<個人山行報告>
2002年8〜9月 ・南八ヶ岳 ・北アルプス一人旅  
朝日岳〜蓮華温泉 ・伊吹山
< 南八ヶ岳 >
       8月24日〜25日        
 同行者:尾畑・藤野の両氏
                               やまもと:記
 大津日赤から携帯で例会に参加していた南八ヶ岳。
やっと、自分の足でピークを踏みしめることが出来ました。

 赤岳、横岳、硫黄岳、(阿弥陀岳は濃霧のため次回に)
<北アルプス一人旅>
双六岳〜三俣蓮華岳〜黒部五郎岳〜水晶岳
〜高天原〜雲の平〜鷲羽岳〜笠ヶ岳
日程:2002年8月27日(火)〜9月4日(水)
                                   武 藤:記
日程:8泊9日
・8月27日(火):大津〜彦根(名神・東海北陸)〜高山〜平湯〜栃尾温泉(泊)

   28日(水):栃尾温泉〜新穂高温泉〜ワサビ平〜小池新道〜シシウドが原〜鏡池(鏡平山荘)〜弓折岳分岐〜双六山荘(泊)       約8:00

   29日(木):双六山荘〜上の台地〜双六岳(2860m)〜丸山(2854m)〜三俣蓮華岳(2841m)〜黒部乗越〜黒部五郎小屋〜カール〜肩〜黒部五郎岳(2840m)〜尾根〜黒部五郎小屋(泊)    約9:30

   30日(金):黒部五郎小屋〜黒部乗越〜三俣山荘〜黒部川源流〜岩苔乗越〜水晶小屋〜水晶岳(2986m)〜水晶小屋〜岩苔乗越〜水晶池〜高天原〜高天原山荘〜高天原温泉〜高天原山荘(泊)  約9:30

   31日(土):高天原山荘〜高天原温泉〜夢の平(竜晶池)〜高天原温泉〜高天原山荘〜高天原峠〜湿原〜奥スイス庭園〜雲の平山荘〜雷岩〜祖父庭園〜日本庭園〜黒部川源流〜三俣山荘(泊)  約6:30

・9月 1日(日):三俣山荘〜鷲羽岳(2924m)〜鷲羽池〜三俣山荘〜双六山荘(泊)   約6:00

    2日(月):双六山荘〜弓折岳(2588m)〜大ノマ岳(2662m)〜秩父岩〜抜戸岳(2813m)〜笠ヶ岳山荘〜笠ヶ岳(2898m)〜笠ヶ岳山荘(泊)    約6:30

    3日(火):笠ヶ岳山荘〜抜戸岳〜秩父平〜大ノマ乗越〜シシウドが原〜秩父沢(水場)〜ワサビ平〜笠山荘(泊)   約9:00

    4日(水):笠山荘〜平湯〜松本〜大町温泉(薬師の湯)〜松本(名神)〜大津
行 程
 8月27日(火):小雨・曇 
    夜は、栃尾温泉の露天風呂・駐車場で1泊。
 (この露天風呂は、栃尾温泉旅館組合が管理しており男女別の更衣室と清潔な露天風呂が川沿いにある。入り口の木箱に利用料200円を入れれば誰でも利用できる。)

 28日(水):快晴 
 朝5時起床、露天風呂に入浴後新穂高温泉に向かう。無料駐車場に車を止め5:50出発。新穂高ロープウエイ乗り場、左側の蒲田川に架かる橋を渡り左俣林道をワサビ平小屋に向かう。小屋は笠新道登山口より少し先にあり、小屋前の「ワサビの名水」は非常に美味しく水筒に入れるとよい。
林道から小池新道に入るところが現在土砂止めの工事中で巻き道をとる。(標識に注意!)ここから涸れ沢の木陰の少ない暑い中を登る。途中、秩父沢の水場で、ほてった身体を冷やし鏡平分岐(シシウドヶ原)に向かう。分岐からは、木陰が多くなり登りきった所に鏡池がある。この池の水面にはコメツガの木々の中に槍ヶ岳や穂高連峰の山々が映り美しい印象的な池だ。今日は、快晴だが水面が風でさざ波があるのが唯一残念である。それでも素晴らしい景観だ。木道を渡ると直ぐ鏡平山荘にでる。小屋で昼食のラーメンとかき氷を食べ双六小屋に向かう。
 鏡平山荘と池の間の道を抜け弓折岳への尾根道を登る。主稜線の鞍部迄、本日一番のきつい登りとなる。分岐からは、眺めの良い稜線上の縦走路となり、双六岳と樅沢岳の鞍部に双六池と小屋が、その先に鷲羽岳が見え始める。今山行唯一のにわか雨に5分程遭う。14時10分、双六小屋到着。
  
