日付 | 2011/09/23(金)-25(日) |
天候 | 23日 晴れ夕刻小雪 24日 快晴 25日 晴れ夕刻雨 |
パーティー構成 | 3B・おれ |
アプローチ | 22日 国府津駅[22:00]==沢渡第二駐車場[25:30] |
ルートと所要時間 | 23日 沢渡第二駐車場[6:30]起床[7:20]発==[7:50]上高地BT[8:00]--《1:15》--[9:15]徳沢[9:25]--《0:45》--[10:10]横尾--《2:50》--[13:00]涸沢小屋[13:10]--《2:10》--[15:20]北穂南稜テント場(BC設営) 24日 BC[5:00]起床[6:20]発--《0:15》--[6:35]松涛岩--《1:05》--[7:40]尾根上小コル(アンザイレン)[7:55]--《0:40》--[8:35]第四尾根取付き--《3:00》--[11:35]ツルムの頭--《1:20》--[12:55]第四尾根終了点--《0:20》--[13:15]縦走路[13:35]--《0:45》--[14:20]BC 25日 BC[4:30]起床[5:30]発--《0:20》--[5:50]ドームの頭のコル--《1:00》--[6:50]中央稜取付き(アンザイレン)[7:10]--《2:40》--[9:50]中央稜終了点--《0:15》--[10:05]縦走路[10:10]--《0:20》--[10:30]BC[11:00]撤収--《1:10》--[12:10]涸沢小屋--《1:55》--[14:05]横尾--《2:45》--[16:50]上高地BT[17:00] |
ルート情報 | 【第四尾根】 ・ C沢左俣への下降口は北穂北峰と松涛岩のコル。コルから滝谷側へ踏み跡を辿り北山稜を跨ぐとC沢源頭部。 ・ 多少雪渓が残っているとの小屋情報だったが右俣出合まで完全になくなっていた。 ・ C沢は噂どおりのガレガレで慎重に下降したが2回落石を起こしてしまった。ガレ場はそれなりに緩傾斜で慎重に行動しながらの落石は岩雪崩のようにはならないが、不用意に落石を起こす人は入るべきではないと思う。 ・ クライムダウンが必要な2m〜4m程度の涸滝は6箇所。傾斜があり下部がえぐれている滝がほとんどなので手足のホールドを事前に確認してからのクライムダウンが必要。アプローチシューズだと体感W級程度の滝が大半。 ・ 赤茶けた岩の付近は幅が狭まったゴルジュ状なのでここで落石を受けると避ける場所がない。 ・ 懸垂支点があると聞いたが確認できたのは上部の1箇所のみ。 ・ 右俣出合からは尾根に上がる踏み跡が明瞭だが、ドーム中央稜への下降路などから落石があると大規模になるので迅速な行動が必要。 ・ 第四尾根の各カンテ部分は堅く安定しているがそれ以外は浮石が多い。慎重に確認したつもりでも2回ほどイヤな汗をかいた。最終ピッチのフォロアー3Bは抜け口でカチホールドが欠けてプチフォール。 ・ ツルムの肩からの懸垂支点は2箇所。7P目終了点から左が切れたガレ場を一段降りるか、ツルムの頭の側面上部。 【ドーム中央稜】 ・ 北穂北峰からドームの頭を越えた先の鎖場基部から縦走路を離れて薄い踏み跡を下降してゆく。 ・ 下降途中で中央稜4P目へのトラバース路に惑わされないように。稜を跨いでも懸垂支点はないので間違いに気付くと思う。 * 文中のピッチ数は今回実際に切った数。ピッチグレードは自己評価したものです。 |
報告&感想 | 【 22日 】 3Bを国府津駅[22:00]にピックアップしていつもの経路で沢渡に向う。途中、国道246号線の駿河小山付近が台風の影響で通行止めになっていたが、小山町から山中湖へ抜ける県道を使いストレスなく通行止めを回避できた。今までの経験上、往路の渋滞はあまり良い山行にならないのでこの回避は幸先上々だ。その後は車の台数が多いもののスムーズに沢渡第二駐車場に到着。道中、秋の三連休で満車の懸念もしてはみたが着いてみれば半分ほどしか埋まっていなかった。[25:30]足湯に近い場所に停車して車中泊の準備。暫くするとカモの屏風PTが到着したようで、短い挨拶をして就寝。 【 23日 】 今日は入山のみ。屏風カモPTは早々に出発したようだが俺らはゆっくりめに[6:30]起床[7:20]発でバスに乗り込む。バスの間隔は15分程度だが、この時間になるとバスも空いているのだろう。2/3程の定員で上高地BTに到着。早々に上高地BTから踏み出す。 やはり他の登山者より遅めの出発らしく梓川沿いの林道は多くの登山者が先を歩いている。先行する登山者群を追い抜き1時間強で徳沢に到着。徳沢では奥穂ピストンのカモPT(たかぎ)と出合って暫し歓談。更に1時間掛からずに横尾に到着しそのまま本谷橋まで。途中で見える屏風岩にカモPTを探すが見当がつかずに諦めた。本谷橋から登山道が狭くなり容易に追い抜けないが、そのうちに一組二組と先行者が足を止めて先を譲ってくれる。涸沢が見える頃には先行も疎らで混雑がなくなったが、今度は俺が疲れてきた。俺が遅れて涸沢小屋に到着した時、ジャンクフード好きの3Bは小屋で焼き餅を買って食っていた。この餅は200円だそうだが山で200円とは安いし美味いと満足げだった。下山時に俺も食ったが確かに美味いし安い。初日から食っておけば良かったとプチ後悔(笑) 小休止の後、北穂に向う。 餅パワーを貰った3Bは早い。ハシゴ場でみょーに疲れて、ひーこら云いながらようやく[15:20]北穂南稜のテン場に到着してBS設営。この頃にはガスが掛かりかなり寒い。小雪もぱらついてフライに小さい吹き溜まりができ始めた。