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◎ストーリー(第4章)

最近の私は、パソコンの音量を最大限にしたまま放ったらかしにしてしまう傾向があります。やはり色々と動画が見られるようになってきて、動画に

よっては一番大きい音にしないよく聞こえないものもあるので、見終わったあと元に戻すのをついつい忘れてしまっております。従って次にまた別の

動画を見た時に、ものすごい大きな音をパソコンから発してしまう場合があり、これは下手をすると耳をやられてしまいますので、やはり音量は常に

元に戻すように習慣づけておかないといけません。このガラスの家の暴力少女は、ただでさえ効果音の目立つ話なので、テレビの音量はとても最

大にはできませんね。では、全7章あるうちの真ん中である第4章をご覧下さい。

 

さて第4章は、直子が入院している病院から物語が始まります。そこへ、急ぎ足でやって来た洋子。やはり、直子のことが心配で仕方のない様子で

す。手帳を見ながら待っている緒方のほうへと駆け寄っていく洋子。「遅くなりました。昨夜直子どうだったでしょうか?」 「よく眠ってましたよ、薬飲

ませましたから。今日は面会なさらない方がいいと思います。ちょっと失礼・・・」と言って、洋子の持ってきた荷物を調べる緒方。そして、「これはお

持ち帰り下さい。」と、配線コードのようなものを洋子に手渡しました。やはり病院内だから、持ち物もそれなりに限られてくるのでしょう。あるいは直

子にとって良くないものだったのかもしれません。「江本教授が診察室でお待ちです。」 「はい。」 洋子は荷物を緒方に渡し、江本の所へ向かいま

した。

 

診察室では、江本と話をすることになった洋子。ポツンと座っている洋子に対し、江本はなぜかみかんを食べております。「あぁ奥さん・・・あ

の・・・4人兄弟の末っ子だそうですね?」と質問してきますが、口がモゴモゴ言っています。まあ1対1の対談で他の患者さんもいない場なので、み

かんくらい食べてもいいとしても、せめてしゃべる時くらいは口の中のもの無くしてからにしろよという感じですね。洋子は私のようにその事には特に

気にしてないようで、「はい。」とその質問に普通に答えました。「大学を出られたのは、奥さんだけですか?」 今度は声を出さずに、首を縦に振る

だけの洋子。「恋愛結婚ですか?」 また首を縦に振る洋子。「で、お義母(周平の母)さんは結婚には賛成でしたか?」 「たぶん・・・反対だっただ

ろうと思います。」 「たぶん?」 「義母の意見は聞かなかったもんですから・・・。」 「あ、そうですか・・・。ご主人とは上手くいっていましたか?」 

ぜか今日は洋子の過去のことばかり尋ねる江本。「争うような事はなかったんですけど、主人は義母が顔を出しすぎるって言ってました。

特に直子が生まれてから・・・。」 と、ここでその直子が生まれたばかりの時の回想シーンに入りました。と言っても数秒ほどですが・・・。洋子の義

母が、まだ赤ん坊の直子を可愛がっているシーンでした。画面は戻ります。「義母は他にも孫がいるのに、特別直子可愛がってました。ホント目の

中入れても痛くないように、ナオタンナオタンって言って・・・。」 「奥さん。赤ちゃんが生まれられてから半年くらいして、また就職なさいましたね?」 

「はあ・・・」と、だんだんこの先生は一体何を聞いてくるんだろうかという顔になってきた洋子。「それは経済的な理由からですか?」 「いいえ。」 「じ

ゃあ・・・なぜ、働きに出られたんです?」 ここでしばらく沈黙が続きます。「ん、言いたくないんですか?」 黙ってうなずく洋子。江本も「じゃあ、いい

でしょう。」と、これ以上問いつめるのは止め、軽く手をこすりました。きっとみかんを食べたために、手がベトベトだったのでしょう。

 

