宇宙刑事シャリバン（ＰＡＲＴ３）
今回は宇宙刑事シャリバンの第４８話を振り返ってみることにします。ＰＡＲＴ２では第５０話について書きましたので、順番的には無茶苦茶な気も
しますが、そこは大目に見てもらうとして、この第４８話ですが、コム長官の娘ミミーがさらわれてしまうという、これまでの４７回に無かったような
大変な事態が起こります。ただ、そのおかげでと言っては変ですが、見どころの多い場面も次々に出てきます。その辺りも含めまして色々と書いて
みましたので、どうぞご覧下さい。
衝撃的な出だし
出だしがまず衝撃的でした。コム長官とマリーンの緊張の走った顔つき。そして、「バード星本部から緊急発進が全銀河惑星の宇宙刑事に
発せられた。コム長官の娘ミミーは、宇宙海賊ベムサソリにさらわれてしまったのだ！」というナレーションの言葉通り、ミミーがベムサソリに
さらわれていくシーンが映し出されました。そして「ミミー」という今回のサブタイトル。このサブタイトルも、これまで比較的長めなものが続いていた
だけに違和感がありました。さらに、突如として登場したこの宇宙海賊ベムサソリは一体何者なのかなど、色々と頭で整理しきれない事の多い
第４８話の出だしでありました。
久々のギャバンワールド
そのミミーを探すべく、ギャバンがあちこちの惑星に行くわけですが、今回は久々にコンバットスーツを装着したギャバンが見られます。いや、
これまでもコンバットスーツ無しの人間体のギャバンは何度も登場があったんですが、有りでの登場はこれが初となります。どうせなら蒸着する
所からのギャバンも見たかったのですが、それは最終話までおあずけとなりました。ドルギランやサイバリアンも久々の登場。こうして序盤は
ギャバンワールド全開でした。しかし、肝心のベムサソリとミミーはどの惑星に行っても見つけることは出来ませんでした。一体どこにいるのか、
するとコム長官が「もしかすると・・・！」と、ある想像をしました。
レイダーの提案
ある想像とは、ミミーが幻夢城に連れていかれたのではないかという事。そのコム長官の嫌な予感はズバリ的中。まさに最悪の事態になって
いました。さあ、ミミーが幻夢城に連れていかれたということで、ベムサソリはやはりマドーと親しい間柄である事が判明しました。特に、
ドクターポルターやガイラー将軍とは旧友だったようです。ベムサソリに褒美の金を与える魔王サイコ。その魔王サイコは、即ミミーの死刑執行を
指示。第６話でも「即刻抹殺！」と、捕えたシャリバンをすぐに始末しようとしましたし、いつも容赦ないというか徹底しております。しかしここで
レイダーが、ミミーをガイラー将軍と結婚させてコム長官を困らせることを提案。この提案が魔王サイコに認められ、結婚式が行われることに
なりました。
ポルターの複雑な表情
幻夢城では、ガイラー将軍とミミーの結婚式の前祝いが行われていました。これはもう当の結婚式も秒読み段階という勢い・・・。いつも血の気の
多いマドーの面々も、こういう時だけは戦いの事は忘れて楽しく飲んでいました。特に結婚ができるガイラー将軍は上機嫌。しかし、ドクター
ポルターだけが、この時はなぜか複雑な表情を見せておりました。笑顔で飲んでいるなと思えば、時折不満そうな顔を見せていました。
この表情の意味が、私には未だに分かりません。ガイラー将軍のこの結婚は一応魔王サイコの命令でやる任務ではありますが、この任務を
果たしたところで、マドー後継者の赤い椅子に座れるとは思えないので、地位的な事で不満があったとは考えられません。となると、
まさかガイラー将軍に対して恋愛感情でもあったのでしょうか・・・。いや、それも無いでしょう。なので結局は、ただガイラー将軍の喜ぶ姿が面白く
なかったとしか推測できませんが、この後シャリバンに結婚式の事を報告する時は、これまでのシャリバンに対する恨みの感情が一気に
湧いてきたのか、いつものあの高笑いを見せておりました。
コム長官の名ゼリフ！？
ついに結婚式が始まろうとしていました。コム長官の言っていた通り、マドーは本気です。洋式と和式のどっちの結婚式になるのか注目して
みましたが、ミミーはウェディングドレスを着用、洋式でした。でも考えてみれば、あの幻夢城内で和式の結婚式は合わないなという感じでした。
幻夢城内での結婚式の中継は、コム長官のいる銀河連邦警察にも届いていました。それを見て何とも言えない表情に変わるコム長官。
そして出た言葉が、「代わってやりたい」。これを聞いて、思わずコム長官のウェディングドレス姿を想像した視聴者はきっと多かったはず。
それだけに、このコム長官の「代わってやりたい」は名ゼリフに値すると言ってもいいでしょう。
久々のレーザービジョン
ウェディングドレスまで着せられて、なすがままといった感じのミミー。しかし、ここでとうとう反撃に出ました。ミミーの指に指輪をはめようとした
ガイラー将軍を払いのけ、そしてレーザービジョンで小鳥に変身しました。このレーザービジョンも本当に久々。前作のギャバンの時も、後半では
ほとんどなかったので、およそ１年ぶり以上の披露となったでしょう。しかし、小鳥に化けたからといって簡単に脱出できるような幻夢城では
ありません。ベムサソリの剣を喰らい、小鳥からまた人間に戻されてしまいました。それでも「助けて！」と大声を出して懸命に逃げるミミー。
するとその声が、外界にいるシャリバンに届きました。何という凄い偶然でしょうか。ミミーを助ける事に成功したシャリバン。あとは今回の敵、
ベムサソリを倒すだけとなりました。
ポルターの提案
シャリバンＶＳベムサソリとなったところで、ドクターポルターが魔王サイコにある提案をしました。それは２人を幻夢界で戦わせること。シャリバンを
倒すことが出来ればそれでよし、もしベムサソリが負けても褒美の金が戻ってくるとの事でしたが、それはちょっと話のつなげ方としては無理が
あったんじゃないでしょうか・・・。マドーからしてみれば大金を渡すことぐらい何でもない事だと思いますし、何よりその大金を渡した後になって
そのような事を言うなんて、これもマドーにしては何だかせこいような気もしました。結局はここは、いつも通り幻夢界での戦いにして視聴者を
盛り上げたかったという所でしょう。そして勝敗ですが・・・・・もちろんシャリバンが勝ちました。
無事再会、そして・・・
戦いが終わり、画面越しですがミミーは無事コム長官と再会できました。このままギャバンとの再会シーンも見たかったところですが、同じような
シーンの連続になりますし、今回一番心配していたのはコム長官なので、これが妥当なところでしょう。その代わりといっては何ですが、ギャバンは
シャリバンにしっかりとお礼を言いました。それにしても今回の大殊勲賞は、ミミーを見事救出したシャリバンでした。そして、それだけでなく
今回の件で幻夢界突入のヒントもつかんだシャリバン。これで、残りのクライマックス３話に向けての軽いお膳立ても出来た事になりました。
以上、だいたいこういった感じで、この第４８話が展開されます。ミミーがさらわれてマドーに捕まってしまった。このたった１つの出来事が、
こうも登場人物たちの心を揺れ動かすとは思いませんでした。本当に色々と深いものがあった第４８話でありました。