豊米電気鉄道の車両4<現在>





平成12年、京王から流れて来た5100型電車Mc+TC/2編成を以って、豊電は一挙に近代化を果たします。初の冷房車、そして初の新性能電車でした。
豊電を取り巻く環境はこの30年で大きく変貌します。かつては東洋重金への硫黄輸送に重点を置く一方で、放って置いても各駅には列車待ちの人々で溢れていました。
越浦を支えていた東洋重金は他地方へ移転し、また同社に依存していた数多くの中小企業も業種転換や廃業を迫られました。JR駅北口の広大な敷地跡は未だに再開発予定地のまま、雑草が繁るに任せています。
今の豊電を支えているのは、平成になってから真家駅近くに開校した吾妻産業大学越浦キャンパスです。かつては林と丘と畑しか無かった真家周辺は、今やアパート、書店、コンビニ、コインランドリーで飾られ、周辺人口は次第に増加しつつあると聞きます。

かつての壮大な軽便王国は一度衰退を経験した後、こじんまりと纏まりながら「当面の間」活路を見出したやに見えます。今後はどうなって行くのでしょう か。