宇宙刑事シリーズの共通点（ＰＡＲＴ２）
第３部まで続いた宇宙刑事シリーズ。話数も総計すると１４４（３人の宇宙刑事 ギャバン シャリバン シャイダー大集合！！も含めて）であります。や
はりこれだけ多くのストーリーを考えるというのは並大抵のことではなかったようで、当時の監督さんや脚本担当の人はさぞや大変だったと思いま
す。その表れがよく出ているなと感じたのが、結構似たような展開のストーリーがシリーズを通してちょくちょくとあったこと。ということでこのＰＡＲＴ２
では、ストーリーの共通性という点にスポットを当ててみることにします。次のように似たもの同士の２話ぶんを書いてみましたので、ご覧下さい。
◎ギャバン第１５話「幻? 影? 魔空都市」とギャバン第４１話「魔空都市は男の戦場 赤い生命（いのち）の砂時計」
まずは身内同士、ギャバンの中で第１５話、第４１話と同じような話がありました。両方ともそのサブタイトル通り、ギャバンが魔空都市へと引きづら
れてしまうわけですが、３０分のうち、かなり多くの時間その魔空都市での戦いになっていた気がします。さらに共通して言えることは、両話ともギャ
バンが弱っているものを助けたのがきっかけで、現世から魔空都市に場面が移ったということ。第１５話では高熱の少女を、第４１話では川に溺れ
かけていた子犬を助けています。そして戦い終わった後も、元気になった少女、無事でいた子犬と共にギャバンがいたことも、これまた共通しており
ます。
◎ギャバン第３９話「学校から帰ったらぼくの家はマクー基地とシャイダー第４３話「ぼくンちのフーマ」
今度はこの２話です。どちらも、平和な家庭が突然マクーやフーマに占拠されるという話です。サブタイトルをご覧になって分かる通り、「ぼく」という
言葉が使われております。しかも平仮名で・・・。ということで、両家庭とも小学校低学年くらいの男の子がいるという設定になっており、また「おれ」で
はなく「ぼく」としたことで、占拠される側の弱々しさが一層際立ってもいます。ただ怖さのほうは、シャイダー第４３話のほうがよりありました。ダブラ
ーが出前の寿司を部下に食べさせずに１人で平らげたり、サンドルバが気まぐれで赤ん坊をあやすも失敗したりと、比較的ギャグ要素の多かった
ギャバン第３９話に対し、シャイダー第４３話は占拠された池田家が全財産を使い果たしたり、不思議獣がいたいけな動物まで食べようとしたりと、
色々と恐ろしい場面が多かったです。
◎シャリバン第４話「マイコン指名手配」とシャイダー第３６話「ユメコン狂時代だ」
この２つも、サブタイトルからして似たような話になっているんだなと容易に想像できます。コンピュータを使って人々を堕落させようという敵の作戦で
した。ただそのターゲットの範囲は異なっていました。シャリバン第４話では学生中心でしたが、シャイダー第３６話では主に地球人全員だったようで
す。その大掛かりな企みで社会の機能を停止させるまでになったシャイダー第３６話は、やはりすごかったです。
◎シャリバン第２１話「密室の牙・リリィはミステリーがお好き」とシャイダー第４０話「バビロス号ＳＯＳ」
グランドバース、バビロス号、共に超次元戦闘母艦がピンチに陥るという話でした。侵入者がその回の魔怪獣と不思議獣、肝心のシャリバンやシャ
イダーがいないという点も、実に共通しております。また宇宙刑事とはいえ、女性１人となったところにじわじわと敵の魔の手が迫るシーンは、見てい
てハラハラするものがあったでしょう。ダイエットに精を出すリリィ、ぬいぐるみを可愛がるアニー、女らしさもしっかりと浮き出ていた２話でした。
◎シャリバン第２３話「コピー時代の恐怖 そっくり人間大集合」とシャイダー第１２話「百点源太の正体？」
この２つは、両方ともドッペルゲンガー的な話でした。自分そっくりのもう１人の自分が出てくるというもの。もちろんその事件の裏には、マドー、フー
マがいました。この２話を比べると、すごかったのはやはりシャリバン第２３話の方ではなかったでしょうか・・・。４人兄弟の家庭が一気に８人兄弟に
なったのも度肝を抜かれましたし、心の中以外は完璧にそっくりに作れるというのは、巨大な人工頭脳を持つ魔王サイコならではという感じでした。
逆にシャイダー第１２話の方は、異常なジャンプ力や体重といった偽者の異変ぶりを、シャイダーとアニーに早くも感づかれていました。
◎シャリバン第２４話「昆虫ハリケーンが運んだ日本なまけ者病」とシャイダー第５話「突然！なまけもの」
またもシャリバンとシャイダーの似たもの同士の話です。上の上の上で紹介したシャリバン第４話シャイダー第３６話と同じで、人々を堕落させるわ
けですが、この２話はコンピュータではなく、それぞれ昆虫、繭と虫形が登場しました。サブタイトル通り日本全体をなまけ病寸前にまでしたマドーの
作戦はスケールが大きかったですが、それに対するシャイダー第５話のフーマの作戦もすごかったです。ムジムジ教なる宗教的なものの登場、そ
れに洗脳され繭に閉じ込められた人間が肉をむさぼる食べるシーンも、実に痛々しかったです。人間の心を悪に変える、まさにフーマらしい作戦で
した。
以上を書いてみました。こうしてみると、シャリバンとシャイダーで似たような話が多くあったようです。ただ、シャリバンのほうは第４話、第２１話、第
２３話、第２４話と全５１話のうちの前半ばかりでした。そしてほとぼりが冷めてから、シャイダーで似た話を出している、そんな感じがしないでもあり
ませんでした。ではまた機会があったら、このページを増やしていくことにしたいと思います。