この灯を絶やすな(品質で) TOSHIBA TY-CDX9

 世の中には、出版社のライターが  自分の好きな分野の家電をメーカーから借り その紹介記事書きカネ貰う“ITニュース系サイト”が数あれど、自分は ちょ〜ちん記事 書けない性格なので信用してイイかと思います。


 
冒頭が広告サイトからのキャプチャで恐縮だが、“最安値”でサーチすると大抵出てくるご存じ某サイトで今、並みいる強豪やAV機器専門メーカー、安さで攻勢を掛ける新興国のモデルを押しのけて売れているラジカセがある。

 以外にも東芝は、いつの間にか CDラジカセに怒濤のラインアップを揃えていた。個人的には応援したいのだが、積極的にオススメするには隙や難も多く、特にハズレを引き当ててしまったら恨まれそうだ。至急、予備ASSYの供給ポリシーに改善を望む。


 二年ほど前、田舎の叔父(おじ)から「Aurex(東芝)の古いアンプを直したいが、古い製品なので部品が手に入らない。そっちに残ってないだろうか?」と訊ねられた。

 しかし秋葉原の部品屋だって、所場(ショバ)代高いんだから、売れ筋の新しい半導体にドンドン入れ替えるのが普通だ。案の定、どこ行っても「昔はあったんだけど・・・」「今は もう見かけないね」「それは似てるが代用できないんです」「あのお店に行っても無ければ本当に無いですよ」・・・と、秋葉原の部品屋も全滅。「叔父には諦めてもらおう」と思いかけたが、そうだ、インターネットがあるじゃないか。PCに疎い叔父に代わり、ネット通販で、もう幾つも残ってない目的のICを探し出し、送ることができた(しかし後日談が来なかったということは、直らなかったのだろう)。

 その時ついでに くだんのアンプもインターネットで調べたが、特段 上位機種でもなければプレミア付いてるワケでもない。デザインいかにも昔風、私には単なる骨董品にしか見えなかった。だが叔父にとっては壊れたからってポイできず、直して使いたくなるほど思い入れある製品だったのだろう。制作者冥利に尽きるというモノだ。

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 そんな東芝から、私みたく「ラジカセ」と聞けば 耳がダンボになる人間が「コレを買わずしてナニ買うのか」と言われそうなラジカセが去年(2016年)立て続けにリリースされた。ひとつはラジカセタイプでありながらハイレゾ音源対応の高音質CDラジオ・TY-AH100020163月下旬発売)。そして、今どき珍しくカセット付きのSD/USB/CDラジオ・TY-CDX9型(201612月中旬発売)だ。

 前者TY-AH1000は、たまたま発売予告をネット上で知り、北関東の片田舎から往復4時間以上かけ秋葉原に現物を見に行くほど興味シンシンだったのだが

1.     Aurex再燃の のろし として登場したわりに、1番真っ先にヘタるであろうCDピックアップのような予備ASSYを単体で売ってくれないこと

2.     ハイレゾ音源についても、過去192kHz/24bitで自己録音した3〜4ファイルくらいしか手持ちが無かったこと

 を理由に「ああ、惜しい製品だなぁ・・・」と思いつつ 購入には至らなかったのである。もし上記1に融通を利かせてくれてたら、前述のAurexのアンプを愛でてる叔父に1台買って贈ってあげたかった。

 そして後者・TY-CDX9 も、年明け早々には その存在を知っていたはずだ。しかし どうして飛びつかなかったのか? 理由は二つ。

1.     消費税増税5%から8%へのインパクト。

2.     インターネット上で、初期購入者からの不安にかられる報告が多々見受けられたこと

1 については、'144月以降の消費税8%による売り上げ減の煽りを受け、会社も何だかんだと理由を付けて各種手当て―通勤手当と、震災のドサクサ紛れに蹴り出された出稼ぎ先で社員食堂の恩恵を受けられない人への食事補助―がカットされ、私の月収は今年から月々6000円ダウンした。メーカーにとっても消費税増税は、“全国津々ウラウラに広がる暖かい風”どころか冷たい北風/逆風だ。

