この世界の混沌の元凶が少し見えてきた

本稿の主旨:アメリカ支配層の中には、彼らの教典に従い、イスラエルの聖地から再びメシア(救世主)が現れると結構真面目に信じている人々 がおり、それがイスラエル贔屓による中東問題を引き起こした。しかし日本は産油国との関係を損ねてまでアメの戯れ事に付き合う必要は無い。とはいえ日本に もいる彼らのシンパの神秘主義者を黙らせようにも頭ごなしに『くだらない』では逆効果。彼らの信条に沿った上での説得を試みる論点は3つ。 ただし内容もカオスです。 戻る

 またしてもアメが、弱り目に祟り目の日本へ更なる難題を強要してきた。曰 く、『イスラエルと敵対するイランから石油を買うのをやめろ』と言う。

 これに対し、日本政府は いつも通り、アメの言うまま輸入を減らして対処した。
アメ:「日本を制裁対象から除外する」→日本政府:「アメリカ様の対応を『歓迎』する」


↑グラフは原油先物取引価格の推移

 毎回思うがアメは世界に対し、一体どこまで上から目線なのか。そして日本政府も一体どこまで卑屈なのか。これからも、アメから別な産油国のボイコット要請が来るたびに唯々諾々と従い続ける気か。今度に限ってはインド・シナ・露の方が国の対応としては正しい。今石油の輸入が減れば、日本は深刻なエネルギー危機に陥る。近嫌遠親といいまして、国境利害の絡まぬイランと日本とは、これまで良好な関係を築いてきた。なのにその関係にヒビ入れるよう なアメの要求に応じることが、 本当に日本の国益にかなうのか。ホルムズ海峡が封鎖されてもアメは全く困らない。しかし日本にとって石油はモノ造りに欠かせず他人事じゃ済まないのだ。 今、内政/外交腹の立つこと数あれど、日本近海よりグローバルディフェンスの観点から本件を取り上げる。

 それにしてもなぜアメは、“同盟国”日本周辺の泥棒国家の狼藉は 放置しながら、こと中東の小国に過ぎぬイスラエルの肩をやたら持つのか? この問いは、世界の火薬庫、中東がキナ臭くなるたびメディアで取り上げられても、肝心の裏事情はタブーとして報じられないのだが−これを数行で説明するのは難しく、まず古代イスラエルの歴史から知らねばならない。諦めて戻

 アメリカ支配層の教典によれば、なんでも昔 中東の地に、アブラムなる義人が居た。彼は映画『天地創造』でかなりの時間を割かれた重要人物で、『エデン』にてカミとヒトとが不仲になった後も、カミとコンタクトを取れる希有な存在だったという。彼は齢75にして住み慣れた土地を離れ、その天地創造主が示す土地へと旅をする。彼は波瀾万丈の経験を通じて人間的に成長 し、ついに全能のカミに認められる。カミはアブラムに告げる、「あなたの子孫から、全人類を再び祝福する救世主を起こす。あなたが私の声に聞き従ったからである (大意)」。

 新約聖書が冒頭で、「アブラ(ハ)ムからキリストに至るまでの系図」を延々言及するのは このためで、それは彼らの中で、イエス・キリストこそが約束のメシア(救世主)であることの根拠となっている。
 なお、アブラムの孫 ヤコブには、しばしば未来を調整するため現れて、最後までその名を明かさなかったカミの密偵から「相撲を取らせたら俺より強い」という意味の称号(イスラエル)が与えられ、これがイスラエル人の語源となった。

※古代イスラエル人の神YHWHיהוה) は、日本で信仰される八百万の神(アニミズムでいうところの“精霊”)とは格が違うため、本稿では外来語的に「カミ」と表記した。

