若葉と清流の交響詩に、リズミカルなロッドの音を添えて。
(昭和13年5月 宇津野-薬莱 上り混成16レ)





草深い山里に秋と近代化は訪れ、急ぎ足で去った。
(昭和15年10月 羽前丸島-尾花沢 下り混成105レ)









天地が溶ける程暑い日。軽貨物列車が田園を行く。
(昭和40年7月 加美宮崎-薬莱 上り貨物3032レ)





重陽の頃。夏の暑気と秋の高い空の下、ダブルヘッダーが築堤を行く。
(昭和44年9月 陸前小野田-加美宮崎 上り貨物2034レ)





汽車は峠路へ急ぐ。里から祭り囃子の練習が聞こえて来る昼下がり。
(昭和44年9月 陸前小野田-加美宮崎 下り旅客623レ)





山間を行く気動車。盛大なエンジン音が山塊に木霊する。
(昭和55年5月 宇津野-薬莱 下り旅客617D)





驟雨が上がり、雲雀の声が降って来る。傾いた日は辺り一面黄金色に染める。
(昭和55年5月 陸前小野田-加美宮崎 上り旅客622D)





蝉時雨を浴びながら、人気のない田野を行く。うだる真夏日。
(昭和55年8月 陸前小野田-北色麻 下り旅客1653レ)





冷たい秋雨が上がった。仙台行の急行が暖かい室内灯を洩らしてやって来る。
(昭和57年10月 母岱-鍋越 上り急行「大朝日」2212D)