左俣沢と小池新道
 
鏡池と倒影する槍・穂高連峰
29日(木):快晴
 朝4:30起床、5:50出発。いきなり双六小屋横のはえ松帯の中を急登する。見上げると抜ける様な青空の中に月が見える。今日も素晴らしい快晴である。
急登を登りきると上の台地にでる。ここで道が前後して3つに分かれる。一番左の双六岳(2860m)・丸山(2854m)・三俣蓮華岳(2841m)へ抜ける稜線コースを取る。ジグザグに進み岩場を登り切ると頂稜部に、ここからは景色の良いなだらかな稜線が三俣蓮華岳まで続く。360°の素晴らしい眺望を楽しみながらの山歩である。
 三俣蓮華岳から黒部乗越を経て黒部五郎小屋へ。小屋手前の急な下りを終えると、池塘と草原の入り口に小屋がある。10:30に小屋に入り、昼食を取り水筒とカメラだけの軽装でカール経由で黒部五郎岳・東稜の一周コースに出発(11:00)。

ピラミッドピーク:笠ヶ岳  
 
双六岳山頂にて 
 
黒部五郎岳と頂上部の月
 
カールを彩る草紅葉
 
草紅葉の主・コバイケソウ
 
巨岩と黒部五郎のカール
 
黒部五郎山頂
  
チングルマの花
  
チングルマ
 小屋の前を右に草原から樹林帯の中を進み、カールに出る。雪渓から流れる沢が大きな岩の間を清流となり、巨岩と黄ばんだコバイケソウの葉がカールを彩り、まるで壮大な庭園を造っているようだ。
 カールから太郎・北ノ俣岳の分岐となる肩までの急登を過ぎると全く自然の石積みの中を登り黒部五郎山頂(2840m)に着く。山頂には石を積み上げた所に木製の標識が置かれているだけだ。これからの東稜の下りも自然の石積みの歩き難い道が続く。北アルプスにも、まだこの様な所があるのには感激した。五郎平上部のお花畑には、数株のチングルマの花が不思議と、ここだけに残っている。15:10小屋に戻る。
30日(金):快晴
 朝4:30起床、5:50出発。今日も朝一番の急登を登り、黒部乗越を経て三俣山荘手前の水場から黒部川源流に下る。雲の平への渡渉場所を過ぎると岩苔乗越まで黒部川源流沿いの登りだ。乗越を右に少し急登すると、水晶小屋までなだらかな登りが続く
小屋でカップラーメンの昼食を取り、水筒とカメラの軽装で水晶岳に向かう。小屋の正面には野口五郎岳が大きく見える。小屋付近には、白いトウヤクリンドウが咲いている。頂上に近づくと黒い砂礫と白く光る石が足元に見える。これが黒岳(水晶岳)と言われる由縁だろう。頂上付近は岩峰となり五つの峰が見える。黒岳山頂(2978m)には、赤牛岳を往復しているご主人を待つ女性が一人だけおり、写真を撮ってもらい一緒に小屋まで引き返す。岩苔乗越から水晶池をへて高天原山荘へと下る。
 
岩苔乗越と黒部源流
 
水晶岳の岩峰

水晶岳山頂にて
 
トウヤクリンドウ
 
  秘湯・高天原山荘

カラマツの湯(混浴)
このコースは岩苔沢の樹林帯の中を行き交う人影もない静寂な道だ。期待していた水晶池には水もなく高天原山荘に15:30無事到着。夕食17:30までの間に高天原温泉の白く濁った湯に浸り3日間の汗と疲れを流す、至福の一時である。
31日(土):快晴
 昨晩から降り始めた雨も夜中には止み、今日も快晴である。5時の朝食をすますと、朝風呂としゃれ込む。露天風呂から早朝の朝露に濡れたヒンヤリとした木立の中を秘境、夢の平に向かう。30分位歩くと目の前が急に開け、池の半分が木立に囲まれた竜晶池が神秘的な姿を現す。   

鏡の様な湖面に木立や青く澄んだ空を映す竜晶池

朝露に濡れたリンドウ
 早朝の山歩を終え、小屋に戻り、荷物を出し天日で乾かす。その間、再び露天風呂へ、掃除の為、風呂の水を抜きに来るまでゆっくり過ごす。
 10時、小屋を発ち、雲の平に向かう。岩苔小谷の吊り橋を渡り、高天原峠で一服。ここからは、急登が続く、特に最後の木のハシゴがきつくコロナ平に抜けると景観は一変し、池塘の台地から薬師岳・立山・剱岳・水晶岳が一望できる雲の平の一角にでる。

