ボクシーと、ラウンドフォルムの折衷案 SONY ZS-D1


  別に統計を取ったわけではないが、一般に、幼年期の男子には、やたらと角張ったりシャープなデザインを好む一方で 丸みをおびたデザインは敬遠する、と、いう時期がな かったろうか? で、もう少し年齢が上がると、だんだんラウンドデザインにも一定の理解を示すようになっていく・・・*

*こ ういうコトを書くと、それはやれ母性をイメージさせるものからの独立であるとか、同じく異性(曲線だそうだ)をイメージさすカタチに惹かれるよう になるからだとか心理学的に説明しようと試みる人が現れるが、自分の傾向イコール全人類の傾向だと思ってるよーな心理学者やその追随を、私は純粋な学問とは 思っておらず、あくまで参考までにとどめておきたく思う。

 ・・・ハズなんだけど、どうも私はその  お子ちゃま気分が抜けきらずに大人になってしまったようだ。だって 丸いの嫌いなんだもん。別に、上にCDやカセット置けないから というような理由があるわけでもなく、ただ単に(なぜかビクターばかり例 に挙がるが)同じカタログに載ってたRC-B1(ボクシー)と、同X770(ラウンド)とでは、RC-B1の方に断然惹かれ、なぜこっちにはバックライト がぁ~と残念に思ったりしていたのは事実。

  とまぁ、そんな自他共に認める角張ったデザイン派 * の私をして、「これならば・・・」と思ってしまえたのが本機であった。この種の折衷案型デザインは、一歩 間違うと、直線好き派と丸いの好き派の両方から”どっちつかず”と敬遠されるのが常であるし-実際当時のビクターは手堅く二本立ての選択肢を用意してもいたわけだが-こいつは落としどころが絶妙だったのか、本命を別に持っててのセカン ドユースとして、なら十 分許容範囲内に、否、欲しいと思わすデザインなのだった。よって、内容的にはビンテージラジカセとほど遠いが、意匠を手がける側 に何らかのヒントを残せないかと思い紹介させて頂く。なお、似たようなデザインコンセプトがシャープのQT-77CD型にもあった気がするが、あちらは似て非なるデ ザインというか やりすぎ感も漂っており、本機のこのあたりが折衷点だったのかと勝手に思っている。

*クルマで言うと、フロントウィンカーの黄色くないB12型サニー(エンブレム除く)とか、後期C32型ローレルとか(前期は流石の私でもダメ)・・・「間違いだらけのクルマ 選び」の著者にデザインを毎年酷評され続け、どちらも後継絶版中。・・・しかしあの著者、私に言わせれば、ひょっとしてタダのアンチ角張り派なんじゃないの? こうして日本は今 や 必要以上に丸まった、見分けの付かない芋グルマ、ボテグルマだらけになってしまった・・・。




コンパクトな筐体に収まりきらない13cm大口径スピーカー・・・と思ったら、8cmだった。小口径で出にくい音域を「MEGA BASS」という何かで増強しようとしている。肝心の音質は、残念ながら停止状態で既にかなりノイジーである。




ファンクションキーの文字サイズは、もう少し小さくても良かったのでは。カレントのファンクションキーが点灯するようになっているが、テープのファンクションキーは、正転と反転なぜか同時に点灯する。
96年当時のカタログの位置づけではWラジカセの中核モデル扱いながら、使えるテープポジションはTYPE1(ノーマル)のみ、コストカットここに極まれり。。。



 

取っ手(キャリングハンドル)はプルアップ方式。全盛期のソニーのCDラジカセは、電池蓋に金属板で防振処理(?)がされていたりもしていたが、これはプラスチックのみ。




MD-Link端子という大げさな名前が付いている端子は、ごくごぐフツーの光デジタルアウト。時間表示はやや右に寄りすぎ、斜めからだと1の桁が読めなかったりする。
一時期ほとんどのソニー製品に付いていたジョグダイヤルは、どこが便利なのか未だにわからない。こんな利点があるじゃないかって方、おられたら教えて下さい。

追記:デザインを離れ、実用面で。本機の目覚ましタイマーは、時間が来るといきなり設定音量からスタートするので(PH-PR910みたく小音量から設定音量まで徐々には上がってくれないので)寝覚めは非常によろしくない。
        わざわざ電源を入れずとも(待機状態でも)タイマーのON/OFFができるのは良いと思う。
        本機のバックライトは、「光源3つで照らしてるな」と外から判っちゃうほど拡散がヘタだ。ここはちょっとみすぼらしい?
        リバースデッキは通常、「録音待機」→「方向選択」と2ステップを踏むが、本機はリモコン操作時に限って ほぼ同時押し(ワンステップ)を受け付けてくれる。



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