 しかし その時点で、まだイスラエルの子孫は、その始祖アブラムにカミが与えた約束の地へ移り住めたわけではなく、『とある理由』から400年ほどエジプトで過ごすことになる(後述)。さらに教典の記述は小説より奇なり、どうやら全能のカミにも敵対勢力が存在するらしいぞ? そのためイスラエル人はエジプトで迫害され、レンガ造りの強制労働を強いられる(映画『十戒』ではピラミッド建築に駆り出されていた)。しかしイスラエル人の苦情がカミに届いた時、カミはアブラムとの契約を思い出し *、 預言者モーゼを遣わしてエジプトの“神々”に十の災厄を下し、最後は現人神なパロ(王)の初子も死んだため、エジプト国民は動揺。 イスラエル人は長年の奴隷労働の対価としてエジプトの富を強奪し、約束の地へ向かう。

*この記述を読むと、彼らのカミは人類に付きっきりというワケでなく、まるで幾つかの仕事を掛け持ちしているかのようだ。

 彼らはモーゼの後継者ジョシュアに率いられ、城塞都市ジェリコの攻略から始める。♪敵を蹴散らして城を我が手に〜(OOh♪)。カミの指示は「女子供に至るまで皆殺しにせよ。彼らを哀れんではならない。 彼らの“神々”の儀式の真似もNG。 それはあなた方のワナになるから(大意)」というものであり、敵を制圧できたらそれはカミの加護、制圧できなかったら信仰の不足だった。しかし彼らは次第に皆殺しでなく同 化を試みたためイスラエル王国は異教の風習に染まってカミの目に堕落。 約束のメシアが来てもその意味を悟らず、当時の宗教指導者たちはキリストを妬んで殺してしまう(おりしも宗主国ローマの圧政による不満のはけ口に「生け贄」を求めていた民衆は、それを拍手喝采で受け入れた)。ここに至り、イスラエル王国は神通力を失って周辺国に侵略され、後に南部のユダヤ地方が分裂して できたユダ王国共々滅亡してしまう。

 それでも落ちぶれたユダ王国の生き残りは、カミの与えた律法を幼い頃から学ぶ風習を代々受け継いでいた。それで培った抜群の暗記力や識字 率、そしてヨコの連携を武器に、世界の商売ガタキを出し抜いて、後の覇権国家 英国やアメ中枢で発言力を持つまで至った。もっとも、彼らの中には矛盾もあり、特に彼らの多くが就いている金融業(金貸し)なんてのは、彼らの律法では人の足元を見て金儲けする卑賤業のため、御法度(ごはっと)なのだが・・・。それでも彼らは、そのアコギな商売で自分たちに降りかかる憎しみや迫害はカミの敵からのもの、商売繁盛したらそれはカミの加護、と都合の良い解釈をしている。

 そんな彼らや同調者たちが大戦後、ユダヤ人への同情を追い風に英国に働きかけて、パレスチナ人を追い出し建国したのが現イスラエルであ る。アメでイスラエルのロビー活動をするユダヤ系住民や、そのスポンサーがイスラエルに肩入れするのは、イスラエルがあらゆる産業、教育、宗教、科学、芸術など最高の知性を集結することで再びカミの恵みを得、聖地エルサレムに再び救世主が遣わされることを夢見ているからだ。そして そのためには、今度こそパレスチナ人の女子供に至るまで皆殺しにしかねない事態だ・・・。 パレスチナ人にはパレスチナ人の暮らしがあったのだから 彼らにとっては寝耳に水だったろう。ユダヤとパレスチナの双方にいい顔してきた英国は、自らが招いた中東問題を解決できずトンズラ。その仲裁を同盟国のア メに振る。



 ただ前述の通り、アメの政治中枢にはユダヤとその同調者たちが深く喰い込んでいるため どうしてもイスラエルには甘く、公正な大岡裁きは なされない。アメリカ大統領でさえ、彼らの意向を損ねれば次の選挙で落とされる(選挙もカネが要るからね)。実際、この状況を、ハーバード大学教授が問題提起し論文を書いたところ、彼らに牛耳られたマスコミによって逆に袋だたきに遭う始末だ。そして「メシアの苗床」・イスラエルの脅威となり得る勢力は みな排除との偏狭な思想にのっとり、このたびはイランを経済的に困窮させる片棒を日本も担げというワケだ。