2  を具体的に挙げると、「カセット蓋が数日で不調になった」「カセット走行速度が段々遅くなる」「CDピックアップが一日でダメになった(初期不良)」「ラジオの感度がよろしくない」等々・・・。

 カセット付きのCDラジオなんて、今やニッチマーケットなのだから、まさか売れに売れて相対的な故障や不良が目に付いた、ってわけでも無いだろう。・・・なんて思っていたら 数は出ているようだ。本機は 市場に出してから明るみになるような品質の時限爆弾を多々抱えた状態で発売されたことになる。

 インターネット時代を迎え、生活者は 買う前から、他の購入者からの感想を見聞き できるようになった。問題無ければ売り上げアップ、ダメな報告多ければ、買い控えや初期ロットのスルー、果ては検討候補からもハズされてしまう・・・。メーカーにとって、インターネットというのは良くも悪くも「テコの原理」が働いてしまう あなどれない存在だ。

私の職場に限らず、長引く不況のせいで、モノ造りの現場は、より限られた時間に、より多くのことを要求され過ぎて、発売前の十分な事前検証に時間を割く余裕すら無くなってきている。しかし普通、スタートダッシュで品質問題起こしてしまうと蹴躓くハズだ。なのに 何で売れているのか? そして、そんなこと言ってる私まで、品質面で 不安の残る本機を なぜ取り上げることになったのか?

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 それは今年の8月頃、都内百貨店で開催された「ラジカセ展」を見に行った時のことである。ラジカセ展自体は 懐かしいは懐かしく、楽しいひとときを過ごさせてもらった。のだが、あくまで「懐古」で終わってて、日本のゼネラルオーディオの今後を予感させる展望も提案も無かったので「やはりラジカセは所詮、過去の遺物あつかい なのか?」と帰りの足でフラリと秋葉原のオーディオ売り場へ寄り、そこで改めて目に留まったのが本機だった。

 コンセプト的には10年前に出たキュリオム製(山善 )SDラジカセと大して変わってないのだが、それでも幾つかマシになった箇所がある。ひとつは対応メモリの容量増大。そしてもうひとつは、カセットデッキが、操作ボタンを手で押し込む「ガチャメカ方式」ではなく、往年のロジックメカで構成されている点だ。カセットもリモコンで操作できるのがウリな'90年代ラジカセには当たり前に搭載されていた機能で、しかし平成不況以降はコストダウンの煽りを受け どんどん採用例が減る。カセット自体が縮小してからは 逆に目を惹く珍しさだ。

 ほほぅ、競合他社との差別化にカセット部をロジックメカにしてきたか。だがラジカセ遍歴常人離れの私が今さらフェザータッチごときのギミックなんぞに釣られるとでも思

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当時の雑記帳には『2017/09/30 後悔と共に注文』とある(ラジカセ展の帰りから一月半以上「買うか? よすか?」で悩んでいる)。

 8月時点での本機の値段は、ヨ○バシ上野店で12800+税(=13824円)だった。しかし値札に税抜き価格の方をデカデカと表示されると、やっぱり 騙されてる気がする。否、税込み価格も併記する店は まだ良心的だ。隣町の某所に至っては、税抜き価格しか表示がない。「いや私たち店員は悪くないんですみんなあの食うに困らぬ世襲お坊ちゃんの景気条項無視した一存で決まったことなんです文句言いうならアイツに言ってね」と言いたいのも解る。だが あのウソ価格を堂々掲載している値札は、買う側にとって「じゃあ私は一体幾ら出したら この商品買えるんだい?」という客の視点を無視してる。そこに反感があり、私にとって○ーズデンキは結果的に今なおショールームとしてのみの存在だ。これが'14年の消費税増税前なら「お、コレは面白そうだな!」というだけの理由で買ってたような値付けにすら躊躇してしまうようになった。消費税8%ともなれば、その差額のインパクトたるや、5%時の比ではない。

