トップページ      


質問日記
ここでは、生徒が質問してきた内容を書いていきます。
Web で $\TeX$ を表示する方法を、佐藤先生に聞いていたのですが、 かなり簡単にできますね。 あとは、スタイルファイルが使えればよいのですが。

MathJaxの使い方 を参考にしています。

不等号の前後に空白を入れないと一部が消えることがありますので注意しましょう。



トップページ

質問日記
No76(2019.01.12) 同僚から聞いた,生徒の話です.

「平面ABCに,平面上にない点から垂線を下ろす」 とき,垂線の足は三角形ABCの中にないんですか?

平面ABCというと三角形ABCと感じる生徒がいました. 他の生徒に聞くと,意識していない生徒が多いようです. ということでした.

その先生は,生徒が四面体などを意識しすぎているのではないかと言っていました.

直線ABって線分ABと同じなのかねえ.

No75(2017.09.17) 教科書の問題です.

円のベクトル方程式をやった後に, \[ \displaystyle\vec{BA}\cdot\displaystyle\vec{BP}=0 \] が表す図形はなんだと生徒に聞いたら,円と答えた生徒が結構いました.

直角が出てくると,円のように感じているのですね. 動点$P(\vec{p})$を動かしたとき出てくる図形を聞いているという認識が難しいですね.

No74(2017.09.17) 赤チャートの2次関数の問題です.

\[ x^2-ax+2a=0 \] が異なる2つの実数解を持つとき,一つの解だけが \[ -1 < x < 1 \] となる$a$の範囲を求めよ.

生徒に聞かれました. \[ y=x^2,y=a(x-2) \] と分解すれば,交点の様子を見るとすぐ分かります.
解答は,2次関数の解の分離として解いています.

私は,うまい解法を考えるのが好きで,それが数学だと思っていますが, もしかしたら,最近は,とことんやることに価値を置いているのですかねえ.

No73(2017.05.21) 3年TAUBの演習をやっていて...

問題を当てて,解答を生徒に書かせています.
今年は,間違いを含む解答を書く例がほとんどで, なかなか収束しません.

これはよいことだと考えています. 間違いの解答は,生徒が「数学する」チャンスだからです.
先日,生徒が書いている途中で迷って, 数人で議論しても結論が出ないようでした.
授業では相談はOKです.
与えられた条件を使ってないのでは? と指摘しました.
それまでいろいろ言っていた他の生徒も, 感心していました.
どうしても出来ないときは, 「条件を忘れていないか」 「論理に飛躍やミスがないか」 を確認しましょう.

No72(2017.05.21) 中間考査の答案を見ていて

$a+bi=0$が恒等式だから...

昔からある間違いですが, 係数比較するものを「恒等式」と認識するのですかね.

No71(2017.05.14) 問題を解いていて気になったのですが

方程式$\;(x-1)(x-a)(x+a)=0\;$を解け.

この解答は,$x=1, \pm a$ですか?

それとも$a$で場合分けしますか?

場合分けするのは$\;a\;$に範囲がついているときですか?

No70(2017.5.12) No68 と同じです.

$S_n=1^n+2^n+3^n+4^n$とする.
$S_n$が6の倍数となるときの$n$の条件を求めよ.

$S_n$が12の倍数にならないことを証明せよ.

\[ 1^n\equiv1\mod6 \] \[ 2^1\equiv2\mod6\quad 2^2\equiv4\mod6\quad 2^3\equiv2\mod6 \] したがって \[ 2^{\text{奇数}}\equiv2\mod6\quad 2^{\text{偶数}}\equiv4 \] \[ 3^1\equiv3\mod6\quad 3^2\equiv9\equiv3\mod3 \] したがって \[ 3^n\equiv3\mod6 \] \[ 4^1\equiv4\mod6\quad 4^2\equiv(-2)^2\equiv4\mod6 \] したがって \[ 4^n\equiv4\mod6 \] $n$が奇数のとき$S_n\equiv1+2+3+4=10\equiv4\mod6$
$n$が偶数のとき$S_n\equiv1+4+3+4=12\equiv0\mod6$
であるから,$n$は偶数.

後半は同様にすれば分かるので,省略しましょう.

No69(2017.5.12) No68 と同じです.

$n\in\mathbb N$のとき,$n^3+1$が3の倍数である条件を求めよ.
また,$n^n+1$が3の倍数となる条件を求めよ.

$n\equiv0\mod3$のとき,$n^3+1\equiv0+1=1\not\equiv0\mod3$
$n\equiv1\mod3$のとき,$n^3+1\equiv1+1=2\not\equiv0\mod3$
$n\equiv2\mod3$のとき,$n^3+1\equiv2+1\equiv0\mod3$
条件は$n$を3で割ると2余る.

$n$が3の倍数のときは,条件を満たさない.
$n\equiv\pm1\mod3$のとき, \[ n^n+1\equiv(\pm1)^n+1\mod3 \] この値が0になるのは,$(-1)^n=-1$のときであるから, \[ n\equiv2\mod3\quad \text{かつ}\quad n\equiv1\mod2 \] $n\equiv2\mod3$から$n\equiv2,5\mod6$
$n\equiv1\mod2$から$n\equiv1,3,5\mod6$
であるから,$n\equiv5\mod6$

No68(2017.5.12) 2年生の演習に使っている問題です. 合同式の演習は少ないようなので, 少し難しい問題があってよかったですね.

$p$を3より大きい素数であるとするとき$p^2$を12で割った余りを求めよ.

分からないと言っていたので,合同式を使った解答を渡しました.

$p$は3の倍数ではないので, \[ p\equiv\pm1\mod3 \] であるから \[ p^2\equiv1\mod3 \] さらに$p\equiv1\mod2$であるから$p^2\equiv1\mod4$ \[ p^2\equiv1\mod(12) \]

No67(2016.10.20) センター演習の等比数列です.

