本編(ガラスの家の暴力少女)
さあ始まりました新シリーズ第3弾、ガラスの家の暴力少女。第1弾エコエコアザラク THE SECONDの黒井家、第2弾狂った信号の八巻家と、これ
まで大いなる苦難に耐えてきた家族を見てきましたが、この第3弾ガラスの家の暴力少女の西田家は、私の中では最大最強と言っていいでしょう。
ただ、今回のこの作成は、1つだけ問題点というか未完成となるものがあります。それは、登場人物たちの氏名の漢字が分からないこと。
ネットで調べたりしてみましたが、やはり分かりませんでした。なので、それを出来るだけ補おうと思い、初めは片仮名で表記しようと思いましたが、
それをすると、見た目が誰が誰か分からない状態になってしまいます。そこで、ちょっと強引ですが、同じ読み方でネットで一番多く使われているで
あろうと思われる漢字を選び、それを使わせていただくことにしました。なので、私よりもこの話をよく知っている人は、「この人の漢字間違ってる
よ」と思うかもしれませんが、そこはどうかご了承下さい。
さあ、さっそく行きましょう。さすがにいきなり全部は作れませんので、第1章〜第7章(最終章)に分けていきたいと思いま
す。ではまず当たり前ですが、ストーリーの第1章からどうぞ!
もう第1章の話は知っている。早く他の章を見たい人は、
こちら(第2章、第3章、第4章、第5章、第6章、最終章)へどうぞ。
◎主な登場人物
西田洋子:西田家の奥さん。娘を更正させようと必死に奮闘するが・・・
西田直子:西田家の長女。登校拒否や家庭内暴力、その他さまざまな問題を引き起こす。この物語一番の問題児。
西田靖子:西田家の次女。姉の直子とは正反対のおとなしい女の子。
西田周平:西田家の主人。最初は直子をきつく叱ったりしていたが、だんだんと直子のペースにはまることに・・・
江本教授:ある大学のベテラン精神科医。直子のケアを担当することに・・・。
緒方医師:江本教授と一緒にケアを担当することになった女医。
黄金コンビ:全国の西田家の中でたぶんこの家族が一番大変だろう、と勝手に思っているナレーション
(注:上と同じ色で登場人物の台詞も分けています。)
◎ストーリー(第1章)
まずは、西田家の朝の食卓のシーンから始まりました。母洋子、娘靖子の姿があります。すでに制服姿で黙々と食べている靖子。どう見ても、もう
学校に行く時間だというのに、もう1人の娘直子の姿がまだありません。「直子どうしたのかしら・・・」と、洋子は心配になってきました。が、そ
んな事おかまいなしに、靖子は「じゃ、行ってきます。」と言ってさっさと登校していきました。もちろん、母親の洋子はそういう訳にはいきません。「直
子ぉ。」と声を出しながら、2階の部屋へと呼びに行きました。その部屋へ入って行くと、布団の中に入っていて全く動く気配のない直子の姿が・・・。
「どうしたの直子、もう8時よ?」と、閉まっているカーテンをやや乱暴気味に開けて言う洋子。さらに「学校どうするの? 休むの?」と言うと、ようやく
布団の方がもぞもぞと動き出しました。が、依然直子は起きようとはしません。「せっかく偏差値が50になったんでしょ? 今度は55取るって約束
で、夕べも頑張ったんでしょう?」と布団をめくるも、軽く払いのけられる始末。そして、
「頭が痛いのよ! 吐き気がするの! 向こう行ってよ〜!」
と、完全にまた布団の中にもぐりこんでしまいました・・・。
──直子は、親が言うのも何ですが、小学生の頃は成績は5と4ばかり。クラスの委員に選ばれるという出来の良い子でした。
えー、この物語では、時折こうして主役である洋子自身の口から解説することがあります。今後その解説が出た時は、上記のように、一文字スペー
スを開けて棒線の後にそのセリフを書くようにします。それにしても、ここでの「親が言うのも何ですが」というのは、洋子が決して自分の娘の優等生
ぶりを鼻にかけるようなタイプじゃないということが伝わってきて、上手く視聴者側に好印象を与えていると思います。さて、そんな洋子の解説はまだ
続くようです。
──5年ほど前、神奈川県のこの町に移住。直子は転校しました。それから急に成績が悪くなり、中学に入った時には最低グループのそれでし
た。でも去年、2年生になってから本人が自覚したのでしょうが、本気で勉強するようになり、テストの結果もやっと人並みになったのです。
この間に画面のほうは、その町の風景から、洋子が洗濯物を干しているシーンへと変わっていきました。と、その洗濯物を干している時、家の中か
ら
「ガシャン!」と何かが割れるような音が・・・!
