山形県心臓病の子供を守る会「病気とともに生きる子どもの豊かな生活と教育」 心臓病フラワー

★★「病気とともに生きる子どもの豊かな生活と教育」座談会★★

開催場所(固定):山形市総合福祉センター
住所:山形市城西町2丁目(霞城公民館隣り)駐車場有り

障害児を持つ親と各職業を持つ専門分野の先生をアドバイザーとして「就学問題」
「生活管理指導表のとらえ方、活用のされ方」など子ども達の豊かな生活と教育について座談会を
開催します。教員教師の方、障害児を持つ親、疾病を抱える会員、養護教員、教育関係者、
医療機関、福祉関係機関の方、どなたでも参加自由ですから皆様からの、ご意見をお聞かせください。



★ 後援として 山形県、山形県難病連絡協議会
★ 福祉関係者 山形県児童家庭課母子保健係

★第一回座談会資料から

第一回座談会

アドバイザー

山大医学部
 鈴木 助教授

県養護学校
 黒木 校長先生

山形県難病連
 鈴木代表
 川越ALS副会長


・ 日時:平成14年3月24日(日) 午前10時30分〜12時
・ 場所:山形市総合福祉センター
・ 出席者
 アドバイザー
  山形大学医学部附属病院小児科 鈴木浩助教授
  山形県立養護学校       黒木 仁 校長先生
  県難病連協議会代表      鈴木  先生
 会員・・・・・・14家族
 一般参加・・・・・・2家族
           2名(養護学校教諭)

「第一回課題点の検証」

1:子どもの為の「介助員制度」・・県での実態はどうなんだろう。
  養護学校では、学校に来れない場合には家庭訪問での勉強なども実施されてます。
しかし、家庭教師制度での充実は本県では遅れている。
隣県ではボランティアでの家庭教師などもあり教育に対する疾患者(特に受験等を目前とする人)
の要望は、強いものと感じる。
2:学校週五日制が実施されますので学科余裕が無くなり担任だけではハンディのある子までは目が
届かないなってしまうのではないだろうかという不安について・・県内学校の方向性はどうか?
3:養護学校では経済的にも通学補助費・・福祉面では、普通学校への送迎は?
  養護学校への入学では経済的には親の負担持ち出しはゼロに近いものとなります。(県内状況)
4:地元の普通学校から養護学校へ行くことは簡単ですがその逆は相当難しいようです・・どうしてか
  特定疾患に対する学校側の認識についてもう少し会でもPRによる効果を増すことも重要。
  就学するのは学校では無く、疾患者自身であり本人の尊重を考えた教育のあり方が問われる。
5:1階は職員室や保健室・PTA室・コンピューター室や物置等・・普通学校の構造はどうでしょうか。
6:普通学級は、子どもがまず自分の事は自分で出来る事を前提で入学許可だ・・と言われたら
7:新生活管理指導表の県内指導への活用と機関説明はどうあるべきか?・・鈴木助教授からの説明
8:外見的に障害判定できる障害児と心疾患のような内臓障害者への対応差別は発生してないか?

★座談会を実施して次回に思う!!
                 会長 高橋武康

第1回「病気とともに生きる子どもの豊かな生活と教育」座談会を終えてこれからの課題
心臓病を持つ子どもや家族にとって、学校は最初の「試練」とも言えます。医療や親の
ケアから離れて学校に送り出すのは、少なからず不安なものです。また、病児や障害児に
対する理解が社会的に深まったとは言え、まだ一部では、就学時検診の際などでトラブルが
見られるようです。
そうした中で、心臓病を持つ子どもが健やかに学校生活を送れるよう親として何ができるのか、
専門家や関係者の方々をお招きし、座談会形式を取りながら、答えを見出していこう、と座談会を
企画しました。

第1回目は、今年度、学習指導要領の改訂にともない小学校・中学校では「生活管理指導表」も大き
く変わることになり、山形大学医学部の鈴木助教授から変更点と課題について分かりやすく説明して
頂き、県立山形養護学校長黒木先生からは、実例に則した問題提起を頂きました。

※医師・親・学校の連携が大切
 学校現場での心臓病死の統計結果によると、高学年になるほど率が高くなる傾向があるようです。
体育での運動が激しくなる一方で、病児も無理をするようになることが考えられます。また、管理
指導表に沿っていても事故が起きており、教育現場の実際に則した管理指導表の作成が、医師の側にも
求められるケースもありました。何につけても管理指導表を活かすには、医師と親、親と学校が連携
していくことが大切なことが確認されました。
 また、新管理指導表では、種目ごとに細かくできることできないことが分類されているので、競技を
禁止されている子どもでも記録係を任せるなど、疎外感を与えないように工夫してもらう必要性も指摘
がありました。

