AMステレオでテコ入れ aiwa CSD-SR80

 本機の前身 同SR8型のAMステレオ対応版。どうして本放送開始の半年前に発売できたのか?  当時の技報によると、社内にAMステレオ準処のミニ基地局を作ってテストしたとのこと。

 BBEという音響補正*と、その効果を引き出すためのツィーター、ドルビーB/C NR、そしてDATの普及(しなかったけど)を見据えたデジタル出力などの特長を持つ。個人的には見る角度によってイメージを異にするディメンションを推したい。

 * スピーカーでは実際より遅れて鳴る高域に合わせて 中低域も遅らすことで同時に鳴らし原音に近づけ(ついでに減衰した高域も補正す)る技術であるらしい。何の略称なのかまではわからん。



この角度が一番本機のデザインが際立つ。適度な流線型フォルムに 何かのグラスコクピットを思わすようなフラットパネルの組み合わせがイカス。ただ、このためカセットデッキ部が、必要以上に”出っ歯”った印象もある。



横幅の、上限過ぎたところでスパッと落としたようなサイドビュー。これはこれで おざなり なデザインとは全く思わない。




 2 点だけ、デザインにケチ付けるとすれば、それは真正面からのビュー。両端底部が少し垂れ下がっているため、どうも自重を持て余しているかのよーなイメージ が。いわゆる「とろけた」造形が”いやし”のイメージとされるのは、もっと後になってから。そしてもう1点は、先代SR-8から改悪された液晶カバー の カラーリング。初期の携帯ゲーム機のような、安っぽい反射型液晶の色使いである。これはなんと後期型でクリアカラーに戻った(ただし後期型は、中身がコス トダウンされている)。ダメ出しついでに、バックライトに電球使ってる割には昨今のLED照明に劣るとも勝らない輝度ムラっぷりが価格不相応。




こ の頃の他社の同クラスが、操作部を天面や正面(下手すると下部)に集中させていたのに対し、本機はスラントノーズを採用。リモコンでなくとも操作しやすい 位置にキー類を配置。表示部の、上下の視野角もまずまずで、これなら必ずしもコブラトッ○やFL管を視野角改善のために採用する必要は ないと感じた。天面にあるボリュームはトーン、バス、BBE、そして音量調整。トップローディングのCDトレイはディスクの交換がしづらい。



スピーカー後部をしぼることで少しでもスタイリッシュに見せようとしているのか。しかし元々デカいのでここだけ取り繕ってもあまり効果は無いような。


 

オレンジ色のRCAピンプラグは同軸デジタル出力端子。しかし安価な光入力ばかりが普及してしまった今となっては、折角のデジタル出力も出番(受け側)が無い。
カセットデッキ部。ヘッド下部に銅のシールド。


 

スピーカーと流体磁性ツィーター。ツィーターの方には、ボイスコイルを冷却するための何かが封入されているらしい。上のシールドといい、ラジカセでここまで遣るメーカーは、他になかったろう。




フ ル稼働時のイルミネーション。見た目はカラフルで結構なのだが、操作ボタンのイルミネーション(中央)は、肝心の刻印(■や<>など)は浮かび上がらな い。輪郭だけライトアップしてどうするつもりだったのだろうか。写真はバックライトが片方切れている。麦球の在庫はもう無いそうで、一回交換したが結構面 倒だったから もう私が死ぬまで多分このままか。。。

と、思ったが、後日 バックライトをLEDに改造した。オススメはしないが当サイトのどっかにあります。

再 生品質はなかなかのもの。ただし面白がってBBEを効かせ過ぎると、今度は全体的に高域が持ち上がってしまって本来の高域がかえって埋もれてしまう副作用 があるのでほどほどにしたい。録音品質は、通常のCD録音ではなぜか、音が割れてしまって使い物にならない。しかし備え付けの全自動ダビング「Super Active CD Edit」でなら特に問題なく録音できる(曲順変更などの介在の余地はなくなる)ことから、あながち故障とも言い切れない。これはどうやら、基準テープ に、多少のレベルオーバーなら歪まないイイテープを使ってしまったからではないかと推測する。ドルビーCが付いてるからといって、今さらだが録音目的で入手したりすると、この問題により恐らく聴くだけ専用機になってしまうこと請け合いである。

追記:本機でのタイマーの合わせ方
タイマー設定用のキーが見あたらないので取説無しでは入り方が判らないかも。各ファンクション時に「DISPLAY」キーを繰り返し押せばタイマー設定時刻が表示されるようになる。あとは時計合わせと同じ要領で「MEMORY/SET」キーを使って開始/終了時刻を設定する。


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