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宇宙刑事シャイダー(PART3)

宇宙刑事シリーズで特に感じたことの1つに、同じ俳優の方がシリーズを通して出演しているというのがあります。放送された当時は、そんなことは

考えたこともなかったんですが、今になってその事が分かってきました。しかし、幹部クラスの役をすでに演じてしまった人は次作に登場するわけに

はいかなくなるわけで、例えばシャリバンでドクターポルター役を演じた吉岡ひとみさんは、次のシャイダーには出ておりません。逆に前作のギャバ

ンでは第28話にゲスト出演しております。こうしてみると、3作目のシャイダーに行くほど出演者が限られていくわけで、その辺の人選も難しくなって

いったんだなと感じます。さあそのシャイダー、PART3を作ってみました。どうぞご覧下さい。

 

忘れられないシーン

好きだった宇宙刑事シャイダー。やはり忘れられないシーンが多くありました。では、そのいくつかを見ていきましょう。

 

シーンその1.不思議獣誕生

ギャバンでのモンスター(ダブラー)、シャリバンでの魔怪獣の時と違い、じっくり時間をかけた不思議獣誕生シーンに驚きました。その誕生シーンで

すが、神官ポーが代表してクビライの口から出た卵を受け取って孵化させ、その間にヘスラー指揮官はなぜかずっと不動のまま、ギャル軍団やミラ

クラーたちに至っては妙な踊りを見せていました。特に第1話は一番凝っていましたね。この第1話だけでもう、不思議界フーマの存在感というもの

がバッチリと出ております。しかしこの不思議獣誕生シーンもだんだんと省略化され、ついにはクビライが孵化した卵を目からの光線で割るだけとな

りました。

 

◎シーンその2.神官ポーの素顔

これは忘れもしません。第24話で初公開となるわけですが、心臓の悪い人は見る前に心の準備がいるでしょう。あの獣生化に獣生化された顔は、

とにかく気持ち悪かったです。その気持ち悪さをさらに際立ててくれたのがアニー。ポーの素顔を最初に見たのがこのアニーなんですが、その時の

驚きようが何とも言えませんでした。実はポーの素顔は、のちに第46話、最終話でも登場するんですが、第24話ほどのドアップ映像でなかったの

と、やはり1度見て知っているのもあってか、それほどインパクトはありませんでした。

 

◎シーンその3.スーパーホーン争奪戦

宇宙刑事シリーズといえば、どちらかと言えば勧善懲悪のストーリー。それだけに第30話であった敵味方入り乱れてのスーパーホーン争奪戦のコ

ミカルさは、珍しいものがありました。この争奪戦そのものも面白かったんですが、それ以上に最高だったのは、これにシャイダーだけが参加してい

なかったということ。その時のシャイダーはというと、アニーの危機を救うために、必死こいてジープで居場所を探し回っていました。ところがそのア

ニーが、そんな事も忘れてコミカルに争奪戦を演じていたのが面白かったです。

 

◎シーンその4.弱かった不思議獣

不思議獣はたいがいレーザーブレードのシャイダーブルーフラッシュで倒されるんですが、ビデオビームガンでやられてしまった弱い不思議獣もい

ました。第34話で登場したカゲカゲです。自分の身を散らせてシャイダーに取りつき、死の寸前まで追い込むほどの力を持っていたのに、まさかビ

デオビームガンでやられるとは思いませんでした。そういえばこの後、不思議時空が残ったまま神官ポーがシャイダーの前に立ちふさがってきまし

た。この戦いがあとに控えているから、カゲカゲとの勝負はあっさり終わるようにしたのかな、とも思えてきます。それにしても、カゲカゲとの1対1の

対決時間は本当に短かったです。やはり、時間的に差し迫っていたのかもしれません。

 