空欄を適切に埋めよ.

\[ 2^{2n-1}=\fbox{ }\cdot\fbox{ }^{n-1} \]

\[ 2^{2n-1}=2^n\cdot2^n\cdot2^{-1}=\cdots \] と計算していました.

$n-1$を単位として考えられると良いね.

No66(2016.10.20) 質問は次の通り

次の2つは同じでしょう? \[ \log(x-1)+\log(x-2) \] \[ \log(x-1)(x-2) \]

定義域が違うことに気づいて,確かめに来たのでした.

No65(2016.09.29) No64 の結論です

2種類以上の玉を円の形に並べる円順列の総数を求めよ.

同僚が調べたところ,バーンサイドの定理があるそうですが,ここでは, 高校生が解くことを想定して,説明をします.

数珠順列に似てるので,問題があっても良いように思います.

1つの色,赤に注目して考えます.
赤玉の1つを固定して,それ以外の順列を,同じ物を含む順列として計算します. 次に,固定した赤玉を他の赤玉に重なるように回転させたものがすべて異なるなら, さっき計算した数を赤玉の個数で割ったものが,求める総数です.
これがNo64の計算です.

数珠順列の場合,左右の折り返しで対称な配置がない場合に当たるのが上の場合です. 対称な配置があった場合,単純に2では割れません.

同じ理由で,固定した赤を他の赤に重なるように回転させたとき,まったく同じ配置になることがあります. この配置は,固定した赤玉と重ねられた赤玉の間にある玉の配置が,まったく同じ繰り返しで1回転した配置になります. その部分を,同じ物を含む順列として計算することで対象の配置の個数を計算することが出来ます. ただし,この対象の配置には,途中で赤玉が入っている場合があります.

[計算例1]赤玉2個,白玉2個,青玉4個
赤玉を1個固定したとき,全体は,$A=\dfrac{7!}{2!4!}$個
半回転で対称な物は,$B=\dfrac{(1+2)!}{2!}$個
これ以外で対称な物はないので,
$\dfrac12(A-B)+B=\dfrac12\left(\dfrac{7\cdot6\cdot5}{2}+\dfrac62\right)=3\cdot18=54$

[計算例2]赤玉3個,白玉4個,青玉6個
赤玉を1個固定したとき,全体は,$A=\dfrac{12!}{2!4!6!}$個
$\dfrac13$回転で対称な物は,白玉を配置出来ない(4は3の倍数でない)のでない. これ以外で対称な物もないので,
$\dfrac13A=\dfrac{12!}{3!4!6!}$

[計算例3]赤玉4個,白玉4個,青玉8個
赤玉を1個固定したとき,全体は,$A=\dfrac{15!}{3!4!8!}=A$個
$\dfrac14$回転で対称な物は,白玉1個,青玉2個を並べるので$\dfrac{3!}{2!}=B$ これ以外で対称な物,$\dfrac12$回転のとき$\dfrac{8!}{2!2!4!}=C$個だけである.
$\dfrac24$回転は$\dfrac12$回転だから,BはCに含まれるので $\dfrac14(A-C)+\dfrac12(C-B) + B =\dfrac{A+C+2B}{4}$

No64(2016.09.24) 同じ物を含む円順列です. 演習で,生徒にさせました.

白玉が4個,黒玉が3個,赤玉が1個あるとする. これらを1列に並べる方法は何通りあるか, 円形に並べる方法は何通りあるか.

生徒は,$\dfrac{(8-1)!}{4!3!}$と解答しました. 聞いてみると,単純に分子は円順列だからで, 分母は同じ物を含む順列だからだという.
赤玉が1個だけだから,それを固定すると, 赤以外の$8-1$個を1列に並べる,同じ物を含む順列だからそうなるんだよと指導しました.
new action には,このタイプの問題が取り上げられており,赤玉が1個の場合です.
考えてみると,赤玉が1個でなくても成り立つような気がしてきました.
成り立つのでしょうか?いずれにしても,なぜそのような問題がほとんど見当たらないのでしょうか. (どこかで見たような気がします.)
生徒は,適用出来ると思えば,無批判に使います. 正確さを求めすぎれば,発想が貧弱になります.
ここは教育にとって難しい点だなあ.

No63(2016.09.24) 勤務校で話題になった問題を考えていたら, 2016年度の京大の問題を思い出した.

このような問題が次に出るかも知れないと思い, 生徒からの質問ではないが,ここに記す.

京大の問題

素数$p,q$を用いて$p^q+q^p$と表される素数をすべて求めよ.

問題

$1+2^a+3^b=6^c$を満たす自然数$(a,b,c)$をすべて求めよ.

京大の問題は,偶奇の次に $\mod 3$ を使うとわかる.

次の問題は,$\mod 8$で考えることで$c<3$がわかる.

$\mod n$ を使うと出来るんですよ! $n$が素数のときだけでなく,合成数のときも役に立つんですよ.

これは大事だわ!

No62(2016.08.28) 問題集にある2015年度入試 早稲田大の問題です

気になるところだけ上げますね.

関数$f(x)=\dfrac{x}{\sqrt{1+x^2}}$について次の問に答えよ.

(2)$\;t>0$を媒介変数として, $x=f'(t),\; y=f(t)-tf'(t)$で表される曲線の概形をかけ.

$t>0$の範囲では$\dfrac{dx}{dt}<0, \dfrac{dy}{dt}>0$なので, 概形は書きにくい.

$\dfrac{d^2y}{dx^2}>0$が計算出来るので下に凸のグラフを書きましたが, 気になるのは,パラメータで表された曲線の概形は,凹凸を調べずに増減表から 書くものだと,少なくとも大学入試問題では思っていましたが,違うのでしょうか?

No61(2016.08.23) 問題集にある2011年度入試 首都大東京の問題です.