 もっとも このテの圧力は今に始まったコトじゃない。彼ら一神教(いっしんきょう)の信者にとって、古代エジプトみたく多神教や現人神を奉じる異教徒は、忌み嫌うべきモノであり滅んで当然、恐慌になれば異教徒を挑発して戦争を仕掛けることも、戦争といえども(民間人は狙わないという)国際ルールが存在するのにソレを無視して女子供まで皆殺しにする焼夷弾や原爆を落とすことも、また為替や金融・貿易協定を自分たちの都合で操作して、世界の富を収奪することさえ厭(いと)わない。このへんが、メシアの到来によって廃されたはずの古い律法に今も固執するユダヤ選民思想の恐ろしいところで、彼らにとって異教徒とは、自分たちが面白おかしく暮らすために奉仕させ、利用して、屠(ほふ)ることさえ当然の家畜(ゴイム)か何かのように思っている。イスラエルの周辺国はもちろんのこと、格差社会に突き落とされたアメの一般民衆や日本もその例外ではない。



 しかし、ここでひとつの疑問が生じる。そんな彼らがスポンサーの現行イスラエルは、本当に、彼らがカミの思し召し(おぼしめし)で再建されたモノなのか

 少なくとも、アメの支配者階級は そう信じているようだ。アメの一ドル紙幣を見るといい。そこには「(我々の)新世界秩序に同意せよ」なる文言と共に、エジプトのピラミッドと、千里眼が描かれている。墓 からギョロ目が覗いてる あの悪趣味なシンボル(↓)は どこかの秘密結社由来だが、今でもアメの一部の神秘主義者たちは、古代イスラエル人が、 エジプトに400年間とどまった“神慮”を根拠とし、ピラミッドの黄金比や その内部構造にカミの秘儀が隠されているのではないか? と信じ研究している者が多くいる(あるいは、いた)。




 このことは、我々一般的な日本人から見れば、くだらなく感じるだろう。それは たとえば、天下の学研の刊行物とは思えぬ イ ンチキ雑誌の編集者が、『日本の古墳に神々の意志が隠されていた!』(←うろ覚え)などとデッチあげて儲けてる『△ー』 の“総力”特集なみのバカっぽさである。しかし彼ら、結構真面目に遣ってます(カネのため?)。

 しかし そんな努力も徒労である。なぜなら、@ イスラエル人が、約束の地カナンへすぐ行けず、エジプトで400年 足止め食ったワケは、カナンの先住者、『アモリ人の咎(とが)』*に対するカミの裁きの猶 予期間がまだ残ってたからに過ぎない。それに、いくら観光で壮麗に見えるピラミッドも、そのイスラエルのカミからみれば単にイスラエル人を留まらせた所に たまたまあった異教徒の墓でしかない。強いて意味を探すなら、紙の原型パピルスを発明したエジプト文明と接触させることで、カミの律法が広まったことの方が むしろ彼らにとってはトピックだろう。

*そこまでカミを怒らせた『アモリ人の咎』とは何だったのか、については長くなるので触れないが、考古学の発掘調査によると「根絶やしにされて当然」という感想しか出てこない ひどい有様だそうだ。

 それに A イスラエルは滅亡した時点でとっくにカミに愛想を尽かされている。カミに遣わされたメ シアが地上勤を終える頃、もうイスラエルはこんなひどい状態だし、私の父の意向に沿う者を今後は(イスラエルからでもユダ王国からでもなく血筋でもなく)諸国の人から募集するであろう、的なことをキリスト自身語ってる。実際、今のイスラエルは、スポンサーであるアメ上層部の期待通りにさえ動いてはいないの だ。つまり、自らの利益/領土の拡大が目的で、彼らがカミの祭壇の回復に関心があるようには見えない。だから、スポンサーたちの期待は裏切られるだろう。 彼らの教典の中で賢王ソロモンも言っている、『ヱホバ家を建てたまふにあらずば 建つるものの勤勞はむなし(カミご自身が家を建てるのでなければ、家を建てる者の苦労はムダになる)』と。