画面は変わって西田家。第2章で一晩かけて直子の養子縁組について話し合ったあの伝説の(?)居間に、洋子と周平が座っております。 「病院

で、直子が生まれた頃のこと聞かれたわ。どうしてまた勤めに出るようになったのかって。」と、さっき江本と話したことを周平に伝える洋子。そして、

 「女の人からもらったハガキのこと思い出したわ。」

と言います。もしかしたら、これが江本に言えなかった事ではないのでしょうか・・・? 「そんな昔のこと関係ないだろ。」 「そうかしら?」 おそらく2

人にとっても苦い出来事なのでしょう。周平が「よそう。」と言って立ち上がりました。そのまま出て行こうとした周平でしたが、ここで立ち止まりまし

た。「この前、直子は俺には女がいると姉さんたちにウソをついた事があったね。なぜあんなウソをついたのか不思議だったんだが、君が直子に何

かグチをこぼしたんじゃないのか?」 「私がそんなこと言うはずないでしょ。」 洋子はすぐさま否定しました。

 

さあ、また今度は病院です。今度は周平と2人でやって来た洋子。

 ──入院してから2週間、やっと面会が許されました。しかしどうした事でしょうか? 私達は2時間近く、待たされておりました。

そのナレーション通り、待合室で待っている2人の耳に直子の叫び声が届いてきました!

 「イヤだ〜! イヤだ〜! 会いたくないよ〜! イヤだよ〜!!」

「直子よ!」 2人は思わず待合室を飛び出します。そこには、大声を出して帰宅するのを拒む直子、それを取り押さえている江本、緒方、看護婦2

名の姿がありました。それを見た洋子が思わず駆け寄ろうとしましたが、すぐに周平が押さえました。しゃがんで近くのドアにしがみ付いて離れようと

しない直子。相変わらずですね、直子は。「家へ帰りなさい。いいね? 家へ帰すよ。ん?」と言いますが、「あんな・・・悪魔のところになんかイヤだ

〜!」 と完全に嫌がっております。それを目の当たりにした洋子は、当然ガックリ。思わず両手で顔を覆いました。

 ──いったい直子はどうなっているのでしょう。前よりももっと悪くなっているように思えました。

    この日は結局、面会する事が出来ませんでした・・・。

このままではいけないと思った直子。再び江本と1対1で話をします。今度は病院の屋上です。1人の女が1人の男をこんな人目のつかないところに

呼ぶのは危険な気がしないでもないですが、まあこの2人でしたら、まず大丈夫でしょう。「また働きに出るようになったきっかけは、主人の女性関係

でした。ある雨の日、知らない女の人からハガキが来たんです。」 またここで、洋子の義母のいる回想シーンへと変わりました。おお、若々しい洋

子の姿。精一杯役作りしております。そして、やはり義母は赤ん坊の直子を溺愛しております。さて問題の手紙の内容ですが、次の通りでした。

 周平さんはあなたと結婚していては不幸になります。あなたは妻には向かない女性です。

 どうか別れて下さい。

その手紙をビリビリに破る洋子。逆に、何とも思わない義母。そしてこの手紙がきっかけで、洋子は居心地の悪さを一層に感じて働きに出ることに

なったわけですが・・・。以上のことから、どうやらこの手紙を書いたのは義母ではないかという予想がつきます。きっと、自分の息子である

周平を洋子と別れさせたかったのでしょう。さて、「義母に直子を預けて、私は証券会社の宣伝部に入社しました。ますます義母は直子を溺愛し、そ

の2人の仲の良さは、私たちが神奈川に移り住むようになっても、母が亡くなるまで続いたのです。」という洋子のセリフと共に、回想シーンから元へ

戻りました。「直子さんは母親というイメージを、あなたにではなく、おばあさんに持っているんです。ですから、今の奥さんは彼女にとっては母親じゃ

ない。この幻影を取り除くことです。」と、江本は適切かつ説得力のあるアドバイスを洋子に与えました。

 