テントの中で小雪の止むのを待って北穂小屋にテン場代を払いがてら水とビールを買いに出たが、北穂まで15分程度の距離がある。「遠いなぁ」とぶつくさ云いながら、感動ナシの北穂初登頂。テン場のロケーションは最高だからこの距離だけなんとかして欲しいと思うのは俺だけじゃないと思う。 テン場の受付時にC沢の雪渓の状態を問い合わせると、多少残っているらしいとの未確認情報。しかし、雪渓といってもシュルンドが開ききって脇を通過できる程度なのでアイゼンはいらいそうだ。雪渓の憂いは晴れたが、残すは寒さ。予報では明日の最低気温は-5℃。テントに戻りビールで乾杯しながら明日の行動を画策する。日出時刻が5:30過ぎなのでちょと遅めの陽が上がってから出発し岩の状態を見ながら判断するって事にして、夕飯後早々に就寝[19:30]。 上半身は薄手のダウンを着込んでいたが足先は薄手の靴下のみ。3シーズンのシャラフではつま先がめちゃ冷たくて、夜半過ぎ頃から1時間おきに目が覚めてしまった。明日はどうなる事やら。 そういえば、こちらはまどろみの中の20時頃だろうか、暗くなってぞろぞろ登ってきた複数のPTがいたらしく、「あそこがいい」だとか「ここはだめだ」とか、かなり騒がしかったぞ。 【 24日 】 テントから抜け出すと東の空が白み始める。今朝はマジ寒。フライの内側には霜が付いている。心地よい眩しい朝日の中、松涛岩に向う。昨晩は寒ければ計画変更もありとの擦り合せだったが、どう見ても今日は快晴。男女PTが登攀具を準備している松涛岩のコルから日の当たらない滝谷方面を覗いた3Bが唸っているが、聞こえないフリをしてトラバース路から北山稜を跨ぐとC沢左俣の源頭。C沢のガレは噂通りだ。草付もなく日差しの当たらない寒々とした岩壁と沢を覆うガレが、「岩の墓場」と云われる滝谷に踏み入った事を実感させる。 (長文になりそうなので、以降終了まで写真欄に) ガイド本に鋭角なカンテの写真と記事が多数掲載されて登攀意欲と期待感を募らせますが、実際のA・Bカンテは傾斜もなく短め、Cカンテも立ち気味ではあるけど手も足もあり不安なところがなく期待はずれの下半部。予想外だったのはツルムの肩に抜け出る手前の凹角部でした。 明日は上高地BTまで下山があるので早めに切り上げる必要があります。上高地BTの最終バスが18:00なので、11:00には撤収を終えて下山体勢に入りたいところ。四尾根で一緒だった前後のPTは明日はクラック尾根に取り付くとの話なので、B沢の下降や懸垂も含めてピッチ数の多いクラック尾根では時間がなくなる可能性も否定できないため、明日はドーム中央稜に切り替える事にした。 【 25日 】 日の出と共にBCを立ち、行動開始。北穂南峰を越え、ドームの頭を巻いた先の鎖場を降りた地点から縦走路と分かれてガレた草付ルンゼの踏み跡を辿る。出だしの踏み跡は明瞭だが次第に不明瞭に分かれてゆく。「下降」を基本にすれば迷う事はないと考えていたが、懸垂支点は右のリッジを跨いだ先にあるとの意識から、15分ほど下降した地点で右からトラバース気味に入ってくる踏み跡に入ってしまった。リッジを跨ぎ懸垂支点を探すが見当たらない。登攀中に確認すると、この踏み跡はドーム中央稜3P目終了点からのトラバース路らしい。逆に4-5P目のみ登攀するならこれを利用すればよいと思う。一旦引き戻り、更にクライムダウンを交えて下降してゆくと先が切れてこれ以上下降できなくなる。恐る恐るリッジを越えてみると懸垂地点。40m1Pの懸垂で降り立った場所から、右に登り調子の踏み跡がドーム中央稜の取付きに導いてくれる。 ドーム中央稜に先行PTはいない。後続PTも来ないようだ。風が冷たい。強風ではないが気温が低いため朝の寒さを倍増させる。登攀準備をして3BがTakeOff。凹角のクラックを辿るのかと思っていたが、カンテ状の左のフェースからチムニーを抜ける。オープニングピッチで緊張する以上に手がかじかんでいるようで、苦労しながら残置スリングを掴んで抜けていった。フォロアーの俺も寒さと岩の冷たさが手の感覚をなくしてホールドの感触が全く感じられない。A0するスリングを掴むのも一苦労といった体でかろうじて1P終了。 (こちらも長文になりそうなので、以降終了まで写真欄に) 明神館で降り出した雨も止む頃、[16:50]上高地BTに到着。ルート終了点でもしたけど、両日の登攀成功と山行が終わり安全圏への無事下山を感謝して再びガッチリ握手。予想してた以上に寒さは辛かったけど、実のある滝谷定着となりました。 クラック尾根も残っているし、来年も行くの?って問われるとプチ躊躇(汗)。 なぜって、一度経験したからこそ取り付までの下降路の危険性が身に沁みたから...。おつかれさま。 今回挨拶を交わしたパーティー:現場監督さん&juqcyo氏PT・蝸牛PT |
1日目 |
上高地〜北穂南稜テント場BC設営 [ 7時間20分 ] |
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今回はミレーシャモニー50+10 今日は登攀具・幕営装備と酒類を含めて19Kgほど。お気に入りのザックなのだが、60Lの容量の割には詰め込めないんだよなぁ(汗) |
明神館付近から見た明神岳5峰から右に続く各ピーク |
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山ガール・山ボーイ達で華やかな横尾 おばちゃん連を見ないなぁと思ったら、今時のカラフルないでたちをしてるから傍から見るだけだとみんな山ガールに見えてるだけだった(爆 |
