<例会山行報告>
2002年9月 中央アルプス・空木岳
大谷山から寒風山
<例会山行報告>
中央アルプス
 空木岳 >
<例会山行報告>
大谷山から寒風山
(参加者)
小松(CL) 山本修・山口弥・今在家・岡・坪井(会員外 お試し参加 小松友人)
(時間記録)
 石庭登り口から大谷山頂上まで3時間、頂上から石庭堀切川みどり池まで2時間
                                          
 芽吹きの頃の大谷山に行こうと思いながら、春以来の異変で山もままならぬまま6ケ月が過ぎてしまった。残雪の湖北武奈と三重岳を脳裏に焼き付けたまま夏が過ぎ秋になった。
 刈り取りの終わった石庭の集落をいつものように抜け、突き当たりに車を止め、歩き出す。第一ステージと呼んでいるコンター350までは先頭を歩く。カタクリと春の女神ギフチョウの乱舞の光景が思い出される。
 そこから先は、岡さんにトップを歩いてもらうこととする。私は、最後尾を行く。
 300年以上も前から歩かれているだろうこの道を絶やしたくない。そんな思いから、そっと手を加えさせてもらった近江坂の間道。「ごめんね、痛いことして」と謝りながら枝を払ったものだ。あれから2年、ずいぶんと多くの人がこの道を歩いてくれているようだ。先住民のシカたちもきっと、驚きながらも我々を歓迎してくれているだろう。なんだか二本足の仲間が入ってきたぞと。
 彼らに歓迎される二本足の動物でありたいと思う。いつどんなときも村人を見守
ってきた道だから。
 704を過ぎ、少し下ってから、ブナの現れる登りのところから尾根をはずれ一旦右下に降りて、高みに行くようにルートを付けていたが、今回その不自然さを解消するようにまっすぐに、大きな木を切り、刈り込んでルートをつけてあった。そして、一番左の最も道らしいところにたどり着くようにされていた。そこは黄色の紐が垂らしてあった。誰がされたのかと思ったが、これを出来るのはただ一人だけ。そう思いながら胸のうちにしまい込んだ。
 3時間弱で大谷山に着いた。すすきが美しい頂からの360度の景色はいつ見ても感動する。理屈抜きにびわ湖は美しいと思う。未来永劫に大切にしたいものである。写真家の今森光彦氏は今日も葦原で遊ぶ鳥たちの撮影に忙しいのだろう。光る湖面を見ながらそう思う。
 今回は念願の寒風山を経てマキノに降りることにする。寒風山からの下りの尾根にブナの美しいととろがあって、是非ともそこを歩きたいと思っていた。石庭からのルートを見つけられないでいた数年前まで、残雪期はスキー場から、夏は福井側の谷から大谷山を目指していた。
 以前は、大谷山から寒風までは、獣道しかなく、笹と潅木に体を没しながら歩いたものだ。だから、大谷山から寒風を経てマキノに至というのは時間的に無理があった。近年、美浜山遊会の方が稜線を開いて下さったお陰でルンルン気分で歩ける様になったのである。美浜山遊会の方にはこの日も大谷山頂で会った。以前にも私
はここでお出会いし、お話させてもらっている。
 さて、新しい切り開きの道を寒風山目指して歩く、苦労なく着いたのはいうまでもない。ここからも下りの尾根に赤テープがあり、方向も間違いなく、山本さんを先頭に下っていく。やがて道もしっかりとし、古道の雰囲気が出てくる。
 ここのブナも美しい。だれかれとなく紅葉のころ来たいという話になり、あっさりと11月4日の再行が決まった。途中、大阪からの女性パーティに出会った。話を聞いていると、昨年、「山と渓谷」に掲載されたルートで来ておられる様だ。大阪を朝発ちだとこのくらいの時間になるのだろうか、湖西に住んでいることを感謝せずにはおられない.
 ここしばらくは、以前の様にふらっと山へは行けなくなった。故に久恋の山への思いは一層募る。だからこそ、議員という仕事も大切にしながら、自分の山を大事
にしたい。             小松 明美:記