Let's Enjoy Corydoras ! >> 写真紹介 >> C. sp. "スーパービファスキアータス"

Let's Enjoy Corydoras !


Corydoras sp. ("スーパービファスキアータス")
(C. sp. aff. bifasciatus Nijssen, 1972)




産地 不明




Corydoras bifasciatus Nijssen, 1972 horotype (IRScNB 485, sl 45.6mm)
After
ALL CATFISH SPECIES INVENTORY

Corydoras bifasciatus Nijssen, 1972 horotype (IRScNB 485, sl 45.6mm)
After Nijssen, H. 1971: "Records of the Catfish Genus Corydoras from Brazil and French Guiana with Descriptions of Eight New Species (Pisces, Siluriformes, Callichthyidae)", Netherlands Journal of Zoology 21(4), p.421.



Corydoras bifasciatus Nijssen, 1972 paratype (ZMA 110.394)
After Fuller, I.A.M. and Evers, H-G. 2005: Identifying Corydoradinae Catfish, p. 80.

左と右上の写真はCorydoras bifasciatusのいわゆる本物と言えるholotype(正基準標本)。右下の写真は同じくCorydoras bifasciatusのparatype(従基準標本)の1タイプである。paratypeはゴッセ(Gosse)博士によって採集された63個体の標本が保管されているため、右下の写真はそれらのうちの1タイプに過ぎない。小林圭介著「コリドラス大図鑑」p.26に掲載されている標本個体の写真もparatypeのうちの1タイプである。Corydoras bifasciatusのタイプ産地は、ブラジルのタパジョス水系クルル川である。記載論文では、Corydoras bifasciatusの体側の2本のラインは、記載の際に基準となったholotype(正基準標本)よりも背中寄りに配置されるものや、下腹部寄りに配置されるものなど、個体によってバリエーションが認められることが明記されている。(参考:Nijssen, H. 1971: "Records of the Catfish Genus Corydoras from Brazil and French Guiana with Descriptions of Eight New Species (Pisces, Siluriformes, Callichthyidae)", Netherlands Journal of Zoology 21(4), p.421.
2011年3月に日本に初入荷し、「スーパービファスキアータス」という名称で販売された個体もまた、同様に2本のラインの配置にはバリエーションが認められた。下の写真は店内で許可を得て撮影したものであるが、左側の個体はholotypeと同じようなタイプでありジャンクションにラインがかからないが、右側の個体はparatypeと同じようにジャンクションラインにラインがかかるタイプである。さて、今回初入荷した「スーパービファスキアータス」は産地不明とのことであるが、体側のラインの位置や入り方だけでなく、全体的なフォルムや色彩、肩口から背ビレの黒斑の形状、ノーズの薄黒い色彩とその形状、尾ビレ、尻ビレ等に模様が入らないことなど、あらゆる点で記載されているCorydoras bifasciatusと合致していると言える。「ロングノーズ・オルナータス」として以前から流通されるコリドラスとも類似する点が多いが、自分が飼育する3尾の「ロングノーズ・オルナータス」と比べても、今回の「スーパービファスキアータス」の方が色彩が明るく、「ロングノーズ・オルナータス」ほど地肌の色がグレーにならない。今回の入荷は正確な産地が不明のため、ここではsp. aff. Corydoras bifasciatusとして紹介しておくが、私的にはCorydoras bifasciatusと同一種と呼んで問題ないと思われる。少なくとも、過去に幾度かW.B.Sabbyの便で入荷した全く別のコリにビファの名前が付けられて売られていたことを思えば、今回入荷のコリは「ついに想像していたものに限りなく近いコリが来た!」と、久しぶりに思えるものであったことは間違いない。
ただし、記載論文ではショートノーズがいたかどうかは不明である。同じ年の記載論文でNijssenはセミロングのコンディスキプルス(C. condisciplus)をショートノーズのオイヤポックエンシス(C. oiapoquensis)と同一種として記載しており、63個体のCorydoras bifasciatusのparataypeの中にショートノーズが含まれていた可能性があるかもしれない。そう考えると、今回同時入荷したショートノーズの「スーパーパラレルス」は、私的には「ショートノーズ・ビファスキアータス」と呼びたいところであるが、いずれにしても、個人の趣味の領域ですので、ご判断は皆様にお任せします。

(2011年3月21日, TA)


協力:ペスカドール PESCADOR



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