横尾からの横尾谷(涸沢)方面 |
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屏風岩 同じ日程でカモPTが入山しているはずだけど、 今頃はまだT4への取付きあたりかな。 |
横尾本谷橋 日が陰ると寒いです。 |
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今日は北穂まで登るので涸沢小屋へ ここから小屋まで案外と長く感じた。 |
涸沢岳と奥穂 |
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北穂南稜 |
今は閑散としている涸沢小屋。 道中、多数の登山者を抜かしてきたからこれから混むんだろうな。 |
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涸沢の雪渓 |
トラバース地点から見た北穂東稜 |
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鎖場とハシゴ ここのハシゴはメチャ寝ていて四つん這い状態になるので疲れます。逆にない方がいいのに。 |
うー、疲れてきた。 |
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ハシゴまでは7m/分程で登っていたけど、ハシゴを過ぎてからは3m/分程になってしまった(汗 |
ありゃ、白いものがパラつき始めたぞ。 |
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ゴジラの背が同高度になってきた。 雪が付いてない東稜は見るからにボロボロ。こんなトコよく登るよなぁと他人事のように感心してしまった。 |
ようやくテン場到着。 |
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テント設営中にパラつきが増してきた小雪。 テン場代払いに行きたいのだが、風も出てきてけっこう寒いので暫しテント内で待機。 |
テン場代と水を買いに北穂小屋に向ったら、 その気もなしに北穂初登頂(爆 |
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北穂小屋。 この小屋は涸沢からでなく、槍からの縦走者が多いみたいですね。 |
小屋に張ってあるルートの案内図。 第一尾根もお勧めらしい事が書いてある。 |
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2日目 |
北穂南稜テント場BC〜滝谷第四尾根〜BC [ 8時間00分 ] |
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濃紺の空に浮かぶ月と金色に染まる雲海。 めっちゃ寒いけど感傷深くなる陽出前のひととき。 |
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朝日を浴びる穂高の峰 北穂 |
奥穂と前穂 |
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涸沢岳と奥穂 まったり見て居たいけど、のんきな時間がないのが残念。 次回はソロテンで縦走しよう。 |
先ずは松涛岩を目指します。 と言っても北穂の南峰と北峰の間にある大きな岩峰で、テン場から10分程度の距離です。 |
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北穂北峰とのコルから滝谷側に入ります。 コルに居るのは登攀具を準備している蝸牛PT。 |
コルを越えると北山稜を跨ぐ踏み跡が明瞭です。 しょっぱなから寒々&ガレガレの予感(笑 一歩踏み入ったら、寒かったら退散との昨日の算段もなかった事にして下降開始。 |
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踏み出した先から振り返る松涛岩の裏側。 |
北山稜を跨ぐとC沢の源頭部。 その先の上部に陽があたっている岩壁のスカイラインがドーム中央稜。 |
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噂どおりのガレガレの中を下降してゆきます。 |
右に左に歩きやすい場所を選びながら行けば、ガレ場は難しくないです。しかしそうは云っても慎重な行動と踏み出しは不可欠。前後にPTが居なくても不用意に落石を起こす人は入ってはいけない場所だと思います。 |
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涸滝のクライムダウン |
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赤茶けた岩のゴルジュ状地帯。 ここで落石を受けると避ける場所がありません。迅速な行動が必要です。とか偉そうな事を云ってる自分ですが、少し下の涸滝をクライムダウンした直後に上部から「ラクっ!」コール。ガラガラって音じゃなく「ゴンっゴンっ」って響きで緊張が走りましたが、運良く滝のハング下にもぐり込めたので事なきを得ました。山の神に感謝する一瞬。 |
この涸滝は5mほどの高さがあります。右岸のスラブ状からCSを手掛かりにクライムダウンしました。染み出しが氷っていてちょい緊張。ツララもあったし(涙 |