 なので、発売直後の ご祝儀価格に躊躇ったのは勿論、本機については消費税増税分がチャラになる値段まで下がんなきゃ買わねーぞ、という意固地な拘りがあった。だがこれはユーザーの機会損失はもちろん、メーカーだって開発費を早期に回収できずに損してる。震災のドサクサ紛れに、払ってる税金の元が取れないポジションへと はじき出されてしまった身の上としては、消費税増税など ただただ経済活動に冷や水を浴びせ続けるブレーキでしかない。政府もソレわかってんのに綸言汗のごとしとばかりに撤回しない。だがその判断は日本経済に後々取り返しの付かない禍根となって跳ね返ってくるのではないかと危惧する。

参考1:2016年5月1日より訪日外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充がスタート

参考2:外国人旅行者の消費税免税拡充へ 爆買い減速受け(デッドリンク)

 

 ・・・んだけれど、いくら音楽が無いと死んでしまう人間を自認しててもラジカセは生活必需品じゃないだろ贅沢品だろと自問して怒りを抑え、ご祝儀価格から消費税増税分がチャラになるまで十分値下がってからネット通販で注文した。インターネットを使っても使わなくてもネット回線に月々4000円近くかかってるんだから、こういうトコで取り返したい。

 

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 ご注文商品明細
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商品コード: 4560158872974
商品名: TY-CDX9/東芝/CDラジカセ/ラジオ+SD+USBメモリ+CD+カセットテープ 
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小 計 ¥ 10,376 (うち消費税 ¥0) 
値引き ¥ 0
送 料 ¥ 0
手数料 ¥ 0
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合 計 ¥ 10,376 

 消費税や送料がゼロってことは無いだろうが、コミコミで この値段なら買おうって気になった。というより、ハズレが多いとの事前情報を得ており、ココまで値下がりしないと突撃する気にならなかった。ゴメン東芝。そのぶん、折角だから本機で使うUSBメモリとSDカードは東芝製をわざわざ新調した*から許して。

以前、他社オーディオ機器のMicro SDカードスロットの接触不良で、取説内の推奨メーカー、例えばSanDiskや東芝以外のSDカード(KingstonPqiエレコム製 など)を使っていたところ、それを理由に究明を渋られたことがあったから、そういう予防も兼ねている。

 それから少し経って、以前Webショップのチャットにて「配送でなく、実店舗で受け取るから消費税増税分 お勉強できない?」→「店舗受け取り値引き対象製品でないのでダメです」のやりとりで交渉決裂したヤ○ダ電機より「あなたの希望価格まで値下がりました!」のメールが来た。それだと税込みで一万円切っていたのだが、遅ぇよ。

 今回は注文後のスケベ心に勝てなかったが・・・8月〜11月まではサッパリ値動きなかったのに、ココひと月ほど急に一万円切る所が増えたってことは・・・新製品でも出るのかな? 普段は いったん注文したら その後の価格推移は見ない! 見たってどうなるモノでもないし、我が道でサッサと元を取ること考えよう。

・・・前振りが長くなってしまった。レビューの本題に入る。

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   見た目は ご覧の通り、端正かつハンサムだ(もっとイイ写真用意したかったが、部屋が散らかっててダメだ)。昔ビクターが、ラウンドフォルムに拒絶反応された時の保険として併売した直線基調モデルを彷彿とさせる。「パンダ顔のラジカセやコンポ、スリムオーディオには興味ありません」。今、カセット付きのSDUSBCDラジオで、奇をてらわないBOXYなデザインは、あまり選択肢が無い