※就学に関する問題、親がまとまれば道は開ける
 今年度の就学に際して、会員の中で、地域の学校ではなく養護学校への就学を勧められたケースが
ありました。精神科の校医が体育で見学ばかりだと情緒的な発達に支障を来す、と言う意見に基づく
ものでした。しかし、どこのどのような学校に行けば良いのか教えてもらえず、両親は大変当惑し、
守る会に相談されてこられました。その後、病児学級が地域の学校に作られることになり解決しましたが、
こうした問題は心臓病児に限らず、病児・障害児の保護者は少なからず直面する問題のようです。
 こうした問題に対して黒木先生から、情緒障害児学級が、親の運動が実り東北で一番早く山形ででき
た例などの報告がありました。また、就学時検診でいきなり就学問題が起き、就学までの期間が短いため、
その子にとってベストな就学先が定めにくい、との制度的な問題点の指摘もありました。

※問われる親のまとまりと県の施策
 病児や障害児をもつ親がまとまれば、教育委員会や行政を動かすことができることが分かりました。
そのためには、何よりも共通の悩みをもつ親同士がまとまること、お互い情報を交換し合うことが大事
であることが次の課題として浮かび上がり、他の病児・障害児を持つ親との連携なども視野に入ってき
ました。また、少人数学級への取り組みが県の施策として取り組まれていますが、その中で病児・障害
児教育への施策はどのようになっているのか、などの制度・施策面の課題も次回の大きな課題として
上がり、次回は是非とも県担当部局の方の参加が待たれるところです。

議事進行記録から
1. 開催主旨
障害をもつ子ども達の「就学問題」「生活管理指導表のとらえ方・活用され方」の他、広範囲に渡っての
諸問題について、各専門分野の先生方をアドバイザーとして、今後どのようにしていくべきかについて、
懇談会を通して考えていきたいと開催された。

☆会長の開会挨拶に続いて、副会長より守る会メーリングから、就学に関しての相談内容を事例として
紹介してもらいました。

2. 「生活管理指導表」について
鈴木医師より、小・中学校では平成14年度から、高等学校では平成15年度から改訂実施される
管理指導表についての説明をして頂きました。その中で、体育活動については以前よりも細分化
されより詳しくなっているというものの、医師・病児の家族・教諭それぞれのとらえ方に違いがある
のは否めないため、尚、相互間での話し合いは必要になるという事でした。

3. オープンな懇談
・県立養護学校の黒木校長先生より、県内の養護学校の実状紹介。
・会員の中の養護学校における体験談
 心臓などの内部障害者は、外見からはあまりその障害の程度がわからないために、
障害を軽視されがちで、そのための対応・指導により子どもが精神的にダメージを
受けたこともあるという内容でした。
・学区内の特別学級に入っている会員の体験談
  学校全体の子どもの数が少ない市街地近郊通学しているが、特別学級の教師の数も
充分で、普通学級との行き来も常になされている。
又、親同士のコミュニケーションもとれているため、教師への要望なども言いやすい
環境にあるという内容でした。
・学区内の普通学級に入っている会員の体験談
  「運動管理表」のとらえ方により、マラソン大会の参加について教師と親との考え方の違いが
生じたという内容でした。
・幼児の病児を抱える会員
  将来学校教育を受けられないのなら、親自身が教師となっていけばいいと考
  えたら精神的に楽になったという話があった。

4. まとめとして
今回の座談会を開催してみて、各年令別にそれぞれの生活の中で、就学を含めた教育問題に対し、
様々な疑問・悩みが山積みしている事実が判明した。それらを解決していくためにも、親・医師・
学校の連携が大切で、親同士の情報交換が必要ということになりました。
今回、出席をお願いしましたが、年度末という事で欠席された行政側の方の出席も切望しながら、
継続的に座談会を持つということで、出席者からの賛同を得、閉会しました。

尚、今回は座談会中、子ども達は別室において、日本絵手紙協会講師工藤和子先生より、絵手紙の
指導を受けていました。



   第二回 「病気とともに生きる子どもの豊かな生活と教育」座談会

・ 日時:平成14年10月20日(日) 午前10時〜12時
・ 場所:山形市総合福祉センター
・ 出席者
アドバイザー
山形大学医学部附属病院小児科      鈴木浩助教授
 山形県立養護学校           黒木 仁 校長先生
 山形県健康福祉部児童家庭課母子健康係 庄司 克 係長
 山形市立千歳小学校          佐藤明子教諭
 日本てんかん協会山形県支部代表    工藤昭二様
                    田辺さおり医師
                    仁木医師

★第二回座談会 会場から

第二回座談会 第二回座談会

第二回座談会 第二回座談会

第二回座談会 第二回座談会
第二回座談会に向けたテーマ
1:小児科における難病特徴と就学の方向性について
2:いろんな難病疾患者における就学での課題事例について
3:社会教育課での窓口相談機能について
などについて話し合いをしてみました。


