バリハイ・裏谷記録集

ここは一般登山道以外の沢登りとか、薮山コースの記録を集めてみました。

INDEX→

20年以上も前の記録です、古いです、あしからず

黒金尾根(1375m)→裏谷岩 2000/1/10 [天候]:晴れ [メンバー]:友人

緒方町尾平/黒金尾根登山道→裏谷左俣→裏谷岩中段→裏谷岩→縦走路

【黒金尾根から裏谷左俣】

 黒金尾根登山道1375m(天狗の水場より50m下)から裏谷左俣へ薮分けする。スズ竹は切り分けられているので、それほど苦労しない。やく200mで裏谷左俣1365mへ入る。裏谷は木がまばらに生え広くて、秋はなかなかの風景の所。ここから右上に見える大きな岩を目指して登っていく。

【裏谷左俣から裏谷岩中段】

 急なスズ竹の中を登り、壁にぶつかったら岩のふちをなぞるように左へかき分けていく。スズ竹はそんなに苦にはならない。左に回り込みながら中段と上段の鞍部を目指してひたすらかき分けていく。単調な作業のようにあるが岩風景は次々に変って飽きない。
 
 いよいよ中段である。この裏谷岩中段は一般道の裏谷岩鼻より30mほど低いがほぼ垂直に200m切り立っており、谷へ大きく突き出ているので下を見ると天狗岩より高度感がある。まわりは曙ツツジの木が群生しており、天狗岩やすずこや岩塔、裏谷岩上段の風景は今までとは違う角度なので新鮮である。花がなくても他を圧するものがある。

【裏谷岩中段から裏谷岩上段】

 時間がないので上に登らないといけない。15年前のテープを見つけ登っていくが以前よりも木の根が不安定となっている。一本ずつ確認しながら登るのでわずか4mだか時間かかる。技術的に難しくはないがヤバイ所だ。急なので下を見ると高度感がある。枯れ木の見極めが大切でうっかり枯れ枝をつかむと5mは落ちるのでザイルは必要な所と感じた。

【全体の感想】

 裏谷岩中段までは誰でも行ける。ここから裏谷岩上段までのルートは研究する余地があり、もうすこし安全なルートを探したいがとりあえず固定ザイルを設けた。阿蘇根子岳見晴新道程度か?それと下段は行けなかったが次回はそれが目標。それにしても裏谷岩中段の風景は圧巻です。全体では1時間30分の行程。沢登り経験者の同行必要。

裏谷右俣遡行の記録 2000/8/27 7名

やまびこ塾→尾平→裏谷→シャクナゲ公園→黒金尾根登山道

大分県山岳連盟は県下の地域山岳会で構成する上部団体である、今回のように登山祭は自由に参加できる。しかし沢登りであるため、ある程度の技術を持っていないと参加は無理である。そして会員で構成する救助隊の訓練の含まれている。

26日から上畑のやまびこ塾(利用料1000円)に県下の会員が三々五々集まってくる。最終は仕事の関係で 22:00となった人も。1年ぶりの人もおり、遡行の思い出などで夜遅くまで盛り上がる。翌朝は4時起床でさすがは早い。寝不足のだが朝食の準備、沢登りの準備を行う。副会長の提案より、裏谷、落水谷、ウルシワ谷の三つの班に分けての遡行となった。5:50には尾平に向けて出発。尾平で開会挨拶をし、6:40には出発する。ウルシワ谷は倒木が多く、乗り越すのが一苦労。裏谷班は7:40には二つの班と別れていざ裏谷へ、こちらは倒木はすくなく快適な遡行となる。

期待と緊張が走る沢登りのスタート。裏谷の六十米ナメを歩く岳連会員達。でも緑のドームに囲まれて次第になごんで行く。はじめて見たナメはどのような印象であったたのか、想像にあまりある。森の緑のシャワーを浴びながらのナメ歩きは誰もが来てよかったと思う瞬間であり、至福の時でもある。


ウルシワ谷より川幅は狭いがトユ滝、小滝と原生林に包まれながら進む。やがてこの谷の見所のナメが現れる。花崗岩の磨かれたナメはすぐに終わると思いきや右に左に緩く流れていつまでも続くようにある。途中には釜を持つ斜滝を構成し、60m歩いてゴーロとなった。長くは続かず再びナメとなった。こちらは川幅が30mあり、乾いたところで休憩とした。ゴーロを進むと大岩が二つあり、その上には木があってよい風景となっている。この岩にはじゅんいち、あきこなどの名前がついていると説明するとS氏は感心する。高度計が示すとおり標高930mで二俣になっており、右を選択。

 谷の様相はここから一変する。厳しく荒々しさは祖母傾谷群随一である。この12mの直瀑は最初の関門であるがなんとかフリーで登れる。グレードは4+程度。水流の中をホールド探しもたのしいものになる。しかし10mは登るが後の2mの斜滝はちょっと大変。


右俣に入ると谷は様相が変わる。12mの直瀑は見事。ここで登攀具を身につけてザイルで登る。二人目はザイルをつけながらも見ていると以外と簡単に登るのでフリーで登った。そのあと背が低いがホールドの薄い滝がつづく。よく見るとわたくしは渓流靴で乾いた岩を登るのは経験が少ないため自信がなかったがふだんから岩を登っている会員は何のてらいもなく登ることに気がついた。この差と思った。ここで二俣となるが案内役のわたくしが高度計の数値が30m狂ったために谷を一つ間違えることになるが標高1200mまで気がつかなかった。