  多くのラジカセのスピーカーは、中央のボイスコイルカバー(センターキャップ)に薄い金属を使うことでツィーター代わりにしている。そう思えば、あのカラーリングの統一性の無さも、音質改善の工夫なのだと好意的に解釈したい。のだが! 往々にして廉価機種に こぞって採用されたため、私の中では パンチネットから覗くあの銀色を見ただけでゲンナリしてしまうほど、貧乏くさいイメージが定着してしまった。その点、本機はパンチネットの色に合わせてセンターキャップも黒くしてあるのが個人的にGood。サブ用途の“側室”は、音質より見た目だ。

  サテンゴールドのカラーがイカス。私がオーディオを始めた頃はシャンパンゴールドが流行りだったせいで、昔も今も私は黒とゴールドを選べたら後者にする。“ゴールド”と聞くと、ともすれば成金趣味の下品なカラーと思われそうだが本機は そんなことは無い。ただ、同じ東芝のノートPC現行品の「サテンゴールド」は間違いなくゴールドだが、本機のソレはゴールドというよりサンドベージュ(砂色)に近いので、dynabookの塗装を見てから こっち見ると、あまりの金色成分のケチりすぎに ガッカリする。

  多くの現行機種が「ノーマルポジションのみ ご使用下さい」が多い中、ノーマルポジション(TYPE1)だけでなく、ハイポジション(TYPE2)とメタルポジション(TYPE4)にも対応している。切り替えは、前面のスイッチで行なう。

   ただし、ハイポジション/メタルポジションテープは再生のみ対応。どちらのテープも 入手困難な以上、ノーマルテープのみ対応なのは致し方ないような残念なような。取説には、メタルテープを検出できない時はテープ後ろ側の検出孔を ふさいでちょ と書いてある。これは多分、各社のオートテープセレクターが、スイッチの接点不良でテープを検出できなくなったトラブルを踏まえ、あえて自動でなく、手動切り替えを採用したと思われる。スマートではないが、過去においてテープ検出部の接点不良を直すのに結構難儀した記憶があるので、これも仕方ない。

  リジューム機能対応。CDUSBSDカードを 通電中 抜かない限り どこで止めたかを記憶し、電源再投入時やファンクションを切り替えても、続きから再生してくれる。使い勝手は良い(「停止」の二度押しで解除)。

  その他、あるものを まとめると、マイク端子だけでなく、外部入力端子もある。表示部にバックライトがある。また単2電池×6の乾電池駆動も可能だ。

  さらにマイク用のボリュームがある。高級機ほど、カラオケ機能は省かれるか、または付いてても、「マイク音量は口とマイクとの距離で調整して下さい」というのが多かったが、カラオケ用途ならマイクボリュームの あった方がイイに決まってる。

×     本機で一番もったいないと思うとこ。時計が付いていないので、お目覚めタイマー/ラジオの予約録音ができない

×     上記と被るが本機で録音したファイルには録音日時情報が付加されないのが困る。あるラジオ放送を録音したところ、後半部分だったことを知るも、ファイルの録音日時がわからないため、まだweb上に残っていたであろう前半部分は聴くことができなかった。

×     新品で買ったばかりなのに、CDのサーチやシークがキュルキュルキュルキュルと時間がかかっており、なんか苦しそうだ

×     リモコンに録音ボタンが無いのは片手落ち。・・・'90年代も、CDにのみ対応のリモコン付属、なんてのは普通に あったから、贅沢な要求だろうか?

×     オーディオ機器なのに、再生ボタンを押す → スピーカーが「ブツ」というのは情緒が無い。日本のピュアオーディオが プアオーディオになってしまって久しく、造り手も買い手も「安けりゃこんなモン」とマヒしてないか。

×     USBメモリへの録音キーと、SDカード録音キーの位置関係がおかしい(クロスしている)。操作の度に一瞬考えながら行なわねばならない。この場合ボタン配列は、本体に合わせて 左からカセット録音キー、USB録音キー、SDカード録音キー、の順の方が良くないか。

