I love Rock'nRoll! 音楽観を変えた思い入れのある1枚 “この1曲”
- Music for the life, Flowers by the window. -
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#2 ♪I WANT YOU/いかすぜあの娘『ROCK AND ROLL OVER/地獄のロックファイアー』’76
「やりたいのはストレートなロックン・ロール…ただそれだけ」 −ポール・スタンレー
私が洋楽に目覚め、ロックの楽しさ カッコ良さを教えてくれたのが KISS でした!
キッス が大躍進を遂げた70年代後期は、ロックの新しいムーブメントが世界を変えようとしていた時期です。
ある日、専門誌の巻末にそれまで見た事の無い異様なイデタチの4人組が目に飛び込んできました。
ニューヨークはエンパイア・ステート・ビルの屋上でポーズを決める4人の男達、それはもう 到底この世の人間とは
思えない格好をしており、彼等がギターやドラムを操り音楽を奏でるとは想像する事すら出来ませんでした。
「このカッコで一体 どんな曲を演奏するんだろう?…」 その日以来 寝ても覚めても彼等の事が頭から離れず、
大した知識も無いままに手にしたLPレコードが この 『ROCK AND ROLL OVER/地獄のロックファイアー』 です。
この作品は名盤 『DESTROYER/地獄の軍団』 を リリースした同年に発表、
次作 『LOVE GUN』 へと続く 中期三部作における傑作の1枚で、前作がドラマティック かつ実験的な
アプローチだったのに対し、ライブ栄えのするシンプルでストレートな楽曲に全体をシフト、
ピーター・クリスが歌うアコースティック・ナンバー 「♪ Hard Luck Woman」 のヒットでも知られ、
A面のトップに収められた 「♪I Want You」 は、甘美なメロディとボーカルから一転、唸りを上げ登り詰める
フランジャーの利いたギターが 私を一気にキッスワールドに引きずり込んだ 最も印象に残るナンバーです。
ネット環境の無い当時、彼等に関する情報は乏しく、レコードを始め キッス が載る音楽誌はどんなに小さなものでも
隈なく買い漁った記憶があります、そして迎えた“ヤング ミュージック ショー” 初めて動く彼等を見た時の衝撃といったら、
緊張のあまり正座したまま ブラウン管の前から動く事が出来ない程でした。(笑)
キッス がデビューしたのは1973年、当時ニューヨークで活動を続ける ジーン・シモンズとポール・スタンレー の両名が中心となり、
音楽誌のメンバー募集で決まった ドラムの ピーター・クリス、リードギターの エース・フレーリーをメンバーに加え、
その翌年、アルバム 『KISS/キッス・ファースト 地獄からの使者』 でデビューを果たします。
その後 立て続けに2枚のアルバムをリリースするも 思ったほどのセールスを振う事はありませんでしたが、
着実にライブを重ね、力をつけてきた彼等は75年、名プロデューサー エディ・クレイマー を迎えた起死回生の2枚組ライブアルバム
『ALIVE!/地獄の狂獣 キッス・ライヴ』 で全米チャート9位に入るヒットを記録、一躍人気ハードロックバンドとしての
地位を確立し、世界にその名を 知らしめたのです。 以降 幾度となくメンバーチェンジ、スタイルの変換を図り、
変貌を続けるミュージック・シーンに対応、それから50年という長きに渡り 第一線のライブバンドとして君臨してきました。
奇抜なメイクに 驚愕のステージ・アクトを繰り広げる彼等ですが、その実は誰からも親しまれる
シンプルなロックン・ロールが身上、ギターのリフを活かした分かり易い音楽性が、
老若男女を問わず、世界中から愛される理由です。
この曲は 聞けばいつだって15のあの日に戻れる魔法のナンバー キッス は 私の永遠のヒーローなのです。
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