7月27日  奇跡の再会



7月27日(日)、今日は中野のおいちゃんと下関へ新たな釣り場開拓。
2月16日、真冬の真っ只中に来た場所へ再びやって来た。

あの時は、水温も10度を下回り、生命反応すら感じられなかったこの場所であるが、
水温も上がってきた今日この頃、そろそろいかがなものかとやってきたわけだ。

場所的にも分かりにくく、人もほとんど入らないこの釣り場、下手すりゃ爆釣なんじゃね?と
ほくそえむ二人、しかも会長が一投目から何やらチヌっぽい魚をバラしたりするもんだから、
今日はえらいことになっちゃうんじゃない?と、取らぬ狸の皮算用。

しかしその後は、ツケ餌すら無くならない状況。 まぁ、いつも通り。

多分朝一で会長のバラしたチヌが、この海域は釣り人がいて危ないと周辺のチヌに教えて回ったんだと思う。
アタリが無いどころか、海の息吹すら感じられない。
ほんと、朝一のあのアタリは何だったんだ?

加えて岩礁地帯なもんだから仕掛けが底に引っかかった私、無念の道糸高切れ。
高価な紀州釣り用棒浮きがドンブラコッコと沖へ流れて行ってしまった。

慌てて「一個取れれば元取れる」の浮き回収用パラソルを竿にセットし回収を試みるが、
関門特有の早い流れに乗って、私の高価な棒浮きは遥か彼方へと流れて行ってしまう。

暑いわ釣れないわ浮きは無くなるわで、精神的にも参った私は会長の立てたパラソルの中に緊急避難。
もはややる気はナッシンgoo〜!  

加えて、途中から頭まで痛くなってきた私、これが風邪気味だからなのか寝不足だからなのか、
はたまた熱中症だからなのか全く分からない。 
加えて私の場合は持病の脳梗塞とか言う、超特大の爆弾まで抱えているもんだから怖いったらありゃしない。 
会長の立てたパラソルの中で、会長が釣りをあきらめるのを待ちながらのんびりと糸を垂らす。

会長は手の平サイズのメイタッチを2枚釣ったが、ここの釣り場には、多分それ以上大きなチヌはいないはず。
間違いない。


そんな、やる気のない私の唯一の見せ場は撤収間際。

会長が海を指差し大声で叫ぶ!」

会長「タコ、タコの浮きが!!」

会長のクーラーに座ってボーっとしていた私、彼の声に慌てて海面に目をやる。

2番手で登場した私の棒浮きは元気に海面におっ立ったまま?


私「ん? 何かっちゃ? アタリも何にも無いわーや。」

会長「違うっちゃ。沖っちゃ。 遥か向こうの沖っちゃ!」

会長が指差す方向を見ると、なんと先程流されていったはずの1番手の棒浮きが、
真っ直ぐにこちらへ向かって泳いできているのだ。
    (ちなみに余談ではあるが、会長も私も視力は両目共にバリバリの2.0。
      お互い、いかに昔勉強していなかったが見て取れる。


な、何ということであろうか。
この果てしなく大きな海の、もくずと消えてしまったはずの小さな棒浮きが、
ぐんぐんと真っ直ぐに、頑ななまでに真っ直ぐに私が居るこの場所を目指し、泳いできているのだ。

最後は寸分たがわずに、私が差し伸べた手に収まる棒浮き。
潮が逆流れになったとはいえ、ここまで正確に手元に戻ってくるとは。
これを奇跡と呼ばずして何と呼ぼう・・・。

そんな感じの1日だった。


ここに釣り人の姿が無いのは、多分魚が釣れないからだ。

釣り場開拓、失敗・・・。





最初は太陽光にも耐え釣りをしていた会長であるが・・・
やっぱり耐え切れなくなり得意のパラソル!

いや、でも、ほんとやばかった。
夏の日差しって、こんなにやばかったっけ?
会長の釣った風にたなびくようなチヌ。
一応、チヌが居る確認は取れた。
ズームして撮ったのだがちょっとわかりにくい。
しかし確実に少しずつ、私の元へと近づいてくる。
そして救出に成功。

き、奇跡ぢゃ!