×     本体・リモコンとも、スピーカー音量調整キーとマイク音量調整キーとが紛らわしい(違いはサイズと、手探りで判別するためのポッチの有無)。マイク音量調整を、コストアップになっても物理ダイヤルを採用しているメーカーが あるのも頷ける。

×     録音キーの動作条件が「長押し」なのは何故だろう? 出来合いのソースなら やり直しが利くので問題ないが、リアルタイム録音だと、余裕を持ってスタートさせてるが、出来たファイルは本機に分割機能も部分削除機能も無いので結局PCに持っていって加工せねばならず二度手間である。

×     MP3形式以外の再生はできない。さすがにAPE形式までは期待していなかったが、WAV形式すら再生できないとは思わなかった。WMAOGGAAC(私は使ってないが)、FLAC形式にも非対応。2016年モデルなら もう少し対応しているとばかり思っていたら、そっちは後日カセット無しモデルのフィーチャーとなった。小生、音楽ファイルは その時メジャーだった可逆圧縮形式を使ってきたので、私が本機で再生できるMP3ファイルは少ししかない。

×     録音ビットレートが192kbps固定で選べない。ラジオ番組にはオーバースペック、音楽のデータ化に192kbpsでは不満という人も居るだろう。

×    ラジオの放送局名が表示されるラジオを長らく使ってきたので表示が無いのは不便な感じ。同様に、せっかくタグいじって付けたmp3の曲名やフォルダ名も、番号でしか表示されず、情緒を欠く。これも昔は無いのが当たり前だったので贅沢な不満かも知れないが。

×     昔のラジカセのオバケ群と比較してしまうと、どこか音が歯抜けだ。間違ってカラオケボタンを押したのかと錯覚する。ラジオ番組の音声も、本体に手が届く距離なのに、音量とは無関係に何言ってるのか聞き取りづらいことがある。別機種でハイレゾ音源対応モデルのTY-AH1000なら、日本オーディオ協会からの『お墨付き』を貰ってハイレゾオーディオのロゴマーク使用許可を得ているのだろうから(?)、東芝の音造りがダメなのではなく、カラオケモードを付けるにあたり、特定周波数をカットしやすい特性のスピーカーを選んだら、普段も効果が出すぎてしまった・・・といったところか。昔から、音質追求型の高級ラジカセほど カラオケモードは付かない。

×     ひところに比べればマシになったが、少ないキーで操作を遣り繰りするために、キーを押す時間の長短で ひとつのキーに複数の機能を割り当てているので、正直、オンラインマニュアルが無いと慣れるまでは厳しい。

×     全体的なデザインは私の好みなのだけど、天面に収納できるリモコンを取り出すと、空いたところの くぼみが何とも所在なさげだ。デザイナーの人はこれでいいのか。本体に定位置を設けることが、リモコン紛失防止の東芝の一つの回答というのなら私も何も言わないが、新しいデザイン案に詰まってこうなったのか。本体裏面は、電源コードコネクタしか無いのだがら、そっちへ収納する方が良くないか。

×     あと本機には、SDUSBメモリ内の、一曲消去と全消去の操作手順に 一癖ある。

部分消去:消したいファイルやフォルダを(送り/戻し か フォルダ+−キーで)表示させ、そこで「停止」キーを長押し → DEL が点滅するので実行したけりゃ「停止」を長押し。キャンセルしたけりゃ「停止」を短押し

全消去:表示部に総フォルダ数または総ファイル数が表示されている状態で「停止」キーを長押しにするとDEL ALLが点滅 → 実行したけりゃ「停止」を長押し。キャンセルしたけりゃ「停止」を短押し

・・・なのだが、消去とキャンセルとを、同じキーの、押す長さで使い分けているため、消したら「消しちゃいました」、キャンセルに成功したら「キャンセルしました」ぐらいの表示は欲しいところだが、8セグじゃムリか・・・。