2つの数列$\{a_n\},\{b_n\}$が次の漸化式で与えられているとする. \[ a_1=4,b_1=3 \] \[ a_{n+1}=4a_n-3b_n\ (n=1,2,\cdots) \] \[ b_{n+1}=3a_n+4b_n\ (n=1,2,\cdots) \] (1) $a_2,a_3,a_4,b_2,b_3,b_4$を求めよ.

(2) $a_{n+4}-a_n\ (n=1,2,3,\cdots)$, $b_{n+4}-b_n\ (n=1,2,3\cdots)$はともに5の倍数であることを証明せよ.

(3) $a_n\ (n=1,2,3\cdots)$も$b_n\ (n1,2,3,\cdots)$も5の倍数ではないことを証明せよ.

$a_{n+4}-a_n$を計算しても5の倍数にはなりません. \[ (a_1,b_1)\equiv(4,3) \] から始めると,$(a_5,b_5)\equiv(4,3)$になりますが, 例えば,$(1,1)$から始めると(2,4)になって,問題の主張は成立しません.

つまりこの問題の主張は,初期値依存です.

これは問題がひどいのか,単純に,(1)を$\mod5$で具体的に計算するのが良いのか? どうなんでしょう.

No60(2016.08.20) 2015年の上智大の問題です

$c(n)=\dfrac{3n^2+174n+231}{n^2+3n+2}$が整数であるような自然数$n$がいくつあるか

\[ c(n)=3+\dfrac{165n+225}{n^2+3n+2}\cdots(1) \] だから,第2項が整数になるようにするのだが,分子に$n$があること,係数が大きいことで, 良い感じがしない. \[ c(n)=3+15\left(\dfrac{4}{n+1}+\dfrac{7}{n+2}\right)\cdots(2) \] 分母$n+1, n+2$が互いに素であることから,これで処理することも出来るが,面倒です.

ところがびっくりしたことに $165n+225$が$(n+1)(n+2)$の倍数であることから, $165n+225$が$n+1, n+2$の公倍数であるので, \[ 165n+225 = a(n+1) = b(n+2)\cdots(3) \] とおくことで, \[ 60=(a-165)(n+1),\quad -105=(b-165)(n+2) \] となるので,$n+1,n+2$の値はいくつかの値に制限され解ける. 105が平方因子を持たないので,$n+2=3\cdot5\cdot7$から攻めることを勧めたい.

生徒にヒントを出しながら解かせていたとき,(1)で困って,(2)をやったものだから暗礁に乗りあげてしまった. (3)が有効だという認識を持っておきたい.

これって,忘却関手ですか?

No59(2013.08.2) 問題は次の通り

三角形OABを、 OA=3, B=2, $\cos\angle{\rm AOB}=\displaystyle\frac16$ とする。 線分ABを 3 : 1 に内分する点をCとし、 線分OBを 3 : 2 に外分する点をDとする。 このとき、弧OAを、点Cと直線OAに関して反対側にとり、 弧OA上に点Pをとる。 線分 EP の長さの最大値を求めよ。

図を描くといろいろな線分が錯綜して何を考えればよいかわからなかったようだ。 実際には、円周上の点Pと円外の点Eとの距離が最大となるのがいつかがわかれば 簡単である。 その図も見せたのだが、反応は鈍かった。 問題を変形する力を鍛えなくてはならないかな。

No58(2013.08.2) $\displaystyle\frac{1}{1-\frac1{1-\frac1{1+a}}}$ を簡単にせよ。

$1+a$ を掛けることはわかっていましたが、 どこに掛けて、どうなるのかが明瞭でなかったようです。

基準の分母の線を太くして説明しても、 すぐには納得しませんでした。

No57(2013.08.1) $xy=3x-2y$ を満たす正の整数の組 $(x,y)$ をすべて求めよ。

すぐ式を変形し $(x+2)(y-3)=-6$ とした後、 解答にある $x+2\geq3$ がわからないと言ってきました。

問題の条件を全部言えと言っても、 「$x$, $y$ が正の整数」はなかなか出てきません。

解答から離れて、$(x+2)(y-3)=-6$ で、$x+2$ の最小値を聞くと3と答えたので、 $x+2=3,4,5,\cdots$, $y=-2,-1,\cdots$ と書いてから最後まで説明して、 わかったというのに、$x+2\geq3$ の意味と、なぜ必要かがわからない。

もう一度、整数×整数の話をしてから、今度は$y-3$を決めてからやってみました。 本当にわかったんだかわかりませんが、もう一度やってみると言って帰りました。

答えまでの最短距離ばかりを見せられて、わかり方がゆがんでいるように感じました。

No56(2013.08.1) 問題は次の通りです。

$y=-2x^2+3x-1\cdots(1)$ 上の点A(1,0), B(0,$-1$)を考える。 (1)上の $0 < x < 1$ の範囲に点Pをとり、 △APBの面積が最大となるように点Pを定めよ。

直線ABと平行な接線の接点がPだとわかっていました。 でも、$y'$ を使うことに結びつかない。 2年生のときに、「 $y'$ は接線の傾きだ」とやってるはずなのに、 受験勉強で、抜けていくんですかねえ。

No55(2013.07.31) 問題は次の通りです。

$f(x)=-x^2+ax+b$が次の条件1,条件2をともに満たすとき、定数$a$,$b$の値を求めよ。

条件1:$\displaystyle\int_0^6f(x)dx=12$
条件2:$-1\leq x\leq1$における$f(x)$の最小値は$-5$である。

条件2で場合分けがどうのと言っていたのですが、わかりません。 そこでこちらから質問をしてみると$\cdots$

条件1は解けている。$3a+b=14$です。 これを使って、$f(x)=-x^2+ax-3a+14$だから、と言ったところで反応がありました。

2次関数の最大最小問題と、場合分けに苦手意識があったようですが、 今わかっていることを使って、 問題を整理する(問題を簡単な問題に変える)という認識が全くなかったようです。 いままで本当に難しい問題を考えることがなく、 問題は一気に解くものだという小学生の気分のままやってきたのでしょうね。

