2005年8月 ・秋田駒ヶ岳&岩手山 ・夏合宿:東北シリーズ
・南アルプス:聖岳&光岳 ・口無谷から岩篭山
<夏山合宿 例会山行記録>
秋田駒ヶ岳&岩手山
参加者:山本(CL)・正木(SL)・武藤・岡・浅場・槙・小島(鈴鹿散歩会)中西:計8名
8月11日(木)〜8月15日(月)
8/12 秋田駒ヶ岳 八合目から頂上の散策
8/13 岩手山馬返し登山口から頂上往復

(記録)
 日頃近場の山行きに慣れ親しんでいる私にとって遠方の山に行くには全てを会の組織に頼る事は勿論、次々と未知の体験を味わうことで多少はワクワクドキドキである。

 8月11日 事務所8:30 2台の車に分乗、敦賀港11:00発の苫小牧行きの新日本海フェリー乗船。お盆の帰省客、夏休みの子供達でほどほどの混み具合である。明、明後日の登山にはあまり安心の出来ない天気予報を頭の片端に明朝5:50の秋田港まで19時間をどう過ごそうか・・・
 日頃忙しくされている方々にとっては、のんびり身体を休め・・・(口と胃袋だけは忙しく)日頃から忙しくないボォー・・・としている私は時間の長さが多少恐ろしい。でも船が港を出ると以前楽しませて呉れた西方ヶ岳や栄螺ヶ岳に見送られ、小島氏差し入れの冷えた果実酒に各々の山々の思いが次々と口から出始め4泊(内、船中泊2日)5日の山旅の軌道に完全に乗ってしまった。

 8月12日 定刻通り船は秋田港に到着、私なりには山行きに耐えられる程度には寝られた。一足先に秋田港入りして思うがままの山歩きをしている武藤氏の待つJR秋田駅近くのHotel東横インへ。(このHotelは8/13に我々も利用する予定)同居するコンビニで朝食、昼食を調達し登山口へ向かう
 8:00羽後交通バス停で(標高650M)に車を置き8:45八合日登山口へバスにて到着。混雑時期は以外ならここまで車で来られる。既にここは標高1245Mいくら私でも今日は楽勝と思った。
 8:50スタートです。噴火による茶色のじやりじやり砂混じりの山道です。噴火時期が遠い昔でないことを教えて呉れているような接触間がありました。
 9:30(標高1360)片倉岳に、ここから見る秋田駒は名にふさわしい締麗な形の山であるがガスも出始め頂上が隠れている。足元は赤土の広場と云う感じ。こうなると主役はどうしてもお花になる、梅鉢草・白山シヤジン・ミヤマリンドウ・色々花の名に飛び交う歓声。
 10:15阿弥陀池に到着、周囲にはニッコウキスゲが群となし、切れ味の良い鴬の鳴く声も、やがて10:35男岳山頂(標高は1623M)更に石積みの道と木道、階段状に整備された道を登り11:25最高峰である男女岳に到着(1623M)頂上の標識には女目岳←どちらも、おなめ岳と印されていた。
 11:45「十和田八幡平国立公園駒ヶ岳避難小屋」と云う看板のあるログハウス調の小屋に到着昼食後12:10横岳へ向けスタート、途中ハート形の二つの雪渓を左脇に見つつ進むとじやりじやり砂の所々にコマクサが風に吹かれて揺れている一際高い歓声。高山植物の女王とも云うとか私は初めてお目にかかった。可憐で美しく、やさしく弱々しくも思えた。12:35(1583M)横岳到着。
 12:45焼森。13:20八合目着。4時間15分の歩行であった。
 13:30発のバスで羽後バス停に着くと冷水の中に浸ってあったトマト(一つ50円)がうまかったこと。途中乳頭温泉郷、妙乃湯温泉につかり、宿だもん(ペンション)へ。ペンションだもんは元新日鉄のバレーボールの選手であったと云う背の高い無口そうだが愛想は普通のオヤジが経営する綺麗でモダンなペンションで和洋半々といった美味しい料理を並べて呉れた。              