次の日、あるいは何日か後かと思われますが、日が変わりました。また同じく舞台は病院。その一室で、緒方が画用紙に書かれた何枚かの絵を見

ております。すべてクレヨンで色付けされていますが、使われているのは赤と黒の2色だけでした。とここで、ドアがノックされ、洋子と周平が入

ってきました。「直子が面会したいと言い出したそうですが、少しは良くなってるんでしょうか?」 緒方はそれに対しては答えず、「直子さん、絵が好

きなんですね。」と言って、今見ていた画用紙を周平に手渡しました。

 「もっと明るい色・・・緑色とかピンクとか使うようになるといいんですけど・・・。」

ピンクはともかく、緑ってそんなに明るい色かなと私は疑問に思うところですが・・・。まあ目にやさしい色と言われてますし、医師の言っていることな

ので、間違いはないでしょう。 「絵というのは、無意識の心が表現されてるんです。」 さて、絵のことはこれくらいにして、ついに直子と面会する時

が来ました。果たして周平の言った通り良くなっているのでしょうか・・・? 緒方に連れられ、直子のいる個室に入る洋子と周平。するとそこには、

 髪をベトベトに赤く染め、アイシャドー、口紅を塗りたくった直子の姿が

 ありました!

うわ、これは恐ろしさを通り越して気持ち悪いです。そして、やはり眉毛も剃ったままです。「直子・・・!」と驚く周平。何も言えなくなってしまった洋

子・・・。やはり直子は良くなってはいませんでした。世の中そんなに甘くはありません。いや、むしろ悪くなっております。「あんたらに言いたい事があ

んのよ。いいこと? 私がこうなったのには、あんたらにも責任があんのよ! どう?」と、怖い顔を向けて責めてきます。「ええ・・・。」と、洋子はもう

声が震えております。「お前は私をのけ者にしてきた。違うのかよ! お前は私を殺そうとしたじゃないか!」 「まあどうぞ、お座りになって」と2人に

腰掛けるようにすすめた緒方でしたが、「立ってりゃいいの。」と直子はすぐにそれを遮りました。「私は変わったんだよ。お前らも変わってもらいたい

ね。」 「そうするわ・・・。」 「じゃあ、お前も眉毛剃れよ。マニキュアしてもっと濃い口紅つけろよ。髪も真っ赤にしろ。」と洋子に言い、周平に対して

「お前はサングラスかけろよ。目つきが悪いんだよ。」と言いました。「どうなんだよ!」 完全に打ちのめされてしまったかのような周平。洋子も、

「そうするわ・・・。」と今にも泣きそうな顔で答えました。それにしても、こないだまで親をあんた呼ばわり、この人呼ばわりしていたのが、ついにお前

呼ばわりになってしまいました。いや、というより、もうそんな事を言ってるレベルではなくなってきました。「それから、私が精神科に入院したってこ

と、学校には隠すこと。」 「隠してあるわよ・・・。」 「隣近所にも秘密だよ。胸を悪くしたって言っておくこと。」 「そうする・・・。」 「それからな・・・」 

「まだあるの?」 「入院してからずっと考えてたんだもん。」 「それじゃあ、食堂に行って何か食べながら話さない? そうしましょうよ。ここじゃ狭い

から。」と、まずこの場の悪い雰囲気を断ち切ろうとした緒方。さすがです。

 

