲もう、次の1投を投げたら水を飲もうと思いながら結局水飲むことを忘れて、そのまま1時間が経過してたり、
色んなことを考えながら、活性の低いクロを引きずり出してやろうかと頑張ってました。
前に中村氏も言ってましたが確かに私、プライベートの方が大会の時よりも遥かに集中して真面目に釣りしてるな・・・

回収の船の中で、他の磯に上がられた皆様の話も聞いてみますが、どこもあんまりパッとしなかった様子。
同じように潮が動かず、苦戦された模様です。 他の磯に上がられた方からも釣果を聞かれましたが、頭35cm位でポツリポツリ。
潮が全然動かずダメでしたと伝えました。


ほんで帰港。 港では、いかにも釣り雑誌の記者的な人が待っておられました。
船を降りた私に 「どうでした?」と聞いてこられましたが、「潮が動かず、全然ダメでした・・・」と伝えました。

船長に渡船代を払い、車に荷物を積んでいると再び先程の記者の方。 聞けば、昨年末に取材を受けた「釣り画報」の記者の方(前の人とは
違いますが)で、「他の方から聞いたのですが、大きいので35cmを釣られたそうですが、見せてもらえませんか?」と言われます。

「いやいや、全然大きくないですし、数も出ずに取材になんかならんですよ!」と、丁重にお断りするも、「今日はどこに取材行っても釣れてない
んで、そこをなんとかお願いします!」と懇願されます。

いやいや、こんなへっぽこ釣り師の私でも、 「 一寸の虫にも五分の魂 」 と言いますか、一応磯釣り師としてのプライドが・・・・


特にないので、「ほんなら、こんな私で良ければいいですけど、ほんとええのおらんですよ」と念押しし、クーラー開けます。
2週間前に来ていただければ、クーラーいっぱいのクロやら鯛やらがおって、ええ取材になったと思うんですけど・・・  とか言いつつも、
問われるがままに本日の仕掛けなどを・・・

取材を終えお礼を言われるも、いやいや、逆にこちらが恐縮です。 ほんとに。  しかもまた、粗品のタオルなんかもいただいちゃって。
恥ずかしいんで、どっかさりげないページの欄外に、小さい感じでお願いします。   ってな感じの本日の釣りでした。

ちなみに目測35cmのクロは、きちんと記者の方がメジャーで測られたら33cm。
頭が35cmだなんて、インディアン、最後にちょっとだけ嘘ついてました。   
いや、でも、デップリ太ってて、ほんとに見た目より大きく、35cm位に見えたんです・・・  ごめんなさい。

しかし、行き詰まった時には原点に帰れってゆー教訓を、身に染みて感じた一日でした。 めでたしめでたし。



追伸、只今日記を書いております12月4日、うちからそう遠く離れていない中国道で、フェラーリ8台をはじめランボルギーニ、ベンツやら13台が
大破する大事故が起きた模様ですが、うちのフェラーリ仕様のスバルサンバー4WDは含まれておりませんのでご安心を。中国道、スピード
出せるもんなぁ。愛好家集団か何かがブッ飛ばしてたんやろうなぁ。   おいらも時々マイフェラーリでブッ飛ばすから気持ちはわからんでも
ないが、うちのフェラーリは何故か高速で80kmも出したら風で車体が風に煽られて、大きく揺れるから怖いんよねー。  
最近、パチで一杯負けてるけど、フェラーリ潰したと思って自分を慰めよっと。   皆様も、くれぐれも安全運転を心がけましょう。


本日の釣り座。
「カケアガり」の高い方。

かなりの崖なんで、暗いうちはあまり
動かない方が懸命です。
本日の釣果。
渋いなりにも釣れたんで、
まぁ、それなりに満足っす。