阿弥陀池前にて

ハクサンシャジン

ウメバチソウ

男女岳(秋田駒)山頂にて

ペンション「だもん」にて

ハート形の雪渓・秋田駒にて
 8月13日
 涼しいべッドの中で外の雨音、近郊の山なら中止で済むが、ここまで来ると貪欲にならざるを得ない。足を痛め今日の登山を控えることになった武藤さんの運転に気がねしながらペンション夫婦の造ってくれた朝、昼二食の弁当をザックの中に入れ
 6:00に出発。
 雨具を付けての9時間前後の歩きはかなりキツイ。覚悟の有無を胸に手を当てて確かめてみるもあまり反応は無い。登山口近くで先頭を走る武藤車は熊が道路を渡るのを見たとの事、幸運なのか先行きの心細さが・・・。小島氏が沢歩きに連れて行って呉れた際の氏の言葉を思い出した。要は人間よりも熊の方が怖がっていると・・・。そう云えば人間ほど恐ろしい生き物が他に地球上に居るだろうか・・・やがて登山口に到着。他に登山客3〜4組が準備していた。幸い雨は小雨程度だ。

 先に歩行タイムを記録しておきます。
 6:45馬返し登山口をスタート(630M)
 7:17新道、旧道の最初の分岐に到着、新道を行く
 7:54一合目(910M)  8:07二合目
 8:35三合目      8:57四合目
 9:20五合目      9:50六合目
 10:20七合目     10:35八合目避難小屋
 11:40お鉢巡りコースと頂上への分岐
 12:00頂上しゃく(2038M)
 12:32八合目避難小屋に戻る(昼食)
 13:30下山スタート
 15:50駐車場の在る馬返し登山口:完。

ブナ林にて

岩手山山頂にて
 私は体力もなく気力も年々衰える中で登山に余裕心がなく、なんとか頂上にたどり着くことのみが先行して記録報告しても同行した方には理解されても他の方々には全く味気無い事と承知しており申し訳ない限りである。登りは小雨が止んでいる時が多く、下りは多少雨の時が多かったが降り放しでなく助かった。ガスで展望は駄目で頂上近くではガスが濃くなり少し道捜しも有り全員が見失わないよう固まって歩いたりもしたが 昨日感激したコマクサが頂上近くでは昨日以上に咲いておりイワブクロと可憐さを競い合っていた。時に旧道を見られる場所があり噴火石などが流れ道を造ったように見え歩き易さでは新道が良いように思えた。噴火のしゃりしゃり砂の高山植物の生命力にも、頂上まで歩けた自身にも安堵を呉れた岩手山でした。下山後、綱張温泉で疲れをとり、先述のビジネスホテル東横インへ。

 8月14日〜15日
 ホテルは4千数百円で朝食付き、コインランドリーも付設され登山客には恰好でした。秋田港9:00発のフェリーに乗船。ゆったり感とゆったり時間で飲み食いおしやべり。健康には??
 敦賀着8/15朝4:20出勤が待っている浅場さん 大変でしょうが頑張って!!と心でつぶやき・・・。私も燃えるゴミの搬出日、頑張ろう。
 フェリー利用とは云え、慣れない東北や、早朝の敦賀からの車の運転、山本さん、武藤さん有り難う御座いました。

 雨風に負けじと細身をよじる
 コマクサ可憐 岩手山
                                          記:中西
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  夏山合宿 東北シリーズV 秋田駒ヶ岳・岩手山に登って

 夏山合宿も東北シリーズも飯豊連峰・大朝日連峰・そして、今年の秋田駒ヶ岳・岩手山の三回目を数えました。
 お天気はガスっていて展望は今一でしたが、足元の花は堪能できました。八月の半ばでもコマクサが観られて、皆さん感激でした。来年も東北シリーズパートWをとの声が早くも上がっています。岩木山や鳥海山の名も・・・・登りたいですね。
 盆休みの混雑するアルプスを避けて、のんびりとした陸奥の山の旅も叉楽しやです。    やまもと:記
<夏山合宿 報告>
 8/15(月)〜18(木)
 南アルプス 
聖岳(3013m)〜光岳(2591)
縦走 (3泊4日)
参加者:CL 西村高:1名
1日目(晴のち曇り) 
 事務所(2:40)=米原IC=(仮眠)=飯田IC=便ヶ島P(10:25−10:40)〜西沢渡(11:12)〜薊畑分岐(15:20-35)〜聖平小屋(テント泊)(15:50)