この整理する、問題を変形するということに、いたく感激して帰りました。

No54(2013.07.31) $\sin\theta+\cos\theta=\displaystyle\frac{23}{17}$ のとき、 $\sin\theta$を求めよ。

$\cos$を$\sin$に直して$\cdots$と言っていたので、やばいかなと思っていましたが、

$\sin\theta+\sqrt{1-\sin^2\theta}=\displaystyle\frac{23}{17}$

としてからつまっていました。 「根号が面倒なところ」はわかっていました。 「2乗すればとれる」こともわかっていました。 「そこだけ2乗する」のに、「移項する」ことがわからなかったようです。

No53(2013.07.29) No49 と同じですが、 $0 < x \leq9$ のとき $s=\log_3x$ の範囲を求めよ。

先生が $\log_30 < \log_3x \leq \log_39$ と書いたのだが、 左辺の0はおかしくないか?と聞いてきました。 左辺は $-\infty$ だと言ったら、そういえば、先生が無限大って言っていたと言いました。

このやり方は難しいのでしょうかね。 もっとも、解答の本文に書いてはいけないと私は思います。

で、グラフで説明したのですが、対数関数のグラフが出てきません。 指数関数のグラフはわかったようなので、そこから説明しました。

別な生徒に対しては、真数$ > 0 $ だから、$0 < x \leq 9$ の左の条件は当たり前に要求される条件で、 $s$ に対して特別な働きはないと言いました。

必要な条件ですが、わからない生徒に説明するのは難しいですね。

No52(2013.07.29) $b_1=\frac32$, $b_n=\frac{n+1}2$ ($n\geq2$) という数列に対して $T_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n\frac1{b_kb_{k+1}}$ とおく。

$T_1=\frac23$ になるんだけど、答えと合わないと言ってきました。 $T_1=\displaystyle\sum_{k=1}^1\frac1{b_kb_{k+1}} =\frac1{b_1b_2}=\frac1{\frac32\cdot\frac32}=\frac49$ というと、そうなんだけど、と納得がいかない様子。 その生徒は、最初に$T_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n\frac1{b_kb_{k+1}}=2-\frac4{n+1}$ と計算してから代入して出していました。

「簡単な計算は簡単にしようよ。それがヒントになるからさあ」 で納得したようです。

No51(2013.07.29) $f(x)=(\log_3x)^2-\log_{\sqrt3}x^a+1$ ($x > 0$) についての問題の(3)です。

(3) $f(x)<0$ となる $x$ の値の範囲が $\sqrt[3]3 < x < 27$ となるような実数 $a$ の値を求めよ。

$s=\log_3x$ とおいて、$\frac13 < s < 3\cdots(1)$ で、 $f(x)=s^2-2sx+1$ までわかっていた。 (1)を解にもつ2次不等式を聞いたら、$(s-\frac13)(s-3) < 0\cdots(2)$ と答えた。

話をする中で、

$f(x) < 0$ が $s^2-2sx+1 < 0\cdots(3)$ に見えない。
(2)を展開した $s^2-\frac{10}3s+1 < 0$ を(3)と比べるという発想がない。
もちろん、係数をどこか一致させておくことも知りませんでした。 聞いてるはずなんですがねえ。

No50(2013.07.23) $n$ が奇数なら $n^2$ が奇数であることの証明

教科書には、$n=2k+1$ とおいて計算することで証明している。

しかし、奇数$^2$ が奇数であることは明らかではないのだろうか。 それを疑う合理的な理由があるのだろうか?

必要なところで、必要な技術や概念を与えないと、 何時使うのかわからないということにならないか?

今でも、場合分けは何時するんだ、相加平均・相乗平均の関係は何時使うんだと 思っている生徒は多い。

使う場面まで指定するなんて、$\bf あり得ない。$

No49(2013.07.23) 傍用問題集に次の問題がある。

「$\sqrt2$ が無理数であることを用いて、$2-\sqrt2$ が無理数であることを証明せよ。」 という問題がある。

生徒の解答が、

$2-\sqrt2$ が有理数とする。
$2-\sqrt2=r$ とおくと、$\sqrt2=2-r$ である。
$r$ が有理数ならば $2-r$ も有理数であるから・・・

となっているものが多い。解答の丸写しのようだ。

さて、 $r$ が有理数 $\underline{だから}$ とすべきだと思うのは私だけ?

No48(2013.06.18) 2次不等式

$x$と2点で交わるタイプの解法を教えていました。 教科書もそうなんですが、解の公式を使うタイプの場合、 まずグラフを描けと指導しています。 $y$軸は書かなくて良いです、と聞いてきました。 小利口な生徒は、先走って狭い範囲の解法手順をやれば良いと考えるようです。 不等式が与えられたとき、自分で判断するのに、何回もグラフを描いた方がイメージがわかるからと言っても 聞かず、減点ですかを繰り返すので、次の日はすべての場合を一度に見せることにしました。 グラフを使った分類定理というわけです。 生徒は耐えられるでしょうか。
No47(2013.06.18) ベクトルの終点の存在範囲

いつもの、$\overrightarrow{\mathstrut{OP}}=s\overrightarrow{\mathstrut{OA}}+t\overrightarrow{\mathstrut{OB}}$, $s\geq0$, $t\geq0$, $s+t=2$ のときのP の存在範囲を求めよ、です。
細々としたこともわかっていませんでしたが、この解答に使う基本事項がわかっていませんでした。
でも、これ、わかりましたか?はい。までは行きますが、実際にできるようにはなりませんね。
No46(2013.06.18) 図形が苦手(2)

