日付 | 2011/12/17(土) |
天候 | 17日 快晴(北稜JP 9:30 -12℃/風速2m/s程) |
パーティー構成 | もりさん・やすえさん・おれ(CL) |
アプローチ | 16日 自宅[20:00]==道の駅こぶちさわ[22:20] |
ルートと所要時間 | 17日 道の駅こぶちさわ[4:30]起床[5:00]発==美濃戸[5:45]--《1:30》--[7:15]赤岳鉱泉[7:20]--《0:30》--[7:50]行者小屋[8:35]--《1:10》--[9:45]北稜潅木帯基部[10:00]--《1:35》--[12:00]北稜終了点--[12:15]阿弥陀山頂[12:40]--《1:00》--[13:40]行者小屋--[14:00]赤岳鉱泉--[15:30]美濃戸 |
ルート情報 | ・ 雪が少ない状態だと中岳沢から尾根に乗り上げ進むうちに夏道にトレースを追ってしまう可能性があります。 ・ 先行1PT/後続2PT。最近は土曜日でも取り付くPTが多くなったんでしょうね。 * 文中のピッチ数は今回実際に切った数。ピッチグレードは自己評価したものです。 |
報告&感想 | みずならのもりさんとやすえさんの冬季デビューのため阿弥陀北稜に入ってきました。今シーズンは11月末から早3回目の八ヶ岳になりましたが、まとまった雪も降ったようでようやく雪山らしくなっていました。俺もようやく雪山モードに切り替わったようです。 いつものように道の駅こぶちさわに前泊。今回は早めに到着したため入山者らしい人影が見当たりません。いつもの場所に幕を張って24:00前に就寝。まどろみの中で意識が遠のく心地よさに浸っていると、なぜか直ぐ隣に幕を張ろうとする準備の音で目が覚めてしまいました。公共の場なのでどこにテントを張っても文句はいいません。彼らもこちらが寝ているのが分かっているはずですから、準備が終えたらすぐに静かになるだろうと黙っていました。ところがテントの中に入った瞬間から何やらしゃべりはじめました。さすがに一蹴。きっとテントの中に入れば隔離された空間のように感じてしまったのでしょう。実際には外界との隔たりは0.1mm程度の薄いナイロン一枚です。俺も気をつけなければ。 定刻に起床して早々に撤収。カモ隊のテントを見つけたので一言挨拶を交わして美濃戸口から硬い圧雪路を美濃戸へ。今回も北沢経由で行者小屋に向います。途中で抜かされたパーティーに挨拶すると、またまた偶然にも蝸牛のYS島さんでした。俺らはトレーニング山行で阿弥陀北稜ですと伝えると、「えっ北西稜じゃないんですか?!」と。蝸牛PTは女性2名男性1名で裏同心〜小同心クラックを継続するとの事。すごいなぁ。俺は継続ってやった事ないかも(汗 堰堤広場からはペースを落として寒々とした赤岳鉱泉から行者小屋へ。ここで登攀具とアイゼンを装着して中岳沢から北稜JPへ。JPまでの支尾根にはトレースがなかったのですが雪が少ないので夏道から取り付いてきたのでしょうか、北稜上に乗り上げると1組の踏み跡が付いていました。憂慮した稜上での風も弱く赤岳や横岳の背景に青い空が広がり始め、快適な登攀が約束されたようです。 下部潅木帯は上部のランペを避けて終始潅木を縫って登高しました。スタカットをするつもりで2人の様子を窺っていたのですが、無難なく登高してくるのでそのまま第一岩峰基部へ。この日はフェース中央にハンガーがある最初の凹角(クラック)に取り付きました。今まで難しそうに見えたり後続がいたり先行が取り付いていたりして、なかなか取り付けないルートでしたが、さすがに6回も北稜に通って一度も触った事がないってのは自慢にもならないので、今回唯一のお楽しみって事で取り付かせてもらいました。お気軽に取り付いたけど、手袋のフリクションが信頼できず、またホールドを掻き出したり薄い雪が載った稜上への乗り上げも甘くて時間が掛かってしまいました。手足共に安定したホールドがあり、実質的なピッチグレードはトポ通りV級+だと思うので、単に俺がへたれなだけなのでしょう。そのまま第二岩峰基部まで伸ばすつもりでしたが手持ち4本のヌンチャクが切れてしまったので、2番目の凹角ルートが合流した岩面のハンガー2枚で短くピッチを切りました。今まで北稜でガチャ切れって経験した事がないので迂闊だったと言うべきでしょう。ここで切ると第一岩峰の先端上部でビレイすることになりましたが、足元は行者小屋まで開けてビレイしているとサイコーに気持ちよく、トップにとっては案外このビレイ点はお薦めかもしれませんね。2人は予想以上にサクサク登ってきてます。その後は2P目で第二岩峰基部、3P目で終了点まですんなり登って終了。阿弥陀山頂で南稜や赤岳主稜など周囲のルートを眺めながら暫しマッタリして下山に入りました。山頂からの夏道の下降も心配でしたが躊躇する様子もなく、無事に行者小屋まで。 少ない雪でしたが天候に恵まれ、無事に阿弥陀北稜のトレーニングが終わりました。お疲れ様でした。 |
美濃戸〜阿弥陀北稜〜美濃戸 [ 9時間45分 ] |