×     ちなみに「全消去」(DEL ALL)を実行すると、本機で録音した曲や番組だけでなく、他の機器で録音したmp3ファイルも、本機では認識しないハズのWMAファイルやWAVファイルも、はては無関係な文書データやテキストファイル・実行ファイルなど一切合切が消えてしまい、青くなるPCでの初期化相当ということ)。しかもご丁寧にも、直後に復旧ソフトを使っても救出できなかった念の入れよう(こんなだから、事故防止のためにも できれば本機専用のSDUSBを用意されたし)。

×     通常、ICレコーダー系の家電は、うっかり誤消去防止のため「フォーマット」の項目は、「消去」とは別のメニュー階層に あるはずだ。本機のファイル操作は、間違いを犯さない完璧超人が考案した。だがコレを使うのは一般人である。

×     SDUSB共に使用できる媒体上限が32GBというのはスグ足りなくなってしまわないだろうか? とはいえMP3形式でしか録音できないなら当面持つから コレでいいのだろうか。ひと昔前は、2GBMAXだったのを考えれば、これも私が贅沢言ってるのだろうか。ちなみに256GBUSBメモリと64GBSDカードは---Err表示が出るだけで認識しなかった(取説に32GBまでと書いてるのだから当たり前)。

×    録音中はスリープタイマーを設定できない。仕方がないので いったん録音を止め、スリープタイマーを設定してから再度録音することになるが、ファイルがワンピースでなくなる。

×     メモリ録音時は、経過表示が無い。録音可能時間なども わからない。本当にカセットが主役だ。

 

   カセットテープホルダは、他のラジカセに比べ、テープ側面を摘めるスペースが少なく、非常に取り出しにくい構造になっている。粘度の高いグリスを使っているのか、カセットの蓋の開く速度は遅い。ガシャと出てくるよりかは高級感があるかも知れない。

   一万円そこそこのラジカセにパワーローディングまでは期待してなかったが、カセット部にイジェクトボタンが無く、CD蓋共々プッシュイジェクト式なのは、合理化とみるかコストダウンとみるか。CD蓋はともかく、カセット部は “儀式”としてのイジェクトボタンは欲しい。昔のサンヨーのラジカセ『U-4』は、カセットのイジェクトボタン押すとスーッと音もなく開くアノ挙動と開く速度の妙とにボタン押すたびシビレたものだが、本機は実質手動なので、同じ「フタが開く」動作なのに「なんちゃってオートイジェクト」感がない。

   USBメモリ スロットの周辺は そのうち傷だらけになりそうだ。PC側面なら気にしない人の方が多いが(私は気にする方)、本機のUSBスロットは前面だからだ。SDカードスロットの方は、挿す側が金属じゃないから大丈夫だと思う。

  webサイト上の製品写真だと、表示部バックライトはブルーバックに見えるが製品版では白というか灰色で、青くは見えない。店頭で知ってはいたが、小生 青系が好きなので 青が良かった。ソニーの あっちまでバックライトに青やめて白(灰色)になっている。部品調達は、白LEDの方が安いのだろうか? 東芝のイベント用スピーカー TY-ASC60は、演出でスピーカーのライトアップ色を変えられるのだから、ラジカセのバックライトも昔のビクターのモノマネになるのを恐れず ユーザーの方で色を変えられるようにすれば、絶対売り上げアップすると思うけど(経験上、特に女子にウケるだろう)。

   当然ながら「録音中はメモリカードを抜かないで下さい」とある。ロック機構を設けることはできないのか。昔 他社のポータブルMDレコーダーで出来ていたことが今出来ないはずがない。

   昔のラジカセの コンピューターREC機能や、単品コンポーネントのノリに慣れきった私にとっては、ラジカセの方で自動的にリーダーテープまで進めてくれたり、つなぎ録りのノイズを減らすロールバック機能や、バックスキップ、フェーダー録音、無音を検知しテープエンドまで早送りしてくれる機能なども無いので 本機のCD→テープ録音機能は能なしに思える。・・・まさか小生、まだ五十路の声は聞こえてないが、過去にとらわれ、適わぬゴージャスな気分をもう一度、の老害なのか?