最終的に参加者は私1人と少々寂しい合宿となった。
実は7月に2〜3人用テントを買っていた。 一式で僅か1.7kg。これなら1人でも担げそうなので、夏山合宿らしくテント泊とすることにした。 考えてみるともう何年もテント縦走をしていない。楽しみである。

 飯田ICへの途中、眠くなって内津峠PAで予定外に2時間程寝入ってしまった為、便が島に着くのが大幅に遅くなってしまった。便が島は標高1000m近くあるが、日差しがあるとやはり暑い。

 身支度を調え、出発。 西沢渡まではほとんど平坦で快調に歩む。西沢渡に着くと、手動のゴンドラ(本来荷物用)が新しく立派になっている。 沢は水量少なく、石伝いに渡れそうであったが、利用させてもらう。 登山者のほとんどが借用しているようだ。

 小屋泊に比べ、3〜4kg重いだけなのだが、登りになると汗がどっと吹き出し、息も ハァハァとなる。 今回は ややゆっくりペースとし、その代わり50分〜1時間は歩いてから休憩をとることにする。 ペースが速いと長続きせず、頻繁に休憩が必要で、結果として余計に時間がかかる。
 中間よりやや手前で危険個所がある。 急斜面のトラバースや登りが10分程続くが、 ロープなども張ってあり、慎重に進めば特に問題ない。
ひたすら我慢の樹林帯の登りが続く。

 ようやく樹林帯が切れ、傾斜もゆるやかになると、ぽんと薊畑分岐だ。便ヶ島から4時間40分で着いたことになる。予定より大分早い。展望地のはずなのだが、ガスって何も見えず。聖平はここから15分ほど下ったところなので、一休みする。 
 展望がダメなので、花をゆっくり楽しむことにする。 ハクサンフウロやマツムシソウ、アキノキリンソウ、オタカラコウなどの花が見られる。 お花畑とまではいかないが・・・。薊(アザミ)は見つけられない。

 聖平の縦走路から木道を2〜3分も歩くと聖平小屋に無事到着。受付のため、小屋に入ると 熱いお茶とクッキーで歓迎してくれる。何よりの暖かいもてなしで、うれしかった。 テントは1人500円。テント場も空いている。小屋に近いところで、マイテントの初張に取り掛かる。2〜3人用に1人は超快適。この聖平は水が豊富で、蛇口をひねれば、いつでも自由に利用できる。もちろん飲める。
トイレはトレペ備え付けの なんと水洗である。
 食料は重いものから減らしていくことにする。今夜のメインは白ご飯にレトルトカレーとする。 夜中、フライを叩く雨音に一瞬目覚めるもすぐに不覚に陥る。

2日目(曇り)
 聖平小屋(6:50)〜薊畑分岐(7:20)〜小聖岳(8:00)〜聖岳(8:55-9:10)〜小聖岳〜薊畑分岐(10:50-12:05)〜聖平〜南岳(13:50)〜上河内岳分岐(14:25)〜茶臼岳分岐(15:20-30)〜茶臼小屋(テント泊)(15:40)

青空が広がっている。濡れたテントはそのままにしてサブザックで聖岳へ向かう。帰ってくる頃にはよく乾いていることだろう。
 縦走路の聖平分岐から聖岳の頂上部が望める。(結局、雲の全くかかっていない聖岳が見られたのは、4日間でこの時だけとなった。)

 かってこのあたりにはニッコウキスゲが群生していたそうだが、今では全く見ることが出来ない。鹿の食害だそうだ。最近、フェンスで囲んで再生の試みがなされている。茶色く枯れかけているバイケイソウがたくさんあるが、よく見ると花の部分がない。全部、切ったように無くなっている。これも鹿が食べたに違いない。稀に花の一部が残っている。緑の花だ。白い花を付けるコバイケイソウではなく、どうやらミヤマバイケイソウのようだ。(先日、北アルプスの雲ノ平でこの2種類のバイケイソウが並んで咲いているのを見てきたばかりで記憶に新しい。)

 ガス(霧)が出てきて、山をどんどん隠していく。花は帰路にゆっくり見ることにして先を急ぐ。 が小聖岳(2662m)までも、既にすっかりガスに包まれてしまっていた。2年前、天候悪化で、この小聖で引き返したことが思い出される。
 森林限界を超えた小聖岳からは岩場となり、白い花のトウヤクリンドウが現れ出す。砂礫の急斜面をジグザグに登りきると聖岳山頂である。すっぽりと雲に覆われ、視界は10mもない。展望も何もあったものでないが、3年目にしてようやく日本最南の3000m峰に立つことが出来た。 一瞬でも雲が切れる事を期待して、数人が留まっている。私もしばらく待つが、その兆しなく、諦めて下山にかかる。