これも模試の過去問です。 わからないという部分について問題を見ると、角の2等分線とあります。 角の2等分線についての性質はわかるか、聞いてみましたが、知らないという返事でした。 できる生徒でも、基本事項が抜けていることがありますね。 しかも、わからないと聞いてこない、自分で何とかできると思っているようでした。 証明を教えたら、感激していました。
No45(2013.06.18) どういうときに因数分解できるか

2次不等式の解法の最初にある、因数分解して答えるタイプと、 解の公式を使うタイプを教えたときの質問です。
まず、因数分解を考え、できなければグラフを描き、 $x$との交点を解の公式で求めさせました。 手数が多くていやになったのかもしれませんね。
「考えながら計算していればわかるさ。 自分で見つけた方が楽しいろ。」 といって、先延ばししました。
No44(2013.06.18) 「2次不等式$x^2-2x-1<0$を解け」の解について

$x=1\pm\sqrt{2}$
よって$1-\sqrt2 < x < 1+\sqrt2$
として良いかと聞かれました。
最初の$x$と最後の$x$って同じか?
と言っておきました。 手順を覚えることが勉強と思っているんですかね。 さらに、必要な説明も勝手に省略するし。
No43(2013.06.17) 図形が苦手(1)

答えを見て何とかわかったといっていました。 目の前で解かせてみると、接弦定理や相似条件が曖昧です。 高校で学んだ余弦定理などはよくできるのですが、 中学の知識やイメージが弱いようです。
No42(2013.06.17) 場合の数で、CかPかわからない。

「選ぶだけか、選んで並べるのかどっちだ」でいけてると思っていましたが、 今回は、もっと複雑でした。 今は具体的な問題をあげられませんが、 直接選ぶとか並べるということではなく、 1クッションあって、それを選ぶか並べるかわかりにくいようです。
一応、順番を変えたとき、同じものか、違うものか考えることと、 確率の場合は、さらに分母がCかPかも考えなければいけません。
No41(2013.06.17) $\in$って何だ。

結構できる生徒なのですが、 集合のイメージが抜けているようです。 ベン図に書き込んで何か怪しげに判断していました。
包含関係とそれに付随する必要条件、十分条件の理解が未熟でした。
No40(2013.06.17) 2次って何だ。

2次不等式の解法をやった後、廊下で生徒が質問に来ました。
「2次って何だ。」
多項式の次数の復習をしましたが、こういう生徒も多いのでしょうね。
1週間お休みをしていました。

No39(2013.06.7) $y=-x^2+1$の標準形

平日課題で、単にグラフを書けという問題です。 標準形に直してグラフを書く練習をしていたので、

$y=-(x^2-1)=-\{(x-\frac12)^2-\frac14\}=\cdots$

としていた生徒がかなりいて慌てました。 担当者で、授業中に注意することになりました。
これを見せて、「おかしいだろう」というと、「そうだ」と言うんですね。 おまえたちが間違えているんだよ。 で、不安なときは、展開して確かめることができるという話でまとめましたが、 心配です。

No38(2013.06.7) 問題は次の通りです。

$2S_n=4b_n-1$で決まる数列$b_n$に対して、
(1) $b_1$を求めよ。
(2) $b_{n+1}=($  $)b_n$の括弧を埋めよ。
(3) $b_n$を求めよ。

(1) $2b_1=4b_1-1$となることはわかる。
(2) $b_n=S_n-S_{n-1}$はわかっているが、 $b_{n+1}=S_{n+1}-S_n$であることに気づかない。 $b_{n+1}$と$b_n$の関係であることに気づかない。
(3) $b_{n+1}=2b_n$であることを見せると、$b_n=\frac12b_{n+1}$としてしまう。
意味がわからないようですね。

No37(2013.06.7) 問題は次の通りである。

$C : y=x^2$, $l$ : 点(2,6)を通る傾き$m$の直線に対して
(1) $l$はCと異なる2点で交わることを示せ。
(2) 交点の$x$座標を$\alpha$,$\beta$ ($\alpha<\beta$) とする。$\beta-\alpha$を求めよ。
(3) 囲まれた面積の最小値とそのときの$m$を求めよ。

グラフを使って考えていませんでした。 我々教師も、まずはグラフを描いて様子を見るのだということがわかっていない。

どういうことだ → 知っていることに関係するか → 問題を書き換えて知っている形に変える

という認識を強くアピールした方が良いですか?

No36(2013.06.6) $\displaystyle\int_0^a|x^2-ax|dx$は知っているが、 $\displaystyle\int_0^1x|x-a|dx$は計算できない。

$y=|x^2-ax|$のグラフはと聞いたら、かけました。 で、$y=x|x-a|$のグラフはと聞くと、できないといったので、 $y=|x-a|$はと聞くことで、場合分けを使って$y=x|x-a|$のグラフを描くことができました。 これで積分はできましたが、知らない問題を、分析し統合するという認識がないですね。
No35(2013.06.6) $\sqrt[3]{-8}$ってどうするんだ。

累乗根の中に負の数があることで焦ったようです。 まさに狙い通りということですが・・・
No34(2013.06.5) $f(x)=3x^2-x-\displaystyle\int_{-1}^1f(t)dt$となる$f(x)$を求めよ。

積分が定数だということが、$f(x)$の形を限定し、積分できるということが見えてないようでした。
No33(2013.06.5) 点$(0,k)$から$C : y=-x^3+3x^2$への接線は何本引けるか。

接線の数の代わりに接点の数を調べるとよい、ということがわかっていなかった。 意味がわかっていなかったので、忘れやすいように見えた。
No32(2013.06.3) 問題は次の通りである。

$a>0$とする。 $y=x^2-2x-1$ $(0 \leq x \leq a)$について
(1) 最小値を求めよ。
(2) 最大値を求めよ。

No31(2013.05.31) $\displaystyle\left\{\begin{array}{@{\,}ll}5x-2 > 3x\\x-a < 0 \end{array}\right.$ をみたす整数$x$がちょうど3個存在する$a$の範囲を求めよ。