薬師岳

剣岳・立山

水晶岳
 ここからは、奥スイス庭園・ギリシャ庭園・祖父庭園・日本庭園と雲の上の山歩道だ。
しかし、ここは景色に見とれているとハエマツと岩の上についた平坦な広い台地なので登山道を見失わない様、注意が必要だ。特に霧や天候の悪い時は、しっかりと正規の踏み跡や印を見失わない様、気を付ける事が大事だ。
 しかし、今日は快晴で見晴らしも良く、あまり登山道に気を取られず景観を十二分に堪能できる。雷岩から祖父岳の巻道を過ぎ日本庭園にでると、鷲羽岳や槍ヶ岳と鋸歯状の北鎌尾根が正面に見えてくる。今日は、三俣山荘泊まりのゆったりした山行だ。

鷲羽岳
   
鷲羽池と鷲羽岳

北鎌尾根と槍ヶ岳・三俣山荘
9月1日(日):快晴
 今日も、9時出発で鷲羽岳と鷲羽池そして双六山荘までのゆったりした山行だ。カメラと水筒だけで快晴の鷲羽岳の山頂に立ち、下りに鷲羽池に立ち寄る、たった一人の鷲羽池を楽しむ。この下りはガレ場の道で人数が多い時は、落石に注意したい。また、戻る道は必ず元の道を引き返すこと。左側に手前の尾根に出る道が付いているが尾根で景色を見たら必ず元の道を引き返すこと。
 三俣山荘に戻り、荷物をまとめ双六山荘に向かう。途中、軽装の若い女性二人に出会う、聞くと三俣山荘にケーキを買いに行くとの事。不思議に思ったら、双六山荘でアルバイトしている女の子で夕食迄の休憩時間を楽しんでいたようだ。12時、双六山荘に到着。
 まずは、生ビールでのどを潤し、汗くさい衣類を水洗い乾燥室に吊し、一服後、樅沢岳に登る。(小屋の主人は、小池潜さんと言い著名な写真家で樅沢岳から撮った素晴らしい写真が山荘の中に飾ってあります。ワサビ平小屋に写真集が置いてありました。)
ちなみに、ワサビ平小屋・鏡平山荘・双六山荘の3軒の山小屋経営者でもあります。

樅沢岳から槍・穂高連峰を望む
9月2日(月):快晴
 5時50分出発、笠ヶ岳に向かう。今日は鏡平小屋から山仲間が登って来て、笠ヶ岳で合流する事になっている。弓折岳でやっと携帯で連絡がつく。まだ鏡平小屋にいるようだ。従って、先行し歩き始める。大ノマ岳を越え秩父平から本日一番の登り秩父岩を越えると後は、笠ヶ岳を眺めながらの稜線上の快適な360°の展望を楽しみながらの山歩道だ。 今回の山行で歩いた山々(双六岳・三俣蓮華岳・黒部五郎岳・水晶岳・雲の平・鷲羽岳)そして笠ヶ岳が見える。その山容は端正で大きく長い間、眺めるだけの山が、もう間近に迫る、12時笠ヶ岳小屋に到着。ザックを下ろし一服、皆を待つが小屋の前の双眼鏡で眺めると、どうもバテバテの様だ。ガスが上がって来た為、一人カメラと缶ビールを持ち眼前の山頂を目指す。14時、あこがれの笠ヶ岳山頂に立つ。

笠ヶ岳山頂にて

         登頂証明書         

夕日に染まる槍ヶ岳
 15時半、二人が到着、再会と登頂を祝い缶ビールで乾杯。小屋に戻る頃は、ガスが上がり槍・穂高は雲上に 浮かび、夕日が山肌を赤く染め始める。
 誰かがブロッケンが見えると叫び、小屋の横手の高台に登ると夕日を背に霧の中に自分の影が浮かび上がる。日の落ちるまで、小屋の前に人々が手にカメラやビデオを持ち寄り集う。

笠ヶ岳山荘より雲上に浮かぶ槍・穂高連峰を望む
9月3日(火):快晴
 6時30分出発、名残欲しいが、いよいよ下山だ。帰路は大ノマ乗越から鏡平分岐の旧小池新道の近道を取ることにする。(現在は廃道に近いが、踏み跡はしっかりとある) 下から登ってくると鏡平分岐からは、この道は見えないが上から下り、木々の中を抜けると目の前に写真のような景色が広がる。              
 