議事進行記録から

5. 開催主旨 第一回座談会では、今年度学習指導要領の改訂に伴い、小・中学校では「生活管理指導表」も
大きく変わることになったことから、鈴木助教授から、変更点と課題について、説明頂き、
県立養護学校の黒木校長から県内養護学校の実状を紹介して頂きました。
それを元に、ざっくばらんな懇談がおこなわれました。
そして、その結果、親・医師・学校の連携が大切で、又、親同士の情報交換も必要という
話になり、県の施策も知りたいということももとに、第二回の座談会の開催になりました。

6. てんかん協会工藤さんの体験紹介
てんかん協会の工藤さんより工藤さんの娘さん(18才)の養護学校のたいけんしょうかいを
頂きました。養護学校での教育は、一人一人の発達段階に応じて全教師がよく話し合いを
もちながら、対処してくれるので子ども達も楽しみながら授業を受けられるとのことでした。
又、全生徒が障害児ということで、その中での生徒同士の関わり方から自信や積極性、責任感
などを育てる上に良い環境ということです。
ただ、養護学校の数が限られ、又、通学する時間もかかるため親の送迎が必要なので、
その負担の大きさが問題として残されています。

7. フリートーク
心臓に限らず、諸障害を抱えた家族は、いろいろな問題に孤立して対応していかなければならない
現状ですが、いろいろ事例を出し合っていこうということでフリートークとなりました。
・現在、養護学校に通う会員の子ども(現6年生)が1、2年生時に普通学校に入学した時の体験
 親の希望とは裏腹に体育時間たった一人で教室での居残りなど、教師個人の対応の仕方に
 不信感を抱き、話し合っても理解されなかった。その後養護学校に転校した。
・10年前に養護学校を卒業した会員の体験例
  当時、養護学校は病院に入院している子が通うのが原則で、子どもの本人意志で自宅から
通学が可能になった初めてのケースでした。
  又、中学までしか養護学校はなく、高校は県内にはないので、肢体不自由のゆきわり学園に
通学した。学校側も内部疾患の生徒は初めての受け入れで、心臓障害に対しての理解がなく、
何でもできると決めつけられて、この経験から、精神的にダメージを受け、自虐的な行為
などからの快復に大変な思いをした。
  それに対して、黒木校長より、教育そのものの変化により養護学校も変化してきている。
  又、普通学校にも「特別支援教育」として、導入されてきて就学基準や、認定基準が制度化
されてきたので、保護者の意見や子どもの理解が以前よりされてきているとのことです。
・県の庄司係長
県保健所にある健康福祉課が窓口となって、長期療養児や各疾病に応じた個別相談に
対応している。又、今後は主治医との連携を密にして、心のケアの対応についても考えて
いけるような窓口にしていきたい。
・今年度小学校入学したてんかんをもつ姉のいる会員の場合
 入学前の2・3月より、雰囲気に慣れるように本人と共に何度か学校に通ってみた。
・千歳小学校の佐藤教諭(前出の1年女児の担任)
 今回、この懇談会に出席して、家族側の心配や理解の求め方など、教師側に伝わって
いない現実が認識された。と同時に、そこからお互い誤解を生じ、対立していくことが
あることに、不安を感じた。
 自分自身、小学校1年生時に心雑音のため、1年間特殊学級に通った経験があったことを
今回思い出し、又、2年時に普通学級に移ったときの戸惑いや不安などもよみがえった。
 今日の参加は、今後障害をもつ子どもを担任していく上での、大きな参考になった。
・山形大学医学部附属病院鈴木医師
 病院で出す、管理指導表だけを見てもわからないことが多い。遠足、修学旅行、登山など
の件で、保護者と一緒に教師も来院するケースがある。又、管理指導表を見ても、それに
対応する先生方の見解もまちまちで、指導表に見直しがなされた今もまだまだ問題は山積み
していると思う。
・高学年になった病児の場合
 親、教師、医師間での連絡を密にしていくことはもちろんだが、病児自身の年齢が上がる
につれ、本人自身の病気に対する自覚と認識を促し、自己管理していくことが重要になって
くると考える。特に、小学校高学年から中学校にかけて「できる」ことと「できない」ことを
冷静に見極めていく力をつけることは容易な事ではないと実感している。

8. まとめとして
今回の座談会においては、前回以上に出席者の間から様々な具体例が出された。
又、アドバイザーも出席した障害児の担任の教諭や、行政側からの参加も頂き、病児を持つ
親側の声を伝えられたという事も注目すべき点であったと思います。

今後も、学校同士の連携で、医療・教育各方面の関係者達との情報連絡交換を密に
していくことが必要不可欠であるということで、定期的に座談会を継続していく。

以上 第二会座談会の記録でした。




これからも「座談会は毎年10月上旬の日曜日に、就学座談会を開催して参ります。」心臓に限らず
難病を抱える親の方、教育機関の学校の先生方、参加をお待ちしてます。



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