 また、B 仮に今後、メシアを自称する者が“再臨”しても、その者が本物かどうかの証明は不可能だ。というのも、その者が、アブラムの子孫であるとわかる先祖代々の家系図は、もう現存しないからだ(ローマ軍により保管場所の神殿もろとも焼失した)。ゆえに、ナザレのイエスを最後にすれば、誰ひとりメシアであることの客観的な証明ができない。

 以上のことから、現イスラエルには最初からカミの後ろ盾など無かったし、再建自体も無意味だったことになる。現イスラエルから人間のメシアを待望してきた神秘主義者には過酷な現実かも知れないが、ご愁傷様である。 『残念だが その祈り、無駄になるよ』

 もっとも、これらの指摘を受け「確かにその通りだ」と我に返れる神秘主義者はどれほどいるだろう? じつはこれ、別に私の初見でも何でもなく、イスラエルのロビー活動が目に余るようになってからアメ国内で散々言われていることだ。ただ このテの話題が日本では、戦時中の反動でタブー視されているから あえて文字にしてみただけの話です。この世界の混沌の元凶が、遅まきながら日本でも注目されるようになってきたのは国防の観点からは良い事だ。ただ、できればもう少し早く 耳を傾けてくれてさえいれば、日本は今ほどコテンパンにされることはなかったはずで、そこは残念なのだが仕方ない。『悪の秘密結社』なんてフレーズ自体、 日本じゃ せいぜい子供向けの戦隊ヒーローに出てくる架空の概念というイメージが先行するのもマズかった。人間、バカにしている相手からは何一つ学べないモノだ。

 イスラエルへの支持派が今なおアメに影響を持っているのは間違いない。その結果、アメの支配層は なおも自分たちの信じたいことを信じており、未だにピラミッドの“神秘”にこだわり、万能薬など存在しないのに−多くの国には害さえ もたらす「世界新秩序」を強要し、果ては仏造って魂入れずのゾンビ国家・イスラエルを擁護して、そのスポンサーになればカミの恵みにあずかれるなどと錯覚 している。否、それとも彼らは時経つうちに、そんな当初の目的などすっかり忘れ/あるいは隠れ蓑にして、今はただ自分たちの私腹を肥やすことにのみ関心が あるのだろうか? このテの不都合な反論を突きつけたところで、彼らはおのれの信念に従って 目を閉ざし、耳をふさぐばかりだ。そしてこれもまた、彼らの帰依する教典に書かれている通りなのだった。

 『偽(にせ)預言者に心せよ、羊の装いして来たれども、内は奪い掠(かす)める狼なり。(されば汝ら)その実によりて彼らを知るべし。イバラからブドウを、アザミからイチジクを取る者あらんや? かく すべて良き木は良き実を結び、悪しき木は悪しき実を結ぶ。良き木は悪しき実を結ぶこと能(あた)わず、悪しき木は良き実を結ぶこと能わず。さればその実によりて彼らを知るべし。』
 『多くの者が我(キリスト)に向かいて「主よ、主よ、我らは汝の名によりて預言し、汝の名によりて悪鬼を追い出し、汝の名によりて多くの 力ある業を成ししにあらずや? 」と言わん。その時 我 露(あら)わに告げん、「我断じて汝らを知らず、不法をなす者よ、我を離れ去れ」と』(マタイ伝 七章から)

 ↑ 何を言っているかというと、『彼ら』が本当にカミの意向の代理者であるというならば、その主張が正しいか否かは、彼らの生み出す実 (結果)をみれば 一目瞭然だろってー話である。そして、たとえ良かれと思って遣ってきたことも、それが もはやカミの意志でも何でもない我欲の隠れ蓑であれば、−そして良い事どころか逆に世界の人々を不幸にする仕方で行なうなら−彼らの奉じるカミとその代理者からダメ出しを 喰いますヨということだ。もし仮に、彼らの信じているとおり、キリストが今この世にポンと再臨したとして、彼がアメリカユダヤとイスラエルを見たら何と言 うだろう? たぶん「良くやった!」とは言わないのだ。それどころか「何てことをしたのだ!」と怒られるだろう。私がこれを、ドコまた何を指して当てこすっているかまでは敢えて言わない。だが、例えば、アメ歴代大統領の中にはその妻の占星術で政治判断をしていたというのを聞いたことがあるだろう。しかしそれはアメ の道を大いに誤らせ、敵を増やした。また、前述の『ム_』を愛読書とするような脳内お花畑が「地球益」や「国家は国民だけのものでない」との発言に、どれほど世界の嘲笑を浴びるハメになったか、日本人なら痛い思いをして記憶に新しいだろう。