洋子は思わずその場へ駆け寄っていきました。すると、食卓に上に用意されてあったコーヒーカップが割られてるではありませんか! それだけで
はありません。台所、洗面所、風呂場と、至るところの水道の蛇口が出しっぱなしになっております。特に、風呂場なんてもう湯船の中が満タンで
す。これ、すべて直子の仕業です。
──あの子は一体どうなってしまったのでしょう・・・。高校進学という一番大事な時に、登校拒否、その上こんな事をするなんて・・・
と、洋子も解説の中で呆れ果てております。そんな思いのまま、割れたカップを片付けようとする洋子。ここで私は思ったんですが、割れ物を直接
手で触れない方がいいのでは・・・? 手を切ってしまう可能性がありますからね。ところが洋子は・・・というより、ドラマの出演者たちは平気
でこういった割れ物に手を触れております。たぶん、割れた直後のものを使わずに、絶対に怪我をしないように配慮しているのでしょう。さて、そんな
私の勝手な想像は放っておいて、そろそろタイトル紹介。
〜ガラスの家の暴力少女〜
バカでかい白文字という、いかにも昔のドラマといった感じで出てきました。その後に、『ためされた愛 母は娘の14年の恨みに勝った!?』と、サ
ブタイトル的なものまで・・・。一番後の「!?」なんていいですね。何だか、最後までどうなるか分かんねーぞ!と訴えているみたいです。その後に、
この物語のキャスト紹介となるんですが、詳しくは最終章に紹介したいと思いますので、ここでは省かせてもらいます。さあ画面のほうですが、洋子
がどうやら買い物に行っていたようです。買い物を済ませた後なのでしょう。ネギが2本ほど飛び出ている買い物袋を持って、バスから降りてきまし
た。そして、もうすぐ自宅へ着こうかというその時、お隣の人でしょうか、「あ、西田さん。」と洋子に声をかけてきました。洋子は声を出さず軽くおじぎ
だけしました。「ねえ、直子ちゃんどこ狙うの?」 「いや、まだ決めてないんですけど・・・」 「山田さんとこは大変だったらしいわよ〜。ほら、校内暴
力とかですっかり荒れちゃって・・・。そこいくと、直子ちゃんはいいわよね。おとなしいし素直だからさぁ。」と、直子の実態をまったく分かっていない
様子。実はこのお隣のおばさん役の人、オバケのQ太郎第3シリーズのQ太郎の声の人であります。この方がドラマ出演しているものを
録画して持っているなんて・・・結構貴重かもしれませんね。話を戻しましょう。これ以上直子のことで他人と会話を交わしたくない洋子。この場も「失
礼します。」と言って、さっさと自宅へと向かっていきました。
──直子は、ご近所の人にはとても愛想が良くて評判がいい子なんです。
『西田周平』と、主人の名前の書かれた表札があるこの西田家。洋子は玄関を開けて入っていきました。
さて、買い物も終わり、これから夕食の準備にかからないといけない洋子。しかし、そんなやる気を損なうような光景を目にします。台所の食卓の上
に、袋入りのラーメン2つを食べた後が・・・。直子ですね。しかも、使った鍋や箸を洗っておらず、それらが汚く放置されております。ていうか、どん
ぶりが無いところを見ると、きっと鍋に麺を入れたままの状態で食べたんでしょうね・・・。「2つも食べて、ご飯前に・・・。」と、思わず不安を口にする
洋子。当の直子の姿が見当たりませんが・・・。やはりまた2階の自分の部屋に閉じこもっているのでしょうか・・・?