$1 < x < a$をみたす整数$x$がちょうど3個あるのは、その3個の整数が 2,3,4 ということなので、 4はみたすが5はみたさないということ。 で、まず$4 < a < 5$であり、$4=a$ や $a=5$ はOKかと聞いてみた。 試験前に聞きに来ていた生徒たちは、多くが逆にとらえていた。 $x$の範囲と$a$の範囲が違う。聞いていることが違うと認識しても、混乱していたが、 試験後に質問に来た生徒は、あっけないほどわかるという反応であった。 難しいですよね。
No30(2013.05.29) △OABに対して、 $\overrightarrow{\mathstrut{OP}}=s\overrightarrow{\mathstrut{OA}}+t\overrightarrow{\mathstrut{OB}}$ とするとき、$s+t\leq2$, $s\geq0$, $t\geq0$ を満たすとき、点Pの存在範囲の面積は△OABの面積の何倍か。

生徒はPの位置を決めようとしていました。 「決まれば点になっちゃうので、面積は0だ」は通じませんでした。 さて、朝学習の問題にもでてました。そちらはかなりできが悪かったので、 スペースの関係もあり、何人かに$A(1,0)$, $B(0,1)$として図を書いておいたが、 はたして役に立っただろうか。
No29(2013.05.29) 球$(x-3)^2+(y-1)^2+(z+2)^2=24$と$xy$平面が交わってできる円の半径を求めよ。

空間図形がわからないということで質問に来ていた。 $z=0$を入れて$(x-3)^2+(y-1)^2=20$ から半径は$2\sqrt5$だという。

ところで、これは本当に円を表しているのだろうか・・・は置いておいて

第1義的には、球の中心と円の中心と円周上の点を結んだ直角三角形から 円の半径を求めるのがよいと思うが、 空間図形になれていない生徒では、方程式から出した方が良いのかなあと考えながら、 生徒の話を聞いていました。

No28(2013.05.29) 碁盤の目の最短経路を数える

「→と↑の同じものを含む順列」は意味がわからないというので、 交差点に数値を書き込んで最短経路を数える方法を思い出し、 家で確かめていたということだ。 で、通れない交差点がある場合の数え方がわからないという質問であった。

しかし、結局「矢印の順列の方が簡単ですよね。」という話なのだが、 「こういう話はどうだろう」といってくれる生徒だから、お互いに助かっています。

No27(2013.05.29) 座標軸の書き方

$x$軸は左から右へ線を書いて矢印を付け足します。 今年の教育実習生が、$y$軸を下から書いて矢印をつけていました。 違和感があるのですが、向きを考えると正しいように感じます。

どうなんでしょう。

No26(2013.05.27) 生徒の計算力が弱いというので、週に1回100ます計算をしています。

足し算とかけ算はそれなりでしたが、 引き算で時間がかかっていることがわかりました。 担当者は、しばらく引き算をやろうかなといっています。

そうしたら、今小学校で教えている引き算のやり方が難しすぎるんじゃないの、 という話になりました。

No25(2013.05.27) 3年文系の演習でベクトルが始まりましたが、

ベクトルの内分点の位置ベクトル、位置ベクトルと座標の関係がわからなくて、 全然ベクトルにならない生徒が多く、びっくりです。
No24(2013.05.27) 中括弧と小括弧を使わないで、小括弧2つを重ねて使っても良いですか?

当然じゃないですか。だいたい括弧3つの重なりだけですべてのものが表せるわけないでしょう。

ですが、1人は、中括弧がかけないという理由で小括弧を重ねていたのです。 なれろよ!

No23(2013.05.24) 二項展開って必要あるんですか?

具体的には$(2x-3y)^5$の展開式における項$x^3y^2$の係数を求める問題ですが、 本人は10乗くらいなら、解く順番を最後に回して、実際に10乗を、係数はパスカルの三角形を 使って計算すると言っていました。 30乗ではさすがにやらないということです。

シグマ(=和ということはわかっている)や添え字などが複雑でどこを見ていいか混乱していたようです。 具体的な展開と、二項定理、係数とパスカルの三角形の対応関係を見せて計算したら 「簡単ですね。使ってみます。」と言って帰って行きました。 食わず嫌い、あるいは授業でのイメージの定着が弱かったようですね。

No22(2013.05.24) 授業中の平方完成の練習で気づいたこと。

$-\{(x-1)^2-1\}+2$ を見ていて思ったんですが、 最初の符号$-$は$-1$の積だと見えてないんじゃないですかね。 符号が途中で変わる原因の多くが符号と二項演算の区別の弱さからくるように感じています。
No21(2013.05.24) 中間考査のやり直しを見て気づいたこと。

$x^2-6a^2-ax-7a-6x+5$ を因数分解せよ。

「計算力が弱い」というのでなく、「感覚に頼り、正しく計算を実行できない」という弱点を持つ生徒には、 この問題をきちんと書かせることを、何回も間違いを添削することで矯正する、最後まで書かせることを要求するのが 良いように感じてきました。 定数項を1つにくくる、$a^2$の係数を正にする、定数項の因数分解のたすき掛けを全部書かせる、 積や、符号の試行錯誤をきちんと書かせるなどです。

定数項に必要なら符号$-$をつけるように、指導していますが、 定数項でなく、最初の項にマイナスをつける生徒が多いです。今年はそれほどでもありません。 しかし、この問題を$a$の2次式とみて因数分解した生徒がいて、 その解答を見ていると、最初の項にマイナスをつけた方が簡単に見えますね。 でも、このマイナスを自由に変形することができない生徒には鬼門だと思います。

No20(2013.05.23) $5\times4+4\times4=9\times4=36$ って何しているの?