その食堂にやって来ました。銀色のグラスに盛ったアイスクリームをむさぼるように食べる直子。最初は一応スプーンを使っていましたが、終いに

は直接ベロで舐めてしまいました。そんな直子とは対照的に、上品にコーヒーを飲む緒方。洋子と周平は・・・やはり何も喉を通らないようです・・・。

「私ってさ、ホントに分裂病じゃないかって思う時があるのよね。時々なんにも分かんなくなるのよ。記憶喪失ね、アハハハハハ・・・」と、わざと大声

で笑う直子。周囲の人たちも、なんだなんだって感じで驚いております。「あんたら、私をこんなとこに押し込めて、のうのうとしてんだろうね。」 「そ

んなことないわよ。」 「じゃ、証拠見せてよ。」 「証拠?」

 「靖子を養女に出せよ。」

と、これまた無茶な要求をしてきます。「ホントに私が大事なら、そうしろよ。え? どうなんだよ!?」 「そんなことは出来ないよ。靖子とは関係ない

だろ。」 「そーれみろ。私を大事になんかしてないじゃないか。前にお前は私を養子に出そうとしたじゃないか。なんで靖子は養女に出せないんだ

よ?」 「あれはお前が言い出した事じゃないか。」 「お前がそうしたがってるから、私から言い出してやったんだよ。」 そんなやり取りを困った顔で

聞いている緒方。ここで、洋子がある提案をします。「じゃあ、こうしましょう。あなたが病院にいる間、靖子は外に出すわ。お姉さんの家に預かって

もらう。そうすれば、養女に出したのと同じことになるでしょ? それでいいでしょ?」と、あくまでも穏やかに言いました。「ねえ、それで証拠になると

思うわよ?」と、緒方も洋子をフォローします。「そうね。そうよね先生。14年間の呪いなの。とことんこいつらに復讐してやるの。」と、緒方に抱きつく

ようにしてその提案を受け入れた直子。果たして14年間の呪いとは何でしょうか? とりあえずこの場は丸くおさまったものの、さらなる不安が高ま

っていきそうです。

 

さて、またまた西田家。今回の物語は、病院と西田家を行ったり来たりしております。セーラー服姿で帰宅してきた靖子。さっきまで直子のあのおぞ

ましい姿を見ていただけあって、このセーラー服姿は実に初々しささえ感じます。「ただいま。」と言ってごく普通に家に入ってきた靖子。しかし、家の

中では普通じゃないことが待ち受けていました。直子に言われた通り、なんと洋子が真っ赤な髪に濃い化粧をしているじゃありません

か! 「母さん・・・。」と、それを見た靖子は唖然としました。「病院に行ったのね? 私だってお母さんの子供よ。イヤよそんな髪!」 「お願いだか

ら分かってちょうだい・・・。」と、元気なく言う洋子。分かれるわけないでしょ、そんなの。これ、下手すりゃトラウマになりますって。「そんな目で見ない

で・・・。」と近づいてくる洋子。靖子は思わず、「イヤよ。イヤ!」とその場を離れて行きました。そして夕食の時間が来ましたが・・・やはり洋子はそ

の格好のままです。直子は病院なので、洋子、周平、靖子の3人なんですが、周平、靖子はノーマルなのに洋子1人だけが赤い髪で目立っていて、

実に違和感があります。こんな状態では、当然食欲が沸くわけがない3人。さらに、「お金もらうわよ。外でご飯食べてくる。コロッケ、サラダ、魚のフ

ライ、みんなスーパーのできあいじゃないの。嫌いよ。」と、財布からお金を取って行こうとしました。「靖子、待ちなさい。」と止めますが、そのまま行

ってしまいました。いやぁ〜、靖子の言うことももっともですね。ハッキリ言って周平たちに止める権利はありません。周平もその事はよく分かってい

るのでしょう。それ以上靖子を引き止めようとはしませんでした。

 「メチャメチャだな、我が家は。」

もう意気消沈の2人。「直子は死んだものと思おう。そうしないと、みんなダメになってしまう。」 夕食の時だけじゃありません。さらに悪夢は続きま

す。夜も更け、寝る時間になりました。布団は別ですが、2人並んで寝ている洋子と周平。しかしここで、洋子がうなされ始めました。周平もそれに気

づき、起き上がります。「直子・・・直子・・・直子〜!! 直子・・・直子・・・」と夢の中で言っている洋子。「洋子。洋子。洋子!」と起こす周平。「あな

た・・・」 洋子もやっと目が覚めました。そして、いま夢の中で見たことを泣きながら話します。「みじめだったわ、あの子。幼稚園でたった1人・・・。」 

幼稚園児だった直子が誰とも友達とは遊ぼうとしなかった、洋子はその時の夢を見ていました。「私あの時、仕事やめて育児に専念しようと思った

わ。かわいそうにあの子・・・。」 「洋子・・・。」 妻を心配する周平。しかし洋子は、

 「大丈夫。私はあの子の母親ですから・・・。がんばってみるわ。

と涙を止め、直子を元に戻す決意を新たにしました。

 

ここで第4章が終了です。予想以上にだんだんと悪くなっていく直子。しかし、最後に見せてくれた洋子のこの決心。光はまだ消えていません。14年

間の恨みが勝つか!? それとも母親の愛が勝つか!? だんだんサブタイトル通りの展開になってきましたね。第5章も目が離せません。

第5章は、こちらです


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