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30分ほどガレ場と戯れて嫌気が差してくる頃、ようやく四尾根の小コルと尾根上の踏み跡が確認できるようになります。沈底気味のモチベーションも一気に跳ね上がる事間違いなし(笑 |
C沢右俣との出合(二俣)地点からコルに向っての踏み跡は明瞭。 |
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出合から下部の滝谷。 見える範囲には雪渓なし。 |
右俣源頭。 右俣の左上部はドームへの下降路となっており、Cカンテを登攀中に数名のPTがこの辺りまで到達する大きな落石を起こしていた。 ここにいる時にやられたらどうなっていた事やら。「ラクのコールくらいできねえのか!?」と怒りの3B。 |
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下降してきたC沢左俣。 |
1P目 U級 45m 小コルから一段上がって、踏み跡辿りハイ松帯中間部で肩がらみ。 取り付まで歩きがあるって事でアプローチシューズのままスタカット。 |
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2P目 T級 45m ハイ松帯から草付の踏み跡を辿り、ハイ松でセルフを取って肩がらみ。 |
3P目 U級 45m U級程度の傾斜のない稜上を、スノーコルを経て残置がある第四尾根取り付きまで。 写真が小さいので判りづらいですが、中央左の赤ポチが3B、黒線は四尾根の稜線、黄線は経路、赤丸はビレイ点。 |
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4P目 30m V級+ 階段状〜凹角を抜けたテラスまで。 大まかなフェースと云われるだけあってルートがよく判らない。左上のカンテを目指したがピンも見当たらずカブリ気味で難しそうなので、先行PTの後を追うように階段状を右上しました。 |
第四尾根取付き付近から振り返った小コルからの3ピッチ登路 |
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右上しながらの途中、複数のピンがある3mほどの凹角を左に抜けていきますが、ここまで安易な歩きだったためにどうやって登ろうかとチョイ悩んでしまいました(汗 |
凹角を抜けた先のテラス状で残置にカムを追加してビレイしたが、ここはもう少し先まで延ばすのが順当だったようで、この後のビレイ点が中途半端になってしまった。 このテラスまでアンザイレンせずに上がってきた後続の蝸牛PT男女2人組。女性はJ-Wallで挨拶を交わしたYさんだった。 |
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5P目 V級 40m 易しいフェースからAカンテ中間部の浅いコル部の岩角でビレイ。 |
稜線に乗上げると、AカンテからBカンテとその奥にツルム正面壁のロケーションが広がります。 黄線は登路(Aカンテから続く四尾根の稜線と同じ)、赤丸は浅いコルのビレイ点。 |
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6P目 V級 45m Aカンテから浅いコルを経てBカンテ中間部のクラック状の岩角まで。(気持ちハンギングビレイ) |
Aカンテの俺 |
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カンテ状の稜線の先のBカンテ 中間部で残りを聞いたら10mとの事でBカンテを抜けられると2〜3歩進んだらいきなり残り5mって。おいおいっ、俺の歩幅って2mもあるのか?(笑) なんとか足が踏みかえられる幅のクラック状になっているカンテ中間部でスリングを回してピッチを切りました。 |
7P目 40mU級 Bカンテの残りから傾斜のない稜上を進み、Cカンテ手前の小峰まで。 |
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8P目 40m V級 浅いコルからCカンテを抜けて残置があるテラスまで。 |
傾斜はあるが周囲を見れば第一関節まで掛かるホールドが多数あり、あっという間に抜けられます。カンテ左面のフェースはC沢右俣まで落ちる一枚スラブで、意味不明に感動しちゃいました。 |
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Cカンテ途中から振り返る。 |
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カンテからC沢右俣へスッキリ切れています。 |
9P目 40m V級 テラスから脆く浮石が多い凹角を登り、残置があるピナクル基部まで。 |
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蝸牛PTがCカンテ基部で待機中。 |
下部は陽があたってきて暖かそう。四尾根の登攀は陽があたるのを拒み、日陰を追って寒々と登っていく印象が強いですね。 |
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10P 40m W級 簡単な凹角を一段上がり、右側のチムニー状を抜けてツルムの肩まで。 先ずはピナクル基部から凹角を一段上がります。 |
