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医療法人設立のメリットとデメリット
メリット
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個人と法人の資金が明確に分けられ、経営管理がしやすくなる。 ·
個人の所得税と住民税の負担が軽減される(申告所得1800万円以上)。 ·
給与所得控除が受けられる。 ·
家族に実質的な理事になってもらい、理事報酬を支払い所得の分散をする。 ·
医療法人にプールされる資金を運営ノウハウにより診療報酬増に活用する。 ·
老後の年金・退職金を医療法人にプールしてもらい年金・退職金を確保する。 ·
老後の資金作りのために経費になる生命保険を活用する。 ·
医療法人にプールされる資金に働いてもらい、「お金」が「お金」を生む仕組みを作る。 ·
分院を設立し、分院に医療技術と経営ノウハウを持ち込み、分院のドクターに開業の醍醐味を知ってもらい、利益を再配分する。 ·
分院を譲渡することにより、「のれん代」「営業権」を含めた利益を確保することができる。 ·
社員総会で承認された資金の保管方法を取ったにもかかわらず、資産価値が目減りした場合、節税効果を期待できる。 ·
保養所を医療法人の資金で利用できる(個人使用割合という考え方がなくなるため)。 ·
個人所有の自動車も法人名義になれば、100%経費。 ·
厚生局からの振込みから源泉税が無くなる。(請求金額全額受け取り) ·
医療法人は、有床診療所などを運営する場合、隣接地に理事長の宿舎を持つことができる。 ·
クリニックを個人で買ってしまった場合、その返済に多大な税負担が確定するが、クリニックを医療法人に売却し、医療法人の利益で返済することができる ·
開業当初から医療法人でスタートができる都道府県もあるが、この場合運転資金の借り入れも、医療法人の利益から弁済することができる。 ·
介護事業に進出できる。 ·
訪問看護ステーションなどを自前で持つことができる。 ·
借入金の主体が医療法人になり、保証人は理事長のみで足りる。 ·
相続対策になることもある。 |
デメリット
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医療法人の設立は、書類が多くめんどくさい。外注すればコストもかかる。 ·
医療法人設立後も理事会の議事録など書類を作る煩雑さがあり、最低限、決算届けと資産登記が毎年必要となる。 ·
社会保険と厚生年金に加入する義務が生じる。 ·
一度法人化したら、簡単にはやめられない。 ·
ドクター個人の所得を分散することとなるため、ドクターご自身の可処分所得は減少する。 ·
医療法人に資金がプールされることとなるため、医療法人を活用するノウハウを持つ必要がある。 ·
交際費となる金額に上限が設けられ、交際費の10%が経費とならなくなる。 ·
設立申請時に沿った経営を迫られるため、その後の変更が生じる可能性がある場合、監督官庁に早急に相談する必要がある。 ·
理事長と医療法人の利害が一致しない取引をする場合は、特別代理人選任申請(医療法68条)をする必要がある。 ·
分院を持ったり、経営形態が変わるときは定款変更の認可を都道府県から取得する必要がある。 ·
理事の数(枠)を多めに作っておかないと、将来子供などを理事に加える場合、定款変更が必要となる。 ·
個人の資金と法人の資金をしっかり分けて管理する必要があるため、管理にスタッフの協力が必須条件。 ·
特に、自費の多いクリニックは、自費を含めた診療報酬をしっかり把握し、徹底した節税をしなければ効果は半減。 ·
ただ、医療法人化しただけでは各事業年度の法人税、住民税は少なくなるが解散時に大きな課税が待ち受けている。 ·
医療法人の運営管理に長けたコンサルタントを活用する必要があり、運営コストが上昇する。 ·
個人の時代に比べ、会計事務所に支払う顧問料と決算量が増額される。 |