シシウドが原
 
水場
 快晴の中、左俣林道は炎天下のもと秩父沢の水場までの道のりは非常に長く感じた。苔むした沢の水場に着き清涼な冷たい水を飲み、ほてった身体を濡れたタオルで拭った時は本当にほっとした気分となった。
 下山後、新穂高温泉の村営「笠山荘」でゆっくりと温泉に浸かり山旅の疲れをとる。この温泉の湯量は豊富でなかなか良い温泉であった。しかし、エレベーターが無く疲れた身体には3階までの上り下りは、かなり堪える。
 それにしても自分ながら良く歩けたものだと感心している。天候に恵まれ予備日を小屋で停滞する事もなく、余裕を持って全てのコースを歩けた幸せをかみしめている。
 還暦の山旅、それも初めての8泊9日の長旅「北アルプス一人旅」思い出に残る旅を無事終了。
朝日岳〜蓮華温泉 >   
日程:2002年9月9日(月)〜9月13日(金)
                                   山本 綾:記
 7月に歩いた白馬鑓温泉〜蓮華温泉は見頃な花と槍・穂高までも見渡す展望と人がいっぱい・・のまさに夏山・・という感じだったが今回は名残の花はあるものの全くの静寂の山行だった。

9/9(月) 小川元湯泊、ガイドにあった洞窟の露天風呂に行くのが・・結局は囲われた河原の女性用に・・

9/10(火) 徒歩で北又小屋へ、この日だけ晴天に恵まれ(?)タクシー代、¥8,000を節約したことを後悔しながら歩いた。着後、居合わせた人が近くの三段の滝に案内してくれ、やっと清涼感に浸る。
 宿泊は私だけの静かな夜だった。

9/11(水) 昨夜からの小雨の中、標高差1500mの長い登りを思い、4:55小屋をでる。うっそうとした樹林の登りが続くが・・雨上がりの濡れた空気や見上げる緑の葉が疲れた身体をいやしてくれる。
 昼頃までに着けばいい・・と思っていたイブリ山に思いもかけず10:05到着。ここまで来ればもう安心・・朝日平までは所要、3km、2:10の道のり。
 時々、青空ものぞく天候回復に、夕日ヶ原の木道で休んだり、草原の石の上に寝ころんだり・・のんびり、ゆっくり・・14:20朝日小屋に、辺りはガスでまっ白・・宿泊者が少ないので今日も個室でのんびり・・17:00頃から雨に・・
 9/12(木) 霧がたち込め、まだ暗い4:50歩きはじめる。
 目前の風景だけの中、6:10朝日岳頂上を通り過ぎる。下り斜面を覆う黒いガスの流れは強く体が揺れる。6:50蓮華温泉への分岐に今までの状況が嘘のような穏やかさに・・にホットする。周りの展望は無いが湿地状の草原・・沢状の斜面、樹林帯・・等が交互に現れ飽きない道が続いた。
 10:00カモシカ坂・・辺りから雨が降り出し蓮華温泉着は14:55だった。天候が良く、体力も許せば白高池沢から瀬戸川間の道などは、のんびり、ゆっくり歩きたい場所だった。   二度目なら気持ちの余裕も持てそうだから・・もう一度同じルートを歩きたい・・などと思っている。
 そして、最後の目的、温泉もロッジの風呂は、けっこうくつろげる雰囲気があり、側の山中には「至福のひと時」を味わうには充分な露天風呂が4っもあるし(2つしか入っていないが・・)それを楽しみに行くだけでもいいような気がする。

蓮華温泉・薬師の湯
< 伊吹山 >
日程:2002年9月29日(日)
                                   馬場喜久雄:記
 しばらく山に行っていないのでどこか行こうかと相談、花の季節は過ぎたのではないかと思いながら伊吹山に行くことになりました、頂上ではカキ氷、ソフトクリームが半額、「季節外れもいいことがあるな、でも花はないだろう」と話していたところ、伊吹パトロールのおじさんが「今しか見られない花もあるから教えてあげる」と30分ほど案内していただきました。〔写真見てください〕
 下山後伊吹庵で食事をしようと思ったらびっくり、去年小屋のような店がレストランみたいになっていました、きれいでいいんですがなぜかがっかり。


(コイブキアザミ)
    
(イブキトラノオ)
     
   (ナギナタコージュ)