ソロックス病の経験談
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2003年12月に90cm本水槽にいたソロックスを病気にしてしまいました。以下は、その時の経験談です。
直前の様子
病気を発症したソロックス(♀)は、病気前にはオスのソロックス達に追いかけまわされることが多く、それが嫌になってなのか、流木や水草の陰に隠れたりすることが頻繁になっていました。真正ロングノーズ種のオス同士の小競り合いや、メスを追いかける行動は良く見られることなので、しばらく放置していたのですが、この♀が底砂を掘り返して、砂の中に潜るように隠れることもあり、明らかに普段なかったおかしな行動でしたので、ようやく異変に気付きました。エサ食いが極端に落ちて、見た目にはっきりと元気がなくなっていましたので、別の45cm規格水槽に急いで隔離しました。このソロックス(♀)は、本水槽に移した半年以上前からおそらく老齢のため両眼が白内障のような状態で(←正確には分かりません)、はっきりと眼が見えていないようでした。もともと非常に臆病な性格でしたが、状態を少し崩してしまった時に、オス達に追いかけ回されて、さらにストレスがたまったようにも思います。本水槽にいる他のコリドラスの状態は、どの個体も何ら問題がなかったので、どうしてソロックスだけが調子を崩したのか原因がつかめずにいました。
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症状
症状として、体表が普段と比べて白っぽく、膜がはったように見えます(写真左)。薬浴によって、色が抜けているという感じではありません。
特に痒がったりもしていません。肉眼ではほとんどはっきりとしませんが、非常に細かい白い粉のようなものが付着しているようにも見えます。しかし、いわゆる白点病とは違うようです。実は、同じ本水槽内にいたオスのソロックスの方も、同時期に体表が白っぽくなってしまい、メスとともに隔離して薬浴しました。
このような症状について自分でも調べてみたのですが、アクアマガジンのPeeP5号ロングノーズコリドラス特集のp.67下方右側で「ソロックスが半透明の薄膜で覆われて衰弱死し、同じ水槽内のソロックスに伝染する」というような記事を見ました。詳しいことは分からないものの、ソロックスだけに伝染したという点でも症状が我が家の場合と似ているように思いました。
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写真1:2003年12月23日の様子 体全身が白い膜で覆われたような状態
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経過1(隔離後2週間まで:写真1)
最初、白い粉状の付着物が何だか分からずに、トロピカルN規定量+粗塩を用いましたが、何ら効果を得られませんでした。ヒレの端々が徐々に痛んできましたので、水換え後、次にグリーンFゴールド顆粒規定量+粗塩で1週間程様子を見ました。メスは隔離したときには食欲が全くなく、呼吸が弱くなり、酸素を得るために水面に飛び上がることが頻繁で、危険な状態でしたが、毎日スポイトで口元に赤虫を一本ずつ与えて、孵化したての生ブラインを口に吹きかけるようにして栄養を与え続けたところ、呼吸が正常に戻り、水面に飛び上がることもなくなりました。もともと餌食いが悪くなかった若いオス個体は、約1週間でかなり状態が回復しましたので、すぐに本水槽に戻すことができました。
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写真2:2003年12月30日の様子 部分的に白い膜が残った状態
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経過2(隔離後4週間まで:写真2)
残ったメスの方は、隔離後2週間からパラザンD規定量+粗塩で薬浴を続けたところ、端々が少しバサバサに欠損していた背ビレがほぼ完全に再生しました。体表に見られた白っぽい膜はあまり目立たなくなりましたが、
写真2のようにまだ体側の一部がまばらに白く残っていました。幸いにも少し状態が落ち着いて来たので、隔離後3週間からは薬を何も入れないことにして、粘膜系の異常に効果があると言われる商品のアクアセイフを水槽に規定量よりやや多めに入れてみました。魚体への直接塗布も試してみましたが、あまり効果は得られなかったように思います。餌は依然として口元に与えたものだけを食べてくれる程度でした。
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写真3:2004年01月04日の様子 白い膜がほとんど消えた状態
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経過3(隔離後7週間まで:写真3)
隔離後4週間を過ぎてからは1週間に1度の水換えだけの通常管理に戻しました。給餌は、冷凍赤虫を食べやすいように細かく切り刻んだものと、孵化させた生ブラインを口元に吹きつけるように与える方法を続けました。隔離後5週間を過ぎた頃には、幸運にも体表に部分的に残っていた白い膜がほとんど見られなくなり
(写真3)、時折、底砂を掘りながら餌を自力で探すような行動をとるようにもなりました。苦しかった日々を思い出すと、ここまで回復してくれたことに感動しました。隔離後6週間を過ぎたところで、試験的にショートノーズのおとなしい性格のコリドラスを2匹導入したところ、SNコリ達が餌を探す行動につられるように、ソロックス自身もやや活動的になってくれたように思います。それから約2週間後に、再び混泳水槽に戻すことができ、病気発症から1年以上過ぎた現在も本水槽の中で元気に泳いでいます。
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ソロックス病について
この病気については、「コリドラス大好き」というサイトの「質問室」で、闘病中に質問と経過報告をしたところ(2003年12月〜1月頃)、病気が完治した後でしたが、経験豊富な方から詳しい助言をいただきました。
「オイヤポッキ産のソロックス系のコリドラスが陥りやすい「ソロックス病」というもので、初期症状は体表に白い膜がはり、やがて白い部分が広がって背鰭が膜に覆われて開かなくなり、餌を摂取する事ができなくなって死に至る。」ということです。原因としては、大量換水による水質急変、ろ過能力の低下、水温の極端な変化などが考えられるということでした。
思い返すと、病気を発見する前は水槽の水換え時期が不定期になっており、冬場になって電気代の節約のために水温を下げた時期も重なりました。ありきたりなことですが、こうした病気を出さないための日々の適切な管理が、最も重要だと改めて認識しました。たくさんの方が訪れている大型サイトでの質問でしたが、なかなか光が見えてこないまま一人で経過報告をしていたとき、最後に手を差し伸べて下さった方のことを、きっと私はいつまでも忘れないでしょう。
(2005年3月13日, かずみ)
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※外見的に同じように見えたとしても、全く別の病気に罹っている可能性もあります。ここに記された治療法が、必ずしも全てのケースにおいて適切であるとは限りません。薬品の使用や、そのタイミングなどは、ご自身の責任においてご判断下さいm(__)m |
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