羽根鉄道輸送量概観・1




1、開業~昭和恐慌(1915~1930)                                             旅客単位:千人 貨物単位:トン

年 度 定期旅客 定 期 外 合   計 貨物・薪炭 貨物・木材 貨物・其他 貨物・合計 備  考
1915    0 72 72 4,011 6,571   553 11,135  開業日3月3日より累積
1920    0 107 107 16,667 28,299   756 45,668      
1925    1 115 116 45,700 53,211   702 99,613  関東大震災後の特需による
1930    1 102 102 28,525 20,070  1,345 49,940  




羽根鉄道は1915年3月3日に全線開業した。商工業の中心地、羽根と東奥本線半田川駅を結び、中心産業である木材、薪炭の輸送を目論んでいた。
開業年である1915年の輸送量は、3月起算である事を別にしても低調である事が判る。貨物は各列車ごとに15トン積み貨車2両もあれば十分であり、旅客に至っては1日当たり200人を切っている。
これは1915年度までに羽根薪炭出荷組合の組織立ち上げが間に合わず、各業者が銘々に馬車や川舟で出荷を継続した為と思われる。

出荷組合と積出施設が整備されると、当初の目論み通り貨物扱い量は増加した。1925年の貨物扱い量は突出して高いが、これは関東大震災の復興用木材、薪炭の発送が上積みされたものである。
この輸送量は、1日4往復の準混合列車全てに15トン積み貨車7~8両を繋げる必要があった。羽根鉄道では臨時の貨物列車を日に数本設定して輸送に当った。