11月17日  エンジェル号



11月17日(水)、先日の鯖島20番での三角木馬釣法での爆釣劇が忘れられず、本日は一人青海島へ。
天気予報、午後から少し北寄りの風が吹くようですが、波高は終日1,5mと穏やか。
なんでも、平日で人も少ないため、Bコースの良い磯に上げてもらえるそう。ちなみにここは、

Aコース(結構近場でお手軽。沖が少々時化てても釣りができる。) 
Bコース(沖に出て遠くへ行き、結構良い感じで魚は釣れるが時化には弱い。)
Cコース(もっと遠くまで行く)

ってなかんじで色々コースがあり、遠くになるほど料金が高くなるってなシステムになってるんですが、みんなが
目指すのは大体Bコース。こんな下手っぴな私でも結構魚が釣れるので楽しいのです。

ちなみに先日の鯖島もBコースであります。

本日は平日のため同じBコースでも鯖島には行かず、鳥ケ瀬(行ったことないんですけど、ええとこらしいです)
方面へ行けるそうな。

で、期待に胸膨らませて渡船基地である沖千鳥まで来てみると・・・
なんか、昨日調べた天気予報では、朝は無風予報だった風が、少し強めに吹いてます。しかも、どうも北寄りの
冷たい風のような気がしないでもないです。 このとき、ちょっとだけ嫌な予感はしました。

青海島、地形の関係で、時化る時はめっちゃ早く、波が落ちるのにも時間がかかるそうです。
前日の波の高さが2m後1,5m。 どうやらまだ波が落ちきって無いような気が・・・

案の定、船が沖に出てBコースへ向かう道中、かなりのウネリが残っています。
「こりゃやばいかもな・・・」と思った丁度その時、やっぱり船長から、
「沖はウネリが残ってます。Aコースに戻りまーす」とのマイクアナウンス。

それ即ちA級磯が密集している釣り場へは本日は行くことができませんよということであり、鳥ケ瀬を楽しみに
していた私としてはかなりショッキングなアナウンスでありましたが、相手は自然。 仕方ありません。

で、マイクで私の名前が呼ばれ、何処に行きますかと聞かれましたが、Aコースのどこがええやらさっぱり
わからん私は、船長お任せコースで!ってことで。
そして船長がチョイスしてくださった磯は、キンカザン(金カ山って書くんだっけ?漢字はよくわかりません。)

Aコースで穏やかなはずのこの辺、瀬着け中にも結構な勢いで波を被ります。
やっぱり結構ウネっております。

さて上礁後の金カ山、カザンというだけあって足場はあまりよくありません。慎重に仕掛けの準備して、釣り開始です。

で、本日の仕掛け

竿    シマノ ファイアブラッドクォーターマスター 
リール シマノ テクニウムMgc2500D
道糸  シマノ ハイパーデュラハイスピードミュー 1,7号
ハリス サンライン トルネード1,5号、1,7号
針    がまかつ  クロマルチ4号、5号、6号  鬼掛 沈め探りグレ 4号、5号
浮子  キザクラ   黒魂(管付に改造して、浮力は00位) 黒魂R00号
     釣研     スリムチヌ2号 (改造して浮力は0シブ位)
     
まずは00号の円錐浮子で、完全フカセで釣ってみます。
さ〜て魚は釣れるんかいなと瀬際に仕掛け投入後、撒き餌をパラパラやってたら、なんといきなりのライン
バチバチ。 仕掛けは1ヒロも入ってないんじゃないでしょうか。 完全に油断してました。
まさかいきなり竿を引ったくられるとは思ってなかった私、完全に対応が遅れました。慌てて柄杓置いて
ベール戻してやりとりするも、ハリスが岩に擦れる嫌ーな感触。
案の定、竿からテンションが一気に無くなりました。 

挨拶代わりの朝一番の痛恨の一撃。 正体は何だったんだろう。 
えーっとまぁ、ボラってことにしておこう。ボラ。 ボラなら悔しくないからね。うん。ボラだ。ボラ。   くそー・・・

で、ザラザラになったハリスを速攻で交換し、第2投目。 これまた指をバチバチ弾いてラインが出ます。
今度はしっかり対応して、尾長33cm位?もうちょっとあったかもしれんな。