 砂礫の斜面を下り切った所、岩稜の狭い背から10mほど横、谷が切れ始める所に水場がある。その水場近くの崩れやすい岩場に淡いピンクの花のかたまりを発見。花の誘惑に駆られ、そろりそろりと近づく。岩は触るとボロボロと剥がれ落ちていく。ザラザラと岩屑を落としながらも なんとか写真に収める。(後日調べると、南アルプスに見られるタカネビランジであった。)更にその近くの苔のようにも見える小さな赤い花の一団も見事で、気になり撮り収める。 これはイブキジャコウソウと思われる。

聖岳山頂に立つ

タカネビランジ

聖平分岐から望む聖岳(中央奥)
 小聖あたりで、とうとう雨がポツポツ落ち出した。下りを急ぎながら、雨具を着けようか着けまいか、迷っているうちに少し明るくなり止んでしまった。
 小聖から薊畑分岐にかけては 所々花畑が見られる。オタカラコウ・トリカブト・アキノキリンソウなどの群落。リンドウ(未だ蕾であるが)の群落も一ヶ所あり。アザミも散見される。聖平小屋に戻ると、テントはすっかり乾いていた。

 南岳への登りで、樹林の切れ目から 一瞬 雲がほぼ切れた聖岳を望むことが出来た。
南岳までの間、ベンケイソウ・ウメバチソウ・マツムシソウ・シオガマなどが多く見られる。のんびりとマイペースの花紀行としよう。 南岳から上河内岳分岐の間、きれいなオトギリソウの一団を見つける。ウサギギク・トリカブトも多い。ミヤマバイケイソウもたくさんあるが、やはり花はほとんど食べられて無い。カラマツソウも少しだが見ることができる。

 上河内岳分岐では、依然濃い霧(雲の中)で全く展望がないため、山頂は往復せず、そのまま縦走路をとる。 茶臼小屋への分岐手前で単独の登山者に追いつく。 聞けば上河内岳分岐で、濃い霧のため縦走路が判らず 20〜30分迷ったとの事。

 茶臼小屋では、テントを張り終えたとたんにザーと雨が降ってきた。 ラッキーであった。テントは1人500円。水はチョロチョロだが、無料。トイレは普通の便槽式で、紙の備付はなし。紙は落し込み可。

3日目(曇り)
 茶臼小屋〜(6:50)茶臼岳(7:25-35)〜仁田池(7:50)〜希望峰(8:15)〜易老岳(9:50-10:15)〜三吉平(11:15)〜静高平(12:15-25)〜イザルガ岳分岐(センジガ原)(12:35-45)〜光小屋(テント泊)(12:55)

 茶臼岳山頂では誰も居ない為、適当な岩にカメラを置き、タイマーで写真を撮る。
仁田池は道の真横にある。茶臼岳を映しているはずであったが、濃い霧で真っ白。
そこからしばらくは草原(湿原)で、木道を行く。
 希望峰から易老岳にかけては ずっとシラビソなどの樹林帯が続く。多雨の南アルプスらしいところだ。林床はシダが多い。樹林の切れ目に、所々ミヤマバイケイソウの群落もある。
 何の特徴もない三吉平を過ぎると、道は涸れた沢をずっと登る。登り切った所に、トリカブトが帯状の大群落で咲き誇り、疲れを癒してくれる。静高平である。ここには水場があるのだが、雨不足とみえ 涸れている。
 イザルガ岳分岐から亀甲状土の平原が広がり、その真中を木道が貫いている。霧の中、地面が亀の甲羅のようにポコポコと盛り上がっている。センジガ原と呼ぶそうだ。霧でなければ、正面に光岳と光小屋が見えているはずである。

