ムダの効用 Panasonic RX-DT901

  これを買ったのは恐らく'93年の春。当時、秋葉原巡礼を欠かさぬ私を頼り? 田舎の姉からCDラジカセを見繕ってほしいとの依頼が来た。用途は朗読の吹き込みと、それをダビングできるWカセットデッキが必須条件。ついでにCDとい うモノも聴けるようになりたいとのこと。

 親切にも、その買い出しにクルマを出してくれた先輩のイチ押しが本機であった(カセットの開閉に いたく シビれていた)。私もオーバースペックが大好きなもので ついなびいてこれにした。動作確認しているうち、機械音痴の姉にくれてやるにはちと惜しくなってくるも当初の予定通り送った(その前に、CDトラック 間にプチが入るので最寄りのサービスセンターに診て貰った)。気に入ってくれ、つい最近まで現役だったが、姉の海外移住に際し 最小限の荷物にするため私 の元に戻ってきたのでレビュー。

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  先輩イチ押しの理由、「サイバートップ」とは : カセット蓋が電動でスライド開閉、カセットを検知すれば自動で引き込まれる機構。文にするとそれだけだが、実際に動いているところを見ると、そのカセット のムダにVIPな待遇ぶりに、見慣れたはずのテープが何やらすごいハイテク機器に見えてくる不思議な高揚感がある。姉によると一時期、ここの故障でカセット を使えない時があった。機構を複雑にしたが故、不必要に故障の危険が高まっているのは事実だが・・・こーいう個性派が一台くらいあったっていい じゃない。

 さらに、これもムダと斬り捨てるには惜しい便利機能「テクノボイス」が(← 音量注意) : 操作方法ガイダンスや設定状況、エラーメッセージなどを合成音声で読み上げてくれる。設定次第で30分刻みの時報代わり(深夜や早朝は喋らな い)や経過時間/カウントダウン機能もある。リモコンの「ボイスクロック」ボタンでは現在時刻も喋ってくれるので、夜中に目が覚めた時など便利。松下にはこの調子で、ジャストクロックや温湿度計も付けるくらいには弾けて欲しかったのだが、この次の機種あたりを境にス ペック的にはどんどんしょぼくれていった。


 *画像と実物の色合いは、多少異なります。というか、本機ではかなり異なっており、サランネットの色はもっと本体に近い紫。



天面にでかでかと書かれたメーカーロゴ。プロダクトに対する自信のほどが伺える。天版後ろの形状処理が、角張らず丸過ぎず、いい感じだ(・・・前は?)。




サランネットをCDラジカセに持ち込んだのは、ひょっとしたら、この機種が最初でなかったかと思う。
CDトレイとその周辺は、梨地加工こそしてあるが、サイバーな天面と表示周りに比べるとプラスチッキーな印象を拭えない。





リアのデザインもいい感じだが、最上位機種なら当然付いているはずのAUX端子が、本機にはない。




かつては眩しいくらいのELバックライトだったが、14年も経つと、蛍光灯下では光っているのが判らないほど暗くなってしまった。しかし依然、面光源独特の美しさは捨てがたい。今はELの励起を抑えるため時報のボイスは切ってある。
横に長いので、タイマーのオン時刻とオフ時刻とは同時に表示され、使いやすい。あと、各モード作動中でも現在時刻を表示したままにしておけるのもありがたい。
(写真はバックライト交換後)



リモコン。パステルカラーが目に優しい。ピエロにならない程度にカラフルで大変よろしい。


総合的に、音や操作性は褒められたモノではないが、サイバートップのギミックと、テクノボイスの実用度という 本筋と関係ない部分で延命している逸品である。

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