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日が当たらない寒々とした赤岳鉱泉 |
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中山乗越へ |
行者から阿弥陀方面 ガスが掛かっていますが、この様子だとすぐにも切れだしそうです。 |
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では行きましょうかね。 |
思ったより雪が少ない中岳沢 |
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トレースがない支尾根へ取り付きます。 20cm程の積雪でしたが全く締っていないので登り辛かったですね。 |
中間部あたりで夏道と交わるため、雪が少ない時期は間違って進んでしまうかも知れません。まぁ間違ってもJP下で交差するので元に戻れるのですが(笑 |
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ようやく日があたってきました。 |
JP下の雪面へ |
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ジャンクションピークから北稜稜線 |
下部潅木帯 当初はスタカットするつもりで2人の様子を見ていましたが、右寄りに潅木を縫ってルートを採ったので2人とも無難なく登高してきました。左寄りの左上〜右上ランペを追うPTが多いようですが、手掛かりになる潅木がなくなり左側も切れ落ちているので俺はもっぱらこのルートを選んでます。 |
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潅木帯を抜けて稜上へ |
第一岩峰 通い慣れた阿弥陀北稜もこれで7回目。今回はいままで取り付いた事がないルートにしようと密かに目論んでいます(笑 |
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(俺だけの)計画通り最初のクラックに取り付きました。 ホールドの氷を掻き出したり、今季初の手袋のフリクションに頼れなかったりと困った状態で時間が掛かってしまった。左寄りから右上してハンガーの右側から抜けたけど、稜に乗り上げる雪面の悪さもありそのまま直上した方が素直だったかもしれませんね。 |
1P目はフォロアーのために2番目の凹角ルートと合流する岩面にあるハンガーで切りました。が、俺の憂慮も必要ない程すんなり抜けてきました。 |
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2P目は右上バンドから第二岩峰基部まで |
どこかに残置があったはずだけど...。 結局、2P目から終了点までノーピンで進んでしまった。 |
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フォローするもりさんの後に第一岩峰を切らずに登ってきたカモ隊のとりいが追いついてきた。やばっ(汗 |
第二岩峰基部のもりさんとやすえさん |
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第二岩峰 |
雪が少なく、ちょっと寂しいナイフリッジ 右側がこんなに切れているって今回初めて知りました(汗 |
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お約束の一枚 もりさん 横岳ピークまで収めると例のガイド本になるのですが、終了点から撮るとこのアングルになってしまうのです。 |
同じくやすえさん |
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北稜終了点 |
阿弥陀山頂 すんません。俺です。 |
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阿弥陀南稜 1PTがP3ルンゼから上がってきていました。この時間なら1Dayなんでしょうね。 |
中岳と赤岳 |
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権現方面と富士山 今季、この稜線を縦走してもいいね。 |
赤岳北峰リッジ(主稜) 主稜はどこか判るかな? |
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うーん、天気いいですね〜 |
お疲れ様でしたー。 |
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[ 今回の天気図 ] 気象庁HPより平成23年12月17日12時の天気図をダウンロード・引用しています。 |