 18mの滝。写真で見るとそれほど高くなく簡単そうだが下部をカットしてあり、上部にいくほど難しくなる。5+はあり 苔で滑りやすく ホールドを探すのが大変。登るときはホールド探しながら指がかかるところを見つけたら、足場となるホールドを探す。幸いのことにもろいと言われる祖母傾の岩であるが引っ張って体重をかけても結構いける。ふだんから岩登りに慣れている会員達も緊張感が広がり、笑みが消えていく。しかし登り終えるとほっとするがこの谷のすごさはこれからが本番である。


 しかし吉川さんの本では右俣のさらに右の谷であることがわかった。やがてこの谷の核心部へと入っていく、18mの滝は順次登って行くがわたくしの番に来ると我慢仕切れず3度ほど滑った。ザイルで確保されているので50cmほど落ちてまことに残念である。

次は20mをあろうか大チョクストンが現れた。この登りにはさすがの登り慣れている人にも手ごわいと見えてリードではいくつものシュリンゲをつけて登る。わたくしの番では下から見ていたので核心部の岩場まで時間がかからなかったが我慢しきれずついに"人工"となった。その後もむずかしいところが続きトラバースと最後は5mの懸垂である。このCS滝通過に2時間あまりもかかった。その後滝のバンドを斜めに登り、20mの直瀑だがさすがに左を高巻いた。

しかしわたくしは第二裏谷岩を目指していると思っていたので左に入ったが、結局1300mから尾根の薮分けとなり、遠くに第二展望台が見えたので間違いに気がついた。でも上にあがるしかない。途中に展望のよいナイフリッジがあって喜ばれたがくやしかった。やがて 15:40にシャクナゲ公園に出て当初の予定を変更して、第二裏谷展望台と裏谷展望台を案内した。この展望台にはおおいに喜ばれた。

イボシ小谷 2000/9/6 [天候]:晴れ [メンバー]:友人

林道本谷山線/イボシ小谷入口→イボシ谷とイボシ小谷の間の尾根下降→イボシ小谷入口

イボシ小谷はイボシ谷の一番右の谷である。林道から入渓で2mの小滝が三本つづと長いガレ場ですこし期待はずれであった。標高830mで12mで立派である。これは簡単に巻ける。滝から上はまたガレ場で期待を裏切られる。ほどなく15mの逆層滝は中断まで登れ、たのしい。その上は水量が多いのであきらめた。でも熟達者なら登れそうである。再びガレ場だが滝の間隔はしだいに短くなり、3本目は適当なシャワークライムとなる。

3本目からは涸れてなんだかもの足りなさが残りそうだがしばらくすると水量の少ない段上滝が右より見えてくる。登れそうで、取りついてみると以外とむずかしい。中段までは登れるが後半は磨かれているので蝉になってしまった。友人に巻いてもらってザイルを垂らしてもらってなんとか脱出。すぐに段上小滝の連瀑帯でここは見事であった。これが終わると谷は終わる。広い扇状地で原生林に囲まれて落ち着いた雰囲気が広がる。しばらく雰囲気を楽しみながら登り、標高1230mから予定の左の尾根に向かうが薮分けなしに尾根にでた。

ラクダ岩へ 2000/5/25 [天候]:曇りのち雨 [メンバー]:友人

烏帽子岩/ラクダ岩中間→ラクダ岩尾根→ラクダ岩基部
シャクナゲ畑→岩のギャップ→ラクダ岩山頂→縦走路

 ラクダ岩の山頂から眺める眼下の岩稜に強く引かれたので再び訪れることにした。今度は烏帽子岩とラクダ岩の間の谷を下ることにした。急な谷で浮き石がいくつもあり、落とすと音がやまないので慎重に下る。ここは川上本谷より悪い。次第に霧があたりを包むようになると薄暗くぶきみな雰囲気となる。葉の間からぽつりぽつりと崩れていく天候を気にしながら先を急ぐ、やがて谷が合流すると涸れ滝となっている。

向こうの尾根は急峻で登れそうにないがカモシカ道らしきものが見えるので滝を巻いて地図上で示された尾根を登ることにした。さすがはカモシカ先生、思ったより簡単に登れる。たぶんここがラクダ岩の山頂から見えたピクナルの岩尾根のはずだ。東側が登りになっており、岩肌が露出する狭く岩鼻になっており、しばらくたたずむと霧が晴れてくる。辺りが明るくなり次第に見渡せるようになると手前にはさらに鋭く突く根子岳風のピクナルが目に入る。そして烏帽子、ラクダの岩壁が姿を現すとさすがだ、予想通りの岩稜風景が展開する。

こんどはあのラクダ槍に登ってみたいものだ。次はラクダの基部を回り込むわけだが一旦谷に降りてコルを登り返すと次の谷に降りるにはトラバースか懸垂かの選択を迫られる。トラバースの方が楽だがハング気味なので自信がない、ここでは懸垂にした。ここで初めてザイルを使う。次も岩鼻になっている。辺りはシャクナゲが一面に咲き誇り、うすいピンク花もそれなりに美しい。岩鼻に立つとラクダの岩壁に新緑の木々がみずみずしく堂々としいる。

この尾根を越すと川上本谷の源流部となる。手前には大きな岩のギャップがあるので越えることにした。ギャップは非常に狭く通れそうに見えないが、腰を下ろすと下の方が広がっているので歩ふくで通過。やがて川上本谷だか最後のCS滝は乗り越さずにそのままラクダ岩に登ることに、一箇所高度感のあるトラバースにあう。木の根をしっかりつかみ丹念に足場を拾う。そして見覚えのある所にここでしばらく知り合いののカメラを探すが雨もぽつりぽつりと来たので先を急ぐことにした。山頂で行動食で昼飯となり小雨が降り出したので下山にかかった。


INDEX→

  祖母傾の未踏の谷と岩に 戻る/スズコヤ岩塔記録/