県道の整備が進んだ結果、長大だった中津川本線は既に無く、林鉄の町宮ケ瀬から線路が消えて久しい。
急峻な地形の為林道建設が進まない一部の伐採地域には幾らかの支線が残存し、県道脇に中継土場を設けてトラックに積み替えていた。手押し軌道の水沢線を除いて各線には数両の機関車が使われていたが、定期検査は出張整備か、或いはトラックに機関車を載せて宮ケ瀬の整備工場(そこだけ線路は残っていた)に運び込んだ。
この頃には廃止された西丹沢森林鉄道の機関車の内、程度の良い車両が転入して来ている。酒井Aのみで運用されていた東丹沢に初めて酒井F2が入ったのは、唐沢川線の最末期であった。