   カセット録音時、ボーカルダウンの効果を確認していたところ、ONOFFが録音内容にも反映されていた。歌もミックスで録音するんだろうから コレで当たり前なのだが、小生カラオケ遣らないのでビックリした。録音時 うかつに触ってはいけない。

   昔のハイエンドラジカセには録音レベル調整ボリュームが付いており、個々のテープの実力に遭わせて飽和しないギリギリまでレベルを上げヒスノイズを誤魔化すテクニックもあるのだが、今は軒並み省略されている。メーカーの用意する無難な決め打ちになってしまっているため、こっちで介在できる余地が無く、そこは つまんない。

   カセットデッキは片道走行なので、リモコンがあるのに ひっくり返しに行かねばならず、チグハグな感じ。とはいえ高齢者は録再方向が自動で変わるとかえって混乱するというから、時代に取り残されたシニア向けの製品としてはこれで正しいのだろう・・・。

   外部アンテナ端子が無い。今時珍しい乾電池駆動なので、身動き取れなくする外部アンテナは付けない方向なのか?

  ラジオの感度は言われているほど悪くはないが、さりとて良くもないというか普通。当然、長いバーアンテナを積んでた昔のラジカセの感度とは比べるべくも無いので そこは期待しないように。

   先駆者(初期ロット買った人柱)の方々の報告にあったテープの音揺れは、フェバリットなCDから判りやすい短音ソースを録音し意地悪く聞き込んでみたが、私の所持機では(言われるほどには)感じられなかった。

   反面、CD部は、前述の通りピックアップの挙動が 何てことない位置へのシークに苦労しているハズレ個体で今から大心配だ。買う前から「CDピックアップも単体で売れ」と懸念していた通りになった。ひょっとして、メーカー側もハナから「末永く愛用」してもらう意図は無いのか? しかし私が趣味のオーディオに求めるのは『安価な使い捨て』ではない。 前述の叔父は東芝の古いアンプに ぞっこんだったが、私は叔父みたく本機を末永く愛でることができるだろうか? 買って数ヶ月で息を切らしている本機を。

 

他にも気になる箇所はあったのだが、忘れたということは重箱の隅だったかも知れず、ムリに記憶を辿るのは やめよう。

 

要望としては

    カセットテープが外から見えるライトアップが欲しいところ。

    トップローディングはCDを出し入れしづらい。カセットデッキを天面に持っていき、CDはトレイローディングにして欲しい。カセットは、保管時には立てておいた方がいいが、再生時は横にした方が、回転系が安定すると どこかのメーカーも力説していた。

    そして これだけソースが入り乱れると、音源によってバラバラな音量をある程度均してくれるオートノーマライズ

    ドルビーNRIC亡き後の、パイオニアのTWD5R(持ってた)が遣ってたようなデジタルノイズリダクション

    USBメモリの残量が無くなってもSDカードにメディアが挿してあれば録音を継続するリレー録音

    インデックスを打って、そこへ飛んだり そこを起点に前後に ぶった切ったりできないだろうか。

    メモリ録音中の経過時間や予測録音可能時間の表示

    直販限定、英語表示のワールドモデル

 しかしその前に品質の向上が先だ

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勝手に総評:

今日日、リモコンでカセットを操作できるギミックは珍しい。その懐かしさで、ついつい良くない報告を振り切って特攻してしまった。それくらい、私にとってラジカセのカセット部をリモコン操作できるのは 遠い昔には憧れだったのである。

ちなみに本機の姉妹品として、SDカードやUSBメモリ録再機能を省いたTY-CDK9なる機種も同時発売だった(8000円前後)。だから、老い先短いお爺ちゃんお婆ちゃんに今さら新規にメモリオーディオの概念を覚えて貰うよりかなら、本機でなく 安い こっちにした方がイイだろう。反面、カセットに興味と将来のある若い人なら、両者の値段の差は すっかり縮まってる以上、あえてK9の方を選ぶ理由は無い。

