建設業許可について
T 建設業の許可について
建設業を行うには、建設業法による許可を受けなければならない(建設業法第3条)。この法令に出てくる用語のおもなものは以下のとおり。
1.建設工事とは、土木とか建築に関する工事で、左官、電機、大工工事等々の工事が29種ある。
2.建設業とは、建設工事の完成を請け負う営業を言う。
3.建設業者とは、建設業法により、許可を受けた者をいう。
許可を受けていないものを含めて総称する場合「建設業を営む者」という。
4.下請契約とは建設工事を他のものから請け負った者が建設業を営む者との間で、当該建設
工事の全部又は一部についての施工の下請け契約締結する請負契約をいう。
5.発注者とは、建設工事の最初の注文者をいう。
6.元請人とは、下請契約における注文者で建設業者をいう。
7.下請人とは、下請契約における請負人をいう。
U 許可を要しない建設工事の範囲
工事1件の請負代金等の規模
建築一式工事 ((1)、(2)いずれかに該当する場合 |
(1)1件の請負代金が1,500万円未満の工事 (2)請負代金の額にかかわらず、木造住宅で、延べ面積が150平方メートル未満の工事 |
建築一式工事以外の工事 | 一件の請負代金が500万円未満の工事 |
※工事額は注文者からの材料支給額を含む
V 許可の種類
29種類に分類されている。(H28/6/1 省令施行により、解体工事業が追加)
従来のとび土工工事業に含まれていた解体工事業が分離独立したかたちになった。平成31年3月末までに解体業許可を
受けていることが必要になります。
W 許可の区分
(1)大臣許可と知事許可
営業所の所在地によって区分される。
@建設業での営業所とは、建設工事の請負契約を常時結べるような内容の事業所等をいう。
A建設業法では、建設業を営む営業所を統括し指導監督する1ヶ所の営業所を主たる営業
所、それ以外の建設業を営む営業所をその他の営業所と称する。
B実質的に契約に関与しない事務所は業法でいう営業所とはならない。
C一般的にいう事務所の形態をしていなければならない。
Dさらに本店等であっても、登記上の者で実質的に本店等の機能を有していない場合
或いは建設業を実質的に営んでいない場合、当該本店等は主たる営業所とはいわなく、
この場合、該当する支店等が主たる営業所になる。
Eこれらの営業所が一つの都道府県にある場合は知事許可、二つ以上の都道府県にまた
がる場合には大臣許可となる。
※なお営業所が許可を受けた業種において軽微な建設工事のみを請け負う場合も建設業法
に規定する営業所になる。当該営業所が主たる営業所の所在する都道府県以外に設けられ
ている場合は大臣許可として取扱う。
(2)一般建設業と特定建設業の許可区分
@特定建設業の許可
建築一式工事 |
発注者から直接請け負った1件の建設工事(いわゆる元請工事)につき、下請けに出す代金の合計額が6,000万円以上となる場合は、その元請業者は特定建設業の許可が必要 |
建築一式工事以外の建築工事 | 発注者から直接請負った1件の建設工事(いわゆる元請工事)につき、下請けに出す代金の合計額が4,000万円以上となる場合は、その元請業者は特定建設業の許可が必要
|
A一般建設業の許可
上記@以外のとき、つまり1件の建設工事につき建築一式以外の元請工事で、下請けに
出す代金の合計額が4,000万円未満(建築一式工事においては6,000万円未満)の場合
又は下請としてだけ営業しようとするものは一般建設業の許可が必要。
(3)指定建設業
特定建設業者は建設工事を施工する際に、複数の下請業者を使うことが多いため、
施工管理(施工計画、工程管理、品質管理等)に対し、総合的な施工技術を要します。
そのため自らの技術力の向上と経営基盤の強化を図ることを目的に、新たに建設法
施行令で定めた次の7業種を指定建設業といいます。
@土木工事業 A建築工事業 B電機工事業 C管工事業 D鋼構造物工事業
Eほ装工事業 F造園工事業
さらに許可基準においても専任技術者は1級国家資格者等になっている。