 というわけで、今の日本、そんな彼らの妄言に付き合ってられる状況じゃないんで、イスラエルに遠慮する義理など無いし、アメも日本や欧州を偉そうに仕切る権限など無いことを全世界に向けて発信しよう。 それが蟷螂の斧であれ。そりゃ一個人で出来ることなど知れている。だが、これから始まる内外諸々の争奪戦を少しでも有利に進める根回しをするかしないか で、今後の対処の難易度は変わってくると思うのだ。世界のどこにも正義に憧れ、悪を憎む人はいる。この国に言論の自由がまだあるうちに、そんな人たちの共感を取り付けることができれば あるいは。

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 それにしても、二一世紀になってなお、この世界が、遠く海を隔てた一部の神秘主義と、そのイデオロギーに振り回されるなど、誰が予測し得 たであろうか? この反動は必ず来る。
 だが、ここで注意したいのは、その反動は行き過ぎて、もう一方の極端へと世界を導きはしないだろうか? という懸念である。というのも、 我々が警戒せねばならないワナというのは、見るからに「 ワナ!」とわかるようにはなってない(当たり前だが)。それどころか、なにか良いモノや革新であるかのよーに装って、そこに用意される(何より、災いをも たらす当事者自身が『これは良い事だ』と信じている)。民衆も、ソレを拍手喝采で受け入れる。残念ながらヒトは、今後も 信頼を置くべきではない者に信頼を置き、より状況を悪化させてしまう危険をなお抱えているのだ。




 カネに魂を売った一部のユダヤの悪行に日本が喰いものにされてきたのは事実だが、大半のユダヤ人は善良な小市民である。同志のシオニズム 運動を快く思わないユダヤ人もいるのだ。日本でも今論争になっているだろう、たとえば、国旗国歌に敬意を払わぬ敵性国家の朝鮮人や、シナのロビー活動に染 まって国益を損なうシンパが教育現場にいるのは残念ながら事実だ。日本人同士や、国家間を反目するように仕向けて面白がっているクズもいる。しかし、だからといって、国旗国歌の強要を拒否する人のすべてが反日思想なわけでもなければ非国民ってわけでもない。戦時を生きた年寄りの中には、作戦立案のマズさに もかかわらず、国旗国歌の元に集められた大勢が犬死にしてきた光景がフラッシュバックし、心情的に歌えない人だって多い(そも、力ずくで脅して、自分のことを「愛してる」と言わせることの無意味さよ)。それを、国の象徴ではあっても布に等しい国旗への行き過ぎた偶像視を否定するだけで即 在日認定とか、国家への反逆だとか、日本を出て行けとかのたまう方々。ああいう世の中すべてゼロと1しかないと思ってそうな人たちが、全体主義への歯止め役まで敵視し攻撃目標とすることは、これまた赤子をタライの水と一緒に流してしまうような危険を内包してはいないだろうか? 愛国心に駆られるあまりに暴走し、攻撃目標を取り違え、善良な小市民まで巻き込むような愚は犯さぬよう注意されたし。今攻撃目標を間違えることは、それこそ敵の思う壺だからだ。



