小田急ディーゼル特別準急





小田急電鉄キハ6000DSE1次車
御殿場線山北駅



「好きだが良くは知らない」

あれほどウルトラマンが好きだったにも関わらず、今思い返せば意外な程その記憶に乏しいのは何故なのだろうか?
多くの友人達のようにカード収集に励むでもなく、出て来た怪獣や宇宙人のスペックを寝食を忘れて覚えるでもなく、かと言って自らがウルトラマンごっこの主催者として「ゴウ」役や「ダン」役を(ここではマンやセブンでない所がシブイ)演ずるでもなく、ただただボンクラな園児・児童の範疇から抜け出る事のない生活に耽溺していたのだ。



相模大野検車区相武台前分区にて、出発準備中のキハ6200



私とウルトラマンの関りは酷く慎ましいものだった。

長崎屋にあったブルマァクのガシャポンで買って貰ったカプセル。その中には確か人差し指大の「マン」「セブン」「レッドキング」「カネゴン」「あと得体の知れない何か」の計5体が入っていて、後生大事にしていた。このセットだけは何があっても大切に取って置こうと真剣に考えていた。



小田急電鉄特別準急「あさぎり」



このメンバーは非常に良く出来ていて、マン、或いはセブンが3匹の怪獣相手に戦っているのだが形勢不利となった時、他方が助けに来ると言うセッティングが可能だったのである。確かな記憶ではないが、どちらかと言うと惚けた造形のカネゴンが悪でも正義でもない日和見主義者で、正義2×悪2の闘いをその場の雰囲気で煽ったりまぁまぁと収めたり、自分だけ闘いとは無縁な事をしていたりと言うキャラにしていたと思う。



大分交通特急ロマンスカー「かみばと」(耶馬溪線洞門-羅漢寺)







関東鉄道常総線キハ851+キサハ103+キハ853+キハ854
一次型キハ6000は全て関東鉄道へ譲渡されラッシュ時に重宝した



「せめて人並みに」ウルトラマンの人形で遊ぶだけで充分皆の仲間に入れた「気がした」のである。昭和46~7年頃であった。



大分交通キハ5100+キクハ2300



さて、持論を蒸し返すようだが、小田急の特急ロマンスカーやディーゼル特別準急は、どこかウルトラマンの造形と似通っているように思える。ウルトラマンの造形、それは目新しく流麗で、そして何処かに頽廃と妖しさ、猥雑さを感じさせるカタチをしていると思うのだ。




熱海海岸にビラ星人現る!
急げウルトラ警備隊!
がんばれセブン!
そして貫一、良くやった!



もしもあなたをして伝統のSSEやNSE、そしてDSE一次車の肢体に淫靡な何かを感じたとすれば、そんなあなたは間違い無くウルトラマンの造形に工口チシズムを感じていた人なのである。