(4)特定建設業者の義務
@下請負人に対する請負代金の早期支払義務(業法第24条の5)
A下請負人の指導、育成(業法第24条の6)
B施工体制台帳及び施工体系図の作成等(業法第24条の7)
許可の基準
許可の資格要件は以下のとおり
A 経営業務管理責任者の設置
B 専任技術者を有していること
C 請負契約に関し誠実性を有していること
D 財産的基礎あるいは金銭的信用を有していること
E 許可の拒否要件に該当しないこと
1.経営業務管理責任者について
経営管理責任者になれる者 (現在の地位) |
経験の範囲 (従前の地位) |
必要な経験年数 |
---|---|---|
(法人) 常勤の役員(取締役) (個人) 事業主又は支配人 |
(法人) 常勤又は非常勤の役員 常勤又は非常勤の支店長、営業所長 (個人) 事業主又は支配人 |
(1)許可を受けようとする建設業5年 (建設業法第7条第1号のイ) (2)許可を受けようとする建設業以外の建設業7年 (建設業法第7条第1号のロ) |
準ずる地位 (執行役員等以外の者) |
(3)許可を受けようとする建設業7年 (建設業法第7条第1号のロ) |
|
準ずる地位 | (4)許可を受けようとする建設業5年 (建設業法第7条第1号のロ) |
2.専任技術者の設置について
一般建設業 | 特定建設業(指定建設業以外) |
ー業法第7条第2号ー 次のいずれかの要件を満たしていること イ 許可を受けようとする建設工事に関し、所定の学科を修めて ●中等教育学校卒業後 5年(60ヶ月)以上 ●高等学校卒業後 5年(60ヶ月)以上 ●大学・短大・高専卒業後 3年(36ヶ月)以上 の実務経験を有する者 ロ 許可を受けようとする建設工事に関し、10年(120ヶ月)の実務経験を 有する者 ハ 国土交通大臣が定めた資格を有する者(免許等の国家資格者) |
ー業法第15条第2号ー 次のいずれかの要件を満たしていること イ 許可を受けようとする建設工事に関し、国土交通大臣が定めた資格を 有する者(1級、技術士の国家資格者) ロ 建設業法第7条第2号イ、ロ、ハに該当し、許可を受けようとする建設 工事で、発注者から直接請負い、その代金の額が1件4,500万円以上で あるものに関し、2年(24カ月)以上の指導監督的実務経験を有する者 ハ 国土交通大臣が上記イ又はロと同等以上と認めた者(注1) |
指定建設業 | |
ー業法15条第2号ー イ 許可を受けようとする建設工事に応じ、国土交通大臣が定めた資格を 有する者(1級施工管理技士、1級建築士・技術士の国家資格者) ハ 国土交通大臣が上記イと同等以上と認めた者(大臣特認資格者)(注2) |
(注1、注2) 業法第15条第2号ハ該当は、国土交通大臣が個別の申請に基き特別認定したもので、認定対応業種により認定書の交付を受けている技術者をいい ます。
3 請負契約に関する誠実性について
許可を受けようとするものが、個人の場合は事業主及び支配人が、法人の場合はその法人、役員、支店長、
営業所長等が請負契約に関し、不正、又は不誠実な行為をすることが明らかな者でない事。
(業法第7条第3号)
4 財産的基礎又は金銭的信用について
次の要件を備えていることが必要
一般建設業 | 特定建設業 |
次のいずれかに該当すること (1)自己資本額が500万円以上であること (2)500万円以上の資金を調達する能力をゆうする こと (3)許可申請の直前過去5年間許可を受けて継続して 営業した実績を有すること(許可の更新時) |
次の全部に該当すること(新規及び更新の際) (1)欠損の額が資本金の額20%を超えていないこと (2)流動比率が75%以上であること (3)資本金の額が2,000万円以上であり、かつ自己資 本の額が4,000万円以上であること |
5 その他、許可の拒否要件
建設業法第8条の欠格要件に該当した場合。 参考条文
以上の要件に基き、許可申請の手続きを進めてまいります。 許可申請書類
(様式集ダウンロード)