それにしても、オンタイマーが無いのは痛い。特にカセットへの拘りが無く、かつラジオのタイマー録音を多用したい人なら、もう数千円余計に出して同社のTY-CWX90や、ソニーの あっち買った方が幸せになれるだろう。

スマホやPC内の音楽ファイルをラジカセで聴くためのブルーツース無線機能は、本機から半年後くらいにリリースされた近似種のCDラジオ・TY-CWX90には付いていることから、カセットと心中するつもりの客層を考え あえて本機には付けなかったようだ。しかしそれだとノスタルジーでカセットに興味を持ってる若い客を、ONKYOの こっち(↓)に取られそうだ。おりしも今日(執筆時2017/11/25)、電車で隣に座ってた学生さんが、まさに本機のライバルのそれをスマホで熱心に調べてた。こっちはメモリに録音できないようなのが難点だが・・・

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以上、思いついた順につらつらと書いてしまったが、こんなところだろうか? 昔だったら無くて当たり前だったとこまで「無い!」と書いており、厳しい評価かも知れないが、後発は どうしても辛口になってしまうのはゴメン頂きたい。気になるのは、せっかくロジックメカで差別化などもしてるのに、ネット上で「値段なりの音と品質」という身もフタもない評価や、「過大な期待は禁物だけど・・・」、の『割り切り』が形成されていること。確かに品質は擁護できない。しかし これで割り切ってしまったらラジカセの発展は止まる。

・・・ナヌ? 「他の同コンセプトの機種ではケナされてたことが本機で不問なのはおかしい」?

 そういうこともあるだろう。加齢と共に出来ていたことが出来なくなったり、音楽の録音に時間を割けなくなってくると、私のニーズ自体も変わってきている。

カセットテープの今後をどうみるか。私個人は、カセットテープのブーム再燃を、カセット自体の良さではなく、誰かがカネ儲けのため仕組んだ虚像/一過性のモノと見ている。しかし そのうえで、「嘘から出た誠」になったら面白いのになー、とも思ってる。

「人間の耳はアナログ。デジタル音源は どうしても情報を間引かざるを得ず、どんなに補完技術を使ったところでアナログには絶対敵わない」と、私の元勤務先のオーディオ部門の人が言っていた。我々モノ造りに携わる人間には、消費税増税のせいで厳しい経営が続くが、東芝にはぜひとも、アナログレコードが未だに絶滅しないのと同様、カセットも、品質面では滑ってるが本機のような意欲作をコンボで繋いでいくことで、高価なレコード針の生産が復活したみたく、ハイポジやメタルテープの国内生産が復活するくらいのムーブメントを起こして欲しい。そして一ラジカセフリークとして、「もう売れるモノがない」と言われる東芝の、新たな事業の柱に育ててしまうくらいの意気込みでひとつ。

だが そのためには、まずメーカーの中の人が、「自分も欲しくなるようなモノ造ってますか/造れてますか?」という質問に「YES!」と答えられなければムリだ。 開発予算や消費税のような足かせが邪魔しているのは認めるが、もう少しこう、突き抜けた『カセットデッキ ココにあり』的アッピールが無いと、一時の懐古趣味で終わってしまって今カセットを現役で使ってる高齢者がいなくなったら今度こそ本当に終焉の道を辿る。そうならないよう、ちょっとおバカなアッピールが欲しい。ネット上で、細々と自社製品修理しているアカイやナカミチなどの元技術者を召喚するなり意見聞くなりし、ヘッドでなくカセットを反転させてた頃のギミックをラジカセで遣れば、世界にまだ極々少数いるカセット愛用者の心をワシ掴みにできるのではないか?

 しかしその前に品質の向上が先だ。買うなら絶対延長保証の付帯をオススメする。