一段上がった場所からツルムの肩に抜け出るはずですがイマイチ判然としません。フェースを攀じり、こんもりしたピナクル基部で左に回るか右に回るか迷ったのですが、右のチムニー状凹角に進みました。ドーム中央稜と混在してあまり正確に攀じりの内容を覚えていませんが、肩に抜け出る手前の2手ほどが意外に考えさせられるムーズだった記憶があります。トポだとV+との記載がありますが、この部分だけはW〜W+程度が妥当じゃないでしょうか。 |
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凹角チムニー状から抜け出る3B。 ツルムの肩の出るとようやく暖かな日差しが。 うーん、幸せ。 |
ここまでくると縦走路がマジかになってきて、カラフルな登山者の姿も目に留まるようになります。ここから見る縦走路は「みんな、スゴイところを歩いてるなぁ」って印象を受けました(笑 |
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← (Photographing by juqcyo氏) |
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11P U級 10m ツルムの肩から短く下部の懸垂支点まで。 この立ち位置から左にガレを3m程下降すると下部の懸垂支点があります。 |
ツルムの肩、下方の懸垂支点で準備中の俺ら。 ツルムの頭が綺麗ですね。 |
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ツルムのコルでビレイ中の現場監督さん。 下部からだとコルまで50m1本で届きます。 |
蝸牛PT以降の後続2PTは稜上で終了せず、下方の懸垂支点まで伸ばしてました。稜を跨ぐからロープの流れが悪くなると考えたのは俺だけだったみたいです。 |
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12P 35m W級 カッチりしたホールドのフェースから狭いチムニーを越えてテラスまで。 |
12P上部のチムニーに差し掛かる。 チムニーには入り込めないので、外側からCSと乗越えます。 |
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ツルムの肩から見た12P目 取付いているのは先行するjuqcyo氏 |
最終13P目の登路 |
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チムニー部から見下ろしたフェース。 赤丸はコルに待機する蝸牛PT。 |
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しっかりした残置あり。 ヤラセの匂いのする3Bの笑顔(爆 |
13P 45m W級 A0 テラスからカンテを一段上がり、岩稜の先のカンテから右上するクラック沿いに抜けて稜上(トポでは終了点)まで |
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カンテを一段上がると狭いテラス。 |
その先の核心部。 |
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▲形のハング下までフェースを直上し、右上するクラックを伝って一歩右に寄り、上部に乗越してゆきます。このクラックは上部まで続いていて弱点となりますが、腕がすっぽり入る幅の上部のクラックは向きが微妙で、右に身体を振らないと上手く効きません。しかし右に振るための足の置き場がなくボルダーチックなムーブが要求されるのを意識しながらも、ふと左のハーケンに目が留まり、ムーブの解決も面倒なのですんなりA0かまして抜けました(汗 |
核心を乗越した3B。 上部左手のカチが欠けてプチフォールした。俺が躊躇せずにA0したのは欠ける事を身体が予感したからだろうな。(たぶん言い訳 |
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(Photographing by 現場監督さん) |
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終了点でビレイ中の俺と核心部を乗越す3B。 座り込んでいるのは、岩角を支点にしているため。 |
終了点とツルムの位置関係はこんな感じです。 |
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14P 70m V級- ルンゼ状を縦走路まで伸ばして終了 |
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翌日のドームへの下降路から見た四尾根。 撮影した角度にもよりますが、ここから見た四尾根(特にAカンテとBカンテ)は傾斜が寝ているなぁって印象でした。 |
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大キレットと槍 |
南稜テン場全景 |
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夕刻のひととき |
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2日目のおまけ → |