で、スカリを準備しようとしたら、なんと魅惑のタイドプールがすぐ側に。
海面からは大分あり、まぁ、大丈夫でしょ!ってな感じでそこにキープ。 ちゃんとスカリに入れてればなぁ・・・
で、繰り返すこと数投目、これまた指先を弾く小気味良い辺りで同じ位の口太。
更には追加で30cm。  朝マヅメはここまででした。

以降、魚はそこそこ釣れるものの、一向にサイズがアップしません。
朝マヅメも終わったし、ここらで一回魚をスカリに入れとくかと思った次の瞬間、ウネリを伴った大きな波が
まさかのタイドプールにまで押し寄せてきました。

タイドプールの中には魚が3匹。うち1匹がプールを出てピチピチと跳ねています。慌てて捕獲に向かうも
間に合わず、魚は元気に海に帰っていきました。 逃げたのは、一番逃げて欲しくなかった尾長(と言っても
小長ですが)でした。 まさかここまで波は来ないだろうとタカを括っていた私の、魚をスカリに入れる手間を
惜しんだ痛恨のミステイクです。 あれ以降大した魚は釣れていなかったため、ショックも2倍です。

悪いのは自分ですが、なんとも悔しいナチュラルリリースに、情けないやら悔しいやらで惰性釣法を繰り出し
始めた私の前に、「そんなんじゃダメよ。」と言わんばかりに、天使が舞い降りてきました。

いつぞやの青海島の釣りにも現れた、金子みすずの出身地でもある仙崎から出港している、ピンク色した
怪しい観光船、その名も「エンジェル号」です。 

前はこのエンジェル号に、パンチパーマの素敵なエンジェルが乗ってたなぁとしみじみ思い出しながら船を
見ていると案の定、今日もたくさんのお年を召されたエンジェルさん達が私を見つめています。

私の釣り座のほんの10数メートル先、まさに私が仕掛けを流してるすぐ側でホバリングして私の事をじっと
凝視しておられるエンジェルさん達。ほんと、表情どころか、しわの1本1本までくっきり見えるくらい、毎回
近くに寄ってきます。

そこ、撒き餌まいてるから早く退散して欲しいんだけど・・・  とか思いながら、このエンジェル号の中に、
くっさい撒き餌をドカ撒きしたら、船内は一気にパニックになるだろうなと、私の中の悪魔が囁きますが、
心優しい私のこと、とてもそんなことはできません。
ただ一つ本気で困るのは、釣りをしている私に向かって、そのたくさんのご年配のエンジェルさん達が、
一生懸命に手を振って来られること。これをされると、これまた心優しい私のこと、完全に無視はできない
んですよねぇ・・・。

苦笑いしながら、「どーもどーも」みたいな感じで手を振り返してあげます。しかもそんな時に限って竿が
曲がってしまうもんだから、船内では歓声が上がっています。中には私に向かってカメラを向ける人まで・・・

いやいや、魚が真鯛とかなら話は分かりますが、相手は手の平サイズの木っ端グロですから。写真まで
撮られて、逆に恥ずかしいですわ。  ほんと、一瞬タモとか使った方が良いのかなと考えましたもん。

で、このエンジェルさん達に気を使い、朝一でバラシた尾長や逃げられた小長のこと、またそれ以降に
全然魚が釣れないことを全て忘れてしまう位、なごやかな気分になってきます。。  
あ、これがエンジェルの癒しの力か。   恐るべし青海島のエンジェルパワー。


皆さんも、悲しい時や落ち込んでる時、青海島へ釣りに行かれてはどうでしょうか。

魚釣りをしていたら、たくさんのエンジェルさん達を乗せたエンジェル号が、きっとあなたの前に現れること
でしょう。そして、その一人一人のエンジェルの顔を見ていたら、何故かその中にパンチパーマのエンジェルが
混ざっていたと想像してみてください。   間違いなく笑いが出ますから。  なんでパンチパーマ?って。



朝一に、キープしていた小長が逃げてしまった
タイドプール。

波が落ち着いて水の量は少なくなってますが、
朝一は結構大きなタイドプールだったんです。
仙崎港から出る何艘かの観光船の中の
正真正銘のエンジェル号。

撮影はちょっと遠いですが、めっちゃ
近くまで寄ってきます。
本日の釣果の一部です
数は釣れたっちゃー釣れたんですが、
小長を逃してしまったりと色々あったため
ちょっとばかし不完全燃焼です。