場合の数の計算の最後の部分です。 考えない生徒は計算できると思った端から計算を初めていって、 計算が面倒になったり間違ったりするので、 数字だけでも、因数分解や、かけ算の順番を変えたり、分数の場合、かけ算を保留して計算するようにしています。

気がつけ!簡単だろう!

No19(2013.05.22) 1,2,3をすべて使って$n$桁の数を作る。いくつできるか。

すべて使うという条件を除けば$3^n$個ある。 ここから条件に合わないものを除けるかい?
No18(2013.05.22) $x=t-\cos t$, $y=1-\sin t$ のとき $\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}$ を求めよ。

$\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}=\frac{d}{dx}\frac{dy}{dx}$の意味がわからない。 $\displaystyle\frac{d}{dx}\frac{dy}{dx}=\frac{d}{dt}\frac{dy}{dx}\cdot\frac{dt}{dx}$のイメージがない。

Leibniz の記号の意味(=微分商)を記号のできの良さを褒めたら、わかったように顔をして帰りました。

そういえば、平日課題でやらせている問題でも、 パラメータ$t$を使った導関数を $\displaystyle\frac{dy}{dx}=\frac{dy}{dt}\biggl/\frac{dx}{dt}=\cdots$ と書かずに $\displaystyle\frac{dy}{dx}=\cdots$ と書いている生徒が今年は圧倒的に多く、 1年生の計算の意味を考えないで感覚的に計算しているのと同じだと思ってしまいました。

式の計算には意味がある。 丁寧にやれば訓練を受けた人なら誰でもわかるはず!

No17(2013.05.22) 行列の$n$乗は一般に簡単に計算できないはずだが、簡単に計算できるのは対角行列だからか

そうですね。
No16(2013.05.22) 中間考査の採点をしていて気づいたこと

No15(2013.05.20) $a$ を定数とするとき、不等式 $ax\leq1$ を解け。

まず、「定数」ってなんですか?と聞かれました。

何かわからないが、変化しない数、たとえば2や3のような、ただ何なのかはわかっていないということ。

その後、「では、解いてみて。」と言ったが、動きがない。 そこで、解答を書いて見せた。

$a>0$ のときの場合を書いた後、「次は?」と聞くと、$a<0$ のとき、と少し時間がかかったが「$a=0$」のとき と答えて、不等号の向きを正しく述べた。

次の質問は、「場合分けの最後にまとめて書くことはしないのか」であった。 この質問をした他の生徒も、この質問をした。 内容を理解するのではなく、形式をそろえようと考えているのだろう。

何時場合分けをするのかわからない、という質問がよくあるが、 よく読め。理解しろ。ということか。

試験前ですが、今までにないくらい質問があり、 記録できていないものも多くありました。

No14(2013.05.14) 単元テストで少なくない生徒が奇妙な間違いをしていました。

$\displaystyle\frac1{4-\sqrt{15}}=\frac{4+\sqrt{15}}{(4-\sqrt{15})(4+\sqrt{15})}=\frac{4+\sqrt{15}}{16-15}=4\sqrt{15}$

$3+2\sqrt2+3-2\sqrt2=0$

$(3+2\sqrt2)+(3-2\sqrt2)=9$

+や$-$が入れ替わったり、一塊という感じや=についての感じが正確でないのかなあ。

No13(2013.05.14) 生徒の場合分けを見ていて、$|x+2|>3x$ をちょっと違う方法で解いてみました。

$|x|>3$ の解が $x < -3$ または $3 < x$ であることを使って場合分けすると わからないだろうと思って、書いてみました。案の定1人もわからないと言っていました。
でも1人もわからないというのはねえ。 読めよ、説明を。

$x > 0$ のとき、$x+2 < -3x$ または $3x < x+2$ となる。 それぞれの不等式を解くことにより、$x < -\displaystyle\frac12$ または $x < 1$ となる。 まとめて、$x < 1$ であるが、もともと $0 < x$ なので、$0 < x < 1$ となる。

$x=0$ のときは、与不等式は $|2|>0$ となり、成り立つ。

$x<0$ のときは、与不等式は常に成り立つ。

以上から、$x<1$ が解である。

No12(2013.05.14) $(a+b+c)^2-(a-b+c)^2+(a+b-c)^2-(a-b-c)^2$ を展開せずに計算できないの?

解答には、単に展開してあったが、質問した生徒は2乗の展開公式を使えないのか、 もっと簡単な方法を求めていたようでした。 \[ (a+b+c)^2-(a-b+c)^2+(a+b-c)^2-(a-b-c)^2 \] \[ =\{(a+b+c)+(a-b+c)\}\{(a+b+c)-(a-b+c)\} \] \[ + \{(a+b-c)+(a-b-c)\}\{(a+b-c)-(a-b-c)\} \] \[ =(2a+2c)\cdot(2b) + (2a-2c)\cdot(2b) \] \[ =(4a)\cdot2b=8ab \] と因数分解を利用した方法を見せたところ、 \[ A^2-B^2=(A+B)(A-B) \] を使っていることが、何回説明してもわからない。 見ていた他の生徒もわからないと言っていました。 わかりにくいですか?
No11(2013.05.13) 1から順に奇数を並べ、1個、2個、3個、$\cdots$ と群に分ける。 399は第何群の第何項か。

「$399=a_{200}$はいいのだが、その後がわからない。」と言ってきた。 授業では、元の数列と、添え字からなる2つの数列が絡んでいる。 特に、添え字からなる数列は見えないので、視覚化するように言った。

200から群を求めるのに、各群の項数による列と、 それらの和と添え字の関係を認識する必要がある。

数列2つでなく3つあるといった方がよかったか。

No10(2013.05.13) $S_n=3n^2+4n+2$のとき、なぜ$a_n=S_n-S_{n-1}$が$n=1$のときに使えないの?