 反対に、日本周辺の泥棒国家がもはや本性を隠そうともしなくなっているというのに、必要最小限の国防までを ただちに『軍靴(ぐんく つか) の足音が!』と脊髄反射する極左メディアも問題だ。彼らはシナが大好きで、「シナの侵略は綺麗な侵略」とこれまた本気で信じている。ウイグルやチベットの ことなど報じない。たまに報じるとシナ寄りの偏向報道だ。しかし憲法9条信者へ言いたい。あなた方は、生物の最小構成単位の細胞だって防御システムを持っていることを、 白血球の仕事が侵入者の排除であることを、スズメバチに立ち向かうミツバチを、普通のアリより大きく育って巣を守る「兵アリ」の存在までをも否定するのだろうか?  カミがかり状態の古代イスラエルだって、他国が侵略してきたら、自分たちの武器を取って戦ったのではなかったか? 彼らはその時のための訓練を全然まったく していなかったとでも言うのか? ヤコブは格技をマスターしていたのではなかったか? また、あなたのポストにアカいチラシが投函され、ヘタな日本語で 「玄関に鍵を掛けるのはやめましょう」とヌケヌケ書いてたら、それを突っぱねずに回覧板で回すのか? それと同じだ。残念ながら二一世紀にもなって、今の 日本周辺の状況は、とても鍵を開けっぱなしにできる状況にはない。今はまだ その時じゃない。

 どっちかに傾くだけなら簡単だ。大切なのはバランスだ。



 話を戻して

 自分らの有利な状態に不平等条約や格差固定を正当化し、一体何の権利があってその頂点に君臨することを望むアメの支配層だが、私はそんな 彼らのカミの意志でもあるとかいう「国家の解体」には反対だ。なぜならば、国家の解消を目指す勢力というのも、結局カミなど口実で、世界平和どころか自分 と自分らの子孫にだけ利益誘導し、 かえって世界に憎しみと混乱をもたらす。だから反対するのだ(それは人間の領分ではない)。まして硬軟織り交ぜ世界の富を強奪し、規格外に肥え太り、他国 の資源欲しさに戦争を起こす。それだけではまだ足りず、果てはヒトとして最小の暮らしの糧まで金儲けにするような輩のはびこる側に与(くみ)しろと、制裁 片手に協力を求め られても、自分だったらお断りですね。しかし、そんな私もまた、彼らに言わせれば、国の解体なるカミの意志に仇なす者の一人に数えられることになるのだ ろーか? それは納得のいかないことである。



 一方で、これから世界の一人一人に重大な選択があり、しかも大多数が素であれ脅されであれ誤るだろうから気を付けなさい、という彼らの教 典の予告は、 あれはあれで面白い。もしも『裁きの日』なる日が、今からほんの10年早かっただけでも、事前に聴いてて身構えられる人と、そうでない人との間に不公平が出ていたことだろう。正しい判断材料と、公正な裁きの舞台が整うには やはりそれなりの時間を必要としたのだ。マイナンバー制度のニュースが出るだけで「666!?」などと話題が出るような時代なのだから、そのうち本当に 『幻獣666』の意味する社会の敵(だがそれを拍手喝采で受け入れる者の方が多い)が現れたら? その時はもう誰も、見て見ぬフリをすることも、『知らなかった』 などと白々しい弁解することも できなくなっているだろう。

 では我々は、一体 何を怒られないよう気を付けるべきなのだろうか? ・・・自分たちだけ助かろうと他人を蹴り落とすことか? →それは逆に私がされてきたことだ。富の再配分を怠ってきたことか?→それは私のせいじゃないよ な。はたまたシナみたく、カミを差し置き暴君を崇拝するよう強要でもされるのであろうか? →そんなんで殺されちゃたまらんが死ぬこと自体は怖くない、痛くなければ・・・。

 国語の授業では「女の敵」とか先生に茶々を入れられていた詩人の石川啄木も、かつて政治やマスコミのミスリードでおかしくなっていく日本を見、こんな句を残した。
「人がみな 同じ方角に向いていく それを横より見てゐる心」

 だからもし、自分は今、多勢の側に付いているなと思っている時にこそ、我々は「これでいいのか?」と疑問を持つようにしたい。どんなに気 を付けても、最終的にはお互いダマし/ダマされる側の人の方が圧倒的に多いそうだから。

※写真は本文と関係大ありです

(2012.4.1、  12.1 update)


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