さあ、夕食の準備のシーンはないようです。今度は夕食をしているシーンへと変わりました。食卓には、洋子、直子、靖子、周平と、家族全員いま
す。しかし、直子1人だけは食事をしないでずっと俯いたままです。
──私の夫周平は、大手の出版社に勤めるサラリーマンです。年収はボーナスも入れて1000万にはなりますが、この家のローンが残っていま
すし、決して楽ではありません。夫の会社は東京の都心にあり、仕事が夜遅くまで続くことが多くて、このように一家そろって食事するのは珍
しいことでした。
直子以外の3人は和気あいあいと会話をしながら食べているんですが、やはり直子だけは暗く俯いたまま・・・。そんな様子を見かねた洋子が「直
子、テレビつけようか。タイムショック見たいんでしょ?」と言いますが、「どうでも・・・」と気のない返事がかえってきました。それを受けた洋子が、次
のように直子に注意します。
「あなたそうやって眉毛寄せるのやめなさいよ。嫌な目つき・・・。人に嫌われるわよ。
ホントにあなたこのごろ変な顔になっちゃって・・・。」
この洋子の言葉が、のちにとんでもない事態を招くことになるわけですが、それはあとのお楽しみという事にしておきましょう。「お腹が痛いのよ。」
「変な時間にラーメン2つも食べたりするからよ。」 「あんたがきちんと食事させてくれないからじゃない。」 「ちゃんとした時に食べないあなたが悪
いんでしょ。」 「えらそうに何よ。うちの台所見てよ。汚れた食器はいつまでも出しっぱなし。母親失格よ。サダコおばさんだってスエコおばさんもみ
んな、あんたのこと笑ってるわよ。親戚中の笑いものよ。」と、やや勝ち誇ったような言い方で洋子をバカにする直子。いやいや、君だってさっきのラ
ーメンの後片付けが出来ていなかったわけだから、それはちょっと言いすぎじゃないかって感じですが・・・。そんな私の代わりに、周平がここで次の
ようにビシッと言ってくれました。
「直子。その言い方は何だ。お母さんをあんたなんて呼んで一体どういうつもりだ。お前今日も学
校休んだんだろ。わがまま言うのもいい加減にしろ!」
あぁ〜もう、楽しい食事だったんですが、だんだんと気まずい雰囲気になってきました。もはやシーンとしております。その嫌な空気に真っ先に耐えら
れなくなったのは、靖子でした。「私、勉強してこようっと。」と言ってその場を去って行きました。周平は直子に向かって再び言います。 「お前、なぜ
学校を休むんだ? 理由を聞かせてくれ。」 今度はさっきの怒鳴り声とは一転して、穏やかな声に戻っております。「あれは・・・小学校の5年生の
時だったな。お前やっぱり登校拒否になった。あの時お父さん、お前の味方になったんだ。あの女の先生は確かに良くなかった。ヒステリーだった
よ、お前が言ったように。生理の時は子供たちに意地悪しそうな、そんな先生だった。あの時はお前が正直に話してくれたから、お父さん理解でき
たんだ。」 洋子に対してはことごとく言い返していた直子ですが、この周平に代わってからはなぜか黙っており、むしろ素直に聞いているようにさえ
見えます。「なぜ学校に行きたくないんだ? 先生が気にいらないのか、それとも誰か友達に意地悪されてるとか・・・。どうなんだ?」 黙って聞いて
いるとはいえ、さすがに一言も発しませんので、気になった洋子が「直子、あんた・・・」と聞いてみました。すると、直子はそんな洋子に対して、急に
怖い顔で睨みました。周平はその事に関してはあまり深く感じていないのか、さらに言葉を続けます。「お前にとっては今が一番大事な時なん
だ。今勉強するかしないかによって、これからの人生が大きく変わる。そのことはよく分かってるだろ?」 やはり素直に聞いていたのかもしれませ
ん。直子はここで1回縦に首を振りました。「お父さんもお母さんも、ちゃんとした大学を出てる。その子供のお前が頭の悪いはずはない。やれば出
来るんだ。」 直子はまたも縦に首を振りました。「よし。じゃ、明日から学校行くか?」 また頷く直子。「絶対に勉強するって誓えるか?」 「うん。誓
うわ。」と、今度は口に出して頷きました。「よし。じゃ、勉強しておいで。」 「うん。」と言っておとなしく部屋へ行こうとする直子。しかしその途中で一
旦振り返り、またも洋子を睨みました。この同じ2度の反抗態度は一体何を意味するのでしょうか・・・? が、それも束の間、すぐに去っていきまし
た。直子も靖子も部屋へ戻り、食卓には洋子と周平が残りました。「たまには父親がきつく言わないといけないな・・・。」とひとまず落ち着く周平。洋
子も、お疲れさまという感じで、周平のグラスにビールを注いであげております。
さて、周平のロングトークも終わり、部屋に戻った直子。しかしなぜか、ドアの外側に『絶対入るな』と書いた紙を貼りました。これは勉強の邪魔にな
るから入るなということでしょうか? それとも・・・? そんな疑問を残したまま、画面は早くも周平の個室へと変わります。何やら資料を開いてコン
ピュータにタイプ打ちしている周平。おそらくこれも仕事なのでしょう。その周平の部屋に、「ちょっといいですか?」と言って洋子はお茶を持ってきま
した。「うん。」 振り向かずにタイプ打ちを続けながら返事だけする周平。「直子のことなんですけど、あの子生理がまだなんです。」 「中学3年だと
遅いほうかな・・・。」 と、そんなに驚く様子もなく、やはり手を休めずに聞いている周平。しかし、
「靖子は去年あったんですけど・・・」
これを聞いたとたん、周平の手がすぐに止まりました。「ええ!? おかしいな・・・。異常じゃないかそれは? 女のことはよく分からんが、医者に診
てもらったらどうだろう? それが原因かもしれんな・・・。うん、それであの情緒障害の納得がいくな。」 「私怖いんです。」 「何が?」 「直子どうし
てあんな子になってしまったんでしょうか?」 「あの子に甘えを覚えさしたのが良くなかったのかもしれん、幼児期に・・・」 ここで直子がちょっとムッ
としたような顔になって、「おばあちゃんの事ですか?」と言います。祖母をめぐって何か過去にあったのでしょうか・・・? しかし周平は、「よそう。昔
の話だ。」と拒み、再びコンピュータに向かい合いました。洋子も、とりあえずここは話をやめて部屋を出ることにしました。廊下に出た途端、洋子は
「ヒャアァァ!」という声を出しました。そこにはなんと、暗がかりの中でパックの牛乳を直接口につけて飲んでいる直子の姿が・・・!