$n=1$のとき、$a_1=S_1-S_0$ となるけど、$S_0$ って何でしょう。

数列は1から始まるので、1から0まで足すことはできないですね。

これで話はわかってもらえました。

本当は、形式的に$n=0$のときの式の値を考えることができるので、 $S_0=0$ならば、$n=1$のときも含めて$a_n=S_n-S_{n-1}$が成り立ちます。 こちらの話は、難しいようです。

No9(2013.05.13) 男子5人、女子4人の中から男子2人、女子2人を選ぶ。 特定の男女が1人ずつ選ばれる方法は何通りあるか。

何人も、わからないと言ってきました。 「特定の男子を選ばなくては」「でもどうやって」と感じるようです。 確率や場合の数は、どれになるかわからない、可能性がいくつもあるから 場合の数が複数あり、確率が1より小さくなる。

確定したら、選ぶ必要がないことがわかりにくいようだ。

No8(2013.05.13) 色の異なる6個の玉を腕輪を作る方法は何通りあるか

円順列なら $(6-1)!$ だが、腕輪の場合知らないからできない。 何を考えるとわかるかわからない。ということらしい。

一般には「数珠順列」という。 円順列との違いは、空間に浮いているので、裏返したものは同じものとみるところが違う。 いくつかをまとめて1つと見る見方を常に意識した方がよいか?

No7(2013.05.13) 16%の食塩水と8%の食塩水を混ぜて、9%以上10%以下の食塩水を500g作りたい。 16%の食塩水は何g以上何g以下にすればよいか

昔から濃度の問題は、生徒にとっては難しい。 しかし、質問に来た生徒に、水の量と食塩の量を表を使って式にすると 16%の食塩水を$x$gとしたとき、 混ぜて作った食塩水に含まれる食塩の量は

$\displaystyle\frac{16}{100}\cdot x + \frac{8}{100}\cdot(500-x)$

となる。ここまでは想定内だが、 この値が $\displaystyle\frac{9}{100}\cdot500$ と $\displaystyle\frac{10}{100}\cdot500$ の間にあることがわからない。 これは、不等式になれていないためだろうか。

No6(2013.05.11) $2|x|+|x-2|<3$を計算するときの場合分けで、最後に和集合をとるのはなぜ?

場合分けの各段階で、「のとき」だから、同時に成り立つ、 共通範囲を求めることは容易に理解できたが、各段階で求めた解をまとめて、 和集合を考えることを理解することが難しい。 感覚的に、最後は「まとめると」と言ってならしているが、できのよい生徒はしっかり考えているようでよい。

この生徒には、解が $0 < x < 3$ のとき、全体を一度に調べることができないので、 $x\leq1$と$1 < x$の場合に分けたとしよう。このとき、出てくる解は、 $0 < x\leq1$ と $1 < x < 2$ となるが、これらから正しい答えを得るには、全部でどうなのかあわせた範囲を求める必要がある。 と説明した。

まだ集合を学習していないので回りくどくなっているが、生徒には通じたようだ。

No5(2013.05.11) $\displaystyle\sum_{k=1}^n(3k-2)2^{k-1}$を簡単に計算できないの?

3年生文系の使っている、「進研 センター試験」対策数学、数学TAUB 基礎徹底演習 の 129ページにある例題30の問題です。
等差数列 $\{3n-2\}$ と 等比数列$\{2^{n-1}\}$ の積が一般項となっているハイブリッドで、 通常は、和 $S-2S$ を計算することで、等比数列の和を使って求めることができます。
これが面倒なので、簡単な方法がないかと聞いてきたのです。

$\displaystyle\sum_{k=1}^n(3k-2)\cdot2^{k-1} = \{3(k+1)-8\}\cdot2^{(k+1)-1}-(3k-8)\cdot2^{k-1}$ を使うといいよと教えました。 これを使って、最終の和が簡単に出ることには感嘆の声を上げていましたが、 この式を導く計算を見て、「やっぱり普通の方法でいいです」と言って帰っていきました。

No4(2013.05.11) $\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\log(1+x)}{x}$を微分係数を用いて表せ
数研 新編 数学V の節末問題です。
微分係数と言われると、$\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}$ を使わなきゃと思うようです。

$f'(x)$を使うんだよと言ってもしっくりしないようでした。

$\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\log(1+x)}{x}=\lim_{h\to0}\frac{\log(1+h)}h=\lim_{h\to0}\frac{\log(1+h)-\log1}{h-0}=f'(0)$
ただし、$f(x)=log(1+x)$.

$\displaystyle f(x)=\frac1{1+x}$ だから、この極限の値は、$f'(0)=1$

極限の添え字、$x$と$h$が違うというのも、わからないと思う原因だったようです。

No3(2013.05.10) 不等式 $\displaystyle5x-3>a+8x$ の解が $x>2$ のとき、$a$ の値を求めよ。 また、解が $x=3$ を含むように定数$a$の値の範囲を求めよ。
数研出版 4プロセス 数学T+A page24 例題11 です。

不等式 $5x-3>x+a$ を解くことはできて、$\displaystyle x>\frac{a+3}{4}$ は出せる。
しかし、解が $x>2$ だということと、求めた式の関係がわからず、 $\displaystyle\frac{a+3}{4}=2$ であることに気づかない。 解答を見ても、この関係がわからない。
なぜ不等式から等式が出るのかわからないと言っていた生徒もいた。

次の問題にある、「解が $x=3$ を含むように」もわからないと言っていたので、 これは、方程式の解、不等式の解の意味がわかっていないということだろうと思う。

簡単には、$x$軸の範囲を表す図を2つ書いて、同じというのが、境界値が等しいということを見せるのがよいと思う。

生徒の中には、

No2(2013.05.10) $(a,b)$ と $(b,a)$ は直線$y=x$に関して対称であることを証明せよ。
No1(2013.05.10) $|x-2|=3$ は解が2つなのに、同じやり方で$|x-2|=3x$が解けないのはなぜ?
No0 図の方がわかると思っていた。