2021年1月24日 メッセージ要旨
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                                                              丸山 豊 牧師
                     主にあって喜びなさい

                                              ピリピ人への手紙 4章4~9節
                                                                                                                                   
     
     いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。

                                      ピリピ人への手紙 4章4節
 
 今コロナ禍にあって多くの人が失望落胆し、医療現場では身を挺して感染者への対応に追われる中、キリスト者は何をすればよいのだろうか。

 このピリピの手紙は、パウロの獄中書簡の一つであるが、彼は獄中にあっても、喜びと感謝に溢れており、「喜びの書簡」とも呼ばれている。

 そもそもピリピの教会は、パウロとシラスが投獄され、真夜中に神に祈りつつ賛美していた時に、大地震が起って看守が求道し、リディアとその家族に次いで、看守とその家族が受洗して誕生した教会で、機会を十分生かすよう(エペソ人への手紙5章16~17節)語るパウロは、釈放の際も長官たちを呼び寄せて、自分たちが無罪で釈放される事を認めさせたため、半ばローマ当局公認の形で堂々と伝道できたことにより、急成長した教会である。

 またカイザリアで2年投獄され、ローマ政府に直訴したために、ローマでさらに丸二年投獄されるが、その獄中での生活は、パウロに祈りと熟考の時を与え、獄中を、福音を広めるためのもう一つの機会として生かすために、各教会と絶えざる文通を続けた事により、五つの貴重な獄中書簡が与えられた。さらにローマでの投獄は、キリスト教を直接ローマ政府の注意の許に置き、ローマの行政機関にその合法性を認めさせることとなって、キリスト教はユダヤ教の旗のもとから脱出し、独立の活動として自らの地位を築き、イエス・キリストの福音はさらなる前進を遂げて、ローマから全世界へと発信されることとなる。

 パウロの伝道は多くの困難を極めたが(コリント人への手紙第二11章23~28節)、彼のあらゆる境遇に対処する秘訣は、いつも主を喜ぶことにあり(ピリピ人への手紙1章20~25節)、「世を去ってキリストと共にいる事を願いつつも、福音の前進と喜びのためには生きながらえる事が必須であるから、神は必ずこの事態を打開して下さるはず」と神を信じ、数々の絶体絶命のピンチを乗越えて来た。

 誰でも順風満帆な時なら喜べるが、「いつも」となると、罪贖われて義と認められ、天に国籍を持つキリスト者にしかできない事で、今この時、私たちが主にあって喜ぶ事を、主は望んでおられる。家に居るしかないのであればこそ、聖書全巻を読み通すとか、伝記等を読んで先達の信仰に学ぶとか、手紙やスマホを用いて、主を知って貰う絶好の機会である。キリスト者はいつも主にあって喜び、この機会を十分に用いて、主の栄光をあらわして頂こうではないか。(丸山豊牧師)