これは私もビックリしました。ていうか、ちゃんとグラスに入れて飲めよと言いたくなりますが・・・。あのラーメンの時といい、どうも直子はちゃんと別
の器に移して飲み食いすることが嫌いなようです。「私の悪口言ってたんでしょ?」と言い方は穏やかですが、怖い視線を送る直子。「何バカなこと
言ってんの、もう寝ますよ私。」
「直子直子って言ってんの聞こえたわよ。覚えてらっしゃい。あとで泣いても知らないわ
よ。」
うわぁ〜、ここまで来るともはや娘とは思えません。
さあ、しばらく時間は経ちましたが、まだ夜は続いております。周平の言いつけ通り、一応部屋で勉強している直子。ですが、どうも思うようにはかど
っていないようです。何度考えても分からない数学の問題。鉛筆や教科書を放り投げて、ついに断念してしまいました。さらに、あらかじめノートに書
いてあった人の顔の絵3枚・・・。それをちぎって地べたへ置き、なんとそれに火を点けました。絵とはいえ、人の顔が燃えるのを平然と見ている直
子。怖い! 怖すぎます!
次の日の朝になりました。さあ、今度はオープニングの時みたいに学校を休むわけにはいきませんね。周平との約束がありますので・・・。ところ
が・・・やはり直子はまだ寝てます。「直子起きなさい。起きないともう遅刻するわよ。」と洋子が部屋に入ってきました。「お父さんと約束したんでし
ょ、学校休まないって・・・。お願いだから起きてちょうだい。」 例によって布団をめくりますが、「吐き気がするのよ! お腹が痛いの!」と、昨朝より
もますます嫌がっているようです。ここで洋子は、下のじゅうたんが黒く変色していることに気づきます。なるほど、昨夜直子が絵を焼いたために出
来たものですね。「何をしたの、こんなところで・・・。火事になったらどうするのよ直子。ちょっとこっち向きなさい。」と今度は強引にも起こそうとしま
すが、「うるさいわね! こんな焼跡くらい何よ! 出てってようるさい! もう出てって出てって!」と、洋子を追い出そうとします。
「もうどんな事になったって知りませんからね! あなたの責任なのよ!」
「うるさい!!」 と言われ、洋子はとうとう諦めて出ていきました。洋子が出たあと直子は、「学校行かなくっちゃ・・・。もうダメ・・・。」と、今度はささや
くような声で言いました。ということは、頭の中では学校へ行くのがどんなに大切なことかはよく分かっているようです。さあ、いったん落ち着きを取り
戻しましたが、また逆に怒りが沸いてきた模様です。
「あいつのせいよ、あいつ・・・。ちくしょう!!」
と、突然起き上がり、ステレオの音楽の音を極端に大きくしました! さらにそれにならって、直子自身も頭を抱えながら、狂ったように叫び始めまし
た! ホントにすごいですね。中学3年生の女の子がやるような事とは思えません。当然1階の台所にいる洋子にも、音楽や叫び声が聞こえてきま
すが、洋子はわざと聞いてないふりをして耐えております。このまま治まるのを待つつもりでしょうか・・・? しかしここで、2階から直子が降りてくる
足音が聞こえてきました!
ここで第1章が終了です。洋子はこの危機をどうやって乗り越えるのか!? 直子にここまでさせるものは一体何なのか!? 直子が言う「あいつ」
とは誰なのか!? 次の第2章では、のっけから凄まじいシーンが画面を覆うことになります。では、また楽しみに待っていて下さい。
第2章は、こちらです。