 センジガ原から10分ほどで光小屋に着く。 「おいしいドリップコーヒー」の張り紙に、反射的に注文する。テント代は400円と安い。小屋は外観もきれいだが、内部は新築したてかと見まごうほどきれい。2階も天井が高く快適そう。静岡県営で平成10年新築とある。聞くと、オフシーズンは小屋の半分(登山者の宿泊スペース)を開放しているが、利用者のマナーがよく、きれいに使ってくれているとの事。
 ついでに気になっていた花のないバイケイソウについて尋ねる。コバイケイソウではなく、全部 緑の花をつけるミヤマバイケイソウとの事。そしてやはりシカが犯人だった。 花の部分は栄養価が高く、おいしいのだろう。バイケイソウは毒を持っているのだが、シカはうまく消化しているようだとの事。
 相変わらずガスって何も見えないため、光岳は明日登ることにする。小屋前のテント場は、私を含め3張・3人のみ。離れたところに大学山岳部の1張・5人。小屋泊も10人までと 静かな夜になる・・・はずだった。ところが夕方遅く、状況は一変。ツアーの団体(17人+ガイド)さんが到着。
 60代前後とおぼしき一行のにぎやかな事。圧倒的におばちゃんが多い。しかも自炊(光小屋は50才以上3名以内のパーティーしか食事は出さない)なので、てんやわんやの大騒ぎ。自炊といってもお湯はガイドが沸かし、多分一律のアルファー食品に湯をさすだけの様子。私はテントの中で嵐が過ぎ去るのをじっと耐えていた。
 トイレは 普通のトイレとバイオトイレも設置。夜一度目覚め、換気窓を覗くと、満天の星! 明日は晴れると喜び、再び眠りに落ちる。

4日目(曇り)
 光小屋(6:20)〜光岳&光岩(6:35-7:05)〜光小屋(7:15-45)〜センジガ原・静高平〜易老岳(9:45-10:10)〜三角点小広場(10:30-40)〜4等三角点(12:00)〜面平(12:05-15)〜易老渡(13:20)〜便ヶ島(13:50)

 昨夜の星空は夢だったのか? 今日も白いベールに包まれている。小屋からゆるやかな登りを進むとあっけなく光岳だ。展望に恵まれない山頂は誰もいなくて、石の上にカメラを置き、タイマーで証拠写真をパチリ。このあたりがハイマツの南限とある。
 ここまで来れば、光岩を見ない訳にはいかない。少し足を伸ばすと霧の中にそれらしき巨大な岩の塊が現れる。灰白色をしており、白く光って遠くからも見えるのであろう。 「光る岩の山」という事で、光岳の名前がついたらしい。

 霧のセンジガ原は幽玄の世界をかもし出し、悪くない。

 易老岳からは木の根っこだらけの下り道。岩稜の狭く小さなコルを通過し、どんどん下る。道の真ん中にある4等三角点を通過するとすぐ面平。このあたりだけ林相が一変する。 天然ヒノキの大木が多く、ミズナラの巨木もある。ゆるやかな平坦に近い林が広がる。 再び急降下の道に変わる頃から、さすがに足に疲れが来ているのを感じる。
 易老渡に出る直前にきびしいトラバースが2ヶ所あるも、ロープを張ってくれている。
橋を渡ると易老渡で、駐車場もある。光岳への最短登山口として賑わっている。
ザックを置いて、便ヶ島まで約2kmの最後の歩き。

 便ヶ島に着くとキャンプ場を拝借し靴を脱ぎ、着替えと洗顔をすると生き返る思いだ。 車に乗り込み、易老渡でザックを拾い 帰路につく。

 予定どおり南アルプス最南の百名山2座を登頂出来、ずっと雲の中で展望は全くだめだったが、雨具を一度も着けることなく、代わりに花がたくさん見られた。
 そして久しぶりのテント縦走が出来、宿泊費も計1400円と大変安く済み、食料計画&自炊も楽しめた。 以上、満足の夏山合宿であった。      
                   ( 報告 西村高行 )
<例会山行報告>
八淵の滝
日 時  8月21日
参加者:槙(L)、中西(SL)、岡、菅、上川、松田昭(記)
コース:ガリバー村〜八淵の滝〜スキー場〜イブルキのコバ〜大摺鉢〜ガリバー村