◎シーンその5.シャイダー対ポー第45話編

神官ポーはやはり強いです。毎度毎度シャイダーをキリキリ舞いさせていました。そんなポーですが、一度だけダメージを大きく負った時がありまし

た。第45話でのイースター島の遺跡の前での戦いでした。もっともポーが異空間を作ってシャイダーを引きずりこみ、場所自体が転々となったわけ

ですが・・・。しかしこの戦いの場も、最終的には再び遺跡の前へと戻りました。実はこの遺跡は、戦士シャイダーが残した非常に堅牢な遺跡で、ビ

ームエネルギーを吸収して矢を発することが出来ます。いち早くそのことを知っていたシャイダー。ポーに追いつめられた時、これを利用しようと考

えました。まずはビデオビームガンをポーに向けて発射。ポーはこれを杖で難なく跳ね返すわけですが、それもシャイダーの計算範囲でした。跳ね

返ってきたビームエネルギーをわざと遺跡に当たるようによけ、遺跡から発射された矢を見事ポーに命中させました。てことはシャイダーも、自分の

ビデオビームガンがポーに通じないのを充分知っていたということでしょうか・・・。ピンチを逃れたとはいえ、複雑な心境だったでしょう。

 

◎シーンその6.クビライの胴体誕生

おお、ちょうどいい具合に話がつながります。その遺跡の中に入っていたのは、大帝王クビライの胴体でした。このクビライの胴体は色々と怖いも

のがありました。見た目もそうですし、もちろん強い。これまでの不思議獣なんて比になりませんでした。遺跡の中という密封された空間の中であっ

たのもまた、さらに怖さを引き出しております。おまけに要寒があると思って入っていったらこの化け物ですから、まさにシャイダーも期待感から絶望

感へと変わっていったでしょう。このクビライの胴体は長いこと暗闇にいたため外界の光に弱い事を知ったシャイダーは、奴を外へ誘いこもうと必死

に逃げるわけですが、その時の追いかけられるシーンも、捕まりそうになりながらも何とか逃げていて、見ていてハラハラするものがありました。胴

体でさえこの脅威さ、強さですから、あの本体のクビライはどんなに強いだろうか・・・。そう思わせてくれた貴重な名勝負でした。

 

アニーの活躍

宇宙刑事シャイダーといえば、ピンチに陥ったアニーをシャイダーが救出するシーンが多く見受けられますが、実は逆にアニーがシャイダーを助け

ていた時も結構ありました。実を言うと、第3話のエンディングに行く前に、ナレーションが「未熟な宇宙刑事はこれからもお互いに助け合っていくし

かない。」と言っていましたが、第4話以降、まさに2人は互いに助け合って幾度も困難を切り抜いてきました。これぞ理想のコンビと言えるでしょう。

そこで今回は、アニーがシャイダーをピンチから救い出したシーンを見ていくことにします。

 

話数

内容

16

不思議獣ボケボケに苦戦するシャイダーを援護。シャイアンで駆けつけ、レーザーガンでボケボケの後頭部を見事的中させる。
19 弱ったシャイダーにとどめを刺そうとしたヘスラーを一蹴。

23

敵の罠にはまり焼結できなくなってしまったシャイダーに、バビロスから手動でプラズマブルーエネルギーを放出し、焼結させる。

28

毒蜘蛛にむしばまれたシャイダーを救出。フーマ戦闘機の攻撃を、動けなくなったシャイダーの代わりに撃退する。
35 バリヤーの張られたフーマの秘密基地をいち早く見つけ、バビロスビームで撃破。絶体絶命のシャイダーの危機を救う。
37 ビッグマグナムを外してしまったシャイダー。まさかの出来事に思わず駆けつける。
 

 

上の表のように、主に6回ありました。第37話はそうでもありませんが、他の5回は活躍度が大きいと言えます。第16話で登場したボケボケは、特

別飼育された不思議獣。それゆえ当然強く、シャイダーはすべての武器が通用しなかったんですが、アニーが偶然とはいえ後頭部を狙い、見事ボ

ケボケの頭に脳しんとうを与えました。第23話では、アニーがバビロスに乗ってシャイアンに乗って、そしてまたバビロスに乗ってと大忙し。苦しい中

でのシャイダー救出となりました。第35話では神官ポーの執念というものを感じました。周到な罠を計画し、見事シャイダーを捕らえた神官ポー。そ

の神官ポーの執念にも打ち勝ったアニーの救出劇となりました。振り返ってみると、ピンチのシーンを考えるというのは、製作側も苦労したようで

す。第16話と第37話は、同じような場所での決戦。焼結できないという設定も、第23話と第35話とでダブリがありました。

以上が、アニーが主に活躍したシャイダー救出名場面です。逆にシャイダーがアニーを救出するシーンは、きっとこれをはるかに上回るくらいあるで

しょう。それはまた、もし気が向いた時にでも書いてみたいと思います。


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