整形外科で行う治療内容

リハビリテーション

リハビリテーションとは衰えた機能を回復して元の生活に戻るための治療を意味しています。肩や膝の痛みのため関節が硬くなった時に、関節の動きをよくする運動をしたり、筋力低下に対して筋肉を付けるための運動をします。痛みがあるときは物理療法を行います。これは筋肉や関節を暖めたり、電気や超音波を体に当てることにより血流を改善して組織の損傷の回復を促したり神経の過敏性を静めたりする働きがあります。

 

装具療法

骨折、捻挫の治療でギプスを使って固定する治療の代わりに、またはギプスを外した後に自分で取り外しのできる固定器具を使って治療することがあります。これを装具といいます。

怪我以外でも痛みや足裏のタコを伴う外反母趾、膝の高度のO脚変形などには足底板や治療靴の作成を行うこともできます。このような装具は専門の技師装具士によって扱われ、健康保険が利きますので市販のものよりも、より効果の高いものが比較的少ない出費で使うことができることがあります。

 

手術

皮膚のできものを取ったり、怪我をしたところを縫ったりします。手足の神経、筋肉、腱などを扱うことに慣れているのは整形外科医です。手を包丁で切ったという怪我で簡単に皮膚だけ縫ったところ、後々になって腱や神経が切れていることに後から気付くなどということがないようにするには専門的な知識や経験が必要です。(特別な場合にはとりあえず皮膚だけ縫って、別の日に改めて中の手術をする、というやり方もあります。)

*骨折で折れ曲がった骨を正しい形に近づけて(整復)、ギプスで固定する手技も手術に分類されます。

 

ブロック注射、関節内注射など

神経ブロックは麻酔科のペインクリニックで多用される技術ですが、痛みを多く扱う整形外科医もブロック注射は得意です。関節に入れる注射は整形外科の専門です。膝や肩の関節にヒアルロン酸の注射を行い軟骨が磨り減って痛い状態の治療をしたりします。

膝に水が溜まった時に注射で水を抜くとくせになる、と俗に言われますが、水が溜まるのは関節に炎症があるからです。炎症があるために水が溜まって痛くなるのです。水を抜いても炎症が治まらなければまた水が溜まります。水を抜いたから溜まるのではなくて、水を抜いても溜まるのです。溜まった水は炎症が引けば自然に吸収されてなくなりますが、溜まった水自体に炎症を長引かせる物質が入っているので水を抜いて炎症を抑える薬を注射するのが効果的な治療法です。