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(Photographing by 現場監督さん) |
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最終13Pの核心部を抜け切る。 |
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3日目 |
北穂南稜テント場BC〜ドーム中央稜〜BC撤収〜上高地 [ 11時間30分 ] |
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今日は下山もあるので、日出時刻の[5:30]発 |
日の出前、寒々とした北穂〜槍の稜線 |
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ドームの頭を過ぎた鎖場を下降した地点から縦走路を分けてガレたルンゼに薄い踏み跡を辿ります。 |
3箇所程度クライムダウンあり。 |
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懸垂地点の全景 |
トラバース気味に踏み跡を辿り中央稜取付きへ |
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ドーム中央稜の取付きテラス。 昨日よりましな気温だが、風があるため体感温度は低い。 |
1P目 40m W級+ クラックではなく左フェースのカンテ状から上部ハングを2歩ほど右トラバースしてチムニーを抜けたテラスまで。 |
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2P目 40m W級 出だしの凹角から小テラスを経て、上部のカンテを抜けてテラスまで。 カンテ左から一段上がり、カンテ右の残置を3本ほど追った中間部から再びカンテ左へ。フレークからスローパー2手ほどのフェースを直上する。 |
出だしの凹角を抜けた小テラスから見た上部カンテ。 カンテ右の上部にも多くの残置があるが、どう見てもほぼ垂直でホールドといった言葉がないに等しい。おいおいっこんなトコ、イケんのか?とカンテ左を見れば容易そうなフレークに気付き、ちょっとバランシーにカンテを跨ぎフレークに乗り上げる。その先はカチッとしたホールドはないが、意外に効くスローパーが2手あるのでスメアを交えて直上すればテラス。 カモPTがカンテ右の上部を辿ったらしいが、A0しまくったとか(笑 |
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ビレイ点から見たフォローする3B。 |
3P目 45m U級+ 岩稜帯を辿り、残置のあるドーム基部まで。 |
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上部4-5Pの登路(mouseoverでどうぞ) |
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4P目 40m W級+ ビレイ点正面の凹角から右の凹角にトラバースして、スラブ上部のチムニーにあるCSを越えてテラスまで。 |
凹角から右の凹角にトラバースした地点。 |
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今日も槍が綺麗だね。 |
チムニーの抜け口。 |
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5P目 40m W級+ 凹角を直上し、ハング下を右に廻りこんでドームの頭。 中央稜の核心ピッチらしい風格があるが、登ってみれば意外と簡単でした。ハング部を廻りこむ時にちょいとバランスが要りますが、よく確認すれば右側にカチっとした手があり気持ちよく抜けられます。 |
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ハングを廻りこむ俺。 |
抜け出ればドームの頭。 |
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快適なピッチの連続で、1P目の悲壮さはもうないね(笑 |
6P目 30m U級 岩稜部をドームのコルまで。 |
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7P目 25m U級 コルから急なルンゼをクライムダウンして縦走路に出合って終了。 |
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北穂南峰付近から振り返ったドーム。 終了点からの下降ルンゼがくっきり見て取れます。 |
涸沢小屋から見たテントも疎らな涸沢テン場。 昨日までの華やかさはなく、ちょっと寂しいですね。 |
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3日目のおまけ → | ||
雨が降り出した明神館。 ここまで来れば気持ちもラクになります。 |
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1P目、かじかんで思うように動かない手で上部チムニーを抜ける。 写真でも分かるようにかじかんだ指に力が入っていません。必死になってA0しまくりました(滝汗 |
5P目、核心部を右に抜け出て、オッケー! |