 午前中は曇り、午後より雨の天気予報に反して、朝から気持ちの良い青空が広がる。でも連日の夕立と雷に今日もきっと、、、、と覚悟を決めての出発。
時間は予定より早めて7:20和迩。槙車に4人乗車し、菅さんと上川さんは現地で合流予定である。途中鵜川越えの車一台走っていない道路をカープに続くカーブで黒谷へ下り、ガリバー村へ。(8:30)
 8:40 セミの声を聴きながら、出発。滝沿いの道は岩が濡れていてすべりやすい。先頭を行く中西副リーダーに何度か手を貸してもらって、水量の増えた沢を岩から岩を飛び越えて魚止めの滝から、障子の滝へ。休憩タイム(9:13)
滝を右に見て、ここからクサリ場の急登が続く。しぶきの冷たさが心地よい。唐戸の滝、大摺鉢、小摺鉢と次々に通り過ぎ、屏風の滝に9:47
 スリルに富んだコースに「槍、穂高もこの3倍ぐらいで軽いもの、中西さんでも登れる」という槙さんの言葉に、「どうしていつも私が最低基準として登場するのか」と中西さんの抗議。すかさず「中西さんは心が広いから何を言ってもゆるしてもらえるからよ」と収め上手の岡さん。
 いちばん大きな貴船の滝を上がったところで、小休止。(10:04)最後の滝は七編返し。
 このコースは何度か来ているのですが、8つの滝を全部見たのは初めてで良かった〜。
 空模様が段々暗くなり、比良ロッジへの分岐点で引き返そうかどうしょうかということになったのですが、雨が降れば下りは危ないという事で、スキー場を通って下りることに。
 スキー場でお昼にする。(11:30) デザートに菅さん手作りの美味しいトマトをいただき終わったところで急に大粒の雨が降り出す。急いで軒下に避難し雨具を着けている間に雨も小降りになったので、下山することに。( 12:10)途中若い男性が3人登ってきて、「蜂がいてメガネを落としてしまったがもし見つけたら拾ってください」と頼まれる。メガネはしばらく下りた所で難なく見つかる。(帽子も二つ)余程慌てられたのでしょうか。雨が降っていても蜂は飛ぶのですね。途中、傘をパラパラと打つ激しい雨と雷も鳴り出す。ひたすら下りてイブルキの木場(12:15)、広谷別れ(12:35)を通り、大摺鉢へ。沢は増水して飛び越えるのが難所になっていた。
 14:10下山する。ほっとして、これもいろいろある山経験のひとつかな、などと話しながら。初参加の上川さん、大荒れの山行になってしまいましたが、これに懲りずまた参加してください。
<例会報告>
口無谷から岩篭山
日 時:平成17年8月28日(日)
参加者:(鈴鹿山歩会)小島、小山、菅(C.L)、中西怜、奥野、田中(S.L、記録):6名
紺柔珂
 黒河川・山の駐車場に車を一台デポ
 9:00口無谷出合に車を止める〜9:15発〜10:20一本〜11:20林道に出る〜(11:30林道終点)〜11:50二股(昼食)〜12:15発〜13:15一本〜13:40一本(稜線に出る)〜14:10岩篭山〜15:50山の駐車場

 7月の総会で沢登りを計画しようとことになり、菅さんと私でどこの沢がよいか検討した結果、今回は口無谷に決定した。沢登りが初めての中西さんや、鈴鹿山歩会からの参加もありよかったと思う。
 口無谷の出合に車を停めて、沢シューズや沢たび、わらじなどそれぞれ履き替えて、林道からすぐに入渓した。水量は豊富で、股下位、水に浸かりながら遡行した。
すぐに一つ目の滝が現れたが、あえなく高巻きした。その後2つの滝も巻いた。
4つ目の滝は左側から登れそうだったので、菅さんが高巻いてから、上からロープをおろして確保してもらってから、登った。沢筋をのぼり、やがて左岸から林道が近づいたところで一旦、林道に出た。すぐに林道終点になり、二股までは右岸の踏み跡を登った。
 二股から、再び沢に入り「地図の神様」小島さんがGPSと地図で読図しながら慎重に沢をつめた。菅さんが下見した時、最後のつめはひどいブッシュだったそうだが、今回は「地図の神様」のおかげで、少しのブッシュで稜線にでられた。運動靴に履き替えて岩篭山に到着。ここから、北の稜線を歩き反射塔から西に進路を変えて、やがて北北西の尾根を下山し、「山」の駐車場に全員降りたときには、結構疲れていた。
 山は、色々な登り方を私たちに与えてくれる。また、色々な季節によってまた違った感動を与えてくれる。山は、いつ登っても新しい感動を与えてくれる。