2021年4月25日 メッセージ要旨
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                                                             丸山豊牧師メッセージ
                     あわれみ深いイエス

                                          へブル人への手紙 2章10~18節 
                                                                                                                                   
     
 イエスは、自ら試みを受けて苦しまれたからこそ、試みられている者たちを助けることができるのです。
                                  へブル人への手紙 2章18節 
 
 血と肉を持つ人間には、さまざまな苦しみがありますが、全人類の罪のために苦しみを負う救い主の預言をしたイザヤは、誰も信じないのを見て、弟子に預言のことばを封印し、保管させました。彼の預言はイエス・キリストによって成就され、彼の預言も全巻の写本がクムランの洞窟から発見されたことにより、その真実もあかされました。

 主は、人と同じ苦しみと、人をとりなす大祭司の試みを受け、さらに神のことばを語っても民に聞かれない預言者の苦しみと、義人の苦しみ(詩篇22)を受けて、人に捨てられ、神にも見放されて、墓に葬られました。しかしその死は、死の力を持つ悪魔を滅ぼし、死の恐怖から人々を解放するためで、神の御子自らが、血と肉の体をとり、その死をもってなだめの供え物となり、ついには甦られました。

 主はその公生涯の中で、深いあわれみによって大勢の病人を癒し(マタイの福音書14章14節)、目の見えない二人を癒し(20章30~34節)、ツァラアトに冒された人を癒し(マルコの福音書1章40~42節)、五つのパンと二匹の魚で五千人を養い(6章34~44節)、やもめのひとり息子を甦らせ(ルカの福音書7章11~15節)、喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣く、その愛によって救いの道を切り開いて下さいました。それ程に私たちは神にとって愛されるにふさわしい価値ある存在なのです。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって多くのいのちが失われ、国内でも医療従事者や、高齢者からワクチン接種が行われるようになりましたが、そもそもワクチンの語源は、ラテン語のヴァクチナエ (雌牛)で、エドワード・ジェンナーが牛痘の病原体を使用人の息子に接種して、少年の体に抗体を生じさせて予防法を確立した事に由来しており、彼は近代免疫学の父と呼ばれております。

 しかし、彼のことばを信じて天然痘の病原体を最初に受けたのはジェームス・フィリップス少年であって、彼の執り成しにより、その免疫効果が世界中にあかされ、1980年5月には、WHOから天然痘の世界根絶の宣言が出されました。

 イエス・キリストの福音が全世界の人々に宣べ伝えられた今、一人ひとりが、人の罪を贖う主の血を信じ、無代価で提供されている神の赦しと救いを受け入れて、いかなる苦難にも動じない主にある平安を得るよう、主は、「わたしたちに帰れ。わたしがあなたを贖ったからだ」(イザヤ書44章22節)